2013年9月30日月曜日

韓国の近現代史~その二十五、ノサモ

 また前回から大分日が立ってしまっての連載再開です。このところ落ち着いて記事書くこと出来ないから思い付きで書くことも増えてるしなぁ。

 なわけで簡単に前回までのあらすじを書くと、前回では金大中政権時にあったということから日韓ワールドカップを取り上げました。このワールドカップがあった2002年、韓国では金大中の後継を巡る大統領選挙が行われ今回お題に挙げた「ノサモ」という、次に大統領となる盧武鉉を応援するネット上のファンクラブの存在が大きく注目されました。

 この年に与党であった韓国民主党は大統領選に向け、党内で候補を一本化するために予備選挙を実施しました。この予備選挙に立候補したのは盧武鉉を含む7人で、この時点で盧武鉉は他の候補者に比べて実績も経験も少なく、泡沫候補と言っても差し支えありませんでした。
 そんな盧武鉉に追い風が吹いたのは数年前から爆発的に利用者の増えていたインターネットがきっかけでした。盧武鉉はそれまで国会議員選挙などで何度か落選を経験していましたが、何度も落選しながらあきらめずに再選を目指し、果たした姿がネット上で評価され始め、「盧武鉉を応援しよう」という主張がネット上で徐々に広まり、そうした支持層のことをいつしかノモサと呼ぶようになってきます。

 ノモサの主な構成員はいわゆる386世代と呼ばれる「30代 の80年代大学卒業60年代生まれ」で、日本風に言えば「団塊の世代」に当たる層です。386世代は学生時代に民主化運動などを経験しており思想的にも民主的、平等主義を掲げる傾向が強いことからあくまで一意見ですが日本の団塊の世代と思想的にも近いように思えます。ともかくこうしたネット上の呼び声が徐々に広まり、泡沫候補から一転して盧武鉉は予備選に勝利し、この一連の盧武鉉ブームのことを韓国では「盧風(ノブン)」等と形容されているそうです。

 こうして民主党の統一候補となった盧武鉉は、本番の大統領選で野党ハンナラ党の李会昌と一騎打ちを迎えます。当時の情勢はどちらかというと盧武鉉側にとって不利な状況だったそうですが、大統領選の直前に韓国で米軍戦車によって女子中学生が踏みつぶされるという痛ましい事故が起こり、またも情勢は一変します。
 この辺でなんとなく日本の沖縄の事件が連想されるのですが、この時の米兵の逮捕や裁判を巡って米韓関係は悪化し、当時のブッシュ大統領も声明を出すなど事態の鎮静化を図りますが韓国の対米感情は良くなるどころかますます悪くなり、こうした状況が親米路線の与党ハンナラ党への支持に陰りを与えます。

 最終的な結果ではわずか約57万票という僅差で盧武鉉が勝利し、次期大統領職の座を射止めます。こうして改めてみると盧武鉉はタイミングがいいというか情勢の空気にうまく乗っかることが出来たという運の良さが目立つ気がします。それだけに、資質面は放っておかれたのかもなっていう事で、次回ではある意味で非常に印象の強かった盧武鉉大統領についてあれこれ語ってこうと思います。

堺市長選の結果、維新の会の弱体化について

 本日、大阪府堺市の市長選が実施され、現職の竹山修身氏が再選を果たしました。竹山氏は以前に橋下大阪市長が率いる維新の会に所属していたものの、橋下市長が掲げる大阪都構想では堺市の自治が崩れるとの考えから維新の会を脱退し、今回の市長選では維新の会公認、事実上の刺客候補である西林克敏氏を破っての再選となりました。

 選挙前の段階ではあくまで個人的印象ながら、メディアの報道の仕方などを見る限りだと竹山氏がやはり有利ではないかとみておりましたが見事その通りとなりました。またかつては飛ぶ鳥を落とす勢いのあった維新の会ですが、最近は前回の参議院選といいめっきりと勢いを落とし、今回はお膝元ともいえる大阪での敗退と相成りました。橋下市長は今回の敗北で代表の座を降りるつもりはないとあらかじめ名言しており選挙結果が出た後にも改めて同じ内容の発言をしましたが、その影響力の低下は避けられないでしょう。

 そもそも何故ここまで維新の会は勢力を落としてしまったのでしょうか。今回の坂井市長選挙に絞って意見を言わせてもらうと、大阪都構想に対してそもそも大阪府内で統一した見解が出来ていない、また都になることで具体的なメリットが見えないということが大きいのではないかと思います。確かに府から都に行政区分が変わることでメリットは全くないわけではありませんが、大きく今の制度を変えてまでやるべきかと言われると正直ピンとこないというのが大阪府民の正直な心情な気がします。また維新の会も具体的にどのように都に変わり、またそれによってどう変わるのかをうまく説明しきれていないようにも見えます。もっともこれは維新の会の内部でも大阪都構想に対して統一見解が完全に出来上がっていない表れなのかもしれませんが。
 その上でもう一つ敗退要因を挙げると、絶対的多数の人にとって大阪都構想よりも別の政策の方に興味があったようにも見えます。具体的に言えば消費税増税や関西電力の原発に関する問題などで、私個人としてもこういったところを争点にしていろいろ意見を聞きたかったものです。

 ちょっと早い予想かもしれませんが、維新の会はこのままずるずると勢力を落とし、下手をすれば次回の総選挙までには合併なりなんなりで消えてしまうかもしれません。今回の敗退による勢力低下はもとより、このところは大阪市改革も掲げた政策がなかなか実行に移せず、下手なものだと見送りされる事案も増えており、アピールポイントとなる政策が確実に減ってきています。
 今思えば駄目になっていく最初のきっかけは橋下市長の突拍子もない従軍慰安婦に関する発言からだった気がします。今更ですが、もう少し辛抱というものがあればまだ状況は違ったかもしれません。

2013年9月27日金曜日

「おもてなし」だけに頼るな!

 さっき友人と電話している最中にも出てきたので、今日は「おもてなし」という単語について前々からかなりいいたかったことを短くまとめようと思います。

 「おもてなし」というこの言葉はオリンピック招致の最終レセプションで「なんとなくクリステル」こと滝川クリステル氏が使ったことから今、日本中で流行語と化しております。意味するところは単語の意味の通りで客を歓迎、もてなすという意味で、日本の観光業界が他国に比して強く力を入れている分野でもあります。
 ただこのおもてなし、ここで言うのもなんですがあまり多用するべき言葉ではないと思います。というのもかつて海外であれこれ取材活動をしている最中に「このままじゃダメだ!」なんて強く感じることが多々あったからです。

 実は私はかねてから将来の日本は観光業を主力産業として育成する必要があるとの考えから、観光に関連した取材や特集記事の執筆を記者時代によくやっておりました。普段は面倒くさい記事はなるべくほかの人に書かせるように仕向けるほどでしたが、わざわざJNTOの関係者にも直接アポとって観光関連の記事は書いてたし。
 取材分野の方では香港に滞在していた頃に最も多くこなしており、地方自治体、観光業関係者たちのその熱の入れようは強く伝わりましたし私自身としてもなるべくそれを発信しようと努めており折ました。ただそうした取材の際にある質問、具体的には、「一体どういったものを外国人旅行客に強く訴えたいと考えておりますか?」と聞くと決まって、「やはり日本流のおもてなし、懇切丁寧なサービスで旅行客に満足してもらいたいです」というような回答がほぼ100%返ってきました。ついでに書くとコンビニとか小売店関係者も同じ「日本流のおもてなし」を多用します。

 確かに日本人というのは見知らぬ他人に対してよく人見知りするけど、それがお客さんとなると非常に丁寧な対応に切り替えるし、そうした慇懃無礼な対応をあまりストレスなく率先して出来るところはあると思います。そういう意味で日本人のおもてなし精神というのは他国にはそんなにない一つの強みと言えるのですが、外国人からすれば日本人のおもてなしがどういうものなのかよくわかっていません。いくら態度が丁寧だとか配膳の仕方がきれいだとか言っても実際にそのサービスを受けてみないと理解することは難しく、また受けたことがない人に対して説明するというのも同じように難しいのではないかという気がします。
 そのため、おもてなしというのは確かに日本観光の一つの武器ではあるものの、適用効果のある層というのはリピーターこと1回は日本に来たことがある、または日本人と接したことのある外国人に限られるため、まだ1度も日本に来たことのない新規外国人客を誘致する材料としてはやや弱いものではないかと私は考えております。まだ日本観光に興味を持っていない、興味はあるけど他と比較している外国人客はお世辞にも日本に対する理解が深いわけではなく、やや下賤な言い方になりますがもっと具体的で直感的な観光要素が必要ではないでしょうか。

 更に言わせてもらうと、日本の観光関係者はもっと自分の持っている独自ポテンシャルを訴えるべきです。先程も書いたように私が中国や香港で日系観光業関係者に取材するとみんな同じように「日本流のおもてなし」しか言いません。はっきり言わせてもらえば、同じ日系観光業であれば日本流のおもてなしはあって当たり前です。東京や大阪、私の贔屓する鳥取など数ある日本の地域の中から外国人観光客に「ここに行くぞ!」と思わせるため、誘致するに当たって、同じ「おもてなし」を並べても全く差異性はありません。くどいようですが日本の観光業はもはや「おもてなし」があって当たり前なので、その上で他の地域や同業者に一歩差をつけるためにも、「うちはこんなのがある」、「ほかの地域にはないがうちにはこういうものがある」というものをもっとどんどんと提示していくべきです。

 なんか今回は随分と熱いことを書きましたが、本音を正すと上記のように取材相手が「おもてなし」しか言われないと記事が書けないというのがこういう事を考えるに至ったそもそものきっかけです。実際に私も苦労したのですが、九州の観光業関係者が「おもてなし」といい、東北の観光業関係者も「おもてなし」と全く同じことを言ってくると、記事には同じ「おもてなし」という見出しが並んで内容も似通ったものになってきてしまいます。同じような内容だと読者も「軟化に多様な文章だな」とか思うし、編集長からも「お前、これじゃ前の北陸の特集と全く同じ内容じゃないか」なんて絞られるしで、「頼むから変わったことを言ってくれ……」と、何度も心の中でつぶやいた去年の夏の上海の日だとさ。

2013年9月26日木曜日

楽天イーグルス初優勝ヽ(・∀・ )ノ

 このブログで体調悪いと書いて以来、このところあちこちから心配してくれるメールが届いております。実際にこういう形で体調崩したのは2011年末に香港で熱出して以来なのですが、必要以上に周りに心配かけさせてしまったようで反省しています。かといってこんだけ毎日更新しているブログなんだから、更新回数を減らすに当たっては何かしら理由も必要だしなぁ……。

 それはそうとたった今、楽天が球団創設以来初めて優勝を決めました。なんていうか野村監督が育てて星野監督が優勝する(かっさらう)という阪神の時と同じパターンが繰り返されてしまった形ですがそれは置いといて、締めはあらかじめ予告されていたようにマー君こと田中将大選手がクローザーを果たし、1点差ながらもきっかり勝利を得て優勝を決めました。

 私自身は楽天は気に入っていながらも根っからのファンではないのであれこれ語るほどのうんちくは持ち合わせていませんが、やはりこのチームは創設2年目に当時から注目されていた田中選手をドラフトで獲得し、スターでもあったことから田中選手の成長とともにあったチームの様に強く思います。もちろん田中選手のほかにもアメリカに行った岩隈選手や今年引退を発表した山崎選手、近鉄時代から頑張っていた磯部元選手などほかにもたくさんのプレイヤーが存在しましたが、今年の開幕連勝記録など今回の優勝の原動力は誰がどう見ても田中選手にあるでしょう。
 既に今シーズン後の田中選手の去就についてはメジャー挑戦が濃厚とみられていますが、今回の優勝はこれ以上ない花道になったかと思います。とやかく言うつもりはありませんし、かの地でもぜひ頑張ってもらいたいと個人的に思います。

 後また蛇足になるかもしれませんが、東北地方に球団があって本当によかったと思います。言うまでもなくこれは東日本大震災に対する感想で、現地の方々には今回の楽天の優勝は大いに勇気づけるイベントになったかと思えます。
 そう思うのと同時に、もし2004年に楽天ではなくライブドアが球団を創設していたらどうなっていたのかということがなんかよぎりました。たまに楽天の三木谷社長は球団を短期で売り抜けようと今も考えているなどと言う揶揄が聞こえてきますが私はそれはないと思います。しかしあの時ライブドアの堀江社長が球団を創設していたら、あの人は考え変えるの早いから本気でやってたかもなぁとも思います。例の事件もあったし、

 なにはともあれ、結果論で言えば楽天が創設してよかったよかったというのが私の本音です。

2013年9月25日水曜日

カナダ産シェールガスの輸入について

シェールガス:輸入促進 日本、カナダと首脳会談で合意(毎日新聞)

 たまたま昨日ラジオでこの関連の詳しい話を聞いたので、今日はカナダ産シェールガス輸入決定とそれに付随する内容をちらほら書いてこうと思います。

 昨夜、安倍首相と来日中のカナダのハーパー首相が会談を行い、将来的にカナダ産シェールガスを日本が輸入することで合意しました。会談前からこの輸入は合意に達すると見られ、両国の関係者の間では双方にとってプラスの合意だとの見方が強いようです。

 というのも日本は東電の原発事故によって現在、電力供給の大半、具体的には約9割を火力発電に頼っている状況で、発電用のエネルギーこと原油を各国から買い漁る状況が続いています。背に腹を変えられない状況故に高値での取引も多く、なんでも産油国では「ジャパンプレミアム」等と呼ばれて日本向けの販売が過熱しているとのことです。こうした状況下で比較的安価のカナダ産シェールガスを購入できる見通しが立ったことは単純にいいことで、また代替エネルギーの確保見通しが出来たことから既存の原油取引の価格交渉にも活かせるというようにも見られています。

 もう一方のカナダにとっても今回の日本との合意はプラスなようで、というのもカナダは世界第4位のシェールガス埋蔵量を誇るものの、現在までに確保している輸出先はアメリカだけらしいです。そのアメリカもシェールガス埋蔵量で大規模な国で実質的にカナダから輸入することはほとんどないと見られており、それだけに確実に輸入するであろう日本を確保できたことで安心して開発、採掘に取り組められることとなったわけです。

 ただこのシェールガスによるもしかしたらエネルギー革命は一部の製造業というかメーカーにとっては現在、思いっきりマイナスに働いているそうです。具体的に名前あげちゃうとこれは建機のコマツで、このところ各国で石炭鉱山の採掘よりもシェールガス採掘を優先する傾向が出ており、石炭鉱山向けの大型トレーラーとか建機の販売が伸び悩んできているそうです。これら大型建機は日本国内ではほぼ全く売れない海外オンリーな商品なだけに、何かしら別の用途向けに機種とか変更しなくてはならないとコマツ側も考えていると、ある場所で説明を受けました。

 私個人の意見をもう少し書くと、やはりシェールガスの登場によってエネルギーの価値観は遠からず一変することになると思います。日本は現在、メタンハイドレードの開発に着手しましたが実用化はまだ遠い先で、現状ではシェールガスが代替エネルギー、というより次世代の主要エネルギーとして本命でしょう。自動車の燃料としては石油ことガソリンがまあしばらく続くでしょうが、仮に電気自動車のブレイクスルーが劇的に起こればこれも変わり、石油の価値が大幅に下落する時が来るかもしれません。

2013年9月24日火曜日

書評:海賊と呼ばれた男

 先週末に引越しを行いましたが、その疲れもあったのか昨日は一日中寝込んでいました。病状は結構重く、夜に喉乾いたので冷蔵庫で冷やしたコーラを飲んだら一気に体が冷え、奥歯ががちがちなるほど震えたので即布団入って寝ました。意外に自分も体力ない。
 それにしても隣の住人、挨拶にカステラ買ったのに何度戸を叩いても出てこようとしません。灯りついてるから居留守使ってんのはわかりきってるというのに、なにかやましい秘密でも抱えてるのだろうか。壁から漏れ聞こえる言葉から察するに中国人のようだけど。

 そういうくだらない話は置いといて本題ですが、以前に紹介した「永遠のゼロ」の作者である百田尚樹氏の著書「海賊と呼ばれた男」を読み終えたので、今日はその感想を書こうと思います。この本は本屋大賞という賞を受賞しただけあって今、非常に売れている本なのですが、結論から申し上げると何故この本がそんな賞を受賞したのか私には理解出来ず、お世辞にも質の高い小説ではないと考えています。

 まず簡単にあらすじを紹介しますが、この本は出光興産の創業者である出光佐三(作中では国岡鐵造)を主人公に据えた小説で、彼の出生から立身出世に至る過程を描いています。ハイライトとなる場面はイギリスのBPが建設した石油施設を接収したイラク政府に対し世界のどの企業も取引をためらう中、果断にタンカーを差し向け初めての取引を結ぶ場面、といったところでしょうか。

 正直に言って内容はそんなに悪くありませんし、決してつまらない小説ではありません。文章は「永遠のゼロ」の頃と変わらず一段落がやけに短い「ショット型」がまだ続いていますがわかりやすい文体で間違いはなく、話も起伏に富んであり飽きることはありません。特に出光興産の来歴といい先程のイラクの取引の話は今まで知らなかっただけに、その新鮮な情報には私も文句はありません。
 にもかかわらず何故私の評価が低いのかというと、一言で言って主人公に問題があります。というのも、主人公の国岡鐵造があまりにも完璧超人過ぎるからです。

 実際の出光佐三がどんな人物だったかは詳しく知りませんが、少なくともこの「海賊と呼ばれた男」に出てくる国岡鐵造という人物はあまりにも欠点がなく、全く以って親近感を覚えられないキャラクターです。確かに作中では業界団体につまはじきにされたり、日本政府に規制でいじめられたり、イギリス政府とガチでケンカしようとしたりなど決して順風満帆な人生を歩んではいませんでしたが、巻き起こる数々の困難は毎回といっていいほど優秀な有力人物が都合よく、突然支援に現れては解決され、一体どれだけラッキーマンなんだよと言いたくなるくらいこのパターンが繰り返されます。
 またそれ以外の面、具体的には国岡鐵造の人格面ですが、清廉潔白で書画を愛する文化人。なおかつ部下に対して時には厳しく時には優しく、「従業員は家族だ」と言っては下からも慕われ、無茶な要求をしてくる日本政府や石油メジャー幹部に対しては一歩も引かずに石油業界全体を見据えた交渉を行うなど、こういってはなんですが有り得ないくらいに完璧な人物として描かれ過ぎてます。

 あまり人の描いた小説にケチをつけるべきではないとは思いつつも私が見る限りでこのような指摘をする評論家がいないために意を決して書きますが、上記のように主人公があまりにも完璧超人として描かれ過ぎているため、この本はもはや小説というよりは伝記、それも人物を持ち上げるために書かれた岡持ち伝記に成り下がっているように私は思います。かつて野口英世が生前に、自分について書かれた伝記を読むや、「こんな完璧な人間いるわけない」と投げ捨てたというエピソードがありますが、人の長所だけ書くというのは見た目には面白くても作品としては価値を失ってしまうと私は考えます。
 敢えてここで百田氏の以前の作品「永遠のゼロ」を引用しますが、この本でも主人公が清廉潔白すぎるのが少し気になりましたが、ゼロ戦のパイロットとして卓越した技術を持ちながら異常なまでに臆病で生き残ることだけに執着するという、一見するとアンバランスにも見える個性があったからこそまだ感情移入をすることが出来ました。こうした個性が「海賊と呼ばれた男」の主人公にはまるでありません。

 もう少し例を出しますがたとえば三国志だと、曹操は決断力もあり戦争指揮も卓越していますが女絡みのミスが多ければ戦争で大敗することも少なくなく、劉備も仁徳はあるけれども戦争は勝った数より負けた数の方が多いです。また一見すると完璧超人の様な諸葛亮も泣いて馬謖を切ったりすることもあれば、敵の司馬懿とともに反抗的な部下の魏延を火薬を仕掛けた谷に閉じ込めて抹殺しようとしたが雨が降ってきて失敗するなど腹黒い面を時々覗かせます。私が思うに完璧超人というのはそうそういるわけがなく、こういう負の面というか欠点があって初めて物語の中の人物に血が通い出し魅力が出てきます。ちょっと考えれば初歩的なことですが、それがこの本には致命的なまでに抜けています。

 敢えて駄目な所を書けとは言いません。ただ聖人君子の様に人物を書いてしまうとそれは人間ではなくなってしまいます。魅力的な人間を書いてこそストーリーだと言えるのであって、その点を百田氏もも少し考えてもらえればと思い、未だに体調が悪い中でも筆をとった次第です。

2013年9月22日日曜日

戦争と少年兵

 先月の話で少し古くなりますが長寿番組の「世界まる見え!テレビ特捜部」にて、「ジョニー・マッド・ドッグ」(2008年)という映画が紹介されたのを見る機会がありました。このフランスの映画はどんな映画かというと、内乱中のリベリアを舞台に反政府軍の少年兵を描いた映画なのですが、特筆すべきはその少年兵の俳優たちで、なんと実際にリベリアで戦闘を行っていたた元少年兵たちを起用しております。

 まる見えの紹介によると、この映画の監督は元少年兵を起用することでリアリティを出すとともに、彼らが映画撮影を通してどのように変化していくかを見ようと考えたそうです。そのためか彼ら元少年兵が撮影所にやってきた直後にカメラの前で自由に話させてその映像も残しているのですが、彼らの初録画はお世辞にも上品な態度とは言えず、皆それぞれ鋭い目つきと共に非常に物騒なことを口にするだけでした。具体的にはどこそこの戦闘で何人殺したのか、隠れているスナイパーを見つけて逆に撃ってやったとか、捕虜の指を一本ずつ切り落としてやったなどと、こんなセリフを15歳前後の少年が話すのかと正直にショックを覚えました。

 こうして始まった映画撮影でしたが、最初に彼ら元少年兵の演技指導を施したところやはりというか難航し、また字も覚えていなかったことからスタッフによる口述で暗記させたとのことです。そうした演技指導の傍ら、元少年兵の俳優たちには共同生活を行わせた上に、彼らの世話役には大人の女性を配置して疑似的な親子関係を作らせたそうです。
 こうした取り組みが功を奏したというか監督の目論み通りというか、撮影が進むにつれて元少年兵の俳優たちには徐々に変化の兆しが見えるようになってきたとのことです。それが最もあらわれたのはフランスでの試写会の際で、かつては自分が「兵士」としていかに優秀であるかしかアピールできなかった彼らが涙ながらに、世界には自分たちの様な少年兵が存在して戦っていることと、映画の中にある少年兵の姿だけが自分たちではないということを訴えるまでに成長しました。

 さっきも同じ表現を使いましたが、非常にショックなシーンの連続でした。確か漫画家の西原理恵子氏が言っていたと思いますが夫であった鴨志田穣の話しとして、「戦場では大人に銃を向けられるよりも子供に銃を向けられる方が怖い。何故なら子供はその引き金を引けばどうなるのかをきちんと理解していない」と紹介しており、元少年兵たちの最初のシーンなどはまさにそれを連想しました。
 そのような意味で言うと戦争というのは理性のある大人が実行するからまだ保っていられる、子供が戦争に出たら、最後の最後というような理性のラインすら踏み越えてしまうのではないかという懸念がどうしてもよぎります。私はまだ「ジョニー・マッド・ドッグ」を見ていませんが、機会があれば是非とも見てみたいと思える映画です。

 もうすこし少年兵というくくりで話を続けると、「機動戦士Vガンダム」というアニメ作品が私の中で挙がってきます。Vガンダムは有名なガンダムシリーズの一つなのですが、主人公のウッソ・エヴィンは若干13歳で兵器に乗り、敵の殺害を含めた戦争に参加します。作品中でウッソは天才的なパイロットセンスを持つことから周囲の大人に持て囃され、より積極的に戦うべきだなどと言われ続けるのですが、これに対してある大人の女性一人だけがウッソを戦争に参加させるべきじゃない、こんなのおかしいと言い続けます。
 私がこのアニメを小学生の頃に見ており、当時は主人公がことごとく敵機を薙ぎ倒す姿を見て胸が湧き、より戦争に駆り立てようとする周囲の大人たちの発言は当然だと見ておりました。当然、戦争に参加させるべきじゃないという先程の女性の話は対局的なものなので、なんでこんなことを言うのかと疑問に感じたわけです。

 時は経ち現在に至ると、やはりあの世界はおかしかった、あの周囲の大人はなんていう事をしているのだという気がしてなりません。私も大人になったということでしょうか。
 ちなみに、先ほどの「ウッソに戦争をやらせてはいけない」と言っていたキャラはカテジナ・ルースという名前で、最終的には敵味方問わず撃墜し、わけのわからないことを叫び続けるなど一番おかしな人になります。恐らく、まともな人も戦争ではおかしくなるっていうのがテーマだったんだと思いますが。

  おまけ

 上記動画は私がよく見る「エキプロ動画」というもので、あるプロレスゲームであらゆるゲームキャラクターを再現するという企画の一つですが、今日取り上げたVガンダムのキャラクターの面々も見事に再現されています。特に例のカテジナさんに至ってはバージョン別に3キャラも作られており、「お色直し2回」というコメントが妙に笑えました。

2013年9月19日木曜日

漫画レビュー:烈!!!伊達先パイ

 先日からしょっちゅうタブレットPCのNexus7の話をし続けておりますが、実は故あってniftyのWIMAXを契約し、キャンペーンということでタダでもらいました。ほかの会社だと2万円のキャッシュバックとかありましたが、中華製タブレットPCが購入から約半年で壊れたこともあり、またSophieさんも最新のNexus7はお勧めだと言っていたので選んだわけですが、今のところ文句もなくタブレットライフを満喫しています。
 Nexus7の入手後に最初に行ったのはアマゾンの電子書籍アプリ、kindleのインストールで、これをインストールした直後に購入した本と言うのも、今日取り上げる「烈!!!伊達先パイ」という漫画でした。

烈!!!伊達先パイ(Wikipedia)

 私がこの漫画を初めて読んだのは何故か去年の上海でした。きっかけは向こうで知り合った大学の先輩が正月休みに日本へ帰国した際、週刊少年ジャンプを持って帰ってきたからいるかと言われて、軽い返事でいると答えたら5冊くらいまとめて持ってこられたのでちょっとビビりました。
 それはともあれもらったものだからと手に取ってみるものの、ジャンプなんて数年間も読んでいたので載っているのは知らない漫画ばかり。また昔から連載が続いている漫画も大分断絶がなくつながりがわからなかったため適当に流し読みしていたところ、一話完結のショートストーリー形式であったことからこの「烈!!!伊達先パイ」をじっくり読むこととなりました。

 この漫画のあらすじを書くとまんまタイトルそのままで、高校生の主人公とヒロインは両想いでラブラブな関係であるものの、ヒロインの兄であるもう一人の主人公、伊達まさしは異常な伊達政宗マニアであり、なおかつシスコンであるため彼氏である主人公を隙あらば殺そうと襲い掛かってくるというのが主なパターンです。こうしたこの漫画のスタイルは作者も認めている通りに、少女(?)漫画家の岡田あーみん氏の傑作である「お父さんは心配症」とまったく同じものですが、伊達政宗フリークがアレンジとして付け加えられています。アレンジと言っていいものかは置いといて。

 私個人の感想を述べると、非常に面白い作品でした。ただでさえこのところ一話完結のギャグ漫画が減っている中で果敢な内容となっており、また所々に作者なりのセンスがきらりと光るセリフ回しが秀逸な作品でした。特に気に入っているセリフはあるキャラクターが「メイドの本場は中国です」と言ったら、「ちょ、森薫先生に怒られない?」という、読んでネタわかる人はいるのかよと言いたくなるツッコミセリフがあります。なお森薫氏についてちょっとだけ述べると、現在連載中の「乙嫁物語」ではそのあまりの書き込みの多さに本気でゾッとしました。
 話は戻りますがそんな具合で気に入ったことからジャンプくれた先輩に、「伊達先輩おもしろいっすね」と言ったら「花園君もそう思う?俺もあの漫画好きなんだけど」などと好みが見事一致しました。

 ただこの時から一つ懸念があり、というのも「烈!!!伊達先パイ」の連載順位がかなり後ろの方、つまり少年ジャンプで言えば打ち切り候補だったというのが気になっていました。そしたら案の定、今年初めに早々と打ち切られ、全20話(全2巻)で幕を閉じてしまいました。私としては非常に高く評価していた漫画であっただけにぜひ買ってあげようと思って今回、電子書籍でコミックスを購入しましたがコミックスに寄せられた作者のコメントによると、なんでもこの漫画の連載をするに当たってそれまで勤めていた会社を退職していたそうです。
 それまではサラリーマンをしながら担当編集者と打ち合わせていたようですが、連載が決まると同時に忙しい部署への転属を命じられたことから、「漫画を取ります」とばかりに退職した経緯が書かれてありました。もっとも週刊連載だったら忙しくない部署でも二足のわらじはきついと思いますが。

 私としては作者の近藤信輔氏を高く評価しているだけに、是非とも今回の失敗をばねにまた連載を勝ち取り漫画家を続けてもらいたいと思っていることから、応援とばかりに今回のレビューを書くこととしました。ただ「烈!!!伊達先パイ」については、打ち切りだったとはいえあの舞台設定では長続きするネタではなかったとも思えますので、ある意味で失敗を前提とした初連載としてはこういう形でよかったのかなという気もします。

  おまけ
 例のジャンプをくれた先輩は私と同時期に中国勤務から日本国内勤務に移りましたが、「最近のジャンプだと、『食戟のソーマ』が面白い」と言ってたので、「奇遇っすね、俺もそう思ってたところですよ」と言い返してやりました。つくづく、好みが被る。

2013年9月18日水曜日

シリア情勢に対する一つの考察

 先週、政府軍が化学兵器を使用したとの疑惑が出ていたシリアへの対応について、シリアの化学兵器を各国や国際組織が管理・監視するというロシアの提案に米国が同意したと発表されました。それまで米国は一貫してシリア政府に対して「超えてはならない一線を越えてしまった」として軍事制裁を示唆していましたが、今回のロシアとの合意によって事実上、見送られる形となりました。
 米国が今回ロシアに妥協した理由としてあるメディアでは、シリアの隣国であるイスラエルに対する報復を懸念したのではないかと報じておりました。確かにイスラエルはシリアの隣国にあり、また米国のロビイストに深く食い込んでいる国なだけに十分ありうる話でその通りだと思うのですが、それ以前に何故米国がこれほどまでに軍事行動を示唆したのか、ちょっとその辺が気になります。

 というのも、これまた海外報道で審議の確認は難しいのですが、化学兵器使用疑惑が立って間もない8月下旬の時点で、既に米軍はシリアへの軍事行動に向けて艦隊を差し向けたりするなど攻撃準備を整えていたそうです。それだけに攻撃命令が出されずに9月を迎えた際は米軍内部で動揺が広がったと書かれてありましたが、実際にオバマ大統領の当時の発言を見ているとさもありなんという気もします。

 ここでの大きな疑問点は、一体何故米軍はこれほどまでにシリアに対して軍事行動を起こそうとしたのかです。推測ならば理由はなんとでも言えますが、中東にもっと幅を利かせたいとか、反政府側と何らかの取引があったのか、いちいち挙げていたら切りがありません。さすがに中東情勢は専門じゃないのでこの辺りについて詳しい言及は避けますが、少なくともロシア(+中国)の抵抗がなければ米国は本気で軍事行動を起こしていたと私は思います。

 そう思うだにつけてオバマ大統領は随分とまた好戦的な人物だったのかと言わざるを得ません。元々彼はイラク戦争の失敗を指摘してイラクからの米軍早期撤退を訴えて大統領になりましたが、先日の個人情報の件といい、根っこはブッシュと変わりがないのではないかとも思えてきました。まぁもう再選したのだし、余計な遠慮がなくなったとでもいうべきなのかな。

2013年9月17日火曜日

中国人留学生の男児救出に対する中国の報道

 体調がいいので本日、久々に二本出し。っというか、あんまり後に書いても意味がないニュースだし。

中国人留学生、大阪淀川で男児を救出「まさに英雄!」「勇敢!国のイメージをも変える」―中国版ツイッター(レコードチャイナ)

 知っている人も多いかと思いますが、台風が日本列島を縦断した昨日16日、大阪府の淀川に流されてしまった男児をたまたま通りかかった中国人留学生の厳俊氏が単身で飛び込み、見事救出するというニュースが報道されました。この中国人留学生の行動には日本の各報道機関、ならびにネット上などでも称賛の声が溢れており、私自身も久々にいいニュースを見れたと気持ちのいい思いがしてなりません。

 それにしてもこの厳俊氏ですが、こういってはなんですが一体どういう神経と身体能力をしているのか計り知れません。当時、大阪はもとより全国で台風の影響から大雨が吹き荒れ、淀川もまっ茶色になって荒れに荒れ狂っている状況でした。普通に考えたらいくら溺れている人がいるからってあんな状態で飛び込めば自分も流されかねないと思ってまず飛び込まないでしょうが、果敢にも飛び込んで、見事に男児を救出するなんて並大抵の業じゃありません。消防隊員ももし厳俊氏が飛び込まなければ男児の命は危うかったと証言していますが、その言葉に偽りはないでしょう。文字通り、英雄的な行動と言って間違いありません。

 それでこの事件は中国だとどう報じているのか、レコードチャイナの記事でも引用されていますが一応念のために私の方でも調べてみました。

上海小伙在日救起9岁男童 日本网民:中国人真勇敢(東方網)

 上記のサイトは中国語で書かれていますが、事件のあらましと厳俊氏の来歴を紹介した上で、日本の各メディアは彼の行動を絶賛していると報じております。このほかのサイトでも同じように報じられてあり、日中両国で大きく取り上げられていると言ってこれまた間違いないでしょう。

 あまり意地汚い話はするべきじゃないのでしょうが、ちょうど去年の九月に尖閣諸島を日本が国有化したことによって反日デモが起こり、あれからちょうど一年ということで中国の日本に対する報道はピリピリしたムードがありました。もちろん政治は政治で別個の話ではありますが、こうしたムードを吹き飛ばすかのような素晴らしいニュースが出たことはまさに僥倖です。私としては日中はなるべく仲良くやるべきだと思うし、厳俊氏みたいに荒れた川に飛び込む必要まではないけどこのように両国の国民同士が助け合うというニュースは今後も見続けていきたいものです。

NTTドコモに対する批判

 このところ「自分が書かなきゃ誰が書く」とすら言いたくなる話題が多くていい意味でブログ執筆が忙しいです。大抵こういう時は自分が社会に対して不満を持つ頃なのですが、このところはそうでもなく割とプライベートはNexus7でヒャッハーしたりといい状態が続いています。それだけに、これから何か悪いことでも起きるのではないかと戦々恐々ではあるのですが……。
 さて本題に入りますが、昨日の記事で私はNTTドコモが米アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の取り扱いを開始することを題材に新聞各紙の特徴を取り上げました。今日はそんなNTTドコモに対する個人的な感情を含めた批判をした上でその問題点を指摘しようかと思います。

 現在、私は安いということからウィルコムのPHSを携帯電話として使っております。PHSなのに携帯電話ということについては無視してほしいのですが、これだと「誰とでも定額」で月額約2000円くらいで通話とメールを使うことが出来、スマートフォンの機能はタブレットPCで代用しようとこの前WIMAXを契約したわけです。
 ただこれは日本に帰国してからの話で、2010年に中国に渡る前まで私は一貫してドコモの携帯電話を契約しておりました。理由はごく単純で、初めて携帯電話を持った時に使ったキャリアがドコモだったからです。

 私の周りの友人も大学入学と共に携帯電話を持ち始めたのですが、使用開始から大体一年後、周囲の友人はドコモから付与されるポイントがたまったということでみんな携帯電話機を無料で最新機種に交換してもらっていました。ただ私は当時使っていた機種に特に不満はなく、いちいち取り替えても資源の無駄だしドコモとしても余計な出費だろうなと考えたことから取り替えることなく、そのまま北京に留学するまでの間は同じ機種を使い続けました。
 北京に留学をする際に一旦携帯電話契約を解約したのですが、その際にたまっていたポイントは一切使うことなく吹き飛んでしまいました。もっとも試用期間は2年半なのでそれほどでもなく特段思うこともありませんでしたが、今思い返すと電話機を交換した友人と自分の間ではサービスに大きな溝があったよなぁとか思います。

 話は飛んで留学から帰国後、私は再びドコモの携帯を契約しました。契約を結んだ際に過去のポイントが付与されなかったことについては何も言う事ありませんが、問題だったのは解約時です。確か約4年間を一度も機種交換をせず、またポイントも一切使うことなくドコモの携帯電話を使用していたのですが、中国に働きに行くもんだからいざ解約を申し込むと例の「2年縛り」に引っかかり、解約料を別枠で請求されてさすがにこの時は「(# ゚Д゚) ムッ!」としました。
 一度もポイントを使わず4年間も契約し続けたのに解約時に料金を取られるというのは正直な所、今でも腑に落ちません。言ってしまえば頻繁に機種交換をしたりポイントを色んな所に使ったり、他のキャリアから乗り換えてきた人に比べて料金的な貢献度で言えば私はそこそこ高かった気がします。にもかかわらず、他社に乗り換えるというわけでもないのに解約料を取られるというのはなんか悪い商売じゃないのと言いたいものです。

 聞けば今回のドコモ(他社もしているが)のアイフォーンを使ったキャンペーンには「のりかえ割」というのがあり、他のキャリアから契約を乗り換えたユーザーに対する特別割引を実施するそうです。では乗り換えずにドコモ一筋のユーザーには何も恩恵はないのか、いくらなんでも客をなめた商売をし過ぎやしないか、消費者庁も何故こんな行動を放っておくのか理解できません。契約してないで文句言うのもあれですが。
 そもそもこれ以前からもドコモの既存ユーザー軽視は目に余ります。確か2年くらい前にも契約変更に関する手数料を引き上げたりしてたし、私の中では電通に次いで嫌いな企業になりつつあります。

 さらに文句を続けますが、このところのドコモのマーケティング戦略はあまりにもレベルが低く、もうカスだとしか言いようがありません。古くは「ドコモ2.0」と銘打って「そろそろ反撃してもいいですか?」などと挑発的なキャッチフレーズで反発を招いた揚句に防戦一方となり、直近でも「2トップ戦略」によってパナソニックにスマホ事業撤退を促すなど悪い影響しか与えていないように思えます。しかもその2トップ戦略も今度のアイフォーン導入であっさり引き下げるんだし。
 それとテレビCMでもこのところ「ドコモ田家」を見なくなりました。放映開始当初からソフトバンクの「白田家」に対する露骨なパクリで見ていて気分悪かったですが、もうこの企画も投げるつもりなのかと思って検索をかけてみると、なんといつの間にか公式サイトが終了してました。ちょっとマジびっくり。

ようこそ、ドコモ田家へ。

 上記サイトはつい1分前に検索して初めて訪れましたが、「たくさんのアクセス、ありがとうございました」の一言だけ残されています。いや、アクセスしてないって……。

 ただドコモのマーケティングというか広報に関しては、個人的な怨みは置いておいてもあまりにも迷走が激しすぎる気がします。冗談抜きで今いるメンバーを全員解雇してもう少しマーケティングを理解した人員を配置してやった方が上手くいくと思えるので、ドコモはこの辺をもっと真剣に検討することを本心から薦めます。
 一方、対抗馬のソフトバンクはマーケティングに関しては文句なしに上手いです。白い犬がお父さんという奇抜さはもとより、「ホワイトプラン」と白をかけ合わせたり、時期ごとのCMでもどんなキャンペーンを売っているのか、どういうサービスを始めたのかが一目瞭然です。惜しむらくはあのCM,全部電通が作っていることなのですが……。

2013年9月16日月曜日

新聞各誌の中立的な記事面とは

 いま最もホットな経済ニュースと言ったら先週に朝日新聞とNHKがスクープで報じた、NTTドコモが米アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の取り扱いを開始するニュースで間違いないでしょう。これまでもドコモがアイフォーンを取り扱うというニュースは日経新聞が度々報じてはドコモ側から「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」と否定されてきて事実その通りでしたが、今回に関しては米アップル側も声明を出してますしどうやらガチのようです。それにしても日経新聞は何度も「ドコモにアイフォーンが来るぞー!」って誤報を出し続けた挙句、本当にアイフォーンが来ることになった今回はスクープを取り逃し、狼少年ケンを地で行く結果となったのは皮肉なものです。ケンは余計か。
 ただ友人によると、今回のドコモのアイフォーン取扱い開始報道については米アップル側によるリークがあったのではとの見方が強いそうです。米アップルとしては何度も誤報を出している日経新聞にリークしてもまた誤報と疑われると考えた結果、朝日新聞とNHKに流したのではないかという観測が強い模様で、私としてもこの説を支持します。

 ここで話は変わるわけですが、よく日経新聞は「経済面以外はいい」と評されることがあります。経済紙にもかかわらずこんなこと言われるのは度々スクープの名を借りた誤報、具体的には一連のドコモに対する報道やキリン・サントリーの合併話など、まだ実現化のめどの立ってない話を推進派とかからのリークを元に飛ばし記事を書くことが多いためですが、そうしたことを置いておいても確かに日経の経済面以外の記事は意外によくできてます。
 特にいいのは政治面で、特に主義思想とか前面に出してくるわけがなく中立的でいい記事を書いてきます。もっともこのところはTPP関連で財界の意を汲みやたら持ち上げる記事が出てくることもあるので、以前ほど中立的とは言い難いですが。

 同じようにと言ってはなんですが、産経新聞も政治面以外が良かったりします。産経の政治記事は「親米・自民支持・反中嫌韓」の三原則で成り立っていると言ってよく、明らかに偏った視点で記事が書かれており娯楽として読むならアリですが真面目に読む題材としてはお勧めしません。しかし政治面以外だとなかなか読ませられる記事が多く、特に私も一度紹介したことがありますが、「衝撃事件の核心」などは毎回欠かさず読むほど面白く文句なしに推薦できる記事です。

 このように、概して新聞というのはその新聞社がこだわりのない分野においては意外に中立的でいい記事を載せることが多いように思えます。私自身も気を付けていますがこだわりというのは知的好奇心を高めるものの中立的な観点からは目を曇らせることが多く、まさに過ぎたるは猶及ばざるがごとしです。
 最後にもう一紙上げておくと、朝日新聞は政治、社会面で偏りが見られます。特に政治面では感情的な安倍政権批判が多くはっきり言ってお寒い記事が多いです。ただその一方、近年は目を見張るほどのスクープ記事が多く、先ほどのドコモの記事はもとより原発関連のスクープ記事はもっと世に評価されるべきだと思います。あまりほかでは言わないので私が言う事にしますが、高速増殖炉もんじゅの点検漏れは朝日の独占スクープでしたし、このところの東電の汚染水流出関連も日の打ちどころがないほどどこよりも早く正確に書いてきております。朝日には偏った記事もあるものの、偏った記事ばかり取り上げられていい記事が朝日が報じたと取り上げられないのはちょっと不公平に感じる次第です。

2013年9月15日日曜日

みのもんた氏の次男逮捕を巡る報道について

 いきなり強く出ると、控えめに言っても私は情報に対する感度や整理する能力が一般と比べ桁違いに高くて興味のないスポーツネタ以外であれば何でも語れる自信があり、芸能ネタについても人並み以上には話す自信があります。にもかかわらずあまりこのブログで芸能ネタを取り上げないのはほかのメディアなりブロガーなりがあれこれ取り上げるので私が語るまでもなく、それであればほかの人があまり語ることのない政治や歴史ネタを取り扱った方がいいと考えているからです。
 それを推した上で今日は、みのもんた氏の次男逮捕を巡る報道と彼の去就について書きたいことを書こうと思います。

 事件のあらましについては皆さんも知ってるかと思うので省略し、まずいきなり結論ですが、この件を巡る今の報道ぶりは異常とは言わないけれどもちょっとおかしいような気がします。仮に逮捕された次男が未成年であれば親の監督不行ということでみのもんた氏への批判や誹りは免れないとは思いますが、今回逮捕された次男の年齢はなんと31歳。そんな年齢にもかかわらずこんなあほな事件を起こした上に警察への供述を拒むなんて本当に変な人なんだろうなぁという気がしますが、既に成人している子供に対して親が責任を取るというのは如何なものかとしか言いようがありません。

 それでもみのもんた氏は超が付くほどの有名人で次男逮捕の件でコメントが求められたり事件が報道されるのは止むを得ませんが、だからと言って現在出演している番組を自粛するというのはお門違いもいい所です。本人が犯罪を犯したわけでもないのに成人した子供の責任を取るなんて今時連座制じゃないのだから、本人が決めたこととはいえ私はみのもんた氏は堂々と番組を出続けるべきだと思います。テレビ局だって視聴率はしばらくとれるでしょうが代役を探したりしなければならず各方面に面倒が増えることは目に見えているのだし。

 またこの事件に関しては各メディアの報道ぶり、そしてネット上などで散見される世論などに違和感を感じます。最近このフレーズを意図的に多く出しておりますが、あくまで自分の受ける印象としては全体的に、「みのもんた氏はなんらかの責任を取るべきだ」という論調が強いように感じます。それどころかみのもんた氏を擁護しようものなら批判の標的にされかねないような雰囲気すら覚えます。

 私は子供の人格形成に当たってその親の育て方、接し方は重要なファクターになると考えておりますが、どんなに素晴らしい人格の親、どんなに立派な育て方の元でもクズみたいな人間が育ってしまうことがあるという気がします。その逆も然りでどんなにひどい親の元でも立派な人間が育つこともありますが。
 そして子供のうちはまだしも成人した後に至ってはその人格とそれに伴う行動は本人が責任を持つべきです。親の育て方がまずかったからこんな人格になったというような言い訳は聞きたくないし、認めるべきでもないでしょう。何故なら大人になってから起こす問題行動は自らが責任を取らなければならないからです。

 ざっと以上のような観点から、私はみのもんた氏のファンではありませんがこの一件に関しては彼の肩を持ちます。なんでこんな記事を書こうと思ったのかというと話題のトピックスを取り上げてアクセス数が増えればいいな(´∀`*)ウフフという下心と共に、「成人した子供でもその不祥事は親が責任取るべきだ」という風潮がはびこってほしくない一心です。日本はやはり個人の責任よりも組織の責任が問われることが多く、そのため一部の不心得者のために真面目な大多数が余計な損害や雑多な手続きに追われることが多く、これは全体の利益を損ないます。欲を言えばもっと個人主義が日本でも強くなり、自分にとってやりやすい世の中になってくれたら「还可以」なのですが。

2013年9月14日土曜日

韓国の近現代史~その二十四、日韓ワールドカップ

 先週一週間は左耳が痛かったりするなど神経的にしんどい日々が続きましたが、一昨日にNexus7が届いてからやや元気になりました。もちろんNexus7のおかげというより、ようやく体とか神経が整ってきたからだろうけど。
 さてなんかなかなか終わらないこの韓国の近現代史の連載ですが、前回で金大中政権時における南北首脳会談をやったのでもう一気に盧武鉉政権に移ろうかなとも思いましたが、日本とも関わりがあるし2002年の日韓ワールドカップについてちょっと書いてみようかと思います。ついでに対日関係も追えるわけだし。

 まず金大中政権時における日韓関係ですが、あくまで私の目から見た感じだと比較的穏やかだったと思います。朴正煕以降の軍事政権下の韓国では政府が率先して対日批判を行っていましたが金泳三政権になってからは実を得るというか、日本の音楽やドラマの放送が徐々に解禁されるなど実態はどうあれ政策的には雪解けが進められました。

 こうした対日方針は次の金大中政権にも受け継がれております。また金大中自身が日本でKCIAに拉致られるなど日本とも縁の深い人物であったことから日本人の間でも彼の名をよく覚え親近感を持っていた人が多かったように思え、今でも覚えているものとして現在も放送が続けられている「さんまのからくりTV」における「ファニストイングリッシュ」というセイン・カミュがメインのコーナーでのある床屋さんのコメントがあります。
 その床屋さんは当時、SMAPのキムタクこと木村拓哉氏が人気になってロンゲ(これももはや死語だが)が流行り、床屋に来るお客さんが減っているという事を話して、それを英語で言うように指示されると、「I dislike タムキク!」と言って、「それじゃ『キクタム』になって名前が違うよ」と指摘されると照れ隠しに、「I like キムデジュン!」と言い直しておりました。ほんとよくこんなくだらないことを覚えているもんだ。

 そんな昔話は置いといて話を進めますが、私の目から見ても金大中は国内の突き上げを受けつつも日本に対する配慮はある程度図ってくれたと思います。ただついていないというか彼の在任期間中にちょうど日本も対韓批判が始まり、主だったものを挙げると「つくる会の歴史教科書問題」や小泉首相の靖国参拝などですが、インターネットも発達したことも契機となり私の印象だとこのあたりの頃から明確に韓国を嫌う層が増えていったような気がします。
 ただそのように徐々に両者の感情が悪化していった中、2002年のWカップは日韓による共催で開かれます。目立った絡みこそなかったものの両国間で世界中のスーパースターが集まり、毎日お互いの国の大戦状況など報じられたことから関係改善という意味では一定の効果があったかと思います。逆を言えばこの時を区切りに日韓関係はその後、ずっと悪化していくこととなるわけなのですが。

 ちなみに私はこのWカップの時に高校生でしたが、当時は学校の授業が終わると試合を見ようと急いで帰宅する生徒が周りにもいました。ただそんな中で物凄いサッカー好きの友人は何故か泰然自若として帰宅する様子がなかったのでどうしたのかと聞いてみたところ、「試合は既に録画予約している。僕は国歌斉唱のシーンから見ないと気が済まない」と風格ある発言をかましてきてくれました。なおその友人は小学生の頃に家出した際、唯一家から持っていったのはサッカーボールで、家に帰るまで公園でずっとリフティングしていたという強者です。

2013年9月13日金曜日

住宅ローンに対する個人的な不満



 最初に全く関係ありませんが愛知県岡崎市のゆるキャラ、というよりキモキャラのオカザえもんの画像をはっつけます。というのも先月に岡崎市を訪問した際にいろいろ彼のグッズを眺めましたが、初見のインパクトだけであれば奈良のせんと君にも負けず、Tシャツでも買って帰ろうかなと思ったからです。結局買わなかったけど。

 そうしたどうでもいいことは置いといて本題ですが、前回の記事で私は銀行と不動産業に対して規制緩和が必要だと主張したのですが、このような主張をした最大の理由というのも今日のお題に掲げている住宅ローンです。住宅ローンの仕組みについては一から説明しませんが、あくまで個人的な印象として、日本の住宅ローンはいくらなんでも銀行側に都合のいい慣習がまかり通亭やしないかと前々から感じており、今日はその辺の主張をかいつまんで説明します。

 まず私が日本の住宅ローンに対して疑問を持ったのは、2007年にアメリカで起きたサブプライムローン問題からでした。サブプライムローンとは低所得層に向けた住宅ローンに対する債務保証なのですが、2007年にこのサブプライムローン対象の住宅ローンで一斉に解約が続いたことにより信用不安が増し、翌年のリーマンショックへと続いていくこととなります。
 私が当時に注目したのはそうしたサブプライムローンの仕組みより、アメリカの住宅ローンの仕組みでした。具体的に何が日本と違うのかというと、住宅ローンの債務者、要するに銀行からお金を借りて家を買った人は住宅ローンが払えなくなった際、その抵当となっている住宅のキーを銀行に還すことで残りの支払いが免除されるそうです。つまり、お金を返せなくなったら家を出ていけばそれでローンは残らないというわけです。

 このような仕組みだったからこそサブプライムローン問題が大きくなったという背景もあるのですが率直に言ってアメリカの制度の方が金融業務上、正しいのではないかという印象を覚えました。わざわざ説明するまでもありませんが日本の住宅ローンだと、債務者が失職したり不意な事態に遭遇してローン返済が出来なくなったとしてもローンの支払い義務は必ずついて回ります。そのせいともいうべきか災害などによって住宅を失って新しい家に移ったとしてもローンがついて回り、最悪の場合だといわゆる二重ローンを抱え込まざるを得なくなります。

 このような日本の住宅ローンの仕組みを考えるにつけ、少なくとも住宅ローンにおいて日本の銀行は債務者が自己破産しない限りほぼ確実に返済と利鞘を得られることとなり、行ってしまえばノーリスクで収益を受けられるのではないかと思います。となると銀行としては債務者の所得がどの程度だろうと金を貸した分だけ儲けられるのであれこれ言っては貸してしまう……という風になるのではないかと前から思ってるわけです。 

 私は別に金融業の連中が利鞘収入を取ることについては何も問題がないとは思いますが、自分たちはノーリスクで儲かる一方で債務者に二重ローンのリスクを持たせるというのはなんか納得いかず、この辺で何かしら規制をかける必要があるのではないかという気がします。具体的には、債務者が住宅ローンの返済を中途で放棄する際、銀行側はローン額のうち一定割合を債務放棄しなければならないとか。こうすれば審査とかも厳しくなってリスク的に面白味も出るんじゃないかな。

 ついでに書くと日本の住宅慣習では仮に新築の家を5000万円で購入した際、その家をすぐに売却するとなるとその売却額はほぼ半額の2500万円にまで落ち込むことが多いです。そりゃ新品と中古では後者の価格が下がるのは当然と言えば当然ですが、それにしたって日本の不動産価格の下落っぷりはやや異常なように思え、この辺も何かしら改正するように制度を整える必要があるんじゃないかと思います。でないと新築物件ばかり売られ、よくいうビルト&スクラップ方式で古い住宅は活用せずに新しい住宅ばかり作ってしまうことになりかねません。もっともこう言っている傍で、古い住宅は丸ごと薙ぎ払って中国みたいに高層マンションをどんどん作った方が効率良いよねとか友人によく話すのですが。

2013年9月11日水曜日

規制を緩和すべき業界、強化すべき業界

 最初にいつもの如く本題と関係ない話題ですが、大相撲の把瑠都関が本日、引退を発表しました。規格外のパワーと人懐っこい性格から高い人気を得て私も好きな力士でしたが、重量級の力士にありがちな膝の怪我から引退を決意したとのことです。力士人生、お疲れ様でした。

 そんなわけで本題ですが、2000年代以降の日本の政権はどれも「規制緩和」を大きな政治課題に掲げましたが、もっともこの四文字を連呼してなおかつそれを実際に実行したのはほかならぬ小泉政権でしょう。ただこの小泉政権は小泉純一郎氏が首相だった当時からも、本当に規制を緩和すべき業界が緩和されず、逆に緩和してはならない業界を緩和してしまったという批判が絶えず付きまとっておりました。
 この指摘について私はもっともだと感じるところもあればそういうわけでもないとも思っているところもあるのですが、そもそもどの業界の規制が問題なのか、先日に友人ともこの手の話題で盛り上がったので具体的にそういった業界を今日は取り上げてみようと思います。そんなわけで早速つらつら書いてくわけです。

<規制を緩和すべき業界>
1、銀行・証券業界
 日本の金融業はアメリカの圧迫によって保険業界だけは外資の参入が許されるなどまだ開かれておりますが、銀行と証券においては未だ厚い規制に国内企業が大事に保護されております。もっとも多かれ少なかれどこの国でも銀行業は保護される傾向にありますがそれにしたって日本の場合は守られ過ぎで、はっきり言いますが今のままだと海外市場で外国勢に簡単に負けると断言できます。
 また銀行業界の業務、具体的には住宅ローン事業は消費者の目から見てふざけるなといいたいくらいの制度になっており、ノーリスクで利ザヤを稼ぐあのやり方は一刻も早く改正するべきです。この辺についてはまた別記事にて詳しく解説します。

2、建設・不動産業界
 上記の住宅ローンともかかわってきますが不動産業界も規制がやたら多く、社会全体のためにも緩和するべきだと思います。もっともこの業界は規制によって業者が守られているという訳ではなく、むしろ業者の活動を著しく縛り自由な競争を妨害している節があります。まぁその妨害によってゼネコンは設けているのだが。

3、放送業界
 最も規制に守られているのはいうまでもなくこの放送業界でしょう。放送免許制度によって第三社の参入を完全にシャットアウトして独占産業になっているだけでなく、どんな不正を放送局がやったとしても何も罰則がないというイカれた業界です。ここもはっきり言いますが、包装行においては中国の方がまだ規制が少ないようにすら思える。NHK改革も遅々として進まないし。

規制を強化すべき業界
交通業界
 知ってる人には早いですが、タクシー業界では業界企業からの陳情を受けて総量規制が各地で始まっております。この業界こそが小泉政権の負の遺産と言ってもいい業界で、新規参入が相次いだことによって競争過多となった業界です。最もわかりやすい例は高速バス事業で去年、一昨年と従業員の激務が一因とみられる大事故も起きており、再び規制が強化されつつあります。

2、広告業界
 具体的には看板広告。自分もいろんな国行ったりしたけど駅前に風俗店やらパチンコ店の派手な看板が堂々と貼り付けられている国は日本くらいだとマジで思います。オリンピックも決まったわけだし、もう少し京都みたいに景観を大事にする意識を日本も持つべきじゃないでしょうか。

3、IT業界
 こちらは逆に国内企業を守るために規制設けたらどうかっていう提案です。というのも中国ではYoutubeが規制されて見れないのですが、この規制によって「優酷」という動画サイトは立派に成長を遂げました。現在の日本のIT企業で世界に太刀打ちできるのは数少ないことから、国内企業保護のために何かしら規制があってもいいとか思ってます。

 パッと思いつく限りだと以上のようなものです。銀行と不動産業界については言いたいことがたくさんあるのでまた今度、時間と体力がたっぷりある時にでも自分が不満に思うことを書いていくことにします。

2013年9月10日火曜日

漫画レビュー:怨み屋本舗シリーズ



 本題と全く関係ありませんが、前評判の高さと裏腹に現在クソゲーの名をほしいままにしている「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」のプレイ動画をはっつけておきます。このゲーム自体は私はプレイしたわけではありませんが、この動画に出てくるブチャラティの声優は雰囲気といい発声といい見事としか言いようがなく、特にこのラッシュ時の「アリアリアリ……」をここまで再現したのには脱帽です。

 話は本題に入って今日はくだらない話でも。このところ私の唯一の娯楽と言っていい漫画喫茶で読む漫画に「怨み屋本舗」というものがあります。この漫画は何度かタイトルを変えながらも2000年から今年まで実に13年も連載が続いている人気漫画で以前にはテレビドラマ化もされています。私がこの漫画を手に取ったのはつい先月のことで長く続いて人気だからさわりだけでも読んでみようと思ったことからでしたが、一読してすぐにはまり、現在はこの漫画を読み進めるためだけに漫画喫茶に通うようになっています。

 あらすじについて簡単に説明するととタイトルの通り、他人の復讐を代行する人たちのお話です。基本的に一話完結でぱっぱと読んで行けるのと、家族が殺されたとか理不尽な仕打ちを受けているといった恨みつらみに対して暗殺を含む復讐が実行されるので見ていてかなり気持ちがいいというかカタルシスを覚えます。特筆すべきは主人公である「怨み屋(♀)」のキャラクターで作中にも書かれていますが、「これ以上のドSはいねぇ(;゚Д゚)」って言いたくなるくらいえげつない復讐方法を考案し、実行したりします。ただその一方で自分が前面に出てきてことを動かすことがなく、あくまで黒子の様に動き回るのがほかの漫画の主人公と違い、それがこの漫画の人気の原動力だと思えます。

 と、ここまでであれば大したことのない漫画レビューですが、私がこの漫画を読んで高く評価しているのはその面白さ以上に作者の社会問題意識です。というのもこの作品では警官の汚職や生活保護問題、隣人問題といった様々な社会問題が題材に取られていることが多く、なおかつその内容もかなり詳しい部分にまで踏み来れています。でもって登場人物の中の一人に明らかに作者の問題意識を代弁するキャラクター(「情報屋」というキャラ)がいて、一体何故その問題が良くないのか、どうして社会的に不公平なのかを詳しく解説しており、地味に読んでて為になります。
 さらにというか作者のホームページでプロフィール欄を読むと、「『バクマン』のようには上手くいかず、何回か提出した連載ネームでつまづき撃沈」と書かれてあり、作品以上に作者の栗原正尚氏に対して好感を持ちました。

 ちょっと持ち上げ過ぎかと思えるレビューですが、私個人としては他の人にも強く推薦できる漫画なので少しでも興味を持った方はぜひとも手に取ってみることをお勧めします。それにしても、楠桂氏の「鬼切丸」といい、復讐話が自分はやっぱ好きだなと思える次第です。

2013年9月8日日曜日

東京五輪招致成功と消費税増税確定について

 まずは何あれおめでとうというべきか、2020年のオリンピック東京開催が昨夜決まりました。ちょうど昨日の晩にも友人とどうなるか話したばかりだったのですが、今回の投票は本当にどうなるか票が読めず、それだけに東京に決まったことは素直に驚きを感じました。
 前報道に就いて少しだけ述べると、4年前の招致レースでは日系メディアがさも東京で決まり、ライバルはパリだという報道が非常に目立ちましたが、蓋を開けてみると立候補した4都市のうちでパリが真っ先に落選し、東京もその次に落選するという結果となり、やや時刻に偏った報道だったと強く記憶しております。それだけに今回の招致レースではどうかなと注意深く見ていましたが、最終盤までどうなるかわからない、スペインやイスタンブールとともに東京も一長一短だという具合で比較的冷静な報道姿勢だったように思えます。

 それで今回の五輪招致成功についてですが、単純に言って日本にとっては非常にプラスになると断言できます。五輪開催に向けたインフラ投資が進むほか、近年の日本は国民全体が何か一つの目標を持つというか大義が存在しておらず、東日本大震災の復興意識もわずか2年でしぼんでいますが、今回の五輪開催決定は2020年と時間が区切られているため新たな指標として大いに期待出来るかと思います。私の感覚的には消費や投資よりも、国民の意識への好影響の方が価値あるような気がします。

 そして何よりというか、今回の五輪招致成功で最も大きな成果といえるのは消費税増税の確定です。消費税の増税は野田前首相が文字通り乾坤一擲で議会を通しましたが景気への影響を考慮して増税幅や増税の時期変更について現在に至るまでかまびすしく議論されております。現時点の情報では安倍首相が来月上旬にも増税を予定通りに実施するか決断し、発表すると伝えられておりますが、私は今回の五輪商事成功によって予定通りに増税することが確定されたと考えています。

 理由は二つ。一つ目は五輪招致成功によって景気のさらなる上向きが期待され、これまで懸念されてきた増税による景気への悪影響に対する不安が一蹴されたことです。もう一つは五輪開催に向けたインフラ整備に当たって単純に資金が必要となり、増税することに対して国民の理解が得やすくなるからです。最早増税を阻む障害はほぼなくなったと言ってもよく、安倍首相は間違いなく増税を予定通り断行すると私は予想します。そしてその上で言うと、増税が実施されることによって少なくとも株式市場はさらなる活況が期待されます。

 先月にも知り合いに、「なんで消費税を増税することが景気をよくするんだ?」と聞かれて詳しく解説しましたが、少なくとも株式市場においては消費税増税は格好の好材料です。というのも海外の投資家の日本に対する懸念は過大な債務で、それを今後どのように減らしていくかに焦点が集まっているからです。
 そしてもう一つ、こちらの方が重要なのですが、同じように海外の投資家は消費税増税によって日本国内でインフレが進むことを強く期待しています。この辺は貨幣の実質価値との関係があってうまく説明できますが、とにもかくにも外人は日本が増税して、インフレが進むことを期待しており、それによって投資市場はよくなっていくという観測を私はしております。

 株式市場が景気を必ずしも左右するわけではないですが、消費税増税は避けてはならない課題だしそれによってインフレが起こればいい循環にもなると思え、それだけに今回の五輪招致は非常にいい材料になったと思えます。安倍首相も今回の成功で少なくとも来年までは確実に政権に留まれますし、日本もようやく明るい材料来たかなと今は思います。

2013年9月7日土曜日

HSK5級、6級の試験対策

 本日、都内某所(水道橋駅近くの日大キャンパス内)でHSKという中国語の資格試験を受験してきました。このごろブログ更新を休みがちだったのはこの試験対策が第一ですが、そういっている割にはパワプロやっている時間の方が長かったような気がします。我ながら、真面目にやれよなぁ。

 まずHSKについて簡単に説明しますが、これは中国政府が主催する中国語能力試験で、元々は中国国内にいる中国語を母語としない少数民族出身者が大学入学するに当たってその中国語能力を測るために作られました。現在では中国語を学ぶ外国人向けにアレンジが進み、中国にある大学に本科生として留学する条件としてHSKの資格を要求する大学もあります。
HSKについて私なりの評価を述べると、少なくとも中国語検定よりは信用が出来ます。というのも中国語検定は上級になるにつれて「こんなの実生活でまず使わないだろう」という文語的表現を問う問題が多くなり、あまり実践的とは言えない試験です。それに対してHSKは問題がややシュールなのが多いですが日常的な話題が多く、なおかつヒアリング問題に良い題材を取ってきているので私が人事担当なら中検は無視してもHSKはちゃんと見ます。

 私はこのHSKを大分昔、北京で留学中に一度受験し、当時1~11級(数字が高いほどランクが上)ある中で7級を取得しました。ただその後で制度が変わって現在のHSKは1~6級の6ランクとなったので、今年3月に5級を受験して無事合格。でもって今回は最上級の6級を受けてきたというわけです。
 だいぶ前置きが長くなりましたがそんなわけで、今日は自分の体験からこのHSKの5級、6級対策について書いてみようかと思います。それにしても5級はともかくとして、6級はまだ受かったかどうかも分からないのに書き出すのが私らしい。

 まず5級、6級がどのくらいのランクなのか私なりに評価を述べると、5級を取得していれば間違いなく中国語上級者と言っていいと思います。曲がりなりにも中国語の翻訳ライターをやっていた身から言わせてもらえば、私自身は翻訳の仕事を始めた当時だと5級を取得できたかどうか怪しいレベルだったように思え、ワンランク下であることを前提とすると4級取得くらいの実力があれば翻訳ライターはやれるんじゃないかと思います。もっとも翻訳ライターは中国語の能力以前に日本語の文章力が問われますが。

 まず5級、6級に共通する点から述べていきますが、どちらもヒアリング、読解、作文の3部門にテストが分かれており、それぞれ100点ずつ、計300点の配点となっております。合格ラインは6割、つまり180点以上となっているため、ぶっちゃけヒアリングが20点、読解が80点、作文が80点でも合格となります。日本人は欧米人に比べて漢字を初めから理解しているため読解問題で高得点を叩きだす傾向があるため、厄介で運の要素も絡むヒアリングを補うために8割くらいの得点を狙うべきでしょう。

 では5級をどんな問題があってどんな対策が必要かですが、ヒアリングに関しては短文を述べる形式と対話形式の2種類の問題が出てきます。短文形式はそのまんま内容と一致するものを選択肢から選ぶので対策は特にありませんが、対話形式については選択肢に紛らわしいものが非常に多くて私自身としては非常に苦手でした。ここだけの話、ヒアリングだけなら6級の方が簡単だった。
 読解問題は非常に基本的な文法を聞いてくることが多いので地道に勉強をするのが第一ですが、後半に比較的長い文章を読む問題が用意されており、長文に慣れていない人はペース配分をしっかり考えて取り組む必要があります。なおその長文問題ですが、こちらはひっかけなどが少なくじっくりとしっかり読めば確実に点を取れるところなので、運も絡む前半の細かい文法を問う問題はぱっぱとやり過ごしてしまうことをお勧めします。

 そして最後の作文問題。これは2種類の形式に分かれててまず最初に用意されている単語を組み立てて文章にする問題が出されます。私が最初に5級の問題集で対策をした時にこの組立て問題の正解率があまり良くなくてちょっと手こずったのですが、対策というか傾向として「是~的(~は~だ!)」という構文が多く、この構文を意識して問題を見ることで正解率が高まりました。
 作文問題のもう一つの問題形式はその名のとおり作文で、用意されている写真を見て何かしら好きなことを200字で書けと出題されてます。ひとまず文字数を稼ぐことに集中して私は書きましたが配点はどうなってるかわからずどんなものかと気を揉んでましたが、結果は合格だったので文法とかにこだわるくらいなら適当な内容で文字数埋める方がいいでしょう。

 話は移って6級。基本的な問題構成は5級と同じですが、ヒアリング問題は5級と比べてかなり長大な会話文が出てきます。具体的にはテレビやラジオでのインタビュー文が出てきて今日受けた奴なんか女性漫画家のインタビューでした。これは全文聞き取るのはかなり至難の業ですが、そのかわりに出される問題は比較的簡単なので何度か練習すれば正解率は上がると思います。でもって読解問題は基本的に5級と同じで難しさもそう変わりません。
 逆に大きく変わるのは作文問題。こちらは長文を10分で読んだ後に同じ内容を400字前後に中国語で要約せよと出されます。何度か練習してきたものの今日の試験ではなかなか手ごわく、配点もわからないだけにどんな成績が出るか全くわかりません。ヒアリングと読解は大丈夫だとは思うんだけど。

 あまり対策の話をすることが出来ませんでしたが、基本的には問題に慣れることが大事なので公式問題集などを繰り返し解くことが重要だと思います。特に6級の作文問題は模範解答でもいいと思ったのでそれをそのまま書き写すなどして私は対策しましたが、何もしないで臨むよりかはよかったと思います。

  おまけ
 過去問にあった作文問題の内容でこんなのがありました。

「デート中に寄った喫茶店で男が緊張のあまりウェイターに塩を持ってこさせてしまったので、それをコーヒーに入れてごまかした。それからそのカップルは付き合い始めたが喫茶店に寄る度に女は男がコーヒーに塩を入れるからとウェイターに塩を持ってこさせ、男も嘘だったと言えず毎回入れていた。その後、二人は結婚して男の方が先に天寿を全うしたが、妻宛の遺書には嘘だったことを隠しててごめんと謝った上で塩入りコーヒーは本当にまずかったと書き残していた」

 なんていうか、本当に中国語の問題はシュールです。

  追記
 この時の試験でHSK6級に受かりました。点数はかなりギリギリだったけど。

2013年9月5日木曜日

格差問題の後の共産党

 かなーり昔、具体的には2008年にこのブログで書いた記事で、「格差社会に対する問題意識が広がる中で蟹工船がブーム、そして共産党へ入党する若者が増えている」というニュースを取り上げました。あれからもう5年も経って自分もいろんな意味で人生に疲れたりもしているのですが、共産党の変化に対してちょっと書いてみようかなという気になりました。

 今日も忙しいのでまた短くまとめますが、5年前の共産党の入党ブームはやはり一時的なものだったようで、その後共産党の党員数が拡大を続けているという報道は見当たりません。ただ共産党への支持という意味ではこの5年間で確かに高まっているということは言えるように思え、先の選挙においても社民党がもはや政党として存続できなくなったり、民主党が内部崩壊しているのに対し、大幅な議員の減少もなければ確固たる野党として存続を続けております。

 言ってしまえば格差是正を訴えるという意味では社民党も共産党も同じスタイルです。にもかかわらず何故両者にこれほど差が出てきたのかいろいろ考えることが出来ますが、一番大きな差だったのは社民党が場当たり的な行動が多く古参の支持層を失っていったのに対し、共産党は古参の支持層が離れない程度に野党のスタイルを保ったことが大きかったように思えます。もっとも、だからと言って共産党が政党として優れているかはまた別問題ではあり、私自身としては野党としては現在ある政党の中で一番マシかもしれないけど、政権は取ってはならないなと見ています。

 調子が悪いのが続いてて文章もノリが悪いですが、今のところ共産党への支持は格差問題から広がっているというわけではなく、与党である自民党に反感を持つ層の受け皿となるのがここしかなかったからというのが最も大きな理由でしょう。逆に言えばほかの野党は受け皿になることも出来ないほど未熟ってことですが、昨日も書いたように社会主義、共産主義自体がどことなく、反逆思想の高い人間と相性がいい。特に大きな理由はないけど何かと目立つ存在が憎い、っていうような人と相性がいいように思え、どれだけ弾圧したって案外なくならずに細々とやっていくかもしれません。

 ただなんというか、本当に疲れているのかまた変なことを書いていきますが、やっぱり世の中にはそういうマイノリティを受け入れる組織なり団体なりが必要なんじゃないかとこの頃よく思います。暴力団は論外で叩き潰すべきだという立場をとりますが、ちょっと反逆思考というかアンチセントらリズムを気取る集団がないと世の中回ってかないように思えます。自分がそういう人間の一人であるだけに、強く強く感じます。

2013年9月4日水曜日

社会主義と私

 最近また忙しいので短い記事でも書こうと思ったら、なんだか妙なタイトルになって自分でもびっくりです。

 このブログを長く見続けてくれている方には早いでしょうが、何かと社会主義と私は縁があります。一番大きいものだと名目上は社会主義である中国が大好きで留学したり働きに行ったりして、果てには文化大革命について長々と解説記事を書くなどその入れ込みっぷりは異常と言ってもいいでしょう。このほか連合赤軍の事件にもやたら傾倒して調べており、自分の世代の中ではこの方面の知識がトップクラスに豊富に持っているという自負があります。

 一体なんでこういう社会主義関連にやたら興味を持つのかというと、単純に自分の性格なり思想と相性がいいのだと思います。昔に後輩にも、「花園さんが全共闘の時代にいればきっとヒーローでしたよ」と褒め言葉なのか皮肉なのかよくわからない言われ方をされましたが、私自身もきっとヒーローになっていたと本気で思ってます。北朝鮮にも飛んでったかもなぁ。

 もっともこれだけ相性がいいと言いながらですが、現代の日本の社会主義政党、具体的には社民党と共産党に対してはこのブログを中心にかなり激しく批判を続けておりますし、社会主義の思想も実現不可能なカビの生えた腐った概念だと断言します。なのになぜ昔の社会主義関連の事件に惹かれるのか、悪い言い方をすると今の世の中が気に食わないから真逆の概念を必死で探そうとしているかのように思えます。ただこれを良い言い方に変えるとすると、現代の世の中を客観的に見ようとするため、比較対象として学ぼうとしているとも捉えられます。
 あと時代的というか、ちょうど日本の民主主義が行き詰まりを見せた頃に青春時代を過ごしており、社会主義の一党独裁による支配体制にも妙な感慨を持ったのもあるかもしれません。そういう事書いてたらかなり昔に書いた記事を思い出したので、明日はちょっと振り返る意味も込めてその記事の続編でも書いてみようかな。

2013年9月2日月曜日

奈良ドリームランドを偲ぶ

 先々週末は名古屋に左遷された親父の所へ遊びに行っていたのですが雨上りの散歩中に突拍子もなく、「関西で年配の人と話をする際、奈良ドリームランドのことに触れると話がしやすい」と私の方から口に出しました。なんでこんな内容を話題に挙げたのか自分でもよくわからないのですがなにか神様の配慮があったのか、その後に立ち寄った喫茶店(岡崎市内)に置いてあった週刊現代にまさにその奈良ドリームランドについて書かれた記事が載ってありました。

奈良ドリームランド(Wikipedia)

 関西圏に住んでいたことのある人間には説明は要らないでしょう。それはかつて奈良市にあったテーマパークで、私と同年代の人間も小学校の遠足などで一度は訪れたことがあるはずです。少なくても私の周りの関西人はみんなそう言ってました。

 では関西圏以外の人向けに解説を開始しますが、この奈良ドリームランドは実業家の松尾國三によって1961年に開業したテーマパークです。当時の日本は高度経済成長期まっただ中で松尾國三もそうした追い風を受けて一代で興行会社、そして不動産会社を経営するに至りました。そんな彼が何故テーマパーク事業に進出したのかというと、自分も意外だったのですがアメリカのディズニーランドを訪れたことがきっかけでした。
 ディズニーランドを訪れた松尾國三は日本にもこのような娯楽施設が必要だと考え、ウォルト・ディズニーに直談判してノウハウ等の協力を要請しました。松尾側はこの際に「日本版ディズニーランドの開園許可を得た」、つまりフランチャイズ契約を結んだと主張し、実際にディズニー側から開園に向けた開発で技術スタッフの派遣を受けてはおりますが、ディズニー側の主張はこれとは少し異なり、「フランチャイズ契約料の交渉で折り合いがつかず破談となった」と述べているそうです。

 この交渉が実際にどうだったかについては定かでない部分が多いですが、少なくとも松尾國三とウォルト・ディズニーが直接会ったのは間違いなく、そして当初はお互いに協力する方針であったのではないかと私は思います。ただ松尾側はアメリカにあるディズニーランド内で勝手に写真の撮影や測量を始めたりするなどしてディズニー側の顰蹙を買ったと言われ、その後の交渉でどうも行き詰まったような感じです。
 なおこのような経緯があったことから現在の東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドがディズニーに対してフランチャイズ交渉をする際、「日本人はかつてディズニーランドをパクッた」などと言われ交渉が難航する原因になったとも言われています。もっとも、オリエンタルランドは日本で大成功を収めてますが。

 話は戻って奈良ドリームランド。ディズニーとのすったもんだがあったものの開園にはこぎつけます。設立地はいうまでもなく奈良市ですがこれは他の都市に比べ奈良市が特に誘致に熱心だったことからですが、松尾國三は当初、人口の多い東京周辺に設立をする計画だったそうです。
 開園後の奈良ドリームランドは当時としては珍しい乗り物を使ったアトラクションが多数あったことや日本初の本格的なテーマパークだったことから盛況となります。当時の状況について関西出身のうちの親父に聞いてみると、初めて行った時は本当に衝撃的だったらしく、このような楽しい場所がこの世にあるのかと思うような印象だったと話してました。親父も若かったんだな。

 ただその後、似たようなテーマパークが乱立し、しかも奈良ドリームランドは奈良駅からバスで移動しなければならないという交通アクセスの不便さがたたり、時代を経るにつ入れて徐々に来園者数は減少していきます。特に交通アクセスの不便さについては近畿で最も人口の多い大阪から行くには遠すぎるというのがかなりネックだったそうで、USJが出来てからはその動きに拍車がかかっていきます。
 この交通アクセスの問題はどこまでもついて回るようで、奈良ドリームランドに続いて1964年に作られた横浜ドリームランドでも同じ問題が起こっております。横浜ドリームランドはベッドタウン化が進む横浜市に設立されたのですが、こちらは時代が経るにつれて人口が急増し、周辺道路では大渋滞が日常茶飯事となり来園者の到達までの負担が非常に高かったそうです。しかも渋滞対策として1966年に導入した国鉄大船駅と結ぶモノレールは、技術上の欠陥によって運行開始からわずか1年5ヶ月で休止に追い込まれてます。今日はやけに頻出のうちの親父によるとこのモノレールを作ったのは東芝だったそうで、「東芝がやらかしたから閉園に追い込まれたんだ」とやけに悔しそうに言ってました。

 兵どもが夢の址ではないですが、横浜ドリームランドは2002年に、奈良ドリームランドは2006年にそれぞれ経営悪化から閉園しております。ちょうどというか自分が学生として京都にいた際、この奈良ドリームランドだけでなく同じ奈良市にあったテーマパークの近鉄あやめ池遊園地も2004年に閉園し、目の前で関西のテーマパークがばたばた倒れるさまをまざまざと見せつけられていました。一応、志摩スペイン村とひらかたパーク、生駒山上遊園地はまだ存続して頑張ってますが。
 私は奈良ドリームランドが閉園する数年前に京都へと渡ったのですが、自転車で奈良市を訪れた際に少し道を間違えたことから奈良ドリームランドの敷地近くを通りかかったことがありました。それまで関東育ちだったこともありこういう遊園地が関西にはあるんだな程度に思いませんでしたが、その後に関西の人たちと奈良ドリームランドについて話をするたびにみんなが楽しそうにその思い出を語るを見るにつけ、一回でもいいから遊びに行っておけばよかったと今は思います。そう言いつつも、残っている三つの遊園地にはどれも行ってないのですが。

 最後にまた蛇足な内容を加えますが、松尾國三が起ち上げドリームランドを運営していたのはドリーム観光という会社ですが、この会社はいろんな事業をやっておりその運営施設の一つには千日デパートも含まれています。この千日デパートというのは1972年に大規模な火災が起こり118人が死亡し、その後に取り壊された商業施設です。こっちの事件は以前に昭和の事件を調べていた際に印象に残ってて覚えていたのですが、それがまさか奈良ドリームランドと関係があったとは思いもよらず、せっかくなのでまとめて紹介してみようと思ったわけです。
 ちなみに、この千日デパートの跡地には現在、ビッグカメラなんば店が建ってるそうです。こういう風に見てみると妙な現実感が湧いてくる。