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2011年3月30日水曜日

私の世代にとってのカズ

カズ、ダンス!感動弾決めた!日本に希望(サンケイスポーツ)

 私はもちろん見る事ができませんでしたが、昨日行われた東北大震災被災者へのサッカーの慈善試合でカズこと三浦知良選手の活躍が大きな話題となっています。実に44歳にして未だ現役、そして日本代表相手の大舞台で堂々のゴールを決めるなどさすがはキングカズと、ニュースを読んでいて私も思わずうなりました。

 私はどちらかというと野球の方が好きで普段はあまりサッカーを見たりしないのですが、ちょうどJリーグ開幕時に小学生だった私くらいの世代ならカズダンスの物まねしたことがないという男はまずいないでしょう。開幕当時のJリーグはそれはもう勢いが今とは全然違っており、平日でも試合が中継されたりするなど世間の注目度が非常に高かった時代でありました。またスター選手というかいろんな意味で印象に残る選手やパフォーマンスも多く、その中でも際立っていたのはやはりアルシンドの頭とカズダンスでした。

 名前は忘れましたが昔にあるスポーツジャーナリストが三浦選手についてこのように書いていた事がありました。なんでもあるインタビューでサッカーをしている子供たちに向けて三浦選手がメッセージを求められた際、「サッカーはいい、サッカーをすればお金が儲かるぞ」と話したことがあり、そのジャーナリストの方は三浦氏はサッカーを金儲けの道具としか考えてないのかと当初は憤慨したそうです。
 しかしその後の三浦選手の発言や行動、また直接会ってみて、その方の三浦選手への考え方が徐々に変わって行ったそうです。当時の日本のサッカー界はまだ発展途上で、後進を増やすには直接的にでも魅力を訴えかけるしか当時はなく、そのために三浦選手はあのような内容の発言、ひいては過剰とも見えるパフォーマンスをしていたのではないかと書いていました。

 実際に今の三浦選手を見ているとお金に執着する素振りはなく、本当にサッカーをやるためだけに中山雅史選手同様に未だにプロとして現役を維持し続けているのだと思えます。
 恐らく彼がいなければ、日本サッカー界は少なからず今とは違った姿であったと思います。あの中田英寿氏ですら、「カズさんについていけばなんでもうまくいった」と言う位で(こういうと中田氏がなんか変な人みたいな感じするけど)、文字通り日本サッカーにおいて三浦選手はキングの名にふさわしく、未だ活躍し続けているその姿には私も尊敬する気持ちがやみません。

 あと予断ですが、私の中学時代はオリンピック日本代表が活躍した年でもあり、前園元選手が非常に人気でした。無精ひげを生やしてると「園ってる」というくらいだったし。この人は活躍期間が短かったのが残念です(´・ω・)

2011年3月29日火曜日

原発事故の東芝への影響

 今まで敢えて口にはしませんでしたが、今回の震災による福島県の原発事故が起きてからずーっとあることが気にかかっていました。

「東芝はこれからどうなるんだろう(;゚д゚)ゴクリ…」

吹き飛んだ将来の飯のタネ 東芝・日立は戦略見直しへ(ダイヤモンド・オンライン)

 私が言いたいことは大体上記リンク先の記事にまとめてあるので特に付け加えることはないのですが、簡単に概要を説明すると東芝は先代の西田社長が、「今こそ日の丸半導体復活だ( ゚Д゚)ドルァ!!」と、半導体市場のシェア拡大を狙って大規模な投資を行ったのですが、時をほぼ同じくして世界中で半導体がだぶついて国際価格が急落し、皮肉なことに大規模投資が仇となって東芝は半導体事業で赤字を計上する羽目となってしまいました。この責任を取ってなのかどうかは知りませんがその後西田氏は社長を退き、変わって新しく社長となった佐々木現社長は半導体事業を整理して原発建設事業に注力していく方針を採ったのですが、そうやって方針転換を行っている最中に今回の福島原発の事故が起きたわけです。

 もちろん東芝が悪いわけじゃありませんが今回の福島原発の事故を受け国内はもとより世界中で原発忌避の動きが急速に広がっており、今後世界中の原発発注数は震災以前と比べて大きく減少することはほぼ間違いないでしょう。ドイツでも地方選挙で原発反対を掲げる緑の党が躍進したとも聞きますし、永久になくなるわけじゃないですが向こう三年くらいは各地で建設計画が凍結されたりなど大幅な影響を受けることとなるでしょう。引用した記事でも今後の見通しは厳しいという論調で書かれており、見出しにいたっては「吹き飛んだ将来の飯のタネ」とまで言い切ってます。もうすこし優しい言葉でもかけてやれよという気もするのですが。

 正直に言って、西田前社長といい佐々木社長には深く同情します。どちらも経営者としての決断が悪かったというより偶発的要因に振り回されたもので、経営者としての資質に問題があったとは私は考えておりません。ただ東芝はHD-DVDでも負けてるし、なんかこのところ出す策すべてが裏目に出ているように見えてきました。もっともまだ経営全体が日立とかよりマシなだけ救われますが。

 福島原発の事故が起こった当初からこのようなことを考えていましたが、所詮は素人の浅知恵で誰も話題にしないから杞憂に過ぎなかったかとも思ってましたが、今日になってようやく引用元の記事が出たので安心しました。こういうことならもっと早くに記事を書いとけばよかったのに。

2011年3月28日月曜日

日本での土曜日の過ごし方

 昨日は友人と夜にスカイプで話す予定だったので急ぎでブログを書き終えて大して見直しもせずにアップしましたが、改めて昨日の「日本人の自己裁量権」の記事を読み返すとびっくりするくらい文章の質が悪くて、先ほどちょっと軽い自己嫌悪に陥りました。「~でしょう」が何度も繰り返されてるし……。こんなにも悪くなったのは急ぎで書いたというのが最も大きいでしょうが、それ以外にも実はこのところゆえあってこれまでと全く系統の違う文章をいろいろ書いており、なるべくブログではこれまでの文体を維持していこうとは考えていたものの無意識に影響を受けてたのか、なんていうか締まりの悪い状態が続いております。
 なもんだから今日はちょっと勘を取り戻すような、幾分軽めの書きやすい記事でもと思って前に少し準備していた日本での私の土曜日の過ごし方でも紹介しようかと思います。

 中国に来てからの私は土曜日ともなると元々寝るのが大好きなため、それこそ平気で十時間以上眠っては少し運動がてらに散歩する程度のだらけた過ごし方をしてますが、日本にいた頃は毎週ではないものの大体二週間に一回のペースで地元の友人と朝八時半くらいに駅前に集合してはよく一緒にファミレスに朝食を食べに行っていました。いい年した男二人でファミレスに行くのもなんですが近頃のファミレスはドリンクバーを筆頭に喫茶店化の一途を辿っており、モーニングのメニューがお手ごろな値段で非常に充実していてデフレ下で働いている店員さんには申し訳ないと思いつつもよく利用しておりました。ただそうやって友人と会う目的は何もファミレスのメニューを制覇するとかそういったものじゃなく、定期的に会ってお互いの状況を伝え合うとともに時事系の話題を取り上げては二人であれこれ議論するというのが主目的でした。

 ちょっと偉ぶった言い方になってしまいますが、深い内容を議論し合うためにはその本人が相応の知識や思考力を持っているのは当然ですが、話す相手にも同程度の知識が必要となります。それこそたとえば日本史の知識がどれだけあるといっても、相手が全く日本史を知らないようでは議論のしようがありません。
 何も私とその友人の知識や思考力が豊富だと言うつもりはありませんが、時事や経済に対してお互いのレベルがまだ近いということもあって私にとってその友人は議論するにはうってつけの相手でありました。その友人と議論した内容は以前の陽月秘話で何度も記事にしているほど実りあるもので、家が近いもんだから結構な頻度で呼び出しては正午頃まで引っ張って、面倒をかけてたと思います。

 ただその友人も満更ではなかったというか、ある日に私に対して、「こういうことを会社で話す相手っている?」と聞いてきたことがありました。その時友人と話していたのは確か福田政権のガソリン税に絡む政策とかだったと思いますが、もちろん会社でこんなことを話す人間はいないので私が首を振ると、「みんながみんなとは言わないが、全く誰もこういう話ができないという(友人の会社の)環境が辛いんだ」と洩らした事がありました。
 私としてもこういった政治や経済絡みの話題は根っから好きなだけに話せる相手がいるに越したことはないものの、社内ならともかくプライベートではその友人を始めとしてスカイプ等で話す人間がいるためそれほど苦には感じていなかったのですが、当時の友人はなんか結構真剣に悩んでおりました。

 もっとも私も、時々こうしてこのブログで書いているような内容について思考を巡らしたり知識を身につけることについて社会じゃ誰も評価しないのだろうと空しさを覚えることがあります。それこそ暇人が空想に耽っているだけでは、こうしてブログに費やす時間をもっと別の何かに使ったらどうかというように考えることもあります。
 しかしその友人を始めとしてごく少数ではありますが、私と同じように小難しい話題を話すのが好きな人間もいれば私の持っている知識を誉めてくれる人間はありがたいことに存在しています。たとえ少数でもそういうような人間がいるのだから、自分はこのままでいいのだしむしろそういう人たちのために奮起せねばとこうしてブログも続けてきておれます。

 この頃土曜日を迎える度に、日本だったらああいう話題とか話せるしこういうことを聞いたらどんな風に帰ってくるだろうかと、その友人と議論した日々をよく思い出します。上海だと日本のものはポン酢から柿の種まで何でも買うことができますが、人材だけはどうやっても買うことができません。しょうがないので今フリーな、これまた妙なことにはやけに詳しい別の友人をこっちの大学に留学させることで呼び寄せようかと画策中です。大学時代だったら適当な人間を一から鍛えることもできましたが、こっちじゃそれもなかなかできないしなぁ。

2011年3月27日日曜日

日本人の自己裁量権

 今回の震災後に聞いたニュースですが、なんでも救援物資を積んだ自衛隊のヘリコプターが被災地に到着したものの着陸の安全確認が取れないために空中で待機していたところ、同じく救援物資を積んだ米軍のヘリがやってくるやさっさと着陸したそうです。もちろん無事に着陸し、空中で待機する自衛隊機を横目に救援物資の配布もすぐに始めたそうです。
 このニュースのコメント欄を見ていると、こういう緊急時におけるアメリカ人は頼りになる、合理的だ、U・S・A(゚∀゚)!などと賞賛する内容が多かったのですが、その中で私の目を引いたのは、「アメリカと日本では自己裁量権が全然違う」というコメントでした。

 以前に読んだどこかの評論で紹介されていたことですが、米軍内の規定というのは「やってはいけないこと」が書かれているのに対し、日本の自衛隊は「やっていいこと」しか書かれていないそうです。たとえば発砲についてもアバウトに書けば米軍では民間人や降伏した兵士に撃ってはならないと書かれているのに対し、自衛隊は相手がこちらを攻撃する意思があるかどうかを確認する、上官の命令や承認を受けている、中央に確認を取ったなどと、規定通りの細かい過程を経た上でなければ発砲できないらしいです。

 このような規定の違いについて私は米軍のような規定を「べからず法」、自衛隊のような規定を「べき法」と呼んで分けていますが、言うまでもなく「べき法」の方が規定の強さや厳しさが強く、制限も大きいです。そのため上記のヘリ着陸時の判断においても米軍ではパイロットなどが着陸可能と判断するやすぐに着陸出切るのに対し、自衛隊は恐らく関係各所に確認をする必要があって遅れてしまったのでしょう。
 旧軍の暴走の上に二次大戦を起こしてしまったという反省を経た上で発足した自衛隊の歴史を考えれば、このような「べき法」に準拠した組織になるというのはごく自然な成り行きだったでしょう。しかしこのような細かい規定についてイラク派遣時に現場からは自衛隊員自身が危険だとして、一部省略化や改正の必要があるという声がありました。私はこのような自衛隊員の声はもっともで、今回の災害といいこれまでの自衛隊の歴史を考えると、そろそろもう少し自己裁量権というか活動における行動の自由の幅を広げてもいいのではないかと思います。阪神大震災時の救援活動でも自衛隊は様々な制限を受け満足に活動できていないとも聞いていますし、災害救援活動に絞ってでももっと広い活動権限を持たせるべきでしょう。

 ここで少し話を広げますが、そもそもの話として日本は多くの組織においても「べき法」が中心となっております。元々の法体系がそうだったというべきか日本人の気質だったのかまではここでは議論しませんが、欧米と比べてどの組織においても自己裁量権が非常に少ないのが日本の特徴だと私は考えています。
 「べき法」のいいところはどんな人間だろうと組織だろうとみんなで一緒の歩調をとり合うため、日本経済で言えばJIS規格を始めとした共通の規格を作って従うことで日本ブランド一丸となって世界市場で大きな成功を収めることができました。その一方で個人に対して組織が強くなるところがあって際立った個人的才能が表に出辛く、また全体で責任を忌避する傾向が出てくるため、面倒くさいことや手間がかかる案件については今や日本人お得意の「先送り」が連発されるようになります。ちなみに私も日本人であるゆえか、さっさとすればいいのに今住んでる部屋の契約延長を先送りっぱなしなので来週にはまとめようかと考えてます。

 よく日本人は海外と比較して決断力や行動力に乏しいといわれることが多いですが、構造からして個人が決断をする場所が少ないのですからそれもそのはずです。しかも近年はオフィスのIT化が進んでいるので、伝票の入力から書類の書き方までなんでも決められたやり方通りに行う必要が以前より確実に強くなっております。
 そういう意味で自分が非常に腹立たしく感じているのは確か四年くらい前の新入社員に対してどっかの人材会社が、「今年の新入社員はマニュアル型で、何に関しても先輩にやり方を教わるよりもマニュアルを求める傾向がある」と言われましたが、聞いてる私の方からすると「当たり前だコラ!」と言いたくなるような言われ方でした。行動の仕方が細かいところまで何から何まで決まっているのだからマニュアルを求めようとするのはごく自然ですし、その上ちょっと行動にオリジナリティをつけようものなら激しくケチつけられるのでは正直やってられません。

 元々人の言うことをあまり聞かない性格のせいか私自身もいろいろこの点で苦労をしましたが、ある時に「お前の判断で行動しろ」と言われて手配を進めたら、結果はオーライなのにやり方が違うと激しく怒られたことがありました。まだ若かったせいもありますがこういう時は、「(上司が)やろうとするやり方を推量してその通り実行しろ」と言っているのだとようやく20歳になって気がつきました。

 私は何も「べき法」がなんでもかんでもよくないというつもりはありませんし日本人の気質にはあった価値観だとは思いますが、時と場合によってはこれがマイナスに働くこともあるだけに何でもかんでも「べき法」一色にするのではなく、必要なところは「べからず法」にして自己裁量権を強く持たせる場所も必要ではないかと思います。多分日本人には、「この範囲で自由にやっていいよ」と、制限をおいた指示が一番動きやすいと思うので、自衛隊を嚆矢としてこれからこの考えが広まってくれれば私としてはありがたいです。

 ちなみに私が自己裁量権を持たせてもらって一番楽しかったのは、ある統計資料を「見やすいように作って」と言われた時です。その時はExcelでやけに力の入った統計資料を作って、そこまでたいしたものではありませんでしたが。自動でデータ別分析ができるようにまで作って誉めてもらったのはいい思い出です。

2011年3月26日土曜日

上海のランドマークタワー



 昨晩は12時半に床につき、今朝は10時半に起きました。その上3時から5時までまた昼寝をして、睡眠好きが遺憾なく発揮された一日でした。

 そんな睡眠ライフのことはほっといて、トップに貼った写真をご覧ください。真ん中のあたりに高層部の真ん中がすっぽりと切り抜かれたような奇妙なビルが見えるかと思いますが、これこそが上海市のランドマークタワーである「上海環球金融中心」というビルです。高さは上海一の492m、商用としてだけではなく上層にはパークハイアット上海というホテルも入っており、世界一高層にあるホテルと謳われております。
 このビルの特徴はその高さもさることながら斬新な設計にあり、高層部の穴だけでなくいろいろな角度から見ることで見え方が変わるという点です。トップの写真だとわかり辛いですがこのビルは全体では三角錐のような形をしており、横から見ると下の写真のようになります。



 私の目からしてもなかなか面白い形をしているように見え、実際に中に入ったことはありませんが上海人らがみんなシンボル視するだけあって立派なビルだと思えます。

 さてそんな「上海環球金融中心」ですが、実はこのビルを建てたのは六本木ヒルズで有名な日本の森ビルです。うちの親父が、「あそこは別格」というだけある森ビルなだけに実にスマートな仕事ぶりというか、ここまで現地人に受け入れられるビルを作ったというのはさすがといったところです。

2011年3月25日金曜日

原発について

 もう新規投稿ページを開いて30分くらい経ちますが、何から書いていいのか未だによくわかりません。今朝家を出た際にはなにか社会学ネタでもと考えていましたが、昨日起こった被爆のニュースの続報を聞くにつけいろいろな思いがこみ上げてきました。
 以前の陽月秘話時代に私は東海村で起きたJCO臨界事故を取り上げましたが、私はそれでも原発容認派の立場を崩さずに来ました。しかし今回の一連の福島の事故といい、今回のずさん極まりない対応といい、やはり核は人が扱うべき技術ではなかったと完全に改めるに至りました。日本のエネルギー政策とかそういうレベルの話ではなく、本当に最低限の対応すらできない技術を何故扱うのか、やはり日本は手を出すべきではなかったのかもしれません。

 ちょっと前まで原発建設の受注を韓国に取られたとかあれこれ騒いでいましたが、今となっては空しい騒ぎでした。

2011年3月24日木曜日

Opera、中国製パソコン、日本語入力と中国語入力

 以前からも何度も書いておりますが、私はブラウザにはOperaというソフトを使用しております。このソフトの何がいいのかって言えば比較的表示速度が高いということと、マウスを右や左に動かすだけでページを閉じたり開いたりできるマウスジェスチャーという機能があるゆえです。さらには今じゃ一般化したタブブラウザもOperaが元々始めたもので、導入当初から使っている身としてはやはり贔屓にしたくなるものです。
 しかし、なんていうかこのOperaはバージョンが9.XXの頃は何も文句がなかったのですが10.XXになってからは何かと不安定になって使い勝手がどんどん悪くなってきており、今は11.02ですがどうしてこういうところを直してくれないんだろうかと思うくらい欠点ばかり目に付きます。特に我慢ならないのは、こういうブログの入力画面で表示が遅れることです。

 現在この記事はIEで書いているのですが、Operaで書くと最初はともかく記入欄に文字数が増えてくると何故か打ってく文字の表示がどんどん遅くなり、仕舞いにはカーソルの移動すらもままならなくなってきます。そのためできることならリンクとか挿入しながら書いていきたいのですが、あまりにも遅いもんだから去年なんかはWordで文章を打ってからペーストして投稿するというスタイルで一時期やっていました。
 ただこれはOpera単体の問題というよりはパソコンやブログ、OSとの相性とかももしかしたらあるのかもしれません。というのも日本から持ってきたXPのパソコンではこのような問題はなく、通常通りに記事の入力ができていました。ただこうしてIEで入力する分には全く問題がないことと、ネットで検索すると同じような問題に頭を抱えている人がいることを考えるとやっぱりOperaが悪いような気がしたりします。

 仮に前使っていたパソコンをそのまま使用できていたらこのような問題に悩むことはなかったのですが、散々このブログでも愚痴っているように先月に突然そのパソコンは故障してしまって、現在ではこちらで調達した中国仕様のパソコンを使っております。中国製のパソコンと言ってもある意味水平分業が最も進んでいる商品であるパソコンのため中の部品から規格までほとんど日本仕様と変わりはないのですが、ある一点において大きな違いがあります。もったいぶらずに話すとその違いとは「全角/半角キー」と「カタカナ/ひらがなキー」がないということです。そのほか細かい記号(@の位置など)のキーの位置が異なっておりますが、中国仕様パソコンは日本語入力をするにあたって「全角/半角キー」がないというのは非常に手間です。
 当初はそれこそ右下にある言語バーをマウスでいちいちクリックして全角と半角を切り替えておりましたが、どうにかキーボード上で切り替えることができないかと検索をかけたところ、なんと「Altキー」と「全角/半角キー」の位置にあるキー(中国使用のパソコンなら「~/、キー」)を同時に押すことで切り替えられることを知ってからはだいぶ解消されました。細かいことですが、細かい性格しているだけに非常に気になる問題でしたので。

 あとキーボードについてもうひとつ話をすると、中国で仕事をしているという関係でメールも日本語で書くこともあれば中国語で書くこともあって、非常に切り替える回数が多くて時たま混乱したりします。当初はWindowsに入っているピンイン入力システムを利用していましたがはっきり言ってこれほど使い辛い入力システムはほかにないといいたいくらいに使い勝手が悪く、なんか方々で好評なのでGoogleの作ったピンイン入力システムこと「谷歌拼音輸入」を導入してみたところ、これがまた文字変換や候補が的確で使いやすく、もはやこれ以外で中国語は入力する気にならないくらいに愛用しております。今度Googleの日本語入力システムも試してみようかな。

2011年3月22日火曜日

小沢一郎の延命

 今回の東日本大震災で政治的に一番得をしたのは、ほかでもなく管首相でしょう。以前の記事にも書きましたが地震が発生したその日には先日に辞任した前原前外相同様に外国籍者から献金を受けていたことが発覚しており、かねてから低迷していた支持率とともに事実上止めを刺された上体でありました。しかし地震発生を受けその対応を行わなければならなかったことから、現在その対応振りについて批判が相次いではいますが対人論については地震前よりは確実に低くなっているように見えます。
 ちなみに私は今回の管首相の対応は、さすがに細かいところまではチェックすることはできませんが日本で報道されているほど極端に悪いものではなかったように思えます。管首相への主な批判は福島の原発に対する対応に集中しているように見えますが、この問題も私はやはり東京電力にほとんどあるように思え、政府はそれに足を引っ張られたのではとやや同情的に見ています。ただ唯一私から管首相にケチをつけさせてもらうと、地震発生から日が経ちもうそろそろ具体的な復興策をパッケージで出してきてもいい頃のように思えます。まだ増税か国債かで揉めているようですが、今の時期に増税は難しいのでばしっと「復興公債」を出して、幅広く資金を集めて運用法を出すべきでしょう。

 そんな管首相と同様にさりげなく今回の地震でその政治生命を延命できた人物がもう一人おり、ほかならぬ今回の記事の題となっている小沢一郎です。もうそろそろ敬称はいいかなと思うので名指しで強く批判させてもらいますが、去年に検察審査会に強制起訴されたから散々ごねて、国会招致はまずいが政倫審なら出るといっておきながら年が明けるやぬけぬけと政倫審出席すらも拒否して、小沢派の議員を見るたびに何でこんなやつについていく奴らがいるんだろうと思うくらい呆れた行動と発言を重ねていました。そんな小沢ですが、今回の地震が起きるや自分の地元である岩手県も大きな被害を被ったにも関わらず、地震後は途端に姿を消してほぼ一週間程度全く行方がわからなかったようです。
 与党の議員なのだから普通の感覚なら直接被災地に赴くなり、地元の人脈を生かして政府内で活動するなりするのが政治家だと思うのですが、あいにくそういった感覚はこの人は持ち合わせていなかったようです。それであまりにも行方がわからないものだから2月に海部元首相が言っていたようにそろそろ生前葬を開かなければと思っていたら、突然鳩山前首相を引き連れて管首相の対応は問題が多いなどと文句を言いつけてきました。実際に管首相の対応が悪いかどうかはおいといて、雲隠れしていた人間が言うセリフじゃないと他人事ながらこれは頭にきました。鳩山前首相に至っては民主党内が小沢氏の招致で揺れていた際には、「仲間割れは良くない」と言っていたことを考えると、この人は別な意味ですごいとつくづく思います。

 このほか今回の地震を受けて、政治家以前に人間として如何なものかと思わせる発言を行った人物はたくさんいます。筆頭は石原慎太郎都知事で、前にも書きましたが今回の地震を日本人に対する天罰だなどと、「どの舌が抜かしやがるジジイっ!」というような感想を聞いて即座に持ちました。また大阪府議会の長田義明も、「今回の地震は大阪にとって天の恵み」だという、本当に石でも投げつけてやりたくなるような神経を疑う発言を行っています。まぁ世の中にはいろんな勘違いをする人間は少なからずいるものですが。

 最後に福島原発の放射能漏れの影響でいくつかの地域で農産物の出荷が国によって停止されましたが、この件については良いか悪いかは非常に判断が難しいです。あくまで報道を聞く限りの私の判断では、検出された放射能値は農作物を食べたとしても大きな影響が出ない値だと思いますが、だからと言って仮に十年後にでも何かで問題化したら政府の大きな責任となってしまいます。そういう風に考えると政府が万全を期して出荷停止にしたのも理解できないわけじゃないですが、ただでさえ震災の影響で苦しい中で被災地の農家の方々にさらに負担を強いるような政策となることを考えると、これが本当に正しい決断なのかと深く悩ませられます。

 皮肉な運命というべきか、管首相は厚生相時代にも大腸菌O-157の集団食中毒が発生した際にもカイワレ農家へ風評被害を与えています。結局この時の食中毒の感染源は断定されておらず国はその後民事裁判の判決を受けてカイワレ農家らへ補償を行っているのですが、今思うとこの件でも管首相は厚生省の不作為に振りまわれた感があります。
 当時管首相はカイワレ農家への風評被害を抑えるために記者会見でカイワレを食べるパフォーマンスを行いましたが、今日ある掲示板にて、「雨水が問題ないかどうか、管ががぶ飲みして試してみればいいじゃないか」という書き込みを見て、なかなかユーモアのある人がいるものだと感心しました。管首相はやらなくともいいですから、東電の幹部らにはぜひやってもらいたいものです。

欧米各国のリビア空爆について

 別に忙しいというわけじゃないですが、またちょっと更新が空いてしまいました。土曜に書いた漫画家百人一作の記事でだいぶ燃焼したのだろうか。

 日本では未だに地震関連の報道が続いているものかと思われますが、地震前より騒動の伝えられていたリビアの情勢が先週、またひとつ大きく動き出しました。数十年に渡り独裁を続けていたカダフィ大佐が蜂起した軍や都市に対し軍隊を差し向けたことを受け、国連は武力行使による制裁決議を行い、米英仏を中心とする軍隊が空爆を開始しました。先に私の意見を述べると、あくまで一素人、市民としての観点から言わせてもらえば今回の空爆に関してはやむをえないのではないかと考えています。

 今回の欧米各国のリビアへの空爆を敢えてたとえるなら、明治維新時に英仏が幕府か薩長のどちらかに加担し、もう片方へ戦艦などから砲撃を加えるような感じだと思います。これは紛れもない内政干渉で、仮に明治維新時にこのような直接的な介入をされていたら一体何様だと私はいい気分をしなかったと思います。もっとも、割と露骨な間接的干渉は当時にありましたが。
 内政干渉が良いか悪いかについてはまだ議論の余地があると思いますが、基本的に外国の力を直接的に得て成立する政権というのは今のイラクやアフガニスタン同様にすぐ不安定化することが多く、歴史的に見るならばその国に対してあまり良い影響を与えないように思えます。そのため現実に北朝鮮のような横暴な政権が支配する国が眼前として存在しているも、それをその国民を助けるためという理由で軍隊を出して直接的に倒してしまっては打倒後にまた別の混乱を生みかねず、今の韓国や日本のNGOが行っている脱北者支援や情報配信などといった間接的な方法で打倒することの方が正しいと私は考えています。

 では何故今回のリビア空爆を私が支持するのかですが、カダフィ大佐のこれまでの独裁政治の内容はもとより、笑っちゃうくらい単純ですが彼が今回の武装蜂起に対して外国人私兵を差し向けたという一点に尽きます。報道によるとカダフィ大佐は軍隊内でも反乱が相次いだことを受けて、高額な報酬をエサに外国人から傭兵を募集したと聞きます。また一説によれば出稼ぎに来ていた外国人をほぼ強制的に徴兵し、自国民の殺害を命令したとまで言われております。
 仮にカダフィ大佐が自国民の軍隊のみを使用して反乱鎮圧を行っていればあくまでリビア国内の内戦であって、リビアの一般国民には深く同情するも私は今回の空爆を内政干渉だとして反対していたでしょう。しかしカダフィ大佐は前述のようになりふり構わず外国人に自国民の殺害を命じるなど、やくざ映画の仁義無き戦いじゃありませんがもはやその行動には一編の正当性が感じられません。一人の人間に雇わられた外国人がその国の人間を殺すことによってその人間の地位が保証されるなど、不条理にもほどがあります。

 ことここに至っては国連の決議同様にカダフィ大佐は人道上の罪を犯していると判断し、外国の軍隊の力を使ってでも排除することがその地域の安定、ならびに国民の安全上正しいのではないかと思います。もっともこういっておきながら、恐らく今回も派遣されるであろうフランス外人部隊のことを考えるとなにやら自分でも矛盾しているような感じがします。
 なにやら武力制裁を加える側も主導権やら費用負担で国同士でもめているらしいですが、この影響で原油価格がまた高騰をし続けているだけに、もともとカダフィ政権をここまで延命させてきたのは石油の取引を優先した欧州先進国なので、イラクに対するアメリカ同様に自らの不始末にケリをつけるのであればもう少しスマートにやってもらいたいものだと願ってます。

2011年3月19日土曜日

日本漫画家、百人一作

 先日、日本の大物漫画家を相撲の番付みたいにランキング分けしてみたら面白いかもと企画してみました。それで早速下準備とばかりにいくつかをピックアップして誰が西の横綱に入ってどこまで十両だろうかなどといくらか思案してみたのですが、いざ実行してみようと思うと功績順に分けるのが非常に難しく、また数が多すぎてとてもやってられないということに気がつきました。
 じゃあこの企画はあきらめるべきなのか、でも着眼点としてはそんなに悪くないかもと思いながらいろいろと下策を練ってみたところ、「そうだ、百人一首なら当たり障りない(゚∀゚)」とひらめき、題して百人一作として有名な漫画家百人をピックアップしてみようと思いつきました。

 そういうわけで早速Wikipediaの「日本の漫画家一覧」ページに載ってある漫画家から、これだと思う人とその代表作をイナバ物置のように百人選んでみました。前もって言っておきますが選択基準はその漫画家の代表作、その他の作品、後進への影響、連載当時の状況などを鑑み、あくまで私の偏見で選んでいるものなので何らかの基準から公平に選んでいるわけではありません。あくまで参考程度に、またもしよければこのデータを下地に漫画家百傑の議論を深めていただければ幸いです。

  <日本漫画家百人一作>
001 青木雄二: ナニワ金融道
002 青山剛昌: 名探偵コナン
003 赤塚不二夫: 天才バカボン
004 秋本治: こちら葛飾区亀有公園前派出所
005 あさりよしとお: 宇宙家族カールビンソン
006 あずまきよひこ: あずまんが大王
007 あだち充: タッチ
008 荒川弘: 鋼の錬金術師
009 荒木飛呂彦: ジョジョの奇妙な冒険
010 安野モヨコ: 働きマン
011 池上遼一(雁屋哲): 男組
012 池田理代子: ベルサイユのばら
013 池野恋: ときめきトゥナイト
014 石川賢: ゲッターロボ
015 石ノ森章太郎: サイボーグ009
016 板垣恵介: グラップラー刃牙
017 稲田浩司(三条陸): DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
018 井上雄彦: SLAM DUNK
019 岩明均: 寄生獣
020 植田まさし: コボちゃん
021 臼井儀人: クレヨンしんちゃん
022 うすた京介: セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん
023 楳図かずお: 漂流教室
024 浦沢直樹: MONSTER
025 大友克洋: AKIRA
026 岡野剛(真倉翔): 地獄先生ぬ~べ~
027 奥浩哉: GANTZ
028 尾田栄一郎: ONE PIECE
029 小畑健(大場つぐみ): DEATH NOTE
030 神尾葉子: 花より男子
031 桂正和: ZETMAN
032 かわぐちかいじ: ジパング
033 川崎のぼる(梶原一騎): 巨人の星
034 CLAMP: カードキャプターさくら
035 車田正美: 聖闘士星矢
036 小山ゆう: あずみ
037 さいとう・たかを: ゴルゴ13
038 柴門ふみ: あすなろ白書
039 さくらももこ: ちびまる子ちゃん
040 さとうふみや(天樹征丸): 金田一少年の事件簿
041 里中満智子: 天上の虹
042 しげの秀一: 頭文字D
043 白土三平: カムイ伝
044 士郎正宗: 攻殻機動隊
045 新條まゆ: 快感♥フレーズ
046 高橋和希: 遊☆戯☆王
047 高橋しん: いいひと。
048 高橋ツトム: スカイハイ
049 高橋陽一: キャプテン翼
050 高橋留美子: うる星やつら
051 武内直子: 美少女戦士セーラームーン
052 竹宮惠子: 地球へ…
053 谷口ジロー(関川夏央): 「坊っちゃん」の時代
054 田村由美: BASARA
055 ちばあきお: キャプテン
056 ちばてつや(梶原一騎): あしたのジョー
057 つげ義春: チーコ
058 つのだじろう: 恐怖新聞
059 手塚治虫: ブラック・ジャック
060 寺沢武一: コブラ
061 冨樫義博: レベルE
062 徳弘正也: 狂四郎2030
063 鳥山明: ドラゴンボール
064 永井豪: デビルマン
065 中沢啓治: はだしのゲン
066 西森博之: 天使な小生意気
067 二ノ宮知子: のだめカンタービレ
068 花咲アキラ(雁屋哲): 美味しんぼ
069 原哲夫(武論尊): 北斗の拳
070 ハロルド作石: BECK
071 弘兼憲史: 課長島耕作
072 福本伸行: アカギ ~闇に降り立った天才~
073 藤子不二雄A: 魔太郎がくる!!
074 藤子・F・不二雄: ドラえもん
075 藤島康介: 逮捕しちゃうぞ
076 藤田和日郎: うしおととら
077 古谷実: 行け!稲中卓球部
078 北条司: シティーハンター
079 松本大洋: ピンポン
080 松本零士: 銀河鉄道999
081 漫☆画太郎: 地獄甲子園
082 三浦建太郎: ベルセルク
083 美内すずえ: ガラスの仮面
084 水木しげる: ゲゲゲの鬼太郎
085 水島新司: ドカベン
086 皆川亮二: ARMS
087 宮下あきら: 魁!!男塾
088 村上もとか: JIN-仁-
089 本宮ひろ志: サラリーマン金太郎
090 森田まさのり: ROOKIES
091 モンキー・パンチ: ルパン三世
092 矢口高雄: 釣りキチ三平
093 山上たつひこ: がきデカ
094 山口貴由: シグルイ
095 山田貴敏: Dr.コトー診療所
096 ゆでたまご: キン肉マン
097 横山光輝: 三国志
098 吉崎観音: ケロロ軍曹
099 吉田戦車: 伝染るんです。
100 和月伸宏: るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
※敬称は省略。括弧内は原作者名。

 私は80年代生まれのジャンプ派なので、やはりこの系統に属する漫画が多くなっております。中には読んだこともなくあらすじしか知らない漫画も含まれていますが、とりあえず有名どころを集めるとしたら私の中ではこんなものです。

 いくつか代表作について解説を行うと、「006 あずまきよひこ」は現在連載中の「よつばと」はイギリスで賞をもらうくらいに非常に優れた作品で当初はこちらを選ぼうかと思っていましたが、最終的に選んだ「あずまんが大王」は現在の日本の4コマ漫画のすべてのベースといってもいいくらいの作品で、この作品なくして昨年ヒットした「けいおん!」は生まれなかったであろうことを考えてこちらにしました。
 「059 手塚治虫」は作品数が膨大であるためにこちらも何にするかで悩んだのですが、「鉄腕アトム」は漫画よりアニメ作品として評価すべきだと考え、「火の鳥」は対象年齢が比較的高いことを考慮して「ブラック・ジャック」にしました。

 「061 冨樫義弘」は普通なら「幽遊白書」か一応今も連載している……はずの「HUNTER×HUNTER」でしょうが、友人が非常に「レベルE」が好きなのと短いながらも完成度が高い点を考慮しました。
 「047 高橋しん」はこちらも普通なら「最終兵器彼女」が挙がってくるでしょうが、あいにく私はこの作品を全部読みましたが何が面白いのかさっぱりわからず、むしろ今回選んだ「いいひと。」は話の展開といい人物描写といい、すばらしい作品だと評価しています。

 最初にピックアップした第一候補は129名で、そこから徐々に減らして百名にまとめました。当初は「新世紀エヴァンゲリオン」の貞元義行氏や「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の安彦良和氏も入ってましたが、この両名はイラストレーターとしての活躍が多いことからはずし、このほか割と最近の漫画家も多く候補に入れていましたが、後年も作品が読み継がれるかという観点から減らしていきました。

 まとめ終えた後の感想を少し述べると、まず気になったのは高橋姓の漫画家が五人もランクインしたことです。高橋という苗字は漫画家に向いているのだろうか。
 あと評価が非常に難しいと思ったのは実はギャグ漫画で、ギャグというものは流行り廃りが激しくて当時は面白がられても後年はそっぽも向かれなくなるものも少なくなく、ひとまず代表作発表後にギャグのスタンダード変更に一役買ったものを選んでいきました。ガモウひろし氏じゃないけど、ギャグ漫画家が何気に一番苦労するという話を聞くだけに評価の難しさを通してなんとなく理解できたような気がします。

 最後に今回のリストとはあまり関係はないもののほかで独立して話しづらいので書いてしまいますが、「029 小畑健(大場つぐみ):DEATH NOTE」のコンビは現在「バクマン」という、漫画家を目指す二人の少年のストーリー漫画を描いてて好評を得ています。この漫画は私の友人(「ヒカルの碁」大好き)が大人買いするだけあって日本にいた頃は私も面白く読ませてもらっていましたが、一読した後に持った感想として主人公の真城最高と高木秋人、そしてそのライバルの新妻エイジというのは同じジャンプ作家の荒木飛呂彦氏とゆでたまご氏がモデルなのではないかと思いました。ライバル視する構図は逆ですしかなり大昔の話ですが、作中の新妻エイジの奇行振りがどことなく荒木飛呂彦氏と被るような……。

2011年3月18日金曜日

信長の評価の再逆転

 歴史というのは過去の事実なので価値は不変で変わらないと考えられる方が多いのですが、実際にはその時代の流行ごとに評価や捉え方が変わるため、教えられる内容や一般に持たれる認識は刻々と変化していきます。以前にもこのような書き出しで現代では戦国時代の革命者として恐らく一番人気な織田信長が、戦前では天下人の豊臣秀吉の元主で、尊王の武将だったとだけで小さく扱われていたということを紹介しましたが、どうもここ数年でまた再逆転というか信長の評価が大きく変化しているように思います。具体的にどこがどう変化したのかというと、冷酷と名高い信長の性格についてです。

 現代日本人なら誰もが聞いたことのある、「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」の一句に代表されるように、信長の性格はこれまで残忍とまでは行かなくとも冷酷なものだったという風に考えられてきました。一体どうしてこのように言われるようになったのかというと生前の信長のとった行動が原因とされ、比叡山延暦寺焼き討ちや長島一向一揆での虐殺、裏切り者に対する苛烈な制裁など数え上げたら枚挙に暇がありません。またこのほかにも使えない、用済みの部下に対する追放を含めた厳しい人事も挙げられ、明智光秀に裏切られたのもこのような性格ゆえの結果だと言われてきました。

 しかし近年に入り、このような信長の行動や発言は当時としてはおかしなものではなく、当時の常識からすれば一般的なものだったという評価が急速に広まっております。一つ一つ解説していくとまず信長の冷酷さが最も現れたと言われる延暦寺焼き討ち事件についてはかつては延暦寺全体を焼き討ちした上で女子供を問わず片っ端から虐殺したと言われてきておりましたが、近年の研究によるとこのときに焼き討ちされたのは延暦寺の一角に過ぎず、また焼き討ち前にはあらかじめ予告がした上で退避勧告がされていたようです。その上当時は一向宗を初めとして宗教勢力が非常に幅を利かせており、平家の時代からそうですが延暦寺も僧兵の横暴がひどかったらしく、信長の焼き討ち時には「それ見たことか」と当時の京都の人たちは言っていたという話すらあります。
 上記のような内容が本当に正しいのかどうかという確証はありませんが、私の観点から言っても延暦寺は昔からブイブイ言わせてきておりますし、当時も本願寺に対して焼き討ちをかましているほどで内心こうだったんじゃないかなぁという気がします。長島一向一揆についてもこの戦いで信長は実弟を亡くすほどの苦戦を強いられており、徹底的に殲滅する必要があると覚えるのも無理ではなく、実際に徳川家康を始めとした他地域の戦国大名も一向宗への殲滅戦を実行しております。

 このほかにも浅井長政、久政、朝倉義景の髑髏を金箔で塗って盃にしたという話も、当時としてはこれはむしろ敵をたたえる行為である上に実際に酒を入れて飲むのに使った事実を示す資料はないと言われております。そして部下への対応についてですが、これは間違いなく当時としては厳しいことをしておりますがそれは裏を返せば実力主義を採用していることにほかならず、実力の足りない人間をどんどん追放する一方で実力さえあれば家柄を問わずどんどんと採用したことによって豊臣秀吉や滝川一益が世に出たことを考えると先見性が高かっただけでしょう。
 また裏切り者への制裁については信長に限らず当時はどこも厳しかったし、むしろ信長は松永久秀や荒木村重(勝手にアラーキーと内心呼んでる)など利用価値があると見た相手に対しては、「謝りに来たら許してやるよ( ゚д゚)、ペッ」ってな感じで、一応最初は帰参を呼びかけてます。あくまで一応だが。

 上記のような理由に加え、これはかねてから言われてきたように信長は近親者に対してはむしろ非常に優しい態度を取っております。家督争いの際には実弟の織田信行を暗殺していますが、暗殺に至るまでは何度も反乱を起こす弟を撃退してはその度に許し、最終的に迫られたがゆえに暗殺を決断しております。そして出戻りの妹であるお市に対しても、秀吉と違って浅井家滅亡以後は自分の手元で政略結婚の道具として再利用することはありませんでした。
 最後にもうひとつ付け加えると、勝手に城を抜けて遊んでいた女中らを全員処刑したといわれる竹生島事件についても、女中をなんらか処罰をしたというのは資料にかかれていますが殺害したとまでは書かれていないそうです。

 このように考えると、信長は当時の戦国大名としては感情的に残忍な行為に走っているわけでなく、むしろ理性的に功罪を考えて忠実に実行していただけだったように見えます。多分気難しくて付き合いづらい人間ではあったでしょうが、ちょっと前まで言われているほど訳わかんないくらいに怖い人間だったとか既成の価値観が通用しない人間だったというわけじゃなかったと私は思います。

 むしろ私は冷酷さで言えば、自分を裏切った大内定綱の居城で女子供を含む人間どころか馬の首までも全部斬ったり(撫で斬り)、父親ごと鉄砲で敵を打ち払ったり、大阪夏の陣で敵味方関係なく攻撃を行っている伊達政宗の方がよっぽど図抜けている気がします。ファンは多いけど、この人私は嫌いだなぁ。

2011年3月17日木曜日

歴史的な観点から見る東北地方太平洋沖地震

 最近ずっと地震関連の記事ばかり書いていますが、そろそろ今回を区切りにして減らしていき、明日あたりからはまた小難しい話で記事を書いていこうかと思います。そんな今回の記事では何を書くのかというと、今回の地震の歴史的な意味についてです。歴史的といっても、つい先週に起きた地震に歴史も何もないかと思われるでしょうが、私は個人的に今回の地震は十年後にどのように評価されるのか、またこれから十年先の未来にどのような影響を与えるのかを今から逆算するように考えることは非常に重要かと思います。結論を先に言えば私は今回の地震は、平成の終わりを象徴する、ちょうど大正末期に起こった関東大震災のような位置づけで語られるのではないかと考えています。

 今回の地震が起きる直前、日本ははっきり言って政治的には完全に閉塞しておりました。ちょうど地震発生日にはそれ以前に辞任した前原前外相同様に管首相も外国人国籍者から献金を受け取っていたということが発覚し、ニュースを見ていた私もこれで完成件は完全に終わり次には同じ民主党の岡田氏が総理に就任するだろうという予測を立てていました。しかし管政権にとっては幸か不幸か、今回の地震が起きて結果的には政権が存続する理由ができました。しかし私がネットで日本の情報を見る限りですと枝の官房長官については評価が高まっているのに対して管首相にはむしろ、その対応振りについて批判が集まっているように見えます。詳しく検証することができませんが、実際のところこれほどの大災害に対して見事といわれるような対応をとることは難しく、対応のいい悪いにかかわらず誰かしらが何らかの批判を受けることはやむを得ないものかと思います。ただ少なくともいえることはまだ阪神大震災の教訓が生かされ、自衛隊の緊急出動や官邸の体制などでは以前よりはっきり改善が見られます。

 これまた個人的な感想ですが、やはり地震発生まで日本というのは本当に平和だったんだと思います。民主主義の宿命というべきか議会で与党と野党はどんな時でも対立せざるを得ず、大した問題が存在しない場合にはどんどんと論点は卑小化していき、お互いにくだらない揚げ足取りに終始するようになっていきます。外国籍者の献金問題が決して軽い問題だとまでは言うつもりはありませんが、地震が発生した後に今になったでこういった問題が主要な議論になっていたことを考えると、それ以外に議論する論点がないほど日本は平和だったのではないかと思うようになってきました。

 話は歴史的観点に戻りますが、私は以前の陽月秘話で書いた「失われた十年」の連載記事の中で、阪神大震災と地下鉄サリン事件が起きた95年が大きな転換点になったと主張しました。その理由は単に災害のコストが大きかったというわけじゃなく、これらの事件を経て文化的にも社会的にも日本に大きな変化が起こるようになったがゆえにこのように捉えました。
 そのような目で見ると今回の地震によって今後の日本はいくつかの点で大きな転換が迫られるのがもう目に見えています。一つ目は言うまでもなく原発の事故によるエネルギー政策の転換で、まず間違いなくプルサーマル計画を始めとした一部の計画案は破棄され、代替案に何が来るかまではわからないししばらくすればまた元に戻るかもしれませんが、しばらくは原発推進が行われはしないでしょう。

 その次に考えられるのは産業構造の大きな転換です。すでに自動車産業を始めとしてさまざま工業分野で被災を受けた工場が操業を停止したことから部材を受け取れない別の工場も次々と臨時休業を取るなど、高度に分業が発達し過ぎたせいと言うべきか一事が万事のように目下全産業で大きな打撃を受けております。この混乱の中で本来新卒の就職シーズンにもかかわらずどの企業も混乱から対応がなかなかとれず、悲しいことですが今年も来年も新卒求人は低い水準を維持するものかと予想されます。

 ただこうした悪い予想が立てられる一方、今後の希望というか明るい要素も全くないわけじゃありません。すでに日本でも報道されているかと思われますが今回の地震での日本人の冷静な対応振りは各国から賞賛されるほどで、苦しい状況下でも日本人は節度を忘れないのだということをはっきりと証明してくれました。私は海外にいながらも今回の地震に強いショックを受けましたが、その一方で自分が日本人であることに強く誇りを覚えました。単純に愛国心を持っただけだと言われればそれまでですが、先日も友人と電話で日本の若者としてこれから復興のために頑張らなければと互いに声を掛け合いました。
 大人しい奴ほどキレたら怖いとよく言いますが、私は日本人は大なり小なりこういうところがほかの国の人間よりあると思います。似たような記事を去年の年末にも書いてますが追い詰められればられるほど日本人は妙な真価を発揮するところがあり、今回の地震も決して小さな損害ではありませんが、このような事態でも節度を失わない日本人はきっとまた復興を果たして見せると思います。

 そういう意味で今回の地震はひとつの時代の終焉を告げるもので、終戦ほどのインパクトはないでしょうが地震前と地震後とで明確に分けられるような分水嶺的な事件として歴史に記されると思います。そう考えると、91年から始まる失われた十年はやはり失われた二十年だったということになるのですが。

東北地方太平洋沖地震に対する中国の援助

 なんか昨日あたりから今回の地震の表記が東日本大震災から東北地方太平洋沖地震に変わったようなので、このブログでも表記を切り替えようと思います。ちなみに阪神大震災も当初は気象庁が兵庫県南部地震と正式に命名していたにもかかわらず、メディアでの呼び方が一般化していつの間にか取って代わってしまいました。言葉ってのはそういうものだと思うけど。

 本日、ひょうんな形で読んだ中国の新聞にこんな内容の記事が載っていました。なんでも日本での地震発生以降、浙江省で日本向けの輸出が急増しているそうです。急増している品目は缶詰や冷凍食品、そして衛生用品という震災地への救援物資とのことで、注文を受けた中国の企業らも残業や休日出勤を行ってわざわざ日本へ優先的に出荷してくれているそうです。輸出を管理する税関も災害救援品ということで審査を簡素化し、迅速に日本へ出せるようにさまざまな配慮をしてくれているとのことです。

 今回、中国政府は日本へ初めて災害救援隊を派遣しました。また昨日には人民解放軍の医療部隊の派遣も日本政府に打診したと伝えられています。私は現在中国にいて働きながら暮らしていますが、日本と中国は今後十年間は最も利害が一致する一方で最も利害がぶつかり合う関係になると考えています。それこそ右手で握手をしながら左手はポケットに突っ込み続けるような緊迫感ある付き合い方が求められるのですが、今回の地震に対する中国の日本への対応は素直に感謝するべきだと私は思います。ただ人民解放軍については私としても予断ならぬ相手なだけに、できることなら遠まわしに日本政府が断ってくれればそれに越したことはないと考えています。

 中国に限らずとも、今回の地震が起こってから日本は本当にたくさんの国から援助をいただいております。自分はこれまでイラン・イラク戦争時に在イラク日本人を救ってくれたトルコ人と、自衛隊のイラク派遣時に自衛隊の警護をしてくれたオランダ人には足を向けて眠れないと考えていましたが、今回の一件で感謝する対象国が随分と増えました。

2011年3月15日火曜日

地震についてあれこれ

 一体何から書いていいものなのか、正直に悩みます。
 先週金曜日の地震発生から数日間経過しましたが、事態はよくなるどころか被害状況が徐々に明らかになってきただけでなく、福島県の原子力発電所の事故続発などむしろ悪化しているような状況です。

 私は学生の頃にちょうど災害社会学を専門としていた先生の授業を受けましたが、その先生の授業では主に阪神大震災の教訓や災害時の被災者の行動などが解説されてなかなか記憶に残るいい授業でした。その授業で言われていた内容でぜひ今回このブログの読者に伝えたいと思うことは、ボランティアと募金に関する内容です。
 その先生が言うには医療など特定の技術がある人間であれば話は別ですが、ただの労働力としてのボランティア参加者は被災地ではかえって迷惑になる可能性が高いそうです。ただでさえ食料などが不足する被災地にボランティアが来るとその分の食料なども必要になってしまうそうで、もし来るのであれば十人程度のまとまったグループで来てくれた方が運用もしやすく助かるそうです。その上で先生は、ボランティアに来るよりもなによりもお金を募金などで送ってくれることが何よりも被災地は助かると話していました。今回の地震でその先生の授業を思い出して先ほど自分もネット口座から募金を行いましたが、何かの一助になればと願ってます。

 中国ではいまだに今回の東日本大震災が最も大きく報道され続けておりますが、報道内容は徐々に被害状況から福島県の原発事故に対する内容が中心になってきております。私の上海人の友人も先ほど電話にてこの件について尋ねてきましたが、おそらくほかの皆さん同様に今の日本政府、ならびに東京電力から信用できる情報は得られないと私は答えました。私は何も政府と東京電力を根っから批判するつもりはなく、彼らの立場からすると混乱を防ぐために事態を最小限に伝えなければならないということは多少は理解できます。しかし事ここにまで至ると、もはやその努力も意味をなさなくなってきてしまっているのではないかという諦観も多少感じます。ただ現場でがんばっている方を考えると、今はただ信じるよりほかがありません。責任追及などは後からでもできるのですし。

 個人的にあと気になったニュースというかすこし驚いたのは、アイレムというゲーム会社が「絶体絶命都市4」という発売間近だったゲームの発売を中止したことです。このゲームは文字通りに大地震を受けて崩壊していく街の中でサバイバルを体験するアドベンチャーゲームでこれまでのシリーズも好評を得ていましたが、まさに内容がずばりそのものだったということから今回の地震を受けて発売を自粛したとのことです。
 自粛するというのは簡単ですが、ゲームというのは長い開発期間を経た上で発売して一気に元を取る業界なので、発売中止ともなるとその損害額は数億円にまで上るのは間違いありません。確かにこのゲームは見方によっては不謹慎に見えるでしょうし中身にはふざけが部分も多少含まれていますが、ゲームの監修に災害対策の研究者を招くなど「災害を疑似体験する」という意味ではまじめな方針で作られているので、ちょっと残念に思いました。

 ただ実に7、8年くらい前になるのですが、この「絶体絶命都市」の第一作目が発売された際に漫画家のみずしな孝之氏が「いい電子」という漫画でレビューを書いていました。そのレビューでは変わったシステムのゲームであると紹介しつつ、「こんなゲームは平和な時だからこそできるんだよね」というようなコメントをしておりました。その次のコマではみずしな氏が阪神大震災の被災者から直接会った際の回想がかかれ、被災者は震災に対して言葉で言い表せない体験だったと述べるシーンが描かれていました。
 そういう意味ではまさにみずしな氏の言うように、今は平和な時ではないからこそこのゲームは発売できなくなったのでしょう。ただ個人的には自粛を決めたアイレムの決断には頭が下がりますし、ぜひ後にきちんとした形で発売してもらいたいものです。

2011年3月13日日曜日

東日本大震災に対する中国の報道

 一昨日に住居を引越し、本日になって故障したパソコンの代替として中国仕様の中古パソコンを仕入れてこうしてまたブログを再開することができましたが、再開一日目に取り上げるニュースとするには今回の一件はあまりにも残念な事実です。3/11午後、日本の東北地方を中心に日本観測史上例のない巨大地震が発生しました。地震発生から二晩明けた今に至っても全体の被害状況ははっきりせず、福島県の原子力発電所も今も不安定な状態が続くなどその影響は広範囲にわたって深刻な様相をなしております。

 私は今回の地震を当日のネットのニュースで初めて知りましたが、その震度のあまりの大きさに文字通り見た瞬間は絶句しました。その日は夕方から部屋を引き払って上海市内の新居へ引越しを始めましたが、その途中で乗車したタクシーのラジオでは始終今回の地震を報道しており、引越し先でテレビをつけても報道番組はすべてこの報道で一色でした。
 報道のすごさというか現代のテクノロジーのすごさというべきか、当初ネットの文字情報しか見ていなかったせいか震度は大きくともそれほど被害は大きくないのではと私は勝手に想像していましたが、こちらのテレビでの報道にて津波の映像や千葉の石油コンビナートの火災が映されたのを見てようやく今回の地震の様相を知ることができました。津波の映像を見た瞬間はこれまた絶句し、昔ならともかく堤防などが相当程度整備された現代においてこのような事態が本当に起きるのかと見続けるにつけ脱力し、引越しの疲れもあるでしょうが一昨日と昨日は本当に何もやる気が起きませんでした。

 それでおそらく期待されている方も多いでしょうし実際に複数の友人から尋ねられているので、こちら中国のこの地震に対する報道を簡単に紹介します。
 まず中国のNHKことCCTVは地震が発生した金曜日から特番を組み、主に経済系ニュース報道チャンネルにおいて今日に至るまでほぼ全時間生放送でこの地震を取り上げております。報道される内容は日本に旅行などで滞在している中国人の安否、旅行会社の日本ツアー自粛などに始まり、日本の地震被害の報道から専門家による今回の地震の分析など、通常あってしかるべき報道がされております。その中でも特に注目されて報じられ散るのは福島県の原発の状態で、炉心温度の上昇や周辺住民の避難勧告、自衛隊の対策活動などが事細かに報じられ中国人の友人もこの点を特に気にしておりました。

 いくつか実際に言及されていた内容を紹介すると、やはり経済的な影響を指摘する報道が多く日本の家電をはじめとする電子産業の工場ラインのストップなどの損失は中国にも悪影響を与えるだろうという指摘や、地震規模は上だとしても95年の阪神大震災ほど経済的損失は大きくならないだろうという意見が専門家より発せられ、これらの意見については私も同感です。また今現在私の横でやってるニュースでは地震発生前後の日本の政治状況も解説されており、支持率低下で厳しい運営を迫られていた与党民主党を野党自民党は激しく攻撃していたが、今回の地震発生後は両党ともに対策に共同で取り組むようになったなど日本での報道とほぼ同じ内容が報じられています。
 では中国の一般市民はどうかですが、やはりこちらも関心が強く今回パソコンを仕入れた際には店員などから今回の地震について向こうから話を振ってきました。上海市の地下鉄にはモニタが全車両についていてニュース番組などが報じられていますが、土曜日は私が見ている限りですと乗客らも報じられる日本の地震被害の様子を車内でよく見ていたような気がします。

 また書くかどうか悩みましたが今回の地震に対する日本のニュース感想欄に、「中国人は今回の地震を日本への天罰だと言ってやがる」という書き込みを見受けました。早速私も中国の掲示板をいくつか回りましたが、残念なことに確かにそのような内容で発言している人や、「今こそ尖閣諸島を奪回する最高のチャンスだ」などという正直に言って腹立たしい発言も少なからず見受けられます。
 しかしその一方で、「これ以上犠牲者が増えないように」、「中国も国を挙げて日本を助けよう」、「災害に対して過去の歴史は関係ない」、「犠牲者の方々に心からご冥福をお祈りします」などという意見も数多くあり、私が言う立場でないことは重々承知ですが、一部の人間の発言をとって中国人全員がひどい人間だとは日本の皆様も思わないでいただきたいです。すでに中国は今回の地震に対してほかの国同様に救助隊を日本に派遣してくれており、このような点はほかの派遣国同様に中国に対して素直に感謝するべきだと私は思います。

 今回の地震について私の意見を少し述べると、いくつか不幸中の幸いといえる事態があったかと思います。
 まずひとつは発生したのが金曜の午後だったことで、株式を始めとするマーケットの影響が最小限にとどまったことです。おそらく明日月曜に取引が再開されれば株価は大きく下落するでしょうが土日をはさんである程度被害情報が発信されたことで、あのまま取引が続いていた場合よりは影響は軽減されているかと思います。細かなことですが、こうした事件が市場に与える心理的影響は計り知れないだけにほんの少しの猶予でもないよりはあったほうがいいと聞きます。
 その次によかったと思えるのは、震災が起こったこの時期です。専門家によると一番震災が起こってはならない時期というのは夏季で、輸送中の食糧の腐敗に始まり排泄物などの衛生の問題や日射病など、仮に阪神大震災が猛暑期に起こっていたら被害は数倍に膨れ上がっていたかもしれないという話を聞きます。今の時期は気温も高くなく、また厳冬期ではないため被災者支援という観点からでは比較的まだ恵まれた時期にあるかと思えます。

 阪神大震災の頃はまだ小さかったこともあるでしょうが、ひとつのニュースでこれほどまでに脱力させられことはこれまでありませんでした。友人もニュースの報道を見ていて自然と涙が流れたといっていましたが、私も被害状況を知るにつけ言葉に言い表し難い感情を幾度も覚えます。日本は震災前から経済的にも政治的にも逼迫していた中でこのような災害が起きてしまいましたが、自然に対して何故と問うことはできません。今はただこの難局を如何に乗り越えるか、政府の対応がどうとか評価をすることは後でいくらでも出来るので、皆で一致団結して行動をとることこそが今一番求められているかと思います。

 最後に、被災者の方々に心からご無事をお祈りいたします。

2011年3月9日水曜日

中国の日系飲食チェーン

 たまには友人が喜びそうな中国のミクロな経済ネタでもやろうかと思います。ちなみにこのブログを読んでもらっている友人は何人かいますが、哲学系のネタが好きなのもいれば歴史系のネタが好きなのもおり、どっちかっていうと経済系ネタが好きなのは少ない部類です。

 現在上海はニューヨークを追い越して現在日本人が最も多く住む海外都市となっております。それを反映してか上海市内のあちこちでは日系飲食チェーンも数多く出店しており、値段も相応の店なら極端に高くないことからまるで日本にいるかのように日本食を毎日満喫することすら不可能ではありません。
 そんな現在の中国において最も勢いがある日系飲食チェーンはというと、熊本に本店を構える「味千ラーメン」において衆目一致するでしょう。私は中国人の舌には比較的濃厚な味のとんこつラーメンが合うのではないかと考えていたのですが(実際に中国のインスタントラーメンで日本のラーメンと来たらとんこつ)、この味千ラーメンの味は比較的あっさりしていて、この味で中国に受け入れられたのかと最初食べた際は正直驚きを感じました。それでこの味千ラーメンがどれだけ受け入れられているかについてですが、上海市内に限って言えばそれこそ数百メートルごとに一軒はチェーン店が必ずあるくらいで、冗談抜きでどこいったってすぐに見つけられます。浦東空港にも出店しており、名実共に中国における日本のラーメン屋と来れば味千ラーメンが挙がってくるでしょう。

 このほかに日系飲食チェーンとなると、私自身があまりそういったところに出入りしないのもあるでしょうが今のところは味千ラーメンのように際立ってあちこちに出店している店はまだないと思います。飲食に限らないのであればユニクロの勢いは凄まじいですが、とりあえず私が見たり行ったりしたことのある飲食チェーンを挙げるとすれば、「家族亭」、「サガミ」、「サイゼリヤ」、「吉野家」、「元禄寿司、といったところでしょうか。中にはこういう店を情報誌で細かくチェックして行き渡る留学生もおりますが、生来からのケチさ加減とわざわざ中国来てまで日本食ばかり食べるのもと思って私はあまり出入りしません。むしろ同じ日本食を食べるのであれば中国人が経営している店の方がなんとなく安そうに見えるので、そういったところに行く回数のが多いです。

 先ほど挙げた各店舗についてもう少し詳しく話すと、吉野家は私が北京に留学しているころから北京に出店してきており、当時日本の吉野家では米国のBSE問題で販売されていなかった牛丼が何故か中国では販売されていました。これはいったいどこの肉なんだろう、米国産より中国産の牛使ってる方が怖いと思いつつ口にしました。
 サガミについては先日に友人に紹介を受け、その後自分でも一人で食べに行きました。今度引っ越す先がちょうどこの店の近くになり値段も手ごろだったことからこれから使う機会が増えるかもしれませんが、初めて行った際に頼んだとんかつ定食の味付けがデフォルトでソースではなく味噌だったのにはちょっと面食らいました。後から調べてみたらやっぱり愛知が本店ということで、私はとんかつにはソースも味噌も何もつけずに食べる口なので影響はそんなにありませんが、中国でも名古屋スタイルを貫く姿勢には感服しました。

 最後の家族亭についてですが、実はここには入ったことがありません。ただ最近何かと縁があるというか、この家族亭がどっかへ出店したという記事をちょっとした所用で翻訳したかと思えば、土日に上海に来たうちのお袋を案内していたら家族亭の前をたまたま通り、昔梅田の阪急三番街かなにかにあった店で私の叔母が働いていたという話を聞きました。その際にうちのお袋は、こういった飲食チェーンはもうデフレの日本じゃやってけないからこうして中国にどんどんやってくるのだろうかということを口にしたのですが、なかなかに的を得ている意見で今回この記事を書くきっかけになりました。

 事実現在の日本ではデフレの影響でもはや飲食業はやっていけないというくらいに追い詰められており、従業員の過酷な労働環境はさることながら食品の偽装問題など、何かしら不正というか裏技をしなければ経営なんてほぼ不可能といっていい状況にあります。それに対して中国では為替格差の影響で表面上は売り上げは小さく見えるものの人件費もろもろの経費は安く済み、単純に利益を上げるなら中国、もしくは他の発展途上国に出店した方が儲けは大きくなる可能性があります。もちろん中には溶け込めずに失敗して撤退する飲食店も少なくありませんが、日本にとどまっていたらジリ貧だと考えている飲食店経営者は数多くいるのではないかと思います。

 ただこうした中国の日系飲食店に一つ苦言を呈すと、見ている限りどうも主要顧客層は現地の中国人というよりも駐在や留学で来ている日本人ばかりのような気がします。店に入るとどこも日本語ばかりしか聞こえず、たまに中国語が聞こえるかと思ってよくよく聞き耳を立ててみると台湾人だったりして、現地中国人の顧客はそれほど多くない気がします。従業員はもちろん中国人スタッフですが。
 そういった日本人のみ相手してても恐らく今の上海ならそこそこ元が取れるのでしょうが、何かの拍子に日本人の数が減った場合はどうなるんだろうと他人事ながら多少気になります。そういう意味では現地中国人に受け入れられ昼時は席に着くまで真面目に待たされる味千ラーメンは大したものだといえるのですが、今後日系飲食チェーンは如何に現地顧客を取り込めるかが重要になってくるでしょう。

 ちなみに日本食で言うと自分が先月一番苦心してやまなかったのはぽん酢です。上海市内なら日系スーパーなどで簡単に変えるのですが現住所の近くの店では売っておらず、ぽん酢さえあれば羊肉でしゃぶしゃぶも出来るしうどんなどもゆでて食べられるのにと旧正月の休暇中はやけに恋しくて仕方ありませんでした。私個人的にはぽん酢というのは日本の食品の中で最も優れた調味料だと信じているので、中国でももっと流行ってほしいと心から願っています。逆にマヨネーズはなんか苦手でほぼ一切口にしないですし、ソースもお好み焼きにはかけるけど前述の通りにとんかつには一切かけません。その気は無いですが、自分もやや偏食の気があるのかもしれません。

2011年3月8日火曜日

先週末の上海

 この前の土日は上海に遊びに来たうちのお袋の相手をするために上海中心部で過ごしました。ちょうど中東情勢を受けて中国の治安当局がぴりぴりしているという話も聞くので真偽を確かめる目的で観察も行ってきましたが、結論から言うと特別何かあるわけでなく、普段の上海通りでした。行った場所はそれこそ一番の繁華街である南京路を筆頭に日本人街やら観光地など回りましたが、どこ行っても特別警官などが立っているわけでもなく、むしろ万博開催時期のほうが物々しかったという印象を覚えました。日本でもよく報道でどこそこでデモが起こったなどという報道がされますが、ちょうどそんな感じで近くにいても気づかず、ピンポイントで何か騒ぎがあっても気づかないような感じだと思います。
 ただ強いてあげると、長距離列車が来る駅の中では荷物検査などいつもより現住だったような気はしました。ほんとこの程度だけど。

 最後に、日曜は生憎の雨だったのですが、うちのお袋が雨の中を自転車(電動を含む)で走る中国人を見て、「あの合羽はどこで売ってるんだろう」としきりに洩らしていました。よく中国では前かごまですっぽり入る、風の又三郎のコスプレのようなマント付の合羽を着ている人を雨の日に見かけるのですが、うちのお袋も新聞集金をして早や数十年ということもあり、あったら便利なのにとしきりに言うのでしょうがないので一緒になって探してみました。するとあっさりと上海市内のコンビニで件の合羽を見つけたので、なんか同じく新聞の集金をしている人にあげるとかいって合計で三着買っていきました。
 まぁ確かに雨中を自転車で走るのは辛いので、あったら便利でしょうが。

前原外相の辞任について

 既に大分日が経っていますが、さすがに無視することは出来ない政治ニュースなので一筆したためておこうかと思います。
 各所でも報道されている通りに、法律で規制されている外国籍者から献金を受け取っていた責任を取り前原誠二氏は外相を辞任しました。このニュースに対する私の感想を述べると、まるで成長していないと安西先生ばりに呆れた感想以外ありません。

 前原氏に対する私の評価は決して低くはありませんが、かねてからその脇の甘さというか持ってて当たり前な危機意識を微塵も見せないという点から要職につけばつくほどホロを出す人物だと見ておりました。言うまでもありませんその代表的な例はいわゆる「永田の偽メール事件」で、国会であのメールを追及する前に最低限の下調べなり何なりをしたのかと思うくらい杜撰な対応をとっております。またその後の発言も大きな方向性についてはもっともらしいことをいうものの具体策となると本気で考えているのかと思うくらいお粗末な内容を発言することが多く、三国志で言えば郭喜の孫策に対する評価同様に、つまらないことで自ら失脚を招くだろうという風に見ていたら思ってた以上に早くかつくだらないことで今回外相を辞任する羽目となりました。

 今回の外国籍者による献金を受けていたという事実は、献金者が昔からの前原氏の顔見知りで額も小さいことから別の時期であればここまで責任を取る必要は無かったと私は考えています。しかし現在民主党内で外国籍者に地方参政権付与を検討している時期であり、またこういった問題に対して機微な立場にある外相という地位を考えると責任は重く、野党などから厳しく批判されても仕方が無いことでしょう。もっとも前原氏も前原氏で問題発覚後多少は福田元首相の例(外国資本企業からの献金受領)を引き合いに出して言い訳をしたものの、すぐに責任を取って辞めた点はまだ評価してもいいと思います。
 しかし繰り返し述べますが私の目から見て前原氏は政治家として致命的なまでに脇の甘いところがあり、一議員としてならぎりぎり許せてもある程度背負って立つ政党人には頭から向いてはおらず、本人は目指しているようですが首相になるのは自分の適性を考えて早くにあきらめた方がいいと言わざるを得ません。むしろこういうものに対するチェックがやや薄い上にやる気と実力があればぐいぐい引っ張っていける市長や知事といった首長の方が向いているでしょう。

 確証も無く言うべきではないかもしれませんが、私は前原氏はまだまだ叩けばいくらでも埃が出てくるかと思います。今回すぐに外相を辞任したのも芋づる式に別のもっと問題性の高い事実が発覚するのを恐れてとの報道もあるようで、友人なんかも具体的な企業名を挙げてまでわざわざ私に知らせてきました。仮にこういった問題発覚で前原氏一人がダメージを受けるというのならまだしも、今回の一件はどう捉えようとも管首相にも打撃になります。かつての永田元議員のことも考えると、はた迷惑な人物この上なくこのごろ感じます。

2011年3月7日月曜日

パソコン破損(ノД`)

 更新がまたしばらく空いてしまいましたが、この土日はお袋が例の春秋航空の格安チケットを使って上海に遊びに来たのでその相手をしておりました。そんなわけで昨日の晩にまた借りている部屋に戻り、適当にネットを見つつそろそろブログを書かなきゃと思っていたら画面が突然切り替わってブルースクリーン。一瞬で血の気が引きました。

 結論から言うと、それまで使ってきた私のノートパソコンがお釈迦になりました。パソコン本体は起動するもののOSが立ち上がらず、しかもセーフモードですら起動しないことから多分ハードディスク自体かその周辺がやられたんだと思います。そもそもこのパソコンはもう七年間も稼動していて去年夏にも同じくハードディスクが壊れて交換したくらいだったので、普通に寿命が来たのだと思います。
 じゃあ今一体なんでブログを書けているんだという疑問が持たれているかと思われますが、今使っているのは知り合いから借りているノートパソコンで一時代替的に使用しております。とはいってもこのパソコンは故あって今週の木曜までしか使えないので、金曜以降は果てさてどうしようかと今から思案中です。

 というのも今回壊れたノートパソコンを修理するくらいならこちらのパソコン屋に頼めば決して無理ではなさそうですが、生憎今回OSをインストールするCD類を持ってきておらず、ハードディスクを取り替えたところでまた立ち上げる方法がありません。となると新しいパソコンを仕入れるしかないのですが、ちょうど今週金曜に引越しをすることとなっており引越し先の部屋の敷金やら何やら入用で今非常に懐が厳しい状態です。カードでキャッシングをすればまだ余裕はありますが、今日計算したところだと現在の預金だとパソコン購入のための余剰資金は大体5000元(約60000円)程度あるものの引越し後の生活費を考えると出来れば3000元(約36000円)以内に抑えたいのが本音です。
 しかもこっちでパソコンを買おうにも日本で売ってるような日本語OSや日本語キーボード仕様なんてものはほぼないため、現地中国仕様で選ばなければなりません。出来れば日本仕様のノートパソコンがほしいものの、今使っているこのパソコンを始めとして会社で使用しているパソコンは中国製のため設定時の表示がすべて中国語で度々言語切り替えをやる必要があるのですが、一応今のところは使えてて現にこうしてブログも平気で打ててるため、この程度は甘受するべきなのかもしれません。あとどうでもいいですが中国語のキーボード入力はGoogleの入力システムがすごく便利です。

 正直に言って、渡航前に最も恐れていた事態が見事に現実となりました。こうなることを恐れて渡航前にはあらかじめ新品のノートパソコンを購入するか、画面やキーボードが小さくて難儀するものの去年に購入したネットブックを持っていくかで悩んだのですが、結局使い古して操作性には文句のない往年のdynabookを持ってきて今回のような事態になってしまいました。ただ今回壊れたとはいえこのパソコンは実稼動でもう七年にも及んでおり、むしろよくここまで持ちこたえてくれたと物に対する八つ当たりが激しい私ですら今回は素直に現実を受け止めました。その代わりあまりのショックから昨日はまだ夜10時半にもかかわらず不貞寝を始めてしまいましたが。

 予定としては今週金曜に引越しをして、その次の土曜にでもどこかで中古のノートパソコンを目標2000元で探そうと思います。この際贅沢は言わずネットさえ出来ればいいくらいなので、何故か外付けDVD-RAMも持ってきており、どうにか安い型落ちがないかと今から祈っているほどです。実家に頼んで例のネットブック(これもdyanabook)を送ってもらうという手も無くはないですが、そのネットブックだと先にも言った通りにキーボードと画面が小さいという難点に加え、電源が中国の電圧に対応していないために変圧器も必要になります。変圧器自体も実家にあってこちらでも安くで調達することは出来ますが、それだったらこの際一時用でいいから新しいパソコンを探してみる方がいいかなと今考えてます。

 このように書いていると如何にもパソコンに依存した生活をしているかのように感じられるかもしれませんが、海外で生活しているとパソコンとインターネット環境はもはやライフラインに近い存在です。ちょこっとバスや列車の運行など現地情報を調べることから日本の情報取得、そして何よりメールやスカイプといった日本との連絡ツールと考えると必需品といって差し支えないほどです。まぁ実際、家に帰るとやること無いのでずっとネット見ているのは事実ですが……。
 今回不幸中の幸いだったといえるのは、パソコンが壊れたのが昨日だったことです。もしこれが先週だったらただでさえ引越しを間近に控えている頃で各種の対応が取れずシャレにならない程困る事態に陥っていたかと思います。以前と比べて、こうしたピンチに対して「まだいいタイミングだ」と思えるようになってこれたのは自分でも成長を感じます。もっとも一番我ながらすごいと思ったのは、自転車で房総一周中に茂原駅前で自転車を割り折った時に「駅前でよかった」と考えた時でしたが。

 恐らく明日明後日は問題なくブログを更新できますが、来週以降はもしかしたらまた更新が不安定になるかもしれません。こういう時に限って前原外相が辞任したりと書くべき話題には事欠かないのですが、タイミングは本当に選べないので仕方ありません。ただ希望的観測ではありますが土曜には安いパソコンを仕入れて問題なく更新を再開できるとは思いますし、引越し先自体が今よりいろんな面で便利な場所になるので物事がうまく運んでくれると願ってます。
 蛇足な話ですが今の自分の状況は半年前からするととても考えられないほどいい意味で転回しており、人生こういうこともあるのかと折に触れてよく思ってたりします。そのため今回のパソコン破損もむしろ今までツキ過ぎたツケが来たんだろうとすら思いましたし、これ以上事態が極端に悪化することもないと確信に近い形で感じております。今の状況について詳しいことはまた後ほど直接このブログで話そうかと思いますが、渡航前に最悪だと想定していた事態に対してもこうして落ち着いてブログにかけるほど現在の自分はすこぶる元気です。

2011年3月4日金曜日

中国でのここ数ヶ月のインフレ

 私が以前に中国に長期滞在した時期は2005年から2006年の北京に留学していた時期ですが、それから約五年経ち現在また中国に来ております。今回再び中国での生活をしていて気になる点を挙げるとすればそれはいくらでも挙げられるのですが、以前の留学期との比較となると最も気になるのはほかでもなく中国の物価です。普段生活をしていても、「あれ、こんな値段したっけ?」と思うようなことが数多く、以前は学生で現在は給料をもらう勤め人という立場から購買力の差が出ているだけかもしれませんが、当初は世間でも言われているように北京に比べて上海の物価が桁外れに高いゆえにこのように感じているのかと考えていました。

 しかし周囲の情報を比較してみるとどうやらこれは間違いで、どうも私が中国を留守にしていた五年間で中国全体で物価が上がってきているというのが真実だったようなのですが、その期間も五年間というより正しくはここ数ヶ月で急激に物価が上がってきているというのが実情のところのようです。
 私は独り暮らしということもあってあまり食材などを買ったりする機会はないのですが、自炊などして購入している人から聞く限りですとパンや野菜の値段がこのところ急激に上がってきており、生活に支障が現れるほど影響を受けているという話をよく聞きます。デフレ下の日本ではあまりピンと来ない話ですがでは何故今中国で物価が上がっているのかですが、石油価格の高騰など世界的な要因も全く影響していないわけではないものの、その最大の理由はやはり最低賃金の上昇にあるのではないかと私は見ております。

 ここ数ヶ月の中国の経済ニュースで主要なトピックはどこそこの企業が不祥事を起こしたとか決算が同だったかという内容ではなく、一に最低賃金の上昇、二に不動産投資の制限です。後者はともかく前者の最低賃金について詳しく解説すると、中国は日本同様に各地方ごとに条例のような形で最低賃金が決められているのですが、去年から上海、香港を初めとした各主要都市で一斉にこの最低賃金額がそれ以前と比べて大幅に引き上げられてきております。最低賃金がどうして引き上げられるのかというと表向きの理由は当然底辺労働者の保護で、去年はホンダの部品工場でストライキが起こるなど賃金に対して労働者の不満や要求が高まっている背景から中国もこの点に対して大分ナーバスになってきております。
 またそうした社会問題対策以外にもマクロ的な見方で言えば、海外からの人民元切り上げ圧力が高まっていることや、ベトナムなど中国以上に人件費の安い国の勃興など、これまでのように輸出依存型の経済から脱却して一定度の内需を高めなければならないところにまで中国は来ており、中産階級層の増加を国全体で図る必要に迫られていることも影響しているでしょう。

 具体的にどれくらい物価が上がってきているのかいい指標がなくて説明がし辛いのですが、高級品はそれこそ日本の物価とほとんど変わらないにもかかわらず食品や乗り物代などはこれまでの中国は非常に安い価格で利用することが出来ました。それが今回のインフレでは食料品を筆頭に値段が上がってきているため、最低賃金の上昇で中産階級が育つのが先か、貧困層が食料品の価格に追いつけなくなるのが先かという、なかなか厳しい綱渡りを強いられているようにも見えます。
 ただいくら先延ばしにしようともこのような問題にいつか中国はぶつからなければならないこともあり、逃げずに最低賃金を引き上げて今現在で対応するというやり方の方を私は支持します。しかし一部ですでに言われておりますがこの物価高が原因となってさらなる暴動が起こる可能性も否定できず、ひいては人件費の上昇から投資が減り、バブル崩壊のきっかけになるのではないかという否定的な見方も存在し、私も否定するつもりはありません。

 現在私が最も懸念しているの不動産の価格というか、賃貸料の価格です。友人に上海市の比較的中心部に近い家賃はどれくらいかと聞いたところ、ワンルームで2000元(約24000円)は厳しく、最低でも2500~3000元(約30000~36000円)はすると言われました。この前何気なく千葉県の実家近くの不動産情報をネットで見たら普通につきの家賃が20000円台の部屋がたくさんあり(駅から離れてたけど)、何で日本より給与水準の低い中国で家賃がこんなに高いんだよと思うのと同時に、こんなに安いんだったら千葉県の実家に住みつつ一部屋借りて、秘密基地みたいにいろいろ使ってもよかったなという考えがもたげました。

2011年3月2日水曜日

ゼロスポーツ倒産のニュースについて

破産ゼロスポーツが郵便EVを納品できなかった本当の理由(レスポンス)

 昨日に第一報を見ましたが、電気自動車を製造するベンチャー企業のゼロスポーツが日本郵便との契約問題でこじれたことから倒産したというニュースを今日は取り上げます。

 昨日に報じられていた内容ではゼロスポーツは日本郵便から受注を受けていた配達用として使う予定であった電気自動車を期日までに納入することが出来ず、総額35億円もの大型契約を日本郵便から契約解除をされただけでなく遅延を理由に7億円もの違約金を請求されたことによって運転資金がショートして倒産したという内容でした。ざっと話を見る限りですとまず35億という契約金額もさることながら納期遅れの違約金も7億円にも昇るという内容に面食らい、一体どういう契約だったのか、それと納期遅れといっても自動車といういくらでも代替できる商品でここまで違約金が発生するのかという感想を持ちました。
 そんなわけで続報はないものかと昨日から関連ニュースをチェックしていたのですが、早くも今日にはその内実を詳しく紹介しているニュースが報じられました。

 詳しくはリンク先のレスポンスの記事を読んでもらえばわかりますが、簡単に経緯をまとめるとざっとこんなもんです。

・去年八月に日本郵便からゼロスポーツはスバルの軽トラ「サンバー」を改造した電気自動車1030台の発注を受ける
・その後スバルが2011年度いっぱいで「サンバー」の生産中止を行うと発表する
・生産中止になることから、双方でベース車両をダイハツの「ハイゼット」に変更するとで合意する
・その後日本郵便内でゼロスポーツとの随意契約上、ベース車両変更に伴い実証実験の必要性があることが後からわかる
・実証実験を理由に日本郵便は初回規定納期三日前に納期遅延は認められない旨をゼロスポーツに伝える
・ゼロスポーツは納期に間に合わすことが出来ず、契約解除と違約金を請求される


 大まかにまとめると大体こんなもんです。
 こういうのもなんですが、この記事の内容が真実だとすると日本郵便が結構な無茶振りをしているようにしか見えない展開です。そもそものベース車両が「サンバー」から「ハイゼット」に途中で変更になった時点でメーカー側としては大変になることは目に見えており、納期がやや遅延することも普通の感覚なら起こりうるとわかるはずですし融通を利かせるのもやむを得ないでしょう。にもかかわらず日本郵政は実にその納期の三日前に突然遅延を認めないとの連絡を行った上で契約解除、違約金請求という文字通り手の平返すような仕打ちをゼロスポーツに行って破産に追い込んでおります。

 記事中でも指摘されておりますが、日本郵便がゼロスポーツに対して通知を行った時期はちょうど去年夏のお歳暮騒動による影響で業績ががた落ちしたという決算が報告されている時期で、日本郵便に対してコストダウンの必要性が各所から指摘されていた時期です。恐らく間違いではないでしょうが、このゼロスポーツへの発注をなかったことにするために敢えて無茶な要求を出して契約を自ら破談にさせようと仕向けたのだと私も思います。
 その結果はしごをはずされたゼロスポーツは倒産したわけですが、今後の成長分野であるEV関連企業をこのような形で潰してしまうとは国は何を考えているのか、というコメントが寄せられておりましたがまさに正鵠を射た意見でしょう。

 この記事の内容が本当に正しいかどうかまではさすがに検証できませんが、政権交代以降、再国有化が着々と進む郵政の経営は去年のお歳暮騒動といい見ていて首をかしげる内容が数限りません。そのため今回のこのゼロスポーツ倒産のニュースを見た際もまた何か日本郵政がおかしなことをしたのではないかと私は真っ先に疑ったくらいで、この元のニュース記事の内容も疑うより信じる気持ちの方がはっきり言って強いです。

 最後にどうでもいい内容ですが、スバルの「サンバー」と聞いて真っ先にこの画像が頭に浮かびました。



 以前にどっかで拾った画像ですが、こういうのをいちいち集めて取っておくあたりが自分らしいです。