2016年4月30日土曜日

千葉のマッドシティ~桐杏学園新松戸校

桐杏学園公式サイト

 上記リンク先は小学校受験を目指す幼稚園生を対象とした「桐杏学園」という塾のサイトですが、ここは現在は市進ホールディングスの傘下であるものの、以前は独立した企業母体で、また幼稚園生だけでなく小学生、中学生を対象とした塾でありました。でもって私も小学校の四年生から六年生にかけてここの新松戸校で指導を受け、中学受験をする羽目となったわけです。

 桐杏学園新松戸校は新松戸駅から線路沿いに歩いた駅前自転車置き場の前に専用校舎があり、私みたいに車で送り迎えされる人もいれば電車使って柏辺りから通ってきている生徒もおりました。当時、小学生の講義時間は夕方五時から九時までで、五年生は火木の週二回、六年生は月水金の週三回で授業が組まれており、授業のある日の夕食は持たされた弁当を休み時間に食べてこなしてました。

 私はこの塾に小学四年生の後半から入塾したのですが入るに当たっては入塾に当たっては試験があり、学力が足りなければ容赦なく入塾が断られるというシステムでした。幸か不幸か私はこの試験にパスして新松戸校の五組に割り振られたのですが、当時新松戸校には一組から五組まであり、一組全員と二組の一部はSクラス、それ以外はAクラスとされて五組は最底辺のクラスでした。このクラス並びにクラス内の席順は毎週行われる日曜テストの結果を元に一ヶ月毎に変更され、成績がよければクラス内の席次も上がって上のクラスへと移り、逆に成績が落ちればクラス内の席次もどんどん下がって下手すりゃ下のクラスに落ちるというシステムです。
 当時小学生だった自分からすればこのシステムは初めてともいえる明確な「競争」に根ざしたシステムであったため、最初は戸惑いとともに強いストレスを感じながら通っていたのを覚えています。もっともこの時に体験していなければ後年の中学の定期テストで同じことを体験していただろうし、そういう意味では早いか遅いかの違いだけでしょう。

 クラス替えのベースとなる日曜テストは毎週日曜日に西日暮里校で行われており、小学五年生は午後一時から四時半まで、小学六年生は午前八時から十一時半までというスケジュールで組まれていました。そのため小六の頃ならまだ午後の時間帯が自由に使えましたが、小五の頃は日曜日に自由な時間は実質なく、友達とも遊びの約束も出来なかったためそこそこストレス抱え続けていました。特に最初にこの日曜テストを受けた時は初めてのテストという緊張と共にそれまであまり経験してなかった長時間の拘束を受けたため、テストが終わった後で体調を大きく崩しそのまま一週間丸ごと学校も休んで寝込み続くという有様でした。
 そもそも私自身は中学受験どころか何もわからないままこの塾に放り込まれ、受験のシステムを理解した後でも周囲の友達と共に地元の中学校へ進学したいとずっと願い続けましたが親からの強制を受ける形で結局中高一貫の私立校へと進学せざるを得ず、でもってその学校も何の面白味もない学校だったため今でもなんか丸々大損こいたような気分しかありません。強いてよかった点を挙げるとすれば、「なんでこない苦しい思いせなあかんねん……」と、当時やばいくらい自問自答を繰り返し続けた甲斐あってじっくりと内省しながら周囲の状況とを比較する思考が極端に鍛えられたってことくらいです。

 こんな具合で小学校高学年の頃はあまりいい思い出がないのですが、まだ救いだったのは一緒に塾に通っていた友人たちの存在でした。大体どの生徒も親から強制されて中学受験されている口で抱えている悩みはほぼ一緒だったこともあり、お互いの環境を理解しやすく且つ共感し合える人間同士だったため、塾にいる時間しか接触がないにも関わらず誰とでもすぐに仲良くなれました。今でもよく覚えているのは同じ苗字の生徒がクラス内に二人いて、片方がひょうきんで目立つ生徒だったのでそのまま名字で呼ばれ、もう片方は大人しく目立たない生徒だったため「パート2」というあだ名で呼ばれてましたが、今考えると結構ひどいあだ名だったなという気がします。
 同じあだ名ネタだと、国語の時間に講師に指され選択問題の回答を四択で要求された場面で、問題内容は作品名を答えるというもので正解は「山椒大夫」だったのですが、指された生徒の後ろにいた別の生徒が小声で「クリスマスキャロルだ」と嘘教えたらそのまんま元気よく「クリスマスキャロル!」と答えてしまってそれ以降、「キャロル」ってあだ名になった生徒もいました。講師もこのあだ名で呼ぶほど浸透ぶりがよかったです。

 話は私の体験談に戻りますが入塾当初は最低レベルのクラスで席次も一番後ろからスタートし、塾で教えられる勉強にもなかなかついて行けず四苦八苦を続けましたが、小五の秋頃には段々と学力も上がって三組の中堅くらいに位置するレベルに落ち着きそのまま最後までその位置をキープし続けました。小学校の頃は科目にあまり得意不得意はなかったのですが社会科の歴史単元だけはまるで別で、この頃から圧倒的に強く日曜テストの偏差値も60を切ったことは一度もなかったと思います。

 あと、平日はさっき述べた通りに小六時は週三回の授業でしたが夏休みはまた別で、夏期講習がみっちり組まれてあって半分以上、っていうかほぼずっと塾で過ごしていたような気しかしません。むしろ今同じことやれって言われたら耐えられないかもしれないような勉強漬けで、体調を含め精神とかよく崩さなかったなと今思います。まぁ周りの生徒もみんな耐えてたんだから崩すわけないでしょうが。
 なお夏休み中の夏期講習時はよく休み時間に校舎内で鬼ごっこをして遊んでいましたが空き教室ごとに冷房MAXとか暖房MAXに設定したりして、次の休み時間にそれらの教室に潜伏しては無駄に寒がったり熱がったりしてました。教室名も勝手に「北極」とか「インド」って名付けてたし。

 こんな感じの塾生活を送って中学受験を果たしたわけですが、この当時に中学受験をする生徒は私を含めクラス内には数人しかおらず非常に少ない人数でした。しかし聞くところによると昨今は少子化もあるでしょうが中学受験をする生徒はどんどん増えており、実際に私の従妹の子供もみんな中学受験していて時代が変わったなという感慨を覚えます。私に言わせれば勉強する子は必要になったらするので、小さいうちから強制しなくてもやる時はやるから無理して中学受験はさせなくてもいいんじゃないかと思うのですが、世間はどうもそういうわけではないようです。

 この、桐杏学園新松戸校はその後の被買収などを受けて校舎自体なくなっており、最近あの辺り行ってなかったので記憶が定かではありませんが確か跡地は駐車場になってた様な気がします。小学生時代にあれほど血反吐吐いて遊びたい盛りの時期に一方的に我慢を強いられ続けて今に至るのかと思うと本当に無駄な行為だったなと思えてならず、あれだけ時間使うんだったらVスライダーの一つでも習得させればよかったのになんて思えてきます。まぁ、Vスライダー使えるようになったからってその後の人生には何も影響しないでしょうが……。

  おまけ
 真面目に今思い返してみても、小六の夏休みは勉強してた以外の記憶がほとんどありません。中一の夏休みは自転車で浦安まで片道約25km、往復50km走って帰りに死にかけたってのはよく覚えているのですが。

2016年4月28日木曜日

今日出た呆れた報道、見事な報道

 本当は別の記事ネタを書く予定でしたが見ていて呆れる記事が本日多数見受けられたので、日本の報道界に物申す意味合いで槍玉にあげようと思います。

三菱自の燃費不正、見劣る開発費が引き金か 経営危機で削減、トヨタの1割以下(SankeiBiz)

 見出しを読んだ時点で「こいつらバカじゃねぇの?」とすぐ思った記事です。内容は例の三菱自動車の燃費不正について不正を起こした背景として、「三菱自は開発費が他社より少なく、開発部門が不正に至る要因になったのではないかとの見方は少なくない。」とか抜かしていますが、開発費が少ないことが不正を誘発する理由になるとはとても思えません。もしそうなら三菱自動車よりもっと開発費のない中小各社はどうなんだってことだし、第一トヨタはここ数年ずっとR&D(研究開発)投資額で日本ナンバーワンだし、ここのR&D投資額の1割以上に達する企業の方がはっきり言ってレアでしょう。デスクもこれ読んで、「んなわけねーだろ」と思わなかったのだろうか。
 詳しく比較してませんが、同じ自動車メーカーでもマツダに至ってはそんなR&Dに投資してないくせに世界屈指のディーゼルエンジンとか空恐ろしい4WDシステムを開発してのけています。開発成果だけ見れば、ここ数年はトヨタより上だと思います。

日本の「報道の自由」を考える~本当の問題はどこにあるのか(江川紹子)

 この前NGOに国際報道自由度ランキングで日本が72位と結構低かったことについて「えーなんでー?」ってグダグダ書いてるのが上の江川氏の記事ですが、この順位の真相は多分この下の記事内容でしょう。

「記者クラブ廃止」「独立機関設立」…国連特別報告者が提言 大手メディアはほぼ無視(楊井人文)

 私見から言っても日本で報道の自由を一番妨げている要因はこの記事で指摘されている「記者クラブ」の存在で間違いないと思うし、サボって原文読んではいないですが恐らくNGOの報告書でもその点について指摘されてると思います(別の日系メディアも、報告書中に記者クラブの記述があったことはさらりと報じている)。にもかかわらず江川氏のグダグダ無駄に長い記事では記者クラブについては一切触れておらず、一番肝心な部分に触れずどうでもいい周辺内容についてあまり意味のないことを延々と書き綴っています。よくこんな恥ずかしい記事出すな、ってかこの人原文ちゃんと読んでるの?

直撃!鈴木敏文「裏切り者たちに告ぐ」~「アイツだけは許せない」という怒り(現代ビジネス)

 記者としての見識を疑う記事が多く出ている中、読んでて唸らされたのが上記の現代ビジネスの記事です。記事内容は見出しにも書かれている通り、先日に電撃辞任したセブン&アイホールディングスの鈴木敏文元会長への電撃インタビューです。
 実は現代ビジネスは普段あまり評価していない媒体なのですがこの記事に関しては別で、短いながらも鈴木氏から直接言葉を引き出した上にセブン&アイの経営状況に関してほかの取材源から得た情報を合わせて報じており、誠に以って完成度の高い記事となっております。週刊文春もそうですがこのところの雑誌メディアの奮闘ぶりは目を見張るものがあり、一方で大メディアにおいてはお門違いもよく下手すりゃ常識すら疑う記事が散見され、元記者の立場から言わせてもらうと緊張感を持たない記者が増えてるなと思うわけです。

 まぁここだけの話、大メディアの記者に関しては以前からそんなに実力評価していません。大新聞でスクープ取ってくるのは決まって雑誌メディアや地方紙出身の中途採用の記者だし。

2016年4月26日火曜日

続・三菱自動車の燃費不正事件について

 どうでもいいですが今の職場に言語学の専門家でもないのに、「関西弁のプロ」と呼ばれる人がいます。なんでかっていうとその人にかかれば中国語ですら関西訛りに聞こえてくるほどの本格派で、「あの人が関西弁ならこうだと言ったらこうだ」とみんな納得してます。

当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について(三菱自動車)

 さて本題ですが、先日にも取り上げた三菱自動車の燃費不正事件について今日国交省への三菱自動車による報告が行われ、その後の記者会見にて報告内容の説明が行われました。その報告では当初発覚した四車種だけでなく、25年前の1991年から国の規定された「惰行法」ではなく「高速惰行法(と三菱が自称する)」によって一貫して燃費検査の基礎データを測定していたというものでした。この報告を受けてメディアなどでは「燃費不正は25年前から」、「他の車種でも同様の手口」などと大きく書いてはいるものの、私としてはそれほど驚きはなく4/20の段階で既に分かり切っていた内容にしか過ぎないと思っています。

 何故最初に不正発覚した4/20の段階で「ekワゴン(デイズ)」、「ekスペース(デイズルークス)」以外の車種でも燃費不正をしているとわかっていたのかというと、最初の会見後の報道でそういってたからです。

燃費試験、有利な数値提出=測定に規定外の方式も―三菱自(時事通信)

 上のリンク先は4/21(何気にエリザベス女王の誕生日)付けの記事ですがこの中に、

「『ミラージュ』『デリカD5』『アウトランダーPHEV』については正規の方法で測定したと明言するが、米国方式による測定が10車種近くに上る可能性がある。」

 という記述というか三菱側からの発表があり、これは言うなれば「ミラージュ」、「デリカD5」、「アウトランダーPHEV」以外の車種では全部不正をやってると言ってるも同然です。逆を言えばこの三車種に関しては国の規定に則った「惰行法」で抵抗値を測定しているというわけですから、三菱が自称する「高速惰行法」が社内で違法だという認識がなかったとか、違法な検査方法が使われているとは知らなかったというのはまず間違いなく嘘でしょう。今日の会見でもこのような言い訳を使っていた当たり真摯に反省しているとはとても言い難く、この会社が未だに不正をどうにかしてごまかそうという態度が透けて見えます。

 では何故上記三車種に限って正しい検査方法を採用したのか、わかる人なら「アウトランダー」という車種名を見るだけでわかるでしょう。「ミラージュ」は海外工場からの逆輸入車ということが影響しているのではないかと思いますが、「デリカD5」にはクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルがあり、「アウトランダーPHEV」はその名の通りプラグインハイブリッド車であることがその理由だと断言できます。どちらも新開発技術による環境対策車であるため国から補助金が出ている車種なのですが、補助金が得られるだけにその性能検査も厳しく細かいため、それら検査をパスするために黙って従ったのでしょう。まぁ今回の事件を受けて性能表示が正しくても補助金は打ち切られるでしょうし、下手すりゃこれまで支払われてきた補助金も没収されるかもしれませんが。

 それよりもっと怖いのは電気自動車(EV)の「i-MiEV」でしょう。これなんかEVであることから国から多額の補助金が出ていますが、恐らくこの車種でも抵抗値が弄られ燃費が不正されているはずです。EVであることに変わりはありませんが不正は不正で、やはりこちらでも補助金が打ち切られるだけなら幸いですが過去の補助金が没収されるとなると半端ない金額が請求されることになりかねません。
 また最初に燃費不正が発覚した四車種(実際には二車種)に関しては恐らく正しい燃費測定値に切り替えたとしてもエコカー減税の対象区分から外れることがないため、実際には減税差額分費用は発生はしないでしょうがほかの車種となると話は別で、たとえば現行のギャランフォルティスなんか数年前のマイナーチェンジ前はエコカー減税対象車ではなく、今のモデルはギリギリその枠内に入っている車でしたから確実に対象区分から外れると予想されます。なんせ25年も燃費不正をやってきたのですからたくさんの車種で減税差額費用が発生するでしょうし、全部積み上げたらどれだけキャッシュ・フロー傾くのか今からでも財務諸表見てわくわくしたいところです。

 三菱の嘘はまだまだあります。一個一個上げて言ったらほんと切りがないですが、たとえば今の社長は完全な開発畑出身の人で燃費不正について「知らなかった」なんてわけないです。社内からつい最近報告されたばかりだなんて言ってますが、25年前からやっている不正について開発にいた人間が知らないわけないでしょう。
 そしてもう一つ、今日のプレスリリースに「(2)上述の軽自動車以外の当社製車両についても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、別途ご報告する。」と書かれてありますが、これも実は嘘で本当は詳細が分かっていながら敢えて発表を引き延ばすための方便に見えます。なんでそんなことするのかというと、最初に発覚した四車種(実は二車種)は燃費不正したからといって販売を現在停止しているわけですが、もし他の車種でも同じ燃費不正をしていたことを素直に認めてしまうと上記四車種への対応をそのまま適用せざるを得ず、そうなるとほぼ全車種の販売と生産を停止せざるを得なくなるからです。そしたら販売店、工場揃って実質的に営業停止になるわけで、そうならないためにも調査した内容を即座にきちんと報告なんかせず敢えて情報を小出しにしてごまかそうとしている、そんな風に私には見えます。

 前の記事でも書きましたが、私は親子二代続いての三菱党です。レースゲームでランエボ(エボ8MRが一番好き)とミラージュ・サイボーグ(ハッチバックの方)ばかり乗り続けるくらい三菱車が大好きでしたが、この会社がここまで救いようのないクズだとは思ってもみませんでした。
 思い起こせば今回の事件には予兆があり、後だしジャンケンっぽい言い方になりますが去年三菱自動車が出したリコールに妙な内容がありました。

デリカD:5、アウトランダー、ギャランフォルティスシリーズ(除くターボ車)のエンジンについて(三菱自動車)

 上記リコール公告は去年9月に出されたものですが、対象車種は約20万台と非常に大規模かつエンジンに関わる重大なリコールであるにもかかわらず、対象車種は平成20年(2008年)前後に集中しています。内容から考えれば市場からの情報であってももっと早く気付いたと思われる欠陥内容で、ちょうどこのすぐ後に日本に帰国した際に親父と、「あれ絶対リコール今まで隠しとったやろ三菱」と言い合って意見が一致しました。ってか親子揃って妙に細かいリコール情報把握しててちょっとおかしい気がしたけど。
 かつてのリコール隠しの一件から三菱は欠陥に対して即座に対応すると言いながら上記のザマで、喉元過ぎれば何とやらかなどと当時言っていましたが、喉元も何も初めから何も反省していなかったというのが実態だったのでしょう。今日の会見内容も見るからに嘘ついていることがわかるだけに、前回記事にも書いた通り来年中には経営破綻してどこかに買収されるだろうというのが私の見方です。

2016年4月25日月曜日

映画評論家の前田有一氏への感想

「テラフォーマーズ」5点(100点満点中)(超映画批評)

 撮影前からいろいろと不安視する声が多かった人気漫画「テラフォーマーズ」の実写版映画ですが、この映画に対する映画評論家の前田有一氏の評価が上記の5点だったということでやっぱりと思った方も多かったのではないでしょうか。前田氏はこの映画について、

「いずれにせよ、実写版『テラフォーマーズ』は、長年私が指摘してきた邦画の問題点が凝縮されたような映画である。」

 とまでこき下ろしており、なんかここまでこき下ろしていると逆に見に行きたくなるといういわゆる「負のオーラ」すら感じます。ただ前田氏は原作の漫画作品に関してはこのレビューでも絶賛をしていて末尾に至っては、

「真のヒロインことミッシェル・K・デイヴスを魅力的に撮れる映画人が、はたして日本のどこかにいるのかどうか。あきらめずに期待だけは持ち続けていたい。」

 と書き記しており、漫画原作を読んでいて同じくミッシェルさん大好きな自分としても大きく頷かせられる意見です。ってかこだわる所ここかよと思いつつも、「ここだよ!」と納得する自分がいる。

 ここで話はダメ映画から切り替えてこのレビューを書いた映画評論家の前田有一氏について書いてきますが、大体一昨年くらいにこの前田氏のレビューサイト「超映画批評」を知ってからよく訪れてレビューを見てたりします。前田氏と自分は比較的感性が近いのかもしれませんがレビューでおすすめとされている映画は私も大体同じように面白いと感じられ、逆に過去に私が見たクソ映画がレビューで酷評されていると、「そうそう、そうだよ!」と手を叩きたくなるような感じがして、暇な時なんかボーっと眺めていることも少なくありません。

 ただこの前田氏の評論についてはネット上でも議論となることが多く、独善的な意見だと批判する人も少なくありません。こうした点について私個人の立場から意見を言うと、評論家と言っても人間である以上相性というものはどうしても避けられず、万人に対し公平な評論を行える評論家なんてものはそうそういないというかいるはずないでしょう。それならば自分が面白いと思う映画をきちんとピックアップしてくれる相性のいい評論家を見つけることが肝心で、自分と感性が合わないというのなら気にしなくていいのではなんて思います。

 その上で私なりに前田氏の評論の仕方で優れている点をいくつか挙げると、まず評論の文章が警戒でリズム感よく、本人の意見がわかりやすく書かれていてる点が上がってきます。逆に本音に近い思想も見えることから嫌悪感を持つ人もいるのでしょうけど、この辺はトレードオフでしょうし。
 次に、これは私が知る映画評論家の中でも前田氏だけがきちんと実践できている点ですが、映画に詳しくない素人向けをベースにしつつ玄人向けの解説も同時に行っているという点です。いくつかレビューを見ていると、「映画好きにはたまらないけど素人にはお勧めできない作品」などと紹介されているものも少なくなく、その理由についても簡潔にまとまっています。

 案外こういう二極向けのレビューというのは意識してできるものではなく、基本どっちかに偏った評論が世の中では多く氾濫しています。一例をあげると自動車で、よくユーザーレビューを見ているとファミリーカーのレビューにおいてもやたら走りにこだわる人がやれトルク配分がどうだとか高速時のギアチェンジがどうだとか、普通の人が車選びをするに当たって全く不要、というか余計な情報ばかりびっしり書きこんでいるのをよく見ます。前にも書いた「全てのジャンルはマニアが潰す」じゃないですが、よく知ってる人はやはり必要以上にディープな内容を書き込みがちです。

 それに対して前田氏の映画はあくまで映画にそれほど詳しくない私のような素人向けにどういった点を見ればいいのか、出演している俳優や監督のキャリアがどうなのかなどを簡潔に説明した上で、玄人向けにも映像効果の説明を挟んであって実にバランスのいい評論をしているなと見ていて感じます。でもって、親子連れで見た方がいいとか、大人だけで見に行った方がいいなどと映画の見に行き方にも言及されてあって、自分のようなライターからすれば「優しい書き方」をしているようにも見えます。

 ここで一気に話を転回しますが、評論とは必ずしも万人向けとは限らないということです。途中で出した自動車レビューについても、逆に走りや性能にこだわる人からすればディープな解説の方がありがたいわけで、要は自分が求める情報とその評論がマッチしているかということが重要になるだけに自分とマッチする評論家を捜すことが重要だと言いたいわけです。映画然り車然り政治評論然り、その評論家がどこに着眼点を持ってどういう解説を展開するのか、そのマッチ率を考慮せずに自分と合わないからと言って即その評論家を批判するというのはちょっと気が早いのではないかと思うわけです。
 もっとも明らかに事実と異なる根拠や意見を主張したり、ステルスマーケティングをしてたりってんなら話は別ですがね。この辺はいわゆる「独立性」という評価項目に当たるわけですが、これを理解せずに人批判する輩もいるのでたまに鬱陶しいです。

 そんなわけで前田氏の評論がしっくりくるという方は多分感性が私に近い人だと思います。なお歴史解説では半藤一利氏、保坂正康氏のコンビが私と相性がよく、ワイドショーだと「てっちゃん」こと宮崎哲弥氏が聞いててすとんと落ちる部類です。逆に合わないのはテリー伊藤氏、金子勝氏とかかな。

2016年4月24日日曜日

中国の高級車オーナーのメーカー別性格・特徴分析

 以前にやけに中東系の顔したうちの親父の会社でのあだ名が「ビンラディン」だったと書きましたが、言われてた当時に部下などから、「ってかビンラディンむかつかね?」、「最近ビンラディン生意気だよね」なんてCIAの会話っぽい陰口叩かれてたのかなと想像したらなんか笑えてきました。

中国の高級車オーナーの平均年齢33歳 半数ハイヤーの運転手を経験(人民網日本語版)

 でもって本題ですが、また人民網からの引用記事ではあるもののこの記事は思わず目を見張りました。現在世界で最も高級車が売れる市場である中国ですが、なんと高級車メーカー別にそのオーナーの性格・特徴分析を行ったというのが上記記事です。よくもまぁこれだけの大調査をやってのけたと思うだけに強く敬意を覚えると共に、日本のメディアもこういう面白い記事の一つや二つ作って見せろよとげんなりした気分も味わいました。
 この性格・特徴分析ですが、読んでて同じ東アジア人なだけに日本人にも当てはまるんじゃないかと思う節があり、元記事を読んでもらう方が早いのですが私なりにいくつかトピックスをピックアップして紹介します。

1、高級車オーナーの資産・所得分析
 性格だけでなくこの調査では高級車オーナーの資産と所得についても分析されているのですが、まず平均月収は3万1千元(約52万7千円)、世帯月収は9万元だったとのことです。中国は夫婦共働きが普通なので個人収入だけでなく世帯月収について統計を出しているのはなかなか面白いところな気がします。なおオーナーの平均年齢は33歳だったとのことで、日本と比べるとここには大きな差があるでしょう。
 メーカー別の平均で世帯所得が最高だったのはランドローパー、世帯総資産額が最高だったのはポルシェだったようです。逆に世帯所得最低はなんとトヨタ系列のレクサスで、生体総資産額最低も日産系列のインフィニティとなり、どちらも日系がワーストになっています。昔、フェアレディZが「プアマンズポルシェ」と呼ばれてたそうですが、同も中国の高級車市場では「お金のない人の高級車」、「まだ手が出しやすい高級車」みたいな位置づけで見られているのかもしれません。

2、日系ブランドオーナーの特徴
 丸々引用となってしまいますが、ここで出てきた日系ブランドのオーナーイメージ象を出すと以下のように分析されているようです。

<レクサス>
●オーナーのイメージ像:外資系企業の中堅幹部
●プロフィール:中性、男性が多い、高齢者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:中小企業の企業家、外資系企業の幹部、外資系企業の中堅幹部
●性格の特徴:努力家

<インフィニティ>
●オーナーのイメージ像:セレブ
●プロフィール:中性、若い、高学歴者が多い
●社会的地位:職業的特徴はあまりない。特に多い社会的地位はない
●性格の特徴:特に特徴はなく、比較的上品

 インフィニティはともかくとして、レクサスに関しては凄く納得できる結果に見えます。なんていうか中小企業の社長とか大企業の中間管理職のおっさん辺りが乗ってそうなイメージだし、最後の「努力家」ってのも如何にもトヨタ系列っぽいです。
 逆にインフィニティは「セレブ」ってなんやねんと思う意外な結果なのですが、女性陣に人気なのかもしれません。日本じゃあんまりインフィニティブランドが普及してないから日本国内でもこれというイメージが湧きませんが、とりあえず中国ではこんな感じのようです。

3、他の気になったメーカーの特徴
<ポルシェ>
●オーナーのイメージ像:富裕層の子供、気取っている、個人主義
●プロフィール:中性、若い、独身の高学歴者が多い
●社会的地位:富裕層の子供、成金、芸能人
●性格の特徴: 気取っている、上品、自信家、見栄張り

 「社会的地位」に「成金」って言葉が入っていますが、こんな単語は日本の記事じゃまずかけないでしょうけどすごく的を得た言葉であるような気がします。全体的に生意気そうな奴が乗ってる感じがビンビンと伝わってきます。

<ベンツ>
●オーナーのイメージ像:大企業家、上品、成功者
●プロフィール:中性、男性が多い、高齢者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:政府関係者、国有企業の幹部、大企業家
●性格の特徴::努力家、落ち着いている、見栄張り、責任感がある

 日本で高級車の代名詞であるベンツですが、こちらはイメージ的にはほぼ完全に日本と共通しているのではないかと思います。特に性格特徴の「落ち着いている、責任感がある」はすとんと腹に落ちてくるだけに、グローバル単位でベンツは自社イメージの徹底に成功しているんだなと思えてきます。
 もっとも、日本みたいにヤクザ御用達っていうオプションが中国でも通じるかはわかりかねますが。

<BMW>
●オーナーのイメージ像:ポジティブ、富を自慢する
●プロフィール:中性、女性が多い、若い既婚者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:成金
●性格の特徴:気取っている、物質中心、見栄張り、ポジティブ、責任感に欠ける

 ベンツと双璧を成す高級車ブランドのBMWですが、社会的地位が「成金」以外何もないってのがじわじわと来ます。逆を言えば日系高級車ブランドが致命的に書けている要素というのがこうした成金向けな要素ではないかとも思え、いまいち垢抜けてないのではないかとも思えてきます。友人とも話しましたが、レクサスにしろインフィニティにしろアキュラにしろ、変に庶民感を出したりするなどブランドイメージをきちんと固定化できていない面が見られ、偉そうなことを言える立場じゃないですがもうちょっと真面目に商売したらとこの調査結果を見ていて思うわけでした。 

2016年4月23日土曜日

熊本地震によるさらなる建設作業員人件費の上昇予測

 昨夜12時に床に入ってから今朝は9時半に起きましたが、昼間の午後2時から5時までまた昼寝していました。先週も大体そんな感じでしたが私と同業で同じく繁忙期を迎えている友人の嫁に話聞いたら、「私も今日、12時間寝てた」と言ってて、みんな疲れてるんだなぁってよくわかりました。耳栓とか睡眠グッズを今度買ってこようかな。

 話は本題に入りますが、先日起きた熊本地震を見て即思ったことがあったのですが、他に同じこと言う人いないかなと思ってこれまで黙ってきたものの今に至るまでそういった報道を目にすることなかったので今回記事にしますが、率直に言って、「マンションバブルもこれで終わりかな」と思いました。
 建設業界に密着しているわけではないのですが、ここ数年は東京都心部を中心にマンションの建設ラッシュが起こると共に販売も好調を続けていると聞きます。好調の原因はちょうど都内の再開発がオリンピック開催決定と共に始まってきたことと、リーマンショック後に大きく落ち込んだ価格が回復してきたこと、そしてなにより消費税増税前の駆け込み需要が大きかったと指摘されています。最後の消費税増税に関しては5%から8%に上がった時点で収まるかと思ったのですが未だに好調を続けていて、10%に引き上げ以降はわかりませんが長谷工とかを中心に未だに建設ラッシュが続いています。

 ただこの建設販売ラッシュにを心配する声は前から多く、特に建設作業員の人件費高騰はゼネコンや施工会社を中心に不安要素としてずっと指摘されてきました。建設作業員は東日本大震災の発生以降は慢性的に不足気味で、廃炉作業と合わせて人件費は上昇しっぱなしだそうです。それでも数ある施工不良事件にも負けずマンション販売は好調を保ってきていることから致命的な問題に発展するには至りませんでしたが、今回の熊本地震発生を受けてがれき撤去作業などにさらなる建設関連作業員の需要が高まると思われ、それにより人件費はさらに高騰し、業界的にも悪影響の方が大きくなるのではないかと直感的に思いました。

 特に廃炉作業がある福島とオリンピック準備建設がある東京の場合はまだ距離が比較的近い事もあって作業員の移動でも大きく問題にならなそうですが、この二か所と九州地方の場合は大きく距離が離れてあり、弾力的な人員移動は叶わず高騰に拍車をかける気がしてなりません。特に東京では国立競技場の建設を巡って度々問題となってきましたが、もし私の予測通りに人件費が高騰すれば当初の予算を大きく上回る金額となりかねず、その他の施設を含めてオリンピックによって大赤字を喫するのではないかという懸念があります。まぁそれ言ったら最初の東京五輪でも、「赤字予算」というパンドラの箱を開けるきっかけになったのですが。

 では今後どういう対策が必要なのか。なんでもしていいんだったら囚人を大量に導入してがれき撤去作業、廃炉作業に従事させるのがベターな気がします。逃げられないよう、いざって時に首ネジネジするアレつけたりして……。
 次に非現実的な対策として建設作業員を単純に増やすためキャンペーンを行うというやり方ですが、高額の報酬を出したところで果たして集まるかどうかという点で疑問があるので非現実的です。
 最後に現実的な対策としては、困った時の移民で、何らかの枠を以って建設作業員の移民を2020年までという期間限定で受け入れるというやり方です。現実的ではあるものの、決断する人は多分いないなとは思ってますが。

2016年4月22日金曜日

三菱自動車の燃費不正事件について

421億円、22日に繰り上げ交付=普通交付税、県と16市町村に―熊本地震(時事通信)

 本題とは関係ないですが上記のニュースを読んで、「421億円の繰り上げ交付を4月21日に発表するってわざと?」って思いました。こういう数字ごろ合わせは中国だとよくありますが、日本だとあんま見ないだけにちょっと気になりました。

 で、本題に入りますが、最初に宣言しておくと私は自動車メーカーの中でも三菱自動車が一番好きな根っからの三菱党です。オイルショックの時代に何故か「オイルイーター」の異名を馳せた初代「マツダRx-7」を買って「ここでガス欠したらどないすんねん」とびくびくしながら乗車していたうちの親父も三菱党で、よく二人で、「あのパジェロイオいいね」、「RVRのカワセミブルーってなんやねん」などと三菱車については普段からよく語り合っていました。
 そんな二代続けての三菱党である自分(一番好きなのは「FTO」)からしても今回の事件を受けて、もうこの会社は駄目だろうとはっきり悟りました。海外販売は続けるかもしれませんが、日本国内ではもうどうやったって立て直しは効かないでしょう。

三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿(carview!)
三菱自動車の燃費不正、関与は実験部長に留まらず。拡大していくだろう(国沢光宏)

 もはや説明するまでもないでしょうが、三菱自動車が日産にもOEMで出している軽自動車二車種において燃費試験で有利になるよう基礎データを改竄していたということを20日発表しました。昨日は三成の評価がストップ高と書きましたが三菱自動車の株価は今日もストップ安で、ホークスの柳田選手の連続四球記録じゃないですが三菱自動車のストップ安が何日続くのかは一種見物でしょう。

 この燃費不正についてあちこちの報道を読む中、一番よく解説されているなと思ったのが上記リンク先の「carview!」の記事です。ジェイキャストなんか一応出典は書いているけどこの記事をまるまんま引用して自分とこの記事に使ってるほどですが、この記事にも書いている通りに本当にやらかした不正はこれだけなのかという点でやはり疑問に感じます。具体的に言えば海外販売している車種はどうなのか、仮に海外販売車種でも同様もしくは異なる不正が施されていればそれこそ第二のVW事件みたいに発展していくでしょう。
 また組織的関与についても現在は開発担当者の判断と三菱自動車側は説明していますが、上記リンク先で国沢光宏氏が指摘しているようにそれは有り得ず、複数部門が結託しなければ起こり得なかったと私も思えるだけに根はもっとずっと深いはずです。

三菱燃費不正問題を実燃費データから検証する(レスポンス)

 普段はあまりレスポンスの記事を評価していないのですが今回のこの事件については上記記事はよく取材されており、他メーカーの軽自動車と合わせてカタログ燃費と実燃費を比較しています。高燃費を謳う車というのは低燃費の車と比べ、概してカタログ燃費と実燃費の差が大きく開きがちなのですが私個人の感覚で述べるとその差は大体60%くらいで、カタログ燃費が30Km/ℓなら実燃費は18Km/ℓくらいになるとみています。レスポンスの記事の比較でも大体その通りでホンダの「N-WGN」が63.2%に落ち着いた一方、三菱自動車の軽二車種は50%台半ばと低く、今回の燃費不正で10%前後燃費が変わると発表していることから割とこの数字は不正があったことに合致するなという気がします。

 三菱自動車は過去のリコール隠し事件の影響から十年以上経っても「リコール隠しの三菱」という見方が強いです。そんなイメージが根強い中で今回の事件があってやっぱりその隠蔽体質は変わらなかったのかと消費者は考えてるでしょうし、実際に三菱自動車の社内もそうだったとしか言いようのない体質だったわけです。前回のリコール隠しの時も普通の会社なら潰れている所を三菱グループの強力なバックアップがあって命脈を繋げられましたが、さすがに今回ばかりは三菱グループもそこまで支援しないでしょうし、仮に支援があったとしても経営を継続できるレベルではないとも思え、ちょっと気が早いかもしれませんがもはや経営破綻は免れないでしょう。ランエボ大好きな奴田原さんとか、これからどーすんだろ。

 でもって仮に経営破綻するとしたら、どこが買うのか、でしょう。家電業界と違って自動車業界なら国内メーカーもあり得るでしょうが最有力候補はやっぱり中国の自動車メーカーじゃないかと思います。そもそも中国の自動車メーカーはエンジンをほとんど自作しておらず三菱自動車、並びにその親会社の三菱重工から大量に仕入れ購買しており地味にそのシェアは半端なく高いので、買収するメリットは低くはなく、何より現金持ち歩いているのが強いです。三洋、シャープに続くというか、自動車業界からも外資に買収される企業が出てくるかもしれないというのが現時点の私の見方です。ってか、ドラマの「ハゲタカ」がこういう展開だったような……。

  おまけ



 地味に夢のようなコラボが実現していたようです。

2016年4月20日水曜日

日本のベストオブ施政家~文官だっていいじゃない

 さっきスカイプ開いたら友人に、「今日は帰ってくるの早いね」とすかさず言われました。繁忙期が一段落しつつあるためすぐ帰ってきたのですが、なんか帰宅時間を常にチェックされてる旦那のような気持ちを覚えました。

 話しは本題に入りますがよく歴史議論で、「誰が最強の将軍」だとか「戦国最強は誰か」などと戦が上手い武将や将軍の比較をよく見るのですが、「誰が最も政治運営が上手かったか」というランキングはあんま見ないように思え、ならそうした政治運営を司った文官系の歴史人物の中でも特別優秀だと思う人たちを私の視点で挙げてこうと思います。前置きは以上なので、早速行きましょう。

1、藤原不比等
 歴史教育では「大化の改新で活躍した中臣鎌足の息子」として紹介されることが多いものの、実際の業績を見るならば中臣鎌足こそ「不比等の父」と紹介されるのが筋だと考えています。藤原不比等は主に天武、持統朝で活躍し、後の大宝律令の原型となる養老律令を編纂したほか平城京への遷都といった当時の大事業を政治家リーダーとして指導しています。特に養老律令は古代日本における法律体系のスタンダードとなり後世への影響力も計り知れないのですが、それ以上に不比等の場合は今も五摂家として脈々と続く藤原氏の実質的な開祖に当たり、ある意味では天皇家に次ぐレベルで系統の長い一族を開いた人物としても見ることが出来そうです。

2、石田三成
 早くも三成ですがここ数年での評価の逆転ぶりには目を見張るものがあり、恐らく今後もストップ高が続くんじゃないかと思います。何故急に彼の評価が高まったのかは今までよくわかりませんでしたが、多分「戦国無双」ってゲームでかなりいい感じにキャラが作られたことが何よりも大きいのではないかと思います。実際、このゲームでは幸村やガラシャを抑えて常に人気ランキングトップらしいし。



 この人気に便乗しようとしたのか、滋賀県も気合の入ってきた妙なCM風動画を作ってきています。にしてもこの作品、いい具合に昭和テイストを盛り込んであって作った人は真面目にすごいと感心します。

 真面目な評論に移りますが、彼が行政官として活躍したのは豊臣政権の一時期でしかないにも関わらずその業績は非常に幅広い上に深く、後世への影響力も半端なく大きなものです。彼が主導した太閤検地によって日本で初めて度量衡が統一され、また五人組制度や参勤交代制度といった江戸時代に継続して採用され続けた制度の下地を作ったのも三成で、見方によっては主君である豊臣秀吉以上に後世への影響力が強い人物だったとも言えるでしょう。
 仮にもし三成が豊臣家を裏切って徳川家に仕えていれば、南公坊天海や土井利勝といった江戸時代初期の政治家は出る幕もなく、日本史上屈指の政治家としてその名を残していたかもしれません。

3、大久保利通
 また時代が一気に飛びますが、現在の日本国の国家体制の基盤を一から作った人物となると間違いなくこの大久保利通が上がってきます。それまで薩長の有力者によって恣意的に役人を決める太政官制からの脱却を図るため省庁制度を導入し、日本で初めて官僚制度を整えたのを皮切りに、廃藩置県導入後の徹底、予算編成、果てには自ら借財しての公共事業の実施などありとあらゆる政治業務をほぼ彼一人(+博文)が指揮して成し遂げていきました。暗殺によって志半ばで死去しますが、仮にもし彼がその後も生き続けた場合、国会開設は早まっていたのか、それとも遅れることとなったのかは議論してみると案外面白いかもしれません。

4、高橋是清
 昭和金融恐慌、世界恐慌という二度の金融危機において大蔵大臣として第一線で指揮を取り、混乱する日本経済を見事に立ち直らせた実績とその実力は疑うべくもないでしょう。また日露戦争時に英国をはじめとした海外からの公債調達においても活躍されたと言われており、内政に外交と両方面で傑出した功績を残しております。彼の評伝はやや少ないようにも思いますが、戦前の経済政治家では間違いなくナンバーワンと誰もが目している人物なだけにもっと評価されるべきだと内心思っています。

5、池田勇人
 占領統治下の吉田茂、ノーベル平和賞の佐藤栄作、昭和元禄の田中角栄に囲まれて戦後の総理としてはやや地味というか目立たないこの池田勇人ですが、内政という業務においては私は間違いなく彼が戦後最高の実力を発揮した人物だと睨んでいます。大蔵官僚の役人として吉田政権下で活躍し、政界転出後はなんと当選一期生で大蔵大臣に就任してGHQとの経済交渉を一手に引き受け着実に成果を出し、「経済の事なら池田にお任せください」というキャッチフレーズと共に総理に就任するや「所得倍増計画」を打ち出し、復興を終えた日本のグランドデザインというか国家目標を編み出して国民を引っ張ったその実績はこちらももっと評価されるべきだと私は考えています。
 なおあまり知られていませんが池田は大卒後に大蔵省へ入省したものの、すぐ全身に膿がでる難病にかかり一時退職を余儀なくされます。この病気は計五年間も続き最初の妻は看病疲れで過労死するほどで、池田本人も激痛から何度も「殺してくれ」と洩らしたほどの壮絶な体験だったそうですが、病気回復後に大蔵省へ復帰するや有り余る能力を発揮して復帰者とは思えないほどの出世街道を歩むこととなります。一度「死」を体験したものの強さというべきでしょうか、地味に好きな戦後政治家であったりします。

自己愛の激しい人、自己嫌悪の激しい人

 以前に読んだ小保方氏の著書に対する佐藤優氏の書評にて佐藤氏は小保方氏のパーソナリティを、「自己愛の塊」と評しておりましたが、この表現に異論を述べる人はそんな多くはない、というよりはほとんどいないでしょう。実際自分から見ても自己愛の激しい人はこれまで直接間接含めていろいろ見てきましたがあれほどのレベルとなると確かに思い浮かばず、恐らく今この現状もフェスティンガーさんの認知的不協和を起こして自分ははめられただけで何も悪くなく、いつかきっと世間は理解していると本気で信じてそうな気がします。

 ここで引っ張り出した「自己愛が強い」ですが、わざわざ説明するまでもなくこの手のタイプは面倒だという事実をこの手の人間に関わった人なら誰もが十分に理解していることでしょう。自分なんか前の会社の上司がまさにこの典型で常に自分の自慢話か苦労自慢しか話さず、仕事でも常に失敗してるのですが景気がどうとかあともうちょっとで取れるとか交渉中だとか嘘八百を並べ立てて絶対に自分に非があるとは認めようとしない輩でした。挙句の果てには会社判断で進めていた話を中断すると決めたら、「そんなことするというのならもう自分は必要ないってことだな。それならば辞表を出す!」と言ってましたが、その後いつまでたっても辞表は出してくれませんでした。多分今でも自分は必要とされてるからクビ切られないとか思っているんだろうな。

 上のは私の身近な話ですが、芸能界でもう一人極端に自己愛が強いなと密かに睨んでいる人物として元フィギュアスケート選手の安藤美姫氏がいます。なんでこう思うのかという理由としてはテレビ番組にこの人が出てくるのを見ればすぐわかると思いますが何かコメントをする際に十中八九、「私もフィギュアの練習などで……」、「私もフィギュアの試合前とかに……」などと、確実に自分の体験談(それもほぼフィギュア関連)を引用して自分の話しかしないからです。相手の話に合わせて「その時はどういうこと考えたのですか?」などという返答は皆無に近く、よくここまで超然としてられるなと逆に感心します。なんていうか生き様もそんな感じするし。

 こんな具合で、正直なコメントを述べると自己愛が極端に強い人にはあんま傍にいてもらいたくないってのが私の本音です。遠目に見る分にはそりゃ楽しいかもしれませんが近くにいたらすごい疲れそうなので、何かとトレードオフする才能とかない限りは私もなるべく関わろうとはしないようにしています。

 では逆に自己愛が低すぎる人、自己評価が低い人、極端に来れば自己嫌悪の激しい人はどうなのでしょうか。多分今真っ盛りの就活の面接で、「あなたは自己愛が強い方でしょうか、それとも自己嫌悪の方が強いでしょうか?」と質問されて「自己嫌悪!」って言ったら真っ先に落とされてしまうでしょうが、ここだけの話、日本人は平均的に言えば自己嫌悪の方が強い国民性だと思います。端的に言ってアメリカ人と日本人を比べればもう歴然で、中国人と日本人とを比べてもやっぱり中国人の方が「自分大好き!」って屈託なく言ってくると断言できます。

 もちろん自己愛も自己嫌悪も極端でなければいいわけでどちらが強いか弱いかは優劣につながるわけではありません。社会学的に言えばアノミー論にもつながりますがどちらもほどほどのバランスを保っている状態が精神的には落ち着くとみられ、どっちかに大きく偏っているという自覚があればそれをバランスのいい状態に持って行こうと意識するのが割とベターだと私は考えています。実際、私が指導する人間にそのような傾向が見られた場合は、はっきりとは言いませんが自己愛が強い奴にはプライドをどっかでへし折ってやって、逆に自己嫌悪が強い人間には何かを持ち上げて自信をつけさせたりしてきましたし。

 ただ自己嫌悪が強い人間は、日本人が平均的にその資質を持っていながらも、極端なレベルとなるとほとんど見ることはないと思いますし私もそんなに会うことはありません。自己愛が極端な人がやたら目立つということもあるでしょうが自己嫌悪が強いかどうかはパッと見では意外と気づき辛く、またネガティブな表現してることもあってむしろそうした資質がばれないような行動を取ってくるので気づかないし目に入らないのも自然なことです。
 そこで私の持論なのですが、見分け方というより自己嫌悪の強い人に共通するのではと思う特徴として周囲に対する貢献意識や献身行動が極端に強いという点があるのではと密かに睨んでいます。それもなるべく割に合わない仕事とか作業を引き受けるようなタイプです。

 仮にこの通りであれば、自己嫌悪の激しい人が横にいると便利というか非常に楽できそうな気がするので、むしろそういう人が身近にいてくれれば助かります。平たく言えば日本人全体にこのような傾向があるとも思えるのですが、その一方でやはり極端に献身行動が強い人には心配に感じることも少なくなく、そういう人を見かけたら「もっと自分にワガママになれよ」って一声かけるようにはしています。
 まとめとしては、自己愛も自己嫌悪もどっちかに大きく振れたら意識して引き戻しバランスを保たせた方が無難だというのが私の意見です。

 ……多少愚痴になりますが、こういう話をして太宰治をすぐ確実に引用してくる友人に囲まれてた学生時代はよかったなぁと思うと共に、こっちが全力出して議論に臨む機会が最近めっきりなくなった現状を寂しく思います。

2016年4月19日火曜日

日本の電気自動車がテスラに敗北すると思う理由

 最近お金使い過ぎだと思うから節約しなきゃと思ってた矢先でまた衝動買いをしてしまい、輪行用の袋を昨日買ってしまいました。輪行と聞いてもすぐわからないと思いますが要は自転車を丸ごと入れて運ぶための袋で、さりげなく寄ったジャイアントのお店で店頭にある袋を指さして、「これいくら?」と聞いたら1980元(約4万円)といわれ、もっと安いのないかと聞いたらすぐ480元(約1万円)を出されちゃもう買うしかないです。店の親父には、「日本に持って帰るの?」と聞かれましたが、約一ヶ月ぶりに来たのに私が日本人だってことをしっかり覚えてる辺りは見事なもんです。
 ってか、やたら頻繁に来る変な日本人って噂されてるのかも……。

テスラは未来のクルマか?(ITメディア)

 そんなわけで本題入りますが、以前に米国屈指のカリスマ経営者であるイーロン・マスク氏を取り上げた際に彼の起ち上げた電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズも紹介しましたが、やはり話題になっているというか私だけでなくあちこちでもこの会社はよく取り上げられています。上記リンク先の記事もその一つなのですが、見出しを見ればわかる通りにどちらかと言えばテスラの悪い所を突っつくかのような書き方がされてて、元々ITメディアの記事は前から好きじゃないというかライターの質があんまりよくないな(無駄に専門用語を並べ立てようとする癖がある)と思ってはいたものの、この記事も読んでてアホかいなと思うところと思う点がいくつか散見されました
 まず最初に目についたのはテスラの車の問題点として過大な車重を指摘している点です。具体的に引用すると以下の部分がそれに当たります。

「各方面の報道でモデルSの車両重量を調べてみると、その重さは実に2.2トン超えというものだ。リーフは1430kgから1480kg。日産のエンジニアはこういう現実的な車両重量に収めるためにバッテリー容量にタガをかけているわけだ(関連記事)。単純な話、2.2トンもあると立体駐車場の重量制限を超えてしまう。都市部で駐車するなら平場の駐車場を探し回らねばならない。」

 通常、コンパクトカークラスの車重は1000kg弱で、ミドルハイクラスセダンなら1200kg辺りです。1500kgを越えたら「重たい車」と言ってもよく、そういう意味では約2200kgあるテスラのモデルSは確かに「とても重たい車」ですが、EVという特殊な車で高い航続距離を稼ぐために電池を乗せることを考えると別にアリなんじゃないかと私には思います。
 引用した箇所で一番気になったのは「立体駐車場の重量制限を超える」という記述で、なんで気になったのかというと、立体駐車場という存在は日本国内以外にはほとんどないからです。調べりゃすぐわかりますが立体駐車場を作るメーカーというのはIHIとか日立など日本の重機メーカーが世界トップをほぼ占めており、何気に日本国内で一番消費されてたりもします。逆を言えば世界じゃあんまり存在しないのだから、グローバルでの販売に当たって立体駐車場に乗れるか乗れないかを気にするのはナンセンスなわけで、余計な揚げ足取りもいい所でしょう。日本、それも都内でしか売らないってわけじゃないし、都内での販売だけを気にするのもそもそもあれだし。

 またこのコラムの筆者はテスラの車はEVではあるが高馬力なスペックで作られてるため全体的にはエコな乗り物じゃないと踏まえた上で、「テスラが加速性能と航続距離を誇らないモデルを作ったとき。それこそが電気自動車の本当の夜明けになるのではないか。」と述べてますが、だからなんだというのが私の正直な感想です。逆に私の方から言わせてもらうと、多分テスラの連中はエコな乗り物を作ろうっていうのは二の次にしか考えてないと思いますし、逆にエコな乗り物にこだわってて日系EVメーカーは失敗したと私は考えています。

 元々、世界で初めてEVを量産販売したのは日本の三菱自動車で、待望すべきその車種は「i-MiEV(アイミーブ)」です。しかし発売当初でこそ受注に生産が追い付かない売れ行きだったもののその後は伸び悩み、最近に至っては街中で見かけることすらもうほとんどない状態ではないかと思いますし、EVと聞いてアイミーブを思い浮かべる人もほぼいないでしょう。
 続いて量産販売されたのは日産自動車の「リーフ」です。軽自動車のアイミーブに対してリーフはコンパクトカーサイズのEVで、また航続距離もアイミーブより長く現状における知名度や販売台数ではこちらのリーフに軍配が上がるでしょう。しかしそのリーフも最近売れてんのかというと売れてるとは聞かないし、日本の街中ではたまに見かけられますがそれでもプリウスやアクアといったハイブリッド(HV)車の方が断然多いです。

 一体何故日本のEVはそんなに人気とならなかったのか。私に言わせればエコな乗り物でしかないからだと思います。CO2排出量や走行に必要なエネルギー量で上記二車種は確かにHV車を上回る環境性能を持ち合わせていますが、それ以外に何があるかというと何もなく、利便性においてはむしろ充電の手間や短い航続距離、限られた充電スタンドなどといったデメリットの方が多いでしょう。またアイミーブに関しては発売当初、リチウムイオン電池確保の問題で1日30台くらいしか生産できずスタートダッシュに失敗してますが、この点もやっぱしっかり考慮すべきだったでしょう。

 あまり長く書いてもしょうがないので言いたいことを書きますがやはりEVを買おうと思う人たちは、エコな環境性能とか高い燃費能力とかではなく、ほかの車とは違う特別な何かを求めていたし今も求めている気がし、言ってしまえば高級車を買おうとする動機に近いと思います。「EVという特別な車や、どや凄いやろ!」というような、今までのガソリン車とは根本から異なる新規に新しく今までにない特別な車を求めようという期待が一番大きいように思われ、そういう意味で今の時代でEVは「大衆車」ではなく「スペシャリティカー」であることが根本的な価値でしょう。
 このような視点から見てテスラのEVはやっぱりよく出来てると思うのですが、EVがもたらす強力なトルクによって実現する加速力、一目でテスラとわかる目立つアウトデザイン、あらゆる走行設定を車内コンピューターで制御するシステムや豪華な内装など、どれも今までの車にはなかったような特別な試みがあちこちに仕掛けられています。また生産能力が低いことを逆手に取るかのように「特別な超高級車」として売り出したことも会社の状態を考えれば理に適っています。

 先ほどにも述べた通りテスラの開発者たちはそれほどエコな性能にこだわっているようには見えず、むしろ新しい技術をどれだけ自分たちが作る車に詰め込むか、またそれでどれだけうまくビジネスに仕立てて売り出すかをイーロン・マスクを筆頭に考えているように見え、CO2がどうとかこうとか燃費がどれだけお得かなんてほとんど思慮に入ってない気がします。またテスラのEVを購入する層も環境は二の次、むしろ今までにないドキドキとワクワクをテスラに求めてるようにしか見えません。

 それに対して日本のEVは先ほども言った通り泣きたいくらいにエコであることしか特徴がありません。デザインは二車種ともなんだかよくわからないしかっこ悪いデザインで、アイミーブに至っては既存の「i」の流用でした。車載ソフトがどうとか、驚くような加速とか、オートクルーズとかそういう真新しく今までにない物は全くありませんし航続距離の点でもテスラと比べて泣きたいくらい短いです。何故そうなったのか説明するまでもありません。三菱も日産もEVをスペシャリティカーではなく大衆車として売り出そうとして、余計な費用はかけようとせずコストダウンに走りに走って「電池で走る」ことだけに注力した結果でしょう。どうせ生産能力が限られてたんだから、もっと高くてもいいからスペシャリティカーとして作って売ってればよかったと思うのですが。

 環境について意識する人は多いものの、利便性とトレードオフしてまでもという人はやはり限られます。それであれば利便性といくらかの環境性能が両立できるプリウスやアクアが良いように思われ、私でもそっちを迷わず取ります。しかし、もし自由に使えるお金があるのであればやっぱりテスラのEVことモデルSを買うでしょう。なんでかっていうと、普通の車とは全然違うし、早いし、格好いいし、利便性が悪くてもワクワクして面白そうだからです。こういう視点がメーカーはおろか、さっきの記事書いた人にもすっぽり抜けているんだなというのが私個人の独りよがりな見方です。

2016年4月17日日曜日

地震予知研究に価値はあるか?

 昨夜友人夫婦と食事した際に友人の奥さんにチョコレートの「ゴディバ」のロゴマークは、領主の奥さんが減税を求めて裸で馬に乗って疾走したというエピソードがモチーフで、そのエピソードはイギリスのストラットフォードアポンエボンという場所が発祥だと教えたところ物凄く受けがよかったです。甘い物関係のうんちくは女性の受けがいいなと思いつつ、その横では焼き鳥に備えられていたわさびを柚子胡椒と勘違いした挙句に大量にくっ付けて食べたため友人がひとしきり悶絶してました。ちなみにつけるところは見てたけど、「オイオイ大丈夫かよその量?」と思いながらも敢えて指摘しませんでした。

 話しは本題に入りますが、また地震の話で申し訳ないと思いながらも何気に高校三年時の理科選択科目に地学を取っていただけに「地球科学」の血が少し騒いでいます。特に今回気になった点としては、かつて九州地方の地震に警鐘を促した人はいたのだろうかっていう点です。
 これは東日本大震災の折にも少し議論となりましたが、地震に関係する学者たちは誰もが中部地方を中心とした東海地震が近くやってくると予想しておきながら誰一人として東北地方の大地震を言及することなく、それどころか過去の記録から警鐘を促そうとした人は学界から干されたという、真偽は確認しかねますが少なくとも学界ではほとんど話題にはなってなかったのは事実です。その一方で近くくるくると言われ続けた東海地震に関しては、私が学生だった2003年には国のホームページで、「2004年には絶対来る」とまで書いていましたが未だ来ず、その間に東日本大震災、そして今回の熊本地震が起きることとなりました。

 もちろん地震予知が非常に難しい作業だということは理解しています。にもかかわらず何故、東海地震だけがこれほどまでに強く警戒されて主張が半端なく強いのか、この点が腑に落ちません。要因としては日本の中心工業地帯であることと津波による影響が考えられるために被害規模が膨大であるという予測がされているためでしょうが、なんていうか主張が強すぎるというか、それ以外の地震に関しては黙殺しかねないようなそういった印象すら覚えるわけです。
 今回の熊本地方についても九州には地震が来ないというような、なんか妙な俗説めいたものがあった気がします。過去の記録を遡ればそんなこともないというのに、こうした点で地震学会はちゃんと必要が警鐘を行っていたのか、はっきり言えば疑問を感じざるを得ません。

 そもそもその地震学会も真面目にやってる人はもちろんいますが、過去にはナマズが地震にどう反応するとか、地震前後の大気の影響とか、いくら何でもちょっと的外れな研究テーマをやってた人もいたと聞きます。まだ断層の周期変動とかならわかりますが、もう少し実になる研究をやってもらいたいし、予測が無理なら無理で事前対策方面に力を入れてほしいという気持ちがあります。

 最後にもう一つ気になることとして、東日本大震災が発生した2011年中に発売が予定されていた「絶体絶命都市4」という、大地震からのサバイバルをテーマにしたゲームがありましたが、このゲームは東日本大震災を受けて発売が中止されました。しかし開発チームが独立して、元の開発会社からこのゲームの版権を買い取り再発売に向け計画されているとこの前報じられていましたが、今回の地震を受けてどうなるんだろうかちょっと心配です。
 なお私はこのシリーズの3はプレイしていますがストーリーがご都合主義だし操作性も悪く、間違いなくクソゲーでした。ただ会話選択肢はアイレムらしく面白く、分かれる仲間にヒロインが食料を分けてあげましょうよと提案した所、「あんたなんかにあげるくらいなら、全部私が食べてやる」という選択肢が含まれてて、ほんとに全部食べきってしまうなど斜め上な選択肢が豊富でした。
 あ、あとテーマソングの「キミの隣で」はほんとに名曲。最近ああいうシンガーソングライター系の曲少ないし。

2016年4月16日土曜日

熊本地震に対する中国の反応

 余計な前置きは抜きにして書くべきことをつらつらと書いて行きますが、先日熊本県で発生した大地震に対して中国でも大きく報じられています。さすがに東日本大震災時の報道規模と比べれば劣りますが、テレビニュースでも長い時間報じられ、中国人リポーターが派遣されて被災者などに直接インタビューするなど強い関心がもたれています。割と中国のテレビは提携しているNHKなどの映像を使って報じることが多いのですが、今回の地震に関しては直接取材がされており、また倒壊した建物などもよく撮影しているように見えます。

 報道の中心としてはやはり建物の崩壊ぶりと共に説明する地震の規模で、熊本城に関しては崩壊前の映像と比較するなどして、「著名な建築物である熊本城も大きな損失を受けた」と報じられていました。報道姿勢は比較的同情的で、わけのわかんない奴がもしかしたら言っているかもしれませんが日本を皮肉ったりざまあみろみたいに言う連中はまともな中国メディアにはいません。まぁこの点で東日本大震災時に、「これは日本への天罰かも知れない」とか抜かした石原慎太郎氏に今回の地震も天罰ですかいなと敢えて聞いてみたいもんですが。我ながら、よく覚えている。

 なお、現在上海では嵐と言ってもいいほどの豪雨が今朝から続いています。恐らく明日の未明仮早朝にはこの雨雲が日本の九州地方も通り、日本の天気予報でも同じく降雨予測が出ております。言うまでもなく心配なのは雨による震災地域での土砂崩れで、昨日に屋内避難を進めるよう求めた政府に対して熊本県知事が余震を恐れる被災者も多いなどと「現場を分かっていない」と発言したそうですが、これまではともかくこの後は激しい降雨が予想されるだけに、今は一刻も早く屋内への収容を進めるべきだと思うだけに非難をするつもりはありませんがこの議論に関しては私は政府の姿勢を支持します。

 最後に、被災された方々にはこの場において深くお悔やみ申し上げます。

2016年4月15日金曜日

女性の過労死が今、増えているのか?

日本の「過労死」問題が深刻化 女性の過労死が増加(人民網日本語版)

 上記リンク先の記事は先週に人民網こと人民日報日本語版で、自殺問題に関しては一家言ある私が見出しを一読してすぐに興味を持った記事です。内容に関しては元記事を見てもらえばわかる、というより見出しだけでも十分わかるでしょうが近年日本では男性の専売特許と見られていた過労死をする女性が増えていると報じております。ネタ元というか出典はどこなのかと見てみたら記事中に、中国でも最強の右翼系新聞社が運営する環球網というサイトが米CNBCの報道を引用したと書かれてあるのですが、ところがどっこい私がちゃんと調べたらロイター発の記事でした。ってかこいつら全員ちゃんと出典元くらい調べろよな。

Death by overwork on rise among Japan's vulnerable workers(REUTERS)

 上記リンク先がロイターの東京駐在記者が書いた元記事で、割かし読みやすい英文なので興味ある方はぜひチャレンジして読んでみてください。私はこのところ毎日仕事で翻訳してるから読みたくなくて斜め読みしかしてませんが。

 書かれてある内容は基本的に人民網がフォローしており、記事中に出てくる日本人弁護士の名前もそのままで、この弁護士が手掛ける案件なのかどうかまではわかりませんがかつて過労死案件は95%が男性だったものの近年は女性が20%を占めるようになってきたと書かれてあります。もう一つ女性の過労死が増えている根拠として挙げているデータとしては最終段落にある、

「厚生労働省の統計によると、過去4年の間に、29歳以下のグループを見ると、仕事が原因の自殺が45%増え、女性従業員の自殺件数も39%増加した。」

 という記述ですが、取り上げといてなんだけどこのデータはほんまかいなと思う怪しいものです。というのも私がちゃんと調べたら厚生労働省がホームページで公開している自殺統計データは平成15年のしか見当たらず、むしろ内閣府の方が毎年きちんと自殺の統計データを出してます。でもって試しに内閣府の平成27年と平成23年のデータを見比べてみたところ、20~29歳の女性で自殺原因が「勤務問題」に分類されている自殺者数を見たら平成23年が95人だったのに対し平成27年はなんと75人と20人も減ってますっておい、4年で45%増えたんじゃねぇのか!?
 という具合で、記事中で引用しているデータの根拠は確認できませんでした。このデータ自体はロイターの元記事にも書かれていますが、ただ単に私が元データを見つけられないのか、それとも引用した連中は誰も元データを確認しようとしなかったのかいろいろ疑問を覚えます。自殺統計データの発行元が厚生労働省ではなく内閣府である点を考慮すると後者である可能性が高いのではと思いますが、いい加減なことばっかやってないでちゃんと仕事しろよと関係したライター共には言いたいです。なんで関係ない私がいちいち検証しなくちゃならないんだろう……。

 ただこうしてデータを検証しておきながらですが、あくまで印象論である前提で述べると日本で女性の過労死は増えているのではないかと内心思います。そう思う理由としてはいくつかあり、

1、女性の社会進出はかつてより確実に増えている
2、女性に限らず男性でも鬱になる人が増えていると聞いている
3、日本人が鬱になる理由はほとんど仕事絡み、わずかに介護絡み
4、未婚女性が増えている
5、このところ「女性の貧困」に関する特集記事をやけに見る

 一つ一つはともかく上記五つの理由はどれも連関しており、総合的に考慮するならこれでも女性の過労死が増えないってのは有り得ないのではと思うくらいの連荘ぶりです。またただでさえ世帯収入がどんどん下がっている中、未婚女性が少ない収入でやりくりするのも理解できない話ではなく、でもって無理して働いて過労状態になるのも自然な成り行きかなと思うわけです。にもかかわらず何故自殺カウントデータは減っているのかですが、統計上できちんと自殺が認知反映されているかでやや議論の余地があり、また自殺未遂とかも含めるといろいろ変わってくるんじゃないかと思います。あくまで印象論の話として。

 でもって一番最初に引用した記事を見た時に私が思い出したのが、ワタミの女性従業員過労死自殺事件です。事件自体はワタミならよくあることかもしれませんしこれが女性ではなく男性だったら大きく報じられることもなかったでしょうが、女性であっても容赦なくブラックな労働を押しつける社会になったということを象徴するような事件だったと今更ながら思います。それだけに、余所でもこういうの起こってそうだし、女性の過労死が増えてると聞いてもそうかもねと思ったわけです。

 既に大分詰め込み過ぎな気がしますが最後にもう一言述べると、大本のロイター記事をみると冒頭で「death from overwork」とともに「karoshi」という単語が書かれてあるのにやれやれという気持ちにさせられました。意味分かる人はもう読み飛ばしても構いませんが、欧米人の感覚からすると「死ぬまで働くなんて奴隷でもないのになんで?」という印象を持たれているのかもしれず、そんな概念が初めから存在しないからこそ「過労死(Karoshi)」という日本語の単語がそのまま使われたのでしょう。
 この辺の感覚は日本人か韓国人にしか案外理解されないかもしれず、逆に欧米人とか中国人からしたら死ぬような仕事を辞めようともせず続けるのはクレイジーだと思われるでしょう。一般的な日本人の感覚からぶっ飛んでしまった私からしても同じように……と言いたいところですが、さすがに日本出身なだけあって死んでも仕事にしがみつこうとする日本人の感覚は理解できてるつもりです。

  おまけ
 名古屋に左遷されたうちの親父は私が子供だった頃、文字通り朝から晩までずっと働きづくめだったのでお袋から、「過労死した時の証拠になるから勤務した時間を毎日メモっておいて」と言われてました。当時は何とも思わなかったけど、今思うと随分と血も涙もないことを言われてた気がする。

  おまけ2
 本当はこの記事は昨日に書く予定でしたが、昨日朝起きたら全身が痛い上に気だるく、吐き気を催すほど体調悪くて断念しました。一昨日までは元気に動き回ってたのに一体何故こうなったのか全く分からなかったものの一応きちんと出社して定時まで働きましたが、同僚からはこのところ残業が増えていることから、「過労では?」と心配されました。なんで過労死に関する記事書こうとしていた矢先に過労疑われてるんだろうと、不思議な気持ちを抱えたまま昨夜は夜8時に布団に入りました。でもって夜中12時に目が覚めるし。

2016年4月11日月曜日

美しくも貧しきハリウッド女優

 今日もぶっちゃけ疲労困憊というかもう頭が何も考えられない状態なのですぐ流せる映画ネタで済ませます。でも案外、こういう手を抜いた記事ほどアクセスよかったりするから世の中よくわからない。

キーラ・ナイトレイ(Wikipedia)

 キーラ・ナイトレイと聞いてすぐパッと出てくる人は少ないかもしれませんが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でヒロイン役を演じた女優と言えば「アッー、あの人」と思いだすかもしれません。それ以外に日本で有名な役どころと言えば「スターウォーズ エピソード1」でナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者役を小さい頃に演じており、それが縁でナタリーとは現在も仲いいと聞きます。
 キーラは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒット以降もその演技力が評論家からも高く評価され現在に至ってはハリウッドを代表する高額ギャラ女優の一人に挙げられています。特にややゴシックさを感じる容貌は幼少時からも賞賛されており、あちこちの企業からイメージキャラクターにも採用されており、「最も美しいピープルランキング」でも先程のナタリーと一緒にランキングの常連として名を馳せています。

 そんな一見すると向かうところ敵なしな感じするキーラですが、変な意味でも有名というか、あまりの貧乳ぶりで有名です。ウィキペディアにも詳しく書いておりますが十代の頃のブラジャーを今でも使っている(ってか早く捨てろよ)そうですし、また全く胸がないから「拒食症なのでは?」と定期的に噂されたりして、その度にいちいち否定もしています。にしても胸がないから拒食症に間違われるというのもまた酷な話である気がします。
 おまけにシャネルの広告に出ることとなった際はスポンサー側から、「CGで胸盛っていい?」と持ちかけられ、「勝手にしやがれこの野郎!(#;Д;)」と答えたかどうかは定かではありませんが了承はしたそうです。

 それほど貧乳にまつわる数多くのエピソードがあるくせに何故かこの人、レセプションとかではやたら露出の多い服装をすることが多く、2012年時における私の中でのこの人のあだ名は「不必要にエロいねーちゃん」でした。最近は貧乳の方が印象に残ってるので、「まな板大名」と勝手に名づけています。

2016年4月9日土曜日

五輪エンブレム候補に対する感想

五輪エンブレム仕切り直しの最終4候補発表 1作は「敗者復活」(スポニチアネックス)

 前代未聞のパクリ騒動から約半年、2020年東京五輪エンブレムの最終候補四作が一般向けに公開されました。あんまりほかのサイトとかでこれらの候補への感想を見ないので、もといとっとと今日の記事まとめておきたいので私個人の感想を試しに乗っけてみようかと思います。

 結論から言うと、もっとマシな候補はなかったのか、という一言に尽きます。(個人の感想です)

 一つ一つコメントしていくとまず左上、一見してクリスマスのオーナメントかいなと見間違えました。色使いもそれほど工夫を感じないし、日本らしさも東京らしさも、それどころかオリンピックらしさすらも全く感じられません。右の奴なんか一瞬、「闘牛?」とも思ったし。

 次に左下のモデルについては、「なにこのエグザイル?」でした。古い言葉でいうならマトリックス的な。真面目な話に切り替えると五輪エンブレムにしてはやや複雑すぎるデザインに感じられ、もう少しシンプルなものを選択すべきであるような気がします。もっともそれ以上に、左上同様に日本らしさも東京らしさもないのですが、オリンピックらしさは一応色使いでカバーはされてるものの。

 右上のデザインはシンプルな点はまだいいものの、実は一番この候補の中で「まずいんじゃないの?」と思った候補です。具体的に何がまずいのかというと左のエンブレムが「白抜き赤丸」という点で、考えすぎかもしれませんがまるで日本国旗から中身をくりぬいたかのようなデザインに一瞬見えました。女子高生風に言うと、なんていうか「国家安康」的な、家康マジ激おこぷんぷん丸だよ。
 むしろ逆に、白抜きをやめて国旗と同じく背景白の赤丸にして、右上の円周部のみ今のデザイン同様に複数の色でウェーブをつけていたら大満足で文句なしのデザインでした。こういう修正にするのなら諸手を上げて賛成なのですが。

 最後右下。好き勝手に言うと、「なめとんか?」って思いました。左側は一見して朝顔にしか見えず、なんで桜や菊を差し置いて朝顔を日本の東京五輪に使おうとしたのか、でもって何故こんなのが最終候補に残るんだと一見してたくさんの疑問が浮き出てきました。なお東京都のシンボル花はソメイヨシノです。
 この右下に関しては右側のデザインも疑問で、これも一見してサッカーボールにしか見えず、ワールドカップとかと勘違いしたのかと疑いました。両方とも何故こんなものをオリンピックに、しかも日本のイベントに使おうとするのか、もしかしたら右側のサッカーボールは毬をイメージしたのかもしれませんけど、根本から日本らしさを叩き落としたかのようなデザインに思えてなりません。二度目ですが、何故これが候補に残ったんだろう。

 四つともに言えることとして一見して、「あ、日本だ」と思うような日本らしさの要素が致命的なまでに欠けているような気がしてなりません。右上のデザインはテコ入れすればグッとよくなる要素があるのと、白抜きとはいえ赤い円であるため日本とイメージしやすいこともあってこの中では一番いいと思います。
 にしたって、もっといい候補とかもあると思うんですけどね。別にこれだけに限るわけじゃないけど、日本のデザイン業界とかほんと大丈夫なの?

栃木女児殺害事件の第一審判決について

小1女児殺害で無期懲役=自白信用性を認定―「身勝手で残虐」・宇都宮地裁(時事通信)

 本日、かねてからこのブログで取り上げていた栃木県の小1女児殺害事件の第一審裁判において本日判決が下り、被告の男性に無期懲役刑が言い渡されました。私自身は以前に書いた記事でも述べたようにこの被告の方は冤罪である可能性が高いと見ておりその理由についても既述しておりますが、矛盾しかなく整合性のかけらもない自白調書が先に証拠として採用された段階でこの判決はあらかじめ読めてはいました。とはいえ、何とか無罪判決が下りてくれないものかと願っていただけにこの結果に関しては非常に残念極まりなくニュースを見た瞬間に気分も大きく落ち込みました。

 何故この事件が冤罪だと考えるのかという理由については過去の記事でも散々に述べていますが、一番大きな理由としては実際に遺体を検死した法医学者が自白内容と死体状況が一致しないと述べていること、二番目としてはこの事件を捜査したのがかつて足利事件を生んだ悪名高き栃木県警であることからです。まぁ足利事件以上に私の中では栃木リンチ殺害事件の方が大きいけど。
 ただ私以外にもこの事件を冤罪と疑う人間は少なくないように思え、このところこのブログのアクセスも派遣マージン率と並んでこの事件に関連した記事も急激に増えてきております。同じように考える人間が少なからずいてくれてほっとする一方、今回の判決を報じるニュース記事に付けられたコメントを見ると大半の方が被告が犯人であると信じて疑わず、「何故真実を語らない」とか「どうして死刑にならない」などと言うコメントがずらっと並んでおり、世論的にはまだまだ私はマイノリティに属しているのでしょう。

 そのようなコメントの中で少し目を引いたものとして、「犯人じゃないというのならなんで自白した。やましいことがないなら自白なんてするわけない」といった類のコメントが数件見受けられました。本来反論すべき立場でないことは重々承知ですが、はっきり言えばこの認識は大きく間違っているだろうし世の中舐めた発言じゃないかと思わざるを得ません。というのも、警察に逮捕され留置所、次いで拘置所に送られた場合の精神的圧迫というものは非常に大きいと体験者は皆口を揃えて話しており、最後まで抵抗し続けた人たちですら「嘘でもいいから自白して早く楽になりたい」という考えが何度もよぎったと後に述べています。

 具体的にどのようにキツイのかというと外界の自由を奪われた上に近親者との交信も制限され、その上狭い部屋に朝から晩まで監禁され自白するまで延々と怒鳴られる、嫌味を言われる、肩とか腕を掴まれ思い切り揺さぶられるというのも話を聞いてる限りだとそんな珍しくない気がします。大阪府警なんかは取り調べ中の怒声が過去に録音されていますがあんなの聞いたら震え上がらない人間の方が珍しいと感じるくらいですし、ましてやこの被告は二年くらい拘留されており、精神が萎えるというのもごく自然だし正気を保つことも難しかったのではないかと思います。

 そもそも栃木県警では過去の足利事件で犯人とされた菅谷さんを取り調べ中に散々脅したり、実際に暴行を加えたことも証言されています。結局それらの拷問に屈する形で菅谷さんもしてもいない殺人を警察に言われた通りに自白することとなりましたが、この菅谷さんを迂闊だと責められる人がいるというのなら一回同じ目にあってみたらどうかと言ってやりたいです。まぁ自分も成人してからはサツにパクられた事がないので取り調べ体験はないのですが。
 こうした警察、検察の取り調べ過程についてはやはり体験者の話を聞くのが一番で、中でも一番おすすめなのは「国家の罠」を上辞した佐藤優氏です。モスクワでマフィアとそう変わらない海千山千の政治家や官僚とハードな交渉をしたり、軍隊に囲まれたリトアニア政庁に乗り込んで和解に奔走した元外交官の佐藤氏(ついでにかなり強面の悪人ヅラ)ですら、取り調べ中には何度も拘禁症状が出て涙を流したり、精神的にかなり追いつめられたという経験が先の本の中で赤裸々に書かれています。この佐藤氏ですら、自らにかけられた根も葉もない容疑を最後まで認めず屈しなかったものの、あれほどまで追い詰められるのだから自分などは同じ状況で耐えられる自信はとてもありません。
 同じく無実の罪で投獄され、さらには証拠まで偽装された厚生労働省の村木厚子氏も最後まで屈することなく裁判で無罪を勝ち取りましたが、真面目に佐藤氏と村木氏のタフさには頭が下がります。本当にすごい官僚というのは物凄くタフなんでしょう。

 少し話が脱線しましたが、どう考えてもこの事件には女の子を殺した真犯人がまだ野放しになっているようにしか思えず、栃木県警のサボタージュのために無辜の市民の人生が弄ばれるという事実は正直癇に障ります。被告とその弁護団は控訴する方針とのことですが、二審で無罪を獲得することを切に願います。

  おまけ
 「国家の罠」の中に書かれた佐藤氏と検事のやり取りの中で、佐藤氏が鈴木宗男氏からお金を受け取っていたとみた検事が佐藤氏の預金を調べたところ300万円あるのを見て、「きっとこの金こそムネオ資金だ」と最初は考えたそうです。しかし他の外務省職員の預金も調べてみたらみんな数千万、下手したら数億円単位で大量に預金を持っており、

検事「あんた一体なんでこれしか預金持ってないんだ。外務省職員は半端なく給料いいんだからもっとあったっていいだろう(;´Д`)」
佐藤氏「馬鹿にするなよ、300万円だって立派な預金じゃないか!(# ゚Д゚)」

 という妙なやり取りがあったそうです。ちなみになんで佐藤氏の預金が少なかったのかというと、仕事で使うお金の大部分を自己負担しており、記者や商社員、外国政府職員などから情報を得ていたためだそうです。他の人だったらもしかして嘘じゃないかなと思ったかもしれませんが、この人に関してはとてもそんな疑念は全く浮かびません。

2016年4月8日金曜日

今日気になった中国のニュース

 最近パソコンを見ていてやけに目が疲れるのですが、まず第一に昼間の勤務でずーっとモニタ見てることが原因でしょうがそれともう一つ、ニトリで買った折り畳みデスクの高さが悪いのかも名と最近思えてきました。やけに左右にグラグラ揺れるし、高さもちょっと低いような気がするので、また今度どっかで手ごろなデスク買ってこようかな、このところお金使い過ぎで良くないのですが。
 お金と言えばさっき新しい革靴を240元(約4000円)で買ってきました。というのも、これまで履いていた革靴が靴底との接触部分が破れて雨降るとヤバいくらい浸水してきたからです。

 話は本題に入りますが、記者職を離れて以降は中国のニュースをあんまり見なくなっていたのですがさすがにそれはまずいかなと思い始め、まずは手軽にと人民日報日本語版のニュースをこのところチェックするようにしています。するとなかなか面白いニュースが見られるというか、どうして日本で報じていないんだろうと思うニュースがいくつか見つかり、もう今日もあんまりブログ記事書いていたくないからてっとり早くそんなニュースの紹介で済ませようかと思います。

アリババ、世界最大の小売企業に(人民日報日本語版)

 このニュースは全然知らなかったのですが、どうして日系メディアは報じていないのかが逆に不思議です。小売企業の売上高でアリババが世界一になったという点も注目に値しますが、それ以上にウォルマートやカルフールなど、よく陰謀論で黒幕扱いされるこれらの企業が最近はすっかりフェードアウトしたというかかつてほどの影響力を発揮しなくなってきたという点の方が私にとっては気になります。昔にも記事書いていますが小売りというのは案外文化の影響が非常に大きく、中国とか日本に店舗を置いても米国やフランスみたいには上手くいかなかったというのがここ20年くらいの小売世界大手の結果だったと見ています。
 ついでに書くと、日本の小売大手でも今日動きがありました。社長解任決議の否決とやっぱ関係あるのだろうか。

ロボット僧が人気者に、簡単な受け答えも可能 北京(人民日報日本語版)

 だからなんだと言われればそれまでのニュースですが、この記事で取り上げられている受け答えロボットの概観が中国にしては大分かわいくなったというのが私の中でヒットしました。かつての中国では、恐らく子供受けを狙っているんだろうと思われるものの全然かわいくない、っていうかむしろキモいキャラクターがたくさん氾濫していたのですが、昨今はデザインセンスも目に見えて向上してそこそこ見られるキャラクターを作るようになってきました。このロボットもそういう点で上達が見られ、日本も侮ってばかりじゃダメだななんて中国のポップカルチャー分野の成長を感じさせられます。

 あとこれはニュースソースがないこと自体がニュースなのですが、例のパナマ文書問題について中国の検索エンジン大手の百度で「巴拿马文件(パナマ文書)」と検索かけたら、見事に何も表示されないという面白い事態が現在進行形で起こっています。ただ「巴拿马文」だったら検索できるのでこんな検閲していて一体何の意味があるんだろうかと少し思えるのですが、それだけ中国政府も癇に障ったというか何か一発嫌がらせみたいなことをしなくちゃと焦っている証左ではないかと思えます。

“鉄パイプ”とカマで…襲撃相次ぐ 茨城(NNN)

 最後にこれは日本のテレビニュースですが、一体茨城で今何が起こっているんだと唖然とさせられました。っていうか鉄パイプと鎌で問答無用に襲ってくるなんて危険すぎるだろ茨城。

2016年4月6日水曜日

中国史におけるミスター転職

 日本で多くの主の間を渡り歩いた人物とくれば藤堂高虎が有名で、彼が主にした主だった人物を上げても浅井長政、羽柴秀長、豊臣秀吉、徳川家康など、戦国時代全体を通してもこれだけビッグネームな人物たちの下にいたのは他にはいません。本人も、「武士は七度は主を替えねば武士とは呼べぬ」と豪語しており、自らの転職歴を忠義心のない行為だとは考えずむしろ誇るように話してたそうです。
 彼ほど転職を繰り返して成功した歴史人物は恐らく日本において他にはいないでしょうが、海を渡った中国には確実に彼を上回る、みていて何や年と思う人物が一人いるので今日はその人を紹介しようと思います。

馮道(Wikipedia)

 馮道(ふうどう)とは中国の唐王朝が滅んだ後の五代十国と呼ばれる、具体的には10世紀頃に活躍した人物です。彼のいた五代十国時代は長く中国を治めてきた唐王朝が滅んだことによって中原に異民族が多数侵入したことによって混乱が起き、軍閥が各地を支配するようにもなり、新たな王朝が生まれては消え消えては生まれを繰り返して最終的には五つの王朝と、その王朝に組み込まれない十ヶ国が誕生したことをもじって五代十国と言い表すようになりました。

 馮道は当初、北方に興った燕の国で文官をしていましたが外交戦略で主君を諌めたところ幽閉されます。しかしその後で燕を滅ぼして後に「後唐」という王朝を作る将軍に評価されたことによって幕臣に迎えられますが、その将軍が殺された後はその身内に付き、その身内も死んだあとは一旦は左遷されます。
 その後、後唐が滅んで後晋という王朝が起こり、新皇帝は左遷されていた馮道を宰相に抜擢して外交を任せられますがその皇帝が死去するや再び左遷されます。しかし使者として訪れた異民族王朝の「遼」の皇帝が後晋を滅ぼすと馮道は再び召し出され、またも宰相に任命されます。

 しかしその遼も中原を長く支配することが出来ずに北方へと帰還することとなり、その過程で馮道を抜擢した皇帝が死去したため馮道は再び中原へと戻ります。中原ではまた新たな王朝の「後漢」が興っておりそこでまたまた馮道は召し出されて宰相に任じられますが、この後漢も反乱軍にやられて敢え無く滅亡し、今度は「後周」という王朝が興り、そこでもまたまたまた馮道は採用されて、その後死去するまで仕え続けました。

 馮道の最終的な経歴は「五朝八姓十一君」になると言われ、これは「五つの王朝、八つの一族、十一の主君」に仕えたという意味なのですが、一つや二つでも大変なのにこれだけ多く、しかもその大半を宰相という事実上の最高職で勤め上げたのですから彼以上の転職上手はまずこの世にいないでしょう。
 この馮道の波乱万丈な人生については古来より盛んに議論されており、忠義心のない人間だ批判する者もあれば、時代を考慮すると批判はできずむしろその才能を如何なく発揮したとかばう者もおり、彼は国や皇帝に仕えたのではなく中華圏の文化やその人民に仕えたと評価する人もいます。

 私の彼への評価は言うまでもなく三番目の考え方で、実際に遼の皇帝が中原に侵入してきた際は漢人を悉く虐殺しようとしたところを必死で諌めて止めており、国破れて山河ありを実践したと思う人物です。私自身も転職が多いというか日本人の感覚からしたらかなりイカれた人生を送っていますが、これは私自身が望んだというよりそういう渦に巻き込まれたと思う節があるだけに、この馮道はその渦を見事にさばき切ったんだなぁと見ていてしみじみ思うわけです。

先週末の三日間

 知ってる人には早いですが先週末の三日間は日本に一時帰国していてこのブログの更新もさっぱりできませんでした。一応、ノートパソコンを持ってきてはいたのですが、一度も空けることなく道中のバラスト(重り)にしかなりませんでした。では具体的にこの三日間は何してたのか記録がてら少し書き残しておきます。

  四月二日
 朝10時発のデルタ航空のフライトに乗るため朝5時半に家を出発し、上海の空港に7時に到着。二時間前に着けばいいのだからもっと遅くてもよかったものの、久々なので空港前の時間が読めずに早く着いてしまった。そのまま飛行機で飛び立ち、日本時間の午後2時頃に成田到着。そのままマッドシティ(松戸)の潜伏地へ移動するが、荷物の受け取りに時間がかかったことと、目の前で成田エクスプレスに乗りそびれたこともあって到着した頃には夕方の4時を過ぎていた。

 その後、左遷先の名古屋から千葉に戻っていた親父と合流して喫茶店で時間を潰し、地元の友人とも合流して焼肉屋で晩御飯を食べつつテスラ・モーターズについて談義する。親父がテスラ・モーターズのディーラーでモデルSを試乗してきたとやたら自慢して来たが乗った感じや性能については私も友人も興味があったので黙って話しを聞いていた。
 夕食後はそれぞれ分かれ、私は潜伏地で親父から借りたWIFI無線ルーターでPSVitaにひたすらゲームを購入してダウンロードする。なお今回ダウンロードしたゲームは以下の通り。

・戦国無双4
・サガフロンティア1、2
・グラビティデイズ

 この前リメイクが出たばかりのロマンシングサガ2も買おうか悩んだものの、子供の頃に散々遊び倒しているゲームということもあり自重した。またダウンロード中、部屋の片づけなどを続けたため、就寝した頃には既に深夜2時を回っていた。
 そもそも今回の帰国目的はこのマッドシティ潜伏地となっている部屋を解約するため。また現地採用になったし今後も生活や活動の基盤が上海になることがこの部屋は不要と考えたためで、あらかじめ友人があらかた片づけてくれていたこともあってそれほど作業は重くなかったものの、それでも整理する荷物はそこそこあった。

 そんなかんだで疲れてすぐ寝れるだろうと思ったものの、既に部屋からは布団も運び出されていたため、親父が持ってきた寝袋に入って寝ようとするも、どう見てもその寝袋は真夏のキャンプに使うようなうっすうすの寝袋で、入っても全然暖かくなく、ってかその部屋の室温は明らかに外気温よりも低いと思えるほど寒くて結局ほとんど寝られなかった。寝たというより1、2時間を気を失っていただけだった気がする。


  四月三日
 ほとんど眠れなかったままとりあえず起きて軽く身支度を整える。年寄りなので起きるのがやけに早くなった親父が8時半にやってきたので合流し、一緒に朝食を食べた後で部屋の荷物を運び出す。幸い、午前中にほぼすべて運び終えて親父と別れた後、地元の友人と共に不動産屋に行き、またすぐ上海に行くから退去を始めとする解約手続きを友人に一任すると告げて出る。
 なお後日、友人が不動産屋から言われた内容としては、退去は二ヶ月前の通知が必要ということで賃貸契約は6月まで続くのと、清掃料としてピッタリ敷金と同じ金額を請求されたとのこと。清掃料が敷金と同額っていうことは初めから返すつもりがなかったということにしか思えず、第一清掃だけで4万円以上も取られるわけない上に、裁判でもこうした敷金搾取は認められないと判例で出ていることもあるだけに色々と腹立つ。
 死ね、アパマンショップ。こんな連中だと知ってたら初めから使わなかったよクソが。

 ファッキンなアパマンショップを出た後は友人と一緒に部屋に残っていた古本やゲームを売って、3950円をGET。なお売った本の中で意外に高額だったのは「ユダヤ人の頭の中」という本で500円で買い取ってもらえたのだが、この本はその場にいた友人が譲ってくれたもので友人曰く、「つまらない内容ではなかったが、ユダヤ人っていうよりお前の頭の中だろって読んでて思った」とのこと。
 この3950円を持ってそのままファミレスのガストを訪れ、友人と一緒にやや遅い昼食。この際友人が前夜の親父を交えた会食について、「なんでこの人たち(私と親父)は突然軍艦とか戦闘機の話をするんだろうと思った」ということをカミングアウトする。実際、旧日本軍で最強の戦闘機である紫電改は川西航空機が作り、その川西航空機は今の新明和工業だとか突然話し出して親父と盛り上がってた。

 昼食を終えて友人と別れた後は散髪屋に行き髪を切る。かなり伸びてたから切ってすっきりするとともに頭部に感じる重力が明らかに減ったと思った際、「無重力の宇宙に行くとカツラって浮くのかな?」とまた変なことを想像する。その後、マッドシティを訪れる際には必ず立ち寄るカレー屋に寄って元ラリーストのマスターと歓談。半年ぶりだがお互いに、「そんなに長くあってない気がしない」という点で一致した。

 カレーを食べ終え、昨夜の反省からこの日の晩はネットカフェで夜を明かそうとこれまたいつも訪れているネットカフェへ行き、ナイトパックで入店する。チェック対象である漫画をあらかた読もうとして乗り込んだがこの時点で大分疲れてたのもあってややペースが遅く、読めた漫画はざっとこんなもんだった。

・キングダム
・彼岸島
・ナポレオン

 これらを読んでそろそろ寝ようかなと思ったところ、前からちょっと興味あった「ヒナまつり」という漫画を一巻だけ読もうと手に取った所、これが失敗だった。読んでみたところ非常に面白く、続けざまに4巻まで読んでしまって気が付いたら夜中の二時を回っていた。さすがにヤバいと思ってまだ続きがあったものの我慢して就寝に入るが、ネットカフェで寝るのは何度かしてるがなんかあんまりよく眠れなかった。ちなみに3時半ごろに近くの席で携帯電話が鳴り、所有者はすぐに電話を消したものの隣の席の奴に壁ドンされてた。まぁこれは叩かれても仕方ないね。

  四月四日
 余り寝付けないまま朝六時半にネットカフェを出て一旦潜伏地へ帰還。正直全然寝足りないのでもう少し部屋で寝ようとするものの室内にはもはや段ボールしかないので、段ボールを床に敷いてコート被って寝ようとするもあんま寝られず、むしろ姿勢悪くて段々頭も痛くなってきた。ついでに言うと寒さに極端に強い私でも寒かった。野宿した時もそうだったが、いつもこうやって寝ているホームレスの方々には強い尊敬の念を覚える。
 午前10時前に大量の荷物と共に部屋を出て銀行へ向かう。なんでかというとネット送金に当たってこれからワンタイムパスワードが要求されるようになるが海外在住なのでこの要求なしでも送金できるよう手続きをするためで、今回の帰国の目的の一つでもありました。

 銀行行って用件を伝えるものの、かなり頭がボーっとしてたためあまりうまく説明できずやや時間を食う。何とか相手に伝わって、窓口の行員もすぐイントラネットで対応方法を調べた後で海外在住者手続きを取ってもらうことになった。しかしその際、「印鑑は?」と問われて、「海外じゃ、印鑑なんて押さへんもん……」といい返して持っていないことを伝える。そしたら銀行カードの暗証番号で本人確認を済ませてくれて、「最近、銀行も印鑑なしの確認ができるよう対策取ってます」となんかどや顔で教えてくれた。
 手続申請用紙をもらって記入を始めるものの、やはり頭が回らずやたら書き間違える。ついでに白状すると海外の住所欄にはメモした手帳を忘れたため、上海市の適当な住所を書いてそのまま出してしまった。こんな感じだったものの手続きは無事完了して、そのまま成田空港へ出発する。

 成田空港には午後1時半ごろに到着し、チェックインを済ませると昼食に冷やしたぬきうどんを食べるが、頭痛くてあんまり味がわからなかった。その後、空港内の本屋で在庫管理の本とカー雑誌を購入して搭乗口で待っていると、予想通りに大量の中国人観光客がどんどんと搭乗口に集まってきた。離陸時間が近づいてきて搭乗口が開いたところ、座席が指定されていないお客からとアテンダントが呼びかけたところ私も当てはまってたので行ってみたところ、「本日、オーバーブッキングなのでビジネスクラスに座っていただきます」と言われ、そのままビジネスクラスにランクアップした。何気に成人になってビジネスクラスに座るの初めてだったりする。

 指定されたビジネスクラスの座席は最前列の席で、非常に幅の広い席だった。ただ座席の良さを感じる間もなくあまりの疲れ+頭痛からメガネを脇の小テーブルに置いてそのまま死んだように寝はじめる。離陸時のGを夢現の中で感じつつ、空飛んでしばらくたってから目を覚ました所、脇に置いたメガネが無くなっていた。恐らく飛び立つときの振動やGでどこかに落ちたのだと思い真っ暗な機内でメガネなしの状態で「どこやねん」と言いながら必死で探すもなかなか見つからず、「何がビジネスクラスだよ、ファック」とリアルにつぶやきつつあちこちをまさぐる。何気に近くにいるアメリカ人がファックという言葉に反応するかなと周囲をうかがっていた辺りは自分も食えない奴だと思う。
 幸い、座席のサイドポケット奥にメガネが落ちていたのを発見してホっと一安心。メガネが戻ってきたので機内食を食べ終えるとついでに映画を見ようと液晶パネルを弄り、ちょうど前から見たかった「マッドマックス」があったのでそれを選択する。

 結論から言うと「マッドマックス」は前評判通りにクレイジーかつ最高に面白かった。元々、シャーリーズ・セロンが出演しているという時点で見たい映画であったが、相変わらずセロンは「あんた誰?」って思うくらいほかのキャラやプライベートの姿とは似ても似つかない演技っぷりを見せつけていてさすがだった。私の中でセロンはナタリー・ポートマンと並ぶハリウッドのヤバイ級美人(ついでにモデル出身なだけあって無駄にデカい)だが、この映画の中だとゴリラも逃げ出すようなワイルドさたっぷりのごつい女っぷりで未だその役者魂が健在であることが確認できる。

 その後上海の空港に到着して、イミグレ通って、リニア+地下鉄乗って自宅に着いたのは午後9時を過ぎていた。タクシーも検討したが、リニアと地下鉄乗って帰るのとあんまり時間に差が無かったのでやっぱり乗らずに正解だったと思う。
 疲れてるし頭痛いしだったが荷物を開いて整理して、痛い頭を必死で抱えながらネットの更新情報などをチェックした上でパズドラを遊ぶ。大体十二時半を回ったあたりで就寝し、実に三日ぶりにちゃんとしたふとんで寝ることが出来て妙な幸福感を覚えた。実際、昔に野宿した後に初めてふとん入った時はその暖かさと柔らかさに涙を流したことがあったりする。

  四月五日
 ざっとこんな三日間を過ごした上で本日に至ります。ちゃんと昼間は仕事して、雑務を片づけてブログを書いていますが、正直なところを言うと早く買ってきたゲームしたいなって気がします。さすがにまだ一度もやってませんが。
 でもって先程、気になってたから「ヒナまつり」の5巻を電子書籍で購入。ちょっとお金使い過ぎかなと思うので、今週は自炊したりして節制する必要がでてきました。それにしても、自分の日記ながら下手な記事より面白いなと我ながら思ったりします。

2016年4月1日金曜日

雄琴に訪れる中国人


 ネットで「手乗り 猫」と検索したら何故か上記の画像が引っかかりました。手乗りは手乗りだけど、むしろこれってキーボード叩く音がイラつくから叩くの止めようとして乗ってるようにしか見えない。

 話は本題に入りますが職場の中国人女性スタッフが何でも、今度友達数人と共に日本旅行を計画しているそうです。なもんだからよく周囲の中国語が上手な日本人女性スタッフにあれこれ観光地とかお土産を聞きまわっているのですがよくよく話を聞いてみると、一緒に行く男性メンバーの希望で滋賀県の雄琴にも行く予定だそうです。

雄琴温泉(Wikipedia)

 わかる人には言うまでもないですが、雄琴というのは古い言葉(昭和言葉)で「トルコ風呂」、現代用語で「特殊浴場」、流行り言葉で「ソープランド」で有名な場所です。元々は由緒ある温泉街であったのですが京都や大阪で風俗店の取り締まりが厳しくなるにつ入れて滋賀県へ業者が移動し、その中のある経営者がソープランドを日本で初めてオープンさせたところ大ヒットして雄琴の代名詞とまでなってしまいました。
 なお佐野眞一氏がそのソープランドを始めた経営者へのインタビュー記事を書いておりますが、本人もこういう仕事が大好きなのかめちゃくちゃノリノリで書いてました。

 話は戻りますがその雄琴になんでまた中国人が行くのか。多分その女性スタッフは何も知らずに「温泉で有名な所だよ」と男性メンバーに言われて連れてかれようとしてるのでしょうが、そもそもなんで中国人が雄琴を知っているのか、この辺りが地味に驚きました。同じ日本人でも関東人とか雄琴がどんな場所だって知らない人も珍しくないというのに。
 恐らくですが、なんか日本の性風俗関連の情報を探っていくうちに知ったのではないかと思います。でもそれにしたって歌舞伎町とかミナミとかススキノなどもっと有名な所があるというのに、わざわざ雄琴を選んでくるっていうのも、中国人の情報網は侮れないものです。

 ただこの話を聞いて私も思うところがあり、というのもこの手の性風俗系コンテンツというのは客、それも外国人を呼び込む上では半端なく強力なツールであるということを再確認させられました。それこそただの「おもてなし」が火縄銃なら「性的おもてなし」はビームライフルだと言っていいくらいその威力は半端なく、広報の仕方によってはどんなさびれた場所であっても一気に観光客を誘致できる可能性があるのかもという風に思えてきました。
 などともてはやす一方で、この「性的おもてなし」は「諸刃の剣」であるということもしっかり踏まえる必要があります。現実に雄琴は由緒ある温泉街でありましたがソープランドが出来て以降はピンクなイメージが付きまとって老舗の温泉旅館も非常に苦しい立場に置かれた時期があり、そのイメージを払拭するため多方面で努力をされてきたそうです。このように性風俗を誘致ツールにしてしまうと後戻りがしづらくなる上、街全体にみだらなイメージが付きまとうこととなって地元住民、果てには周辺地域まで悪影響が及ぼす可能性があります。

 ではどうすればいいのか。やはりこの辺は棲み分けというか戦前の赤線地帯みたいにそういう場所とそうでない場所をしっかり区切った上で、そういうの目当ての外国人観光客もしっかり取り込んでいくというのが一番ベストな気がします。俗な話ですがこのまま日本にまともな産業が伸びなければこういう方面にも手を出さざるを得なくなる事態も考えられ、ジブリの宮崎駿氏なんか「千と千尋の神隠し」で暗にそういうテーマを持たせていたとも語っていることからもあながちない話じゃないと私も思います。
 もちろん自分は加担するつもりはないしこっち方面のノウハウなり知識がないので関わることはないでしょうが、こういう方面の観光案内とか中国語や英語翻訳はこれから需要が出てくると予想しています。それで金が稼げるんだったら産業として成り立つんだったら、誇りだなんだなんて言わずに稼いだ方がいいと考えています。無論、出来るだけ暴力団とかそういうのの介入なく。