2016年6月30日木曜日

中国がミサイル攻撃してきたとかいう与太記事

中国軍機、空自機に攻撃動作 「ドッグファイト回避、戦域から離脱」 空自OBがネットニュースで指摘(産経新聞)
【阿比留瑠比の極言御免】「中国が攻撃動作」これが日本の現実 危機を直視せず「ヘイト」で集う野党の愚(産経新聞)
中国軍 空自機に攻撃動作 空自OB指摘(毎日新聞)

 なんか解説するのも馬鹿馬鹿しいなと思う出来事なのですが、なんか産経と毎日のカス二紙が東シナ海上で中国軍戦闘機が自衛隊機に向けてミサイル攻撃を仕掛けてきたと報じています。産経の方は「防衛省幹部は産経新聞の取材に対し、大筋で事実関係を認めた」と書いて、毎日の方は「政府関係者は記事のような事実があったことを認めている」と書いていますが、実際には日本政府、中国政府共に事実を公式に否定しています。

空自元幹部「中国機が攻撃動作」 官房副長官は否定(日経新聞)
「東シナ海上空で中国軍戦闘機が空自機に攻撃動作」報道は事実無根=中国大使館公使が記者会見、「人為的に煽るのは中日友好に悪影響」(ライブドアニュース)

 このようにメディアと政府で主張する内容が食い違っているのですが、結論から言えば「事実ではなかった」と判断するべきだというのが私の見方です。理由は非常に簡単で、元記事があまりにもおかしいからです。

東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動
中国機のミサイル攻撃を避けようと、自衛隊機が自己防御装置作動(JB PRESS)

 産経の馬鹿も毎日のアホもニュースソースを「インターネットのニュースサイトで」と書いていますが、上のリンク先がソースであることはまず間違いなく、でもって何故これを見て情報を鵜呑みにしたのか本気で理解に苦しみます。その点、朝日、読売、日経は恐らく妙な内容で裏付けが取れないと判断したからこそ掲載を見送ったと思われ、如何にこの二紙が部数だけでなくニュースの質でも劣るということが見て取れます。

 私が何故このニュースを見て事実だと信じなかいのかというと、理由は大きく分けて二つあります。一つは一目見てすぐデマだと判断できたのですが、このニュースの掲載元が「JB PRESS」だからです。ここに掲載される記事はどれも高所ぶって書かれていますがどれも内容はお粗末というか明らかに何の根拠もなく書かれているというのが手に取るようにわかる記事ばかりで、むしろ真実を書いてある記事を捜す方が難しいくらいなんじゃないかと思うほど馬鹿げた記事に満ちています。恐らく裁判で、「うちの記事を真面目に信じる読者なんていない」と自ら証言してのけた東スポよりも真実性がないんじゃないかな。
 なもんだから最初の発信元がJB PRESSだと分かった時点で、「ああこれデマだ」と私は即判断できました。真面目に疑問なのですがどうして産経も毎日もよりによってJB PRESSの記事を信じて引用記事を書こうと思ったのか、誰も止める人間はいなかったのか、っていうか裏付けもまともにできてないのに何を考えているのか不思議で仕方ありません。もし自分が記者時代に同じようなことしてたら冗談抜きで、「てめーこの野郎!(メ゚皿゚)」って言われながら窓から放り投げられてたことでしょう。マジで。

 こうした情報ソース元々の不審さに加え、「これで騙される奴がいるのか?」と思ったのは元記事に書かれた妙な記述です。元記事によると、「(自衛隊機は)自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという。」と書かれてありますが、全文を読んでもどこにも中国機がミサイルを発射したという記述は一切なく、何故発射もされておらず接近があっただけで「ミサイル攻撃を受けた」と断定的に書けるのか、素人ながら強く疑問に感じました。第一、発射されていない段階でチャフとかフレアって打つもんなの?内容からすればフレアが今回は適当かもしれませんが。
 挙句にこの元空将を名乗っているおっさんは、「空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった」と書いていますが、接近されただけでドッグファイトが成立するってんなら冷戦期だっていくらでもあったろうと思えてならず、また軍事の専門家でないためよくわかってはいませんが、普通ミサイルを実際に撃つ前には前にも事件になった誘導レーザーを射出するのではと思うのに、その件については何故か一切触れていません。誘導レーザーを受けたら前みたいに証拠として糾弾できるだけに、これに触れないということはまず有り得ないと思うのですがね。

 あとこれは蛇足ですが、接近されただけでドッグファイト、準交戦状態となるのであれば、最近ヨーロッパで米軍機に異常接近しているロシア機もミサイル攻撃してるって言えるのかってことです。あれなんか動画で異常接近している状態が取られていますが、抗議はするものの「ミサイル攻撃された」って米軍が言ってるのを聞いたことがありません。

 もっともJB PRESSなんて前からこういう与太記事いくらでも載せてるのでその点には何も驚きがありませんが、それを産経と毎日が真に受けたというのが私にとって何よりも驚きで、本気でこの二紙はメディアとして大丈夫なのかと疑問に思えてなりません。何故疑問に思わなかったのか、誰も掲載前に止めなかったのか、言ってはなんですがあんな記事内容を信じるなんて判断力がないって言ってるようなものでしょう。中国が挑発的な行動をしてきていると批判しながら、ありもしない架空戦記をほんとの様にいって煽ってるのはどっちだとこの件に関しては言いたいです。

突然思い浮かぶワード

 今日も疲労してブログ書く時間無いので、本当にどうでもいいネタで埋めます。

 先日の記事にて「ハネムーン」と聞いて「ハゲムーン」という単語を思い浮かべたと書きましたが、知ってる人には早いですがこういう突拍子もない単語を急に思い浮かべることが私には多いと思います。今朝も歩きながら何故か突然「戦ジョーズ」と言う単語が出てきて、軍服(フランス製)着たサメの姿をん何故か想像していました。
 あとこれは昨日仕事中、適当にデータを放り込むフォルダを作る際にフォルダ名を決める際になぜか、「もんげー」というコマさんでおなじみの岡山弁が出てきて、折角だからラテン語っぽくした方が絶対いいと思ってこれまた何故か、「モンゲ・ディ・クショナリ」と、そもそもラテン語が何なのか全く理解していないのに妙な言い方するフォルダを作って実際にそこへデータを放り込みました。忘れた頃に見返すと自分でも意味がわからない。

 あとこれはすごい昔ですが、勉強のためにとパワーポイントを初めて使ってどうでもいいプレゼン資料を作ろうとした際に付けたタイトルが何故か、「ウルトラマンの内臓」でした。以降の内容も「えぇっ?」とか、「五臓六腑に染みる」など全く意味の分からない内容でスペースを埋めていき、最後にドクロのイラストがアップで迫ってくるアニメーションを入れて作り終えました。なおマイクロソフトのOffice系ソフトで使えるクリップアートで「骨」って検索するとやたらいっぱい出てくるので面白いです。

2016年6月28日火曜日

何故マスコミは横柄で無知なのか?

 先日友人から、なんかどっかから取材でも受けたのか、「なんでマスコミってあんなに無礼で無知なんですかね」という言葉と共にこのテーマで一本書いてというリクエストを受けました。知ってる人には早いですが私は一時期上海のとある新聞社で経済記者として勤務した経験があるだけにこの手の話についても裏側を書くことが可能で、テーマも悪くないしいい機会なのでマスコミというかジャーナリストにどういう人間が多いかを今日は紹介します。

<何故横柄なのか?>
 つい最近の話ですが、周りからどんな人間がマスコミに向いているかと聞かれた際に私は、「一緒に横歩いている友人を突然どぶに蹴落として指さしながら大笑いする人間」だと答えました。これは決して受け狙いではなく真面目にこの手のタイプの人間ほどマスコミ業界が向いており、逆を言えばマスコミ業界でやってこうならこれに近い事を平気でやれるようにならないと身が持たないと断言できます。一言でいえば、他人の痛みを全く気にせず傷を抉ってこれるようなサイコパスな人間ほど向いているというわけです。

 友人の言う通り、マスコミ業界には横柄で無礼な人間は明らか且つ確かに多いです。一体何故多いのかというとそういう業界だからと言ってしまえば終わっちゃうので真面目に話すと、よくネット上では、「自分たちが世の中を動かす特権階級だと自惚れている」という意見を見ますが、テレビ局員はわかりませんが新聞社の人間はそうでもないかなと言うのが私の見解です。
 では何故新聞社の記者らは横柄なのかと言うと、一番大きな理由としては取材に当たってはぶしつけな態度が必要且つ求められるからです。基本記者と言うのは取材相手の隠しごとを暴いてナンボなところがあり、企業だったら不正情報、芸能人ならスキャンダルなどと当人が暴かれたくない情報こそ拾ってくる価値があります。なので遠慮がちな態度ではなく不必要なまで強気に聞きだす態度が求められ、実際に周りの同僚や上司もそうした物を求めてくる上にそうするほど評価もするので働いていると自然と無礼になってくるわけです。

 こう書くと如何にも人の秘密ばかり暴いて嫌な奴に見えるかもしれませんが、取材においてはそうした態度と言うか割り切りが必要となることも少なくないとここで弁護しておきます。たとえば私の元上司は、「交通事故で死んだ小学生の子供の写真を親に出してくれと言う時は辛かった」と以前に話してくれたことがありました。普段何気なく目にする事件被害者や加害者の写真は現場記者らのこうした罵声を浴びせられるような活動を通して報じられており、良心を犠牲にするというか感じなくさせる必要もあるということも私個人としてはいくらか理解してもらいたいです。

 話は戻りますがこうした取材に当たる心構えともう一つ、基本的にマスコミ業界の人間は集団ではなく個人として働くことから性格が横柄になるということも大きい気がします。チームを組んで取材や執筆することもなくはないですが基本的に記者の仕事は自分で取材して自分で書くのが普通で、なおかつその実力や評価も個人単位でなされます。そのためほかの業種と比べてマスコミ業界は個人主義的な傾向が強く、協調性とか貢献意識とかよりも特ダネ取ってきたり大量に素早く記事書けるような体力の方がずっと尊重されるため自然と我が強くなる、というよりも我が強くないと持たない業界だったりします。
 この辺は私自身が強く実感した所で、私のように商社やメーカーを経験して記者になった人間からするとマスコミ一本で働き続けてきた人らは本当に周りなんて知ったこっちゃないっていう人間ばかりに見え、文字通りに次元が違う世界だとよく感じていました。特にそう感じた点として日本のサラリーマンは社内で誰がどこそこの派閥に属しているかなどという派閥論議を好みますが、大手新聞社は知らないけど私のいた新聞社ではそうした議論はあまり聞こえず、上司にそういったところ、「俺も若い頃、大学の同期と就職してから会ったらあいつらはずっとは派閥の話ばかりしてて、同じ違和感を持った」と言われました。

 なおよく同僚とも言い合いましたが、記者というのは周りはみんな頭のおかしい奴らだと思いながら、自分が最もまともだと信じて疑いません。今こう書いている自分ですらそう思っていましたし。ついでに言葉遣いについては前に書いたように、「(取材で)追い込みが足りねぇんだよこのクソボケ!」 などと、ヤクザ事務所みたいな言葉がリアルに飛び交っています。

<何故無知なのか?>
 記者が何故横柄かという理由については上記の様に仕事上の必要性、並びにそうした人間しか残れないし求められるという土壌が大きいと見ており、基本的に事実で間違いないと言えます。では何故無知なのかについてですが、自戒を込めて言うと実際無知でアホばっかです。
 たとえば経済部で言えば業界専門紙なんかだとさすがに専門とする領域において相応の知識が求められるだけに記者も勉強していますが、総合経済紙だと記者ごとに専門分野持たせようったってコマが足りず、結局各記者がのべつまくなしにどの業界に対しても大した知識を持たないまま書かざるを得なくなります。

 私もこの例に洩れず、今だから言えますが「ホットコイルはトン当たり~元、コールドコイルは同~元」などと毎月鉄鋼の出荷価格を書きながら、「そもそもホットコイル、コールドコイルってなんやねん」と思ってて、ずっとその意味を知らずに書き続けていました(今はわかる)。金融に至ってはもうほんとに専門用語に踊らされるというか何がどう意味するのかほとんど把握しないままそれとなく過去記事やよその記事を参考にしつつ体裁だけ整えてよく書いて出してたものです。
 もっとも、これは大手紙なども基本一緒です。よく見ればわかりますが明らかに単語の意味を理解しないまま書かれている記事が金融系を中心に多く、政治記事でも政策内容に関する説明が少ないというか避けているような書き方がされていればその記事を書いた記者は確実にわかっていないと判断していいでしょう。政策金利についてすらふわふわした感じで書く記者もいるし。

 よく記者というのはエリートで何でも知っていると思われがちですが実際はそうでもなく、下手したらほかの業界を経験せず知らないもんだから世間知らずな人も少なくありません。ちょっと古い話を持ちだすと東日本大震災の折に、「自動車部品のサプライチェーンが海外企業へ移っていくかもしれない」などと当時多くの記事で書かれましたが、自動車業界を知る人間からしたら品質管理上それは有りえないってことは誰でもわかっちゃいます。ついでに書くと、「クロスオーバーSUV」って単語を使う記者は間違いなく素人で、理由を明かすとクロスオーバーじゃないSUVなんてほとんど存在しないからです。

 ただこの点についても弁護というか言い訳をすると、逆に専門的になりすぎると読み手も読んでて意味がわからなくなる恐れがあります。私自身もそうしたスタンスからあまりにも専門的過ぎる内容については敢えて触れずに小さく記事をまとめて書いてたりしましたが、勉強するに越したことはないものの、この辺はバランスも重要です。

 そういいながらでありますが最近日本の記事を読んでて、「日本のマスコミのレベル落ちてるんとちゃう?」と思うことが増えています。どこかとは言いませんが、「シャープ首脳、同業他社に流出」という記事見出しを一見して、「首脳という言葉を産業界で使うか?」と思うと共に何故この記事が出稿される前に誰かチェックして止めなかったのか強く疑問に感じました。なおほかの媒体はきちんと、「シャープ幹部」と表現していました。

 なんか尻切れトンボみたいな感じですが、友人の言う通りに基本マスコミは横柄で無知で間違いありません。態度の優しい記者もいないことありませんがそういう記者はまずもって出世しません。でもって勉強する記者、科学部記者なんかはマジすごいほど勉強している人多いですが、やっぱりこの手の記者は少数でどっちかっていうと体力の方が礼賛される業界のため、みんながみんな賢いわけではなくサイコパスばかりです。

 最後にどうでもいいですが冒頭で述べた「どぶに蹴落とす」という下りについて、さすがに私はこんなことできる人間ではありませんが昔に友人を騙して煮え湯を飲ませ大笑いをしたことはあります。

2016年6月26日日曜日

奨学金に関する議論に対する疑問

 昨日今日と涼しい日が続いたのでまたずっと寝ていたのですが、今日に至っては朝八時に起きて少しパズドラした後で二度寝したら三時間も寝ていて、起きた後で自分でびっくりしてました。そこまで体力消耗したつもりはないのに。
 あと昨日は「グラビティデイズ」というゲームをクリアしましたが、3D酔いならぬ重力眩暈をしっかり体感できるゲームで、演出や世界観で確かに抜きんでたゲームのように感じました。2も今度出るけど、PS4でしかできないんだろうな。

 話は本題に入りますが、このところネットやニュースなどで大学進学で借りた奨学金が卒業した後で返済できず、延滞する若者が増えているという話をよく見ます。返済できない理由としては不況から卒業後も定職に就けず返済に回すほどの賃金がないという生活難からだとされており、そもそも欧米の奨学金は返済不要の譲与型であるのに対して日本で主流の奨学金(育英会改め日本学生支援機構の)は有利子返済の貸与型であること自体が問題であるという声も多くなっています。中には、「やってることが闇金と変わらない」、「無知な学生をだましてひどい奴らだ」などと、制度自体への批判も目にします。
 こうした声を反映してか安倍首相も今度の参院選向けの目玉政策として返済不要の奨学金制度の設立を前に掲げており、そこそこ社会問題といえるレベルにまでは発展してきたのかなという気はします。しかし私に言わせれば、この奨学金に関する議論が社会問題になること自体がおかしいように思え、このところ騒いでいるマスコミを含め一体こいつらは何を不必要に騒いでいるのか誇張ではなく強い疑問を覚えます。

 まず奨学金という制度について私の立場を述べると、非常に有意義な制度であり現在の貸与型主流であっても何も問題ないと考えています。譲与型もあるに越したことはないですが、譲与型の予算枠を増やすくらいであればもっと回すところがあるはずだというのが私の意見です。

 解説に移ると、まず利率が高いかどうかという議論についてはナンセンスもいい所で有利子型の奨学金といえどもその利子率は非常に低く、なおかつ在学中は利息が免除されるなどと優遇されています。

平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率(日本学生支援機構)

 上記サイトに具体的な利率が公開されていますが、ぶっちゃけ以前と比べて凄い見辛くなっているなという印象を覚えますがそれは置いといて、上限が年利率3.0%であるのに対して基本的には2.0%を切っています。うろ覚えですが私の頃は確か200万円くらい借りて20年くらいかけて返済したとしても元本を除いた利息分は20万円くらいだったような気がします。
 これほどまでに優遇された低い利率に対してまで文句が出ること自体頭を疑うのですが、そもそも借りる前にどういう契約なのかきちんと説明されて署名しているはずで、借りた後でやれ取り立てがひどいとかどうとか言うこと自体、内容をきちんと把握していなかった本人の責任でしょう。これに限るわけじゃないですが、なんで借金返さない奴が偉そうな口利くのかが理解できません。

 次に卒業後の収入についてですが、確かに十数年前と比べると正社員の初任給こそほぼ横ばいであるもののその後の昇給が抑えられていることから20~30代の収入は大きく落ち込んでいるという現実があります。しかし、だからどうしたというのが私の意見です。
 低い給与とはいえきちんと節約して生活すれば月々の返済額を捻出することは全く難しくありません。私も金額が少ないとはいえ奨学金を借りてましたが、決して給与の高くない会社ながら(確か月手取り16万円)就職した一年目で100万円を繰り上げ返済しています。当時は自らに対して奨学金を完済するまでは中国に行くまいと制限を課しており、ちゃんとこれは有言実行しました。
 私、それと私よりずっと厳しい(ケチな)友人に言わせれば卒業後に月々奨学金を返済できないという言葉は甘えでしかありません。例え正社員になれなかったとしても日本の場合はパートタイムの仕事がたくさんあるだけに毎月分の返済額位は普通に働ければ得られるはずです。病気や介護など特別な事情がない限り健康な状態でありながら、「不況で」という理由で返せない人間ははっきり言えば論外で、あまつさえ制度に問題があるなどと文句を言うなんて人格すら疑います。だったら初めから借りるなよな。

 そしてある意味ここからが本題ですが、有利子貸与型ではない譲与型の奨学金の予算を増やすべきだという意見が増えていること、そしてそれを主張する人間を見ていて常々、「何故彼らは大学の学費自体の引き下げを求めないのか」という疑問を感じます。

国公私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
70年近くに渡る大学授業料の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)(ガベージニュース)

 知ってる人には早いですが、テレビもパソコンも牛丼もバブル期から続くデフレで価格が落ち続けた中、何故だか本の値段と学費だけは上がり続けていました。リンク先を見てもらえば早いですがバブル絶頂だった1990年頃と比べると現在の年間大学授業料は国立で+約20万円、私立で+約30万円も上がってて真面目に「テールミーホワイ?」と聞きたくなるくらい上がってます。そもそもこの記事も、自分の出身大学ホームページを久々に見たら私の頃と比べて入学金は-2万円だったものの授業料が10万円弱くらい上がってたのを見てマジビビったのが書こうとしたきっかけです。

 奨学金は何故必要なのかといったら言うまでもなくそりゃ大学に学費を払うために決まってるでしょう。言うなれば、学費が下がれば負担も下がり、奨学金を追加で充実させる必要はなくなるということになるわけです。
 しかも上記にも述べた通り、日本はバブル以降はずっとデフレであったのに対してやたら大学の学費だけは上がり続けています。そりゃ大学経営がいろいろ大変だというのを全く理解していないわけではありませんが、そもそも日本は細かい数字こそ確認していないものの他の先進国と比べて教育投資額が極端に低いとよく言われており、だからこそ教育拡充に予算を組んで学費を下げる努力をするべきだの一言も出たっていいはずなのに何故だかそういう意見はどこをほっつき歩いても目に耳にすることもなければ口に出す人も私以外いません。挙句に、奨学金の利子が高いだの返済不要の制度を充実させろなど、どう考えたって論点が違うのではと思う意見が何故だか主流になって学生もマスコミもどや顔で口にするのが不思議でならず、景気低迷とか舛添問題以上にこの国は本当にどうなってしまっているんだと不安を覚えさせられます。

 もうあれこれ説明するのも馬鹿らしいのでやるべきだと思う調査検討政策を列記します。

・学費増大要因の分析(恐らく受験者数減少が大きい)
・効率的な大学経営のモデルプランの紹介
・ふるさと納税みたいな母校寄付納税制度を作る
・大学統廃合を進める(学校単位ではなく学部単位が望ましい)
・付属中学高校に対する制度を色々拡充させる
・奨学金の延滞者のブラックリストをネットで公開する

 上にも書いたように何故マスコミも学費引下げは放っておいて奨学金の拡充を唱えるのかが疑問でならず、リクエストも来たので次回は日本のマスコミ業界の人間について実体験を伴って紹介します。

2016年6月25日土曜日

英国のEU離脱とその影響について

 先月から長く続いていた咳が一度は病んだのですが、今日とんかつ食って自宅に帰る途中で何故かまた急に再発して鬱陶しいです。別に喉に何か詰まらせたわけではないと思うのですが、難だろアレルギーか何かなのかな。吐きだした痰の一部がやや異なる色しているのも気になるけど、早く治ってもらいたいです。

 話は本題に入りますが、既にあちこちで報じられている通りに英国が昨日の国民投票の結果、EUから離脱することが決まりました。離脱は2年以内とのことですがこの選挙結果を受け世界中の金融市場は大混乱に落ち、日本も日経平均が約1300円も落ちただけでなく為替も1米ドル=100円を一時切るなど私の職場でもリアルに悲鳴が出ました。でもって給料を人民元で受け取る現地採用の我々も、「何もしていないのに給料が下がるなんて……(´・ω・`)」と呟くのでした。まぁ私はあんま気にしないですけど。

めいろま 「イギリスがEUを離脱した本当の理由」(アルファルファモザイク)

 英国は一体何故今回EUから離脱したのかという背景については上のまとめ記事に書かれている内容が大まかな背景で間違いないと思うので、今回の解説については省略し、今後どうなっていくか今回の選挙結果の影響を中心に解説します。

<英国自身への影響>
 真っ先に起きることとしてはポンド下落に伴う経済的打撃で、ポンドは事実上、米ドル、ユーロに続く世界第三位とされる基軸通貨の地位を失うことになるとみてほぼ間違いないでしょう。代わりに世界第二位に上がるのは日本円でそれについては後述しますが、近年の産業が金融を中心で、なおかつ不況が続いていることもあって深刻な状況に陥ることもあり得ます。

 ただそれ以上にダメージが大きいのは政治面での打撃で、既に今回の選挙結果を受けてキャメロン英首相は辞意を表明しており後継を巡ってしばらくごたごたが続くでしょう。また地区投票ではEU残留派が上回ったスコットランド地方では今回の選挙結果を受けて英国からの独立議論が再燃しており、それに続く形でウェールズや北アイルランドも同じような議論が起きていると報じられています。スコットランドに関しては以前も独立可否を問う選挙を故行っているだけに笑い話ではなく、下手したら英国連邦解体の一石となる可能性は否定できないだけに今後の情勢は荒れたまま続くだろうというのが私の見方です。

<EUへの影響>
 こちらも英国同様にその影響は甚大で、真っ先に考えられるものとしてはドミノ倒しの様に英国に続いて離脱を検討する国が出てくるという事でしょう。一部のEU参加国は通貨がユーロに固定されているがゆえに市場に現金を供給するなどと言った金融政策が打てず景気が打開できないと考えている節があり、言うなればEUにいるからこそ不景気だと考え、これを機に決別したいという国は決して少なくない気がします。
 もっとも、そういった国々はEUから離脱して独自通貨に切り替えたとしても景気打開はできないと思え、上記の考えは幻想であると私は考えていますが。

 また、ギリシャは以前にも離脱を検討しましたが、恐らくギリシャとしてはEU離脱、ユーロから独自通貨に切り替えることによってドイツ等からの借款を踏み倒したいというのが本音であるように見えます。逆を言えばユーロから離脱するついでにあれこれ理由をつけて借金を踏み倒そうとする国はほかにもいるように思え、そうなったら事実上のEUの長でありさりげなくユーロの金融政策で独り勝ちしているドイツとしては気が気ではないでしょう。

<世界経済への影響>
 今回の英国のEU離脱が2008年のリーマンショックに並ぶ経済危機となるか友人と昨夜議論し、そうなるのではという私に対して友人はそこまではいかないという見解でした。ただどちらにしろ、リーマンショック以降としては世界経済に最も大きな影響を与える一打になることは間違いなく、来週は首吊るトレーダーが後を絶つことがないでしょう。真面目にあの選挙結果が出たのが金曜日で良かったと思う。
 株価もそうですが今回の場合は通貨の変動の方が明らかに大きく、今回の結果を受けて上記で説明したようにユーロ、ポンド共に不安が高まりその国際基軸通貨としての信用を大きく落とし、成り行き上、日本円が第四位から一気に第二位に駆け上がることになると思います。位置的には米ドルがもちろん中心ですがリスクヘッジ用の第一位の通貨となるわけで、来週以降は延々と円高が続くこととなり連動する形で日本の株価も下がり続けることでしょう。もっともそれ言ったら世界中で株価下がるわけだから日本だけってわけでもありませんが。

<日本への影響>
 上記で述べた通りに巻き込まれる形で円高になり経済的には大打撃を受けるでしょう。ただ皮肉なことですが、伊勢志摩サミットで無駄に「リーマンショック前の状況だ」と声高に叫んで消費税増税延期に安倍首相は持ってこうとしまししたが、実際にそれに近い状況になっており消費税増税を延期して結果的には正解となりました。逆にもし強行していた場合は次の参院選で批判のやり玉に挙がっていたことは間違いなく、そういう意味では安倍首相もなかなかいい幸運を拾っています。
 その上で今後の日本の課題としては、これから起こる円高を何が何でも抑えなければなりません。ではどうすれば抑えられるかですが、実現性は無視して何でも言っていいという前提で述べるならば、敢えて中国の人民元を推したりバックアップして、その国際基軸通貨としての地位を高めるよう工作するのもありではないかと密かに考えています。中国としては人民元の国際基軸通貨化に対する野心が高く、上手くそれを利用出来て日本に来る衝撃をいくらか緩和できればなと期待してます。

<中国への影響>
 EUは中国にとっても有力な貿易相手地域であるだけに経済的な打撃で言えばもちろんおっきいです。ただ景気が減速傾向とはいえ世界全体で見ればまだ勢いがあるだけに、あれこれ言う人がいるでしょうが多分平常運転でしょう。仮に上記で述べた通り、ここで人民元を前に押し出してくるってんなら色々面白いですが。

<世界のパワーバランスへの影響>
 今回の結果を受けて私が真っ先に考えたこととしては、世界のパワーバランスにおけるEUという一角が崩れ、それに伴って必然的にロシアのプレゼンスが高まるだろうという事でした。余計な説明抜きで続けると、仮にそうなればかつての米ソ冷戦構造よろしく米露の二極構造化が進むのではと思う一方で、「一帯一路」という方針を掲げ海洋政策では強気を維持する一方で陸上の中央アジア各国に対しては融和政策を取る中国がますます力をつけ、三極構造に発展していくのかなという仮定も浮かびます。
 これまでは米国、EU、最近になって尖がってきたロシアの三極構造+イスラムグループみたいな感じでしたが、この構造からEUがまるごと脱落することになるのは確実で、世界のパワーバランスは大きく変化すると断言できます。まぁこの辺は状況を見ながらおいおい判断していくしかないでしょう。

2016年6月23日木曜日

平野母子殺害事件の控訴審再開について

平野母子殺害 差し戻し控訴審3年ぶり再開(関西テレビ)

 先程速報が出たこのニュースですが、内容を見てすぐにどういう事件だったかも思い出せました。

平野母子殺害事件(Wikipedia)

 詳細は上のWikipediaの記事でまとめられていますが、この事件は2002年に起きた主婦、幼児に対する放火殺人事件で、犯人として当時逮捕されたのは主婦の義父に当たる刑務官の男性でした。この事件は発生当初から冤罪の疑いが強くまさか有罪判決は出るまいなと思っていたら一審は無期懲役判決、続く二審に至っては死刑判決が下りて、大阪は警察もそうだが司法も信用できないなと思わせられたのをまだ覚えています。
 ただ、最後の関門である最高裁は合理的な疑いが残るとしてこれらの判決を棄却した上、審理を差し戻すよう命令しました。死刑判決が下りた裁判で審理が差し戻されること自体異例なのですが、差戻審が直近の高裁ではなく地裁となったのも過去にあったかどうかと疑わしいくらい異例中の異例の判断でした。

 そうして差し戻された二回目の大阪地裁の判決は2012年に下り、被告に対し無罪判決が下されました。しかし検察側はこれに納得せず控訴したことにより、控訴審が開かれることとなったのです。

 そもそもこの事件で何故男性が犯人だと疑われたのかというと、直接的な証拠はなくよくある状況証拠からでした。特に一番大きな証拠となったのは犯行現場のマンション階段にあった灰皿に残された煙草の吸殻72本の中から、この男性のDNAが検出されたことが決め手となりました。男性はそれ以前に現場のマンションに行ったことがないと話していたことから供述と矛盾するとして裁判では有力な証拠として扱われたものの、そもそもそのDNAは男性の物で合っているのかという疑問は最初の審理時からありました。
 足利事件然り、DNAが決め手だと言われながら再鑑定してみたら実は違ってたということが実際にはよくあるだけに弁護側は警察に対して再三証拠となった吸殻を提出して再鑑定させるよう要求し続けていましたがこれに対して警察はずっと拒否し続け、事件発生から約二年経って初めて72本中71本を誤廃棄していたという事実を認めました

 誤廃棄の事実自体は裁判が始まってすぐの段階で把握していたもの不祥事の多い大阪府警なだけに知らぬ存ぜぬで黙り通し、証拠開示請求が来るまで公表することはありませんでした。まぁ誤廃棄って言っているけど、大阪府警なだけにそもそもDNA鑑定すらしていなかったという事実を隠蔽するために敢えて捨てておいたんじゃないかと勘繰りたくもなりますが。
 この時点で実質的に男性が犯人であるという証拠は存在しないのですがその後の判決では既に述べた通り一審二審で有罪判決が出るというミラクルぶりで、真面目に裁判官の頭を疑うレベルの判決でしたが、幸運なことに最高裁はまだまともな判断を出して死刑執行という取り返しのつかない事態はまだ避けられました。

 でもって今回、差戻審で無罪判決が出たのに検察が粘って開いた控訴審ですが何故だか三年間も中断していてようやく開いたかと思ったら、遺体の首に巻かれていた凶器と思われる紐に付着していたDNAが男性とは全く別のDNAだったという鑑定結果が出されました。そもそもこの鑑定、検察側からの請求によって行われたそうですが、一体全体何がしたくて請求したのか理解に苦しむ内容です。それ以前に、どうして事件発生直後に証拠価値が感じられないたばこの吸い殻は鑑定しているのに直接的な凶器の紐は鑑定していなかったのか、構造的に考えると、当時鑑定していたものの男性のDNAとは異なっていたため、男性を犯人にしたいから敢えて無視していたとしか思えません。大阪府警なだけに。

 自分が小学生だった頃、日本は検挙率が9割超えてて殺人などをやらかした犯人はほぼ捕まると言われていましたが、その検挙率の背景にはこうした事情が深く存在していたというのが事実でしょう。この前もドラマでタイトルにもされていましたが、日本の刑事裁判における有罪率は99.9%という旧ソ連ですら成し得なかった(佐藤優氏曰く)という神がかった数字してますし。

2016年6月21日火曜日

中国で日本のミステリー作品が流行るわけ

 先日またツッコミの厳しい後輩と上海を歩きながら共通の友人がハネムーンに出かけたことを伝えた際、以下のやり取りがありました。

花園「ちなみにハネムーンと聞いてすぐハゲムーンって単語が思い浮かんだんだけど、働き過ぎで俺疲れてるのかな(ヽ´ω`)」
後輩「疲れてるか、めちゃくちゃ元気余ってるかのどっちかでしょう( ・`ω・´)」

 話しは本題に入りますが、日本でも一部報じられているように中国では日本のミステリー作品が幅広く受け入れられています。作家の東野圭吾氏の作品は認知度も高く実際によく読まれており、また漫画とアニメの「名探偵コナン」に至っては真面目に知らない中国人は存在しないくらい浸透しています。
 それこそ中国に来る前の私は、ナルトやワンピースは冒険活劇だから中国でも売れると思っていたものの、そこそこロジックが複雑でやや小難しく感じるようなコナンや金田一(少年)はややハードルが高いと思っていたらむしろ先の二つに負けないくらいに人気で、「金田一とか知っている?」とリアルで中国人に聞かれることも少なくありません。

 一体何故こうした日本のミステリー作品が中国人に受け入れられ流行るのか。この理由について友人の嫁さん曰く、「中国人にはああいうロジックのある作品を作ることが出来ない」とのことで、単純に珍しいからだと説明されました。言われてみて納得というか、出来ないことはないだろうが中国人があれこれロジックをめぐらして作品作るなんて想像し辛く、間違いなく苦手な分野でしょう。一方で漢字の国だけって活字を読んで想像を働かす方面にはなれており、案外読書文化も強いだけあって想像をかきたてるミステリー作品に対する憧憬も強いのでしょう。
 この話を先日同僚にも話してみたのですが、

「そもそも着実に証拠をかき集めて犯人を追いつめるという過程が中国にはないよね(・∀)(∀・)ネー」

 という話になり、証拠なんかなくったってとりあえず怪しい奴をとっ捕まえて、拷問して自白させるのが中国の犯罪捜査なもんだから推理するプロセスがそもそもないというのが中国でミステリーが育たない土壌かも知れないという意見も出てきました。
 また中国事情に詳しい同僚からは、

「あと中国人だったら水滸伝みたいに、犯罪者を追う側よりも犯罪者に共感してしまう

 という指摘も飛んできました。

 これは実際その通りで、割と中国人は昔から今に至るまで正義の味方より悪者、それもどっちかっていうと小悪党に肩入れする傾向が強く、日本人の感覚的には石川五右衛門を応援するような感じだと思うのですが、貧しい生い立ちから犯罪に走ってしまった、それでも粋な心意気は失わないっていうようなキャラクターが本当に大好きです

 一応、アルセーヌ・ルパンのように犯罪者の側が主人公のミステリーもなくはないですが、やっぱり犯人を追う探偵や刑事なんてキャラに中国人はあんま共感しないというか応援しない気がするし、そういうキャラを主人公にする作品もあんまないでしょう。刑事物ドラマは中国でもたくさんありますが、どっちかっていうと濃いおっさんが麻薬組織とかの凶悪犯罪と戦う系だしなぁ。

 逆を言えば日本人はミステリー作品をこれだけ発達させていることからもロジックをあれこれ考えるのが得意な民族ともいえるかもしれません。ミステリーの本場といったら友人のハネムーン先であるイギリス(メシがマズイとは警告しておいた)ですが、日本人もイギリス人もやっぱりこの辺の思考なり興味なりが共通する点はあるのだと思います。中国人はミステリーを受け入れる素養は高いものの、生憎作品を作り出す素養と土壌には欠けているというのが私の分析です。

 最後にどうでもいいことですが蘭姉ちゃんの声優は京都出身なだけあって別作品で京都弁使うこともあるのですが、自分の知る限り最もきれいな京都弁です。この人も蘭姉ちゃん演じてもう20年くらい経つのか……。

シチズン子会社の解散に伴うリストラについて

 このほど以前に書いた「シチズンの広州工場閉鎖について」の記事に、以下のようなコメントが寄せられました。あまりにも長すぎてスパムと認定されたため表示されてないのですが、折角寄せてもらったのでここで紹介します。
 非常に長い文章なので体調絶好調につき一つ私の手で簡単に要約すると、以下の通りとなります。

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 精密機械大手シチズンホールディングスは今年3月、連結子会社であるシルバー電研を日本金銭機械に事業譲渡すると発表しました。事業譲渡に合わせシルバー電研社員は譲渡先の日本金銭機械の求人募集に応募し、採用されたものはそのまま移籍し、それ以外の社員は人材会社リクル ートキャリアコンサルティングに登録してシチズングループからの求人に直接応募し、採用された者はそのままグループ企業へと移籍するようにと告知されました。しかし実際にはシチズングループからの求人はほとんど行われず、その後も追加の説明や告知はなくシルバー電研社員は解散に伴って規定された退職日の来週6月30日を迎え、半自動的に退職へと追い込まれかねないという状況になっています。
 なお、一般企業へ転職する場合は既定(最大12ヶ月、年齢によっては最小6ヶ月)の特別退職金が支払われます。
 こうしたシチズンのやり方についてコメント投稿者は、業績も好調に推移しているにもかかわらずグループ内移籍等の雇用対策手段を講じず、シルバー電研の社員を無理矢理解雇させるようなやり方は不当だとし、方々へ同じような投稿を行って主張を展開している模様です。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 正直、この投稿をこのブログで取り上げるか否かは少し悩み、直前に友人にも相談しております。
 念のためシチズンが3月に出したシルバー電研解散のプレスリリースを目に通してみて一段落目末尾に、「なお、シルバー電研は事業譲渡後、解散及び清算を行う予定です。」と書かれてあるのを見て、通常であれば「吸収合併」という言葉を使うのが適当と思われるのに「事業譲渡後、解散及び清算」という妙な表現にしていることから語られている内容は恐らく事実だとは思います。
 その上で今回こうしてブログ記事に仕立てたのは私個人からの意見を表明するためで、「悲しいことだがこれが日本流の強制解雇手段である」、というのが嘘偽りのない私の回答です

 今国会でも議論されましたが従業員の解雇規制についてもっと緩和するよう意見が出ており、一定額の退職手当などを条件に企業側が従業員を強制的に解雇できるよう法改正すべきだという案も出てきました。私はかねてより派遣行政を始めとして様々な労働問題をこのブログで扱ってきましたがその際の結論は一貫して、「日本にはもっと労働流動性が必要だ」という意見に終着しており、その立場から述べると解雇規制の緩和にも賛成する立場にあります。
 もしかしたら、「そんなこと言ったってお前も解雇される立場になったら嫌だろう?」なんて反論が来るかもしれませんが、そもそも私は日本の労働法に守られた期間(二年ちょい?)なんてほとんどなく、今も元気に中国で現地採用で働いておりこと労働に関してあらゆる日本の法的保護を受けていません。でもって中国での就労も色々な制限付きで、日本政府が中国と社会保障協定やってないので年金も払ったことにならないし、何よりもこちらでの採用は契約制のため戦力外通告を受けた時点で即解雇であぼーんです。そんな私から見れば、ちょっと日本の労働者は法律に守られ過ぎだろうと内心思っています。

 話しは戻りますが、今回シチズンが取ったこの手法は言ってはなんですが日本でよく見られる強制解雇手段の一つです。事業部または子会社を他社へ売却譲渡合併するに当たって行う人員整理にかこつけ不要な社員をまとめて切るというのは90年代からよく見られたリストラ手法であり、ここだけの話、JDIは要らない社員をまとめて荼毘に付すため三社合同で作ったんじゃないかと発足当初に私は思ってました。
 この手法が不当かどうかとなると舛添っぽいですが、「不適切ではあるが違法ではない」というのが私の見方で、直接解雇し辛い(と言われる)日本の現況を鑑みるとまだ比較的定式化した手法であるように思え、抵抗するのも難しいような気がします。ましてや各社で「追い出し部屋」が氾濫する今の世の中、嫌らしいっちゃ嫌らしいし誉められた手段ではないですがここよりひどいやり方で解雇へと追い込む会社はほかにいくらでもあります。

 仮に今回社員をまとめて切るに当たり何のプレミアムもつけないというのであれば話は別でそれだったら私も全力で応援しますが、投稿によると6~12ヶ月分の特別退職金が出されるようだし、正直言ってまだマシな方なんじゃないかなと思ってしまいました。
 というのもまた不幸自慢になってしまいますが私なんて前の会社で問題のある行動を取った中国人ローカルスタッフを叱った所、スチール棒で殴られて顔面出血したにもかかわらず病院に連れていってもらえなかったばかりか、「叱ったお前の方が悪い」などと逆に怒られ、問題のローカルスタッフはお咎めなしになりました。さすがにふざけるなと会社上層部に言ったところ特に引き止められることなく退職を促されたのでそのまま辞めましたが、退職に当たりプレミアムは何もつけられなかったばかりか、日本にも帰らず中国現地で退職したため確認してませんが勝手に自己都合退職にさせられたことでしょう。有給消化についても何も言われませんでしたが、どうせ暴行してもお咎めなしになるなら目玉の一個でも抉り取っておけばよかった。

 多分一般の感覚からしたら私の体験の方が異次元なので比較対象はよくないでしょうが、日本国内の現状を考慮してもこの件に関してはシチズンは広州の件といい嫌らしいと感じはするものの特段かばい立てするような案件には思えません。個人的には同情はするものの、会社に用済みとされたら捨てられるのが社会であり厳しい現実であると私は考えており、頑張って這い上がってこいとしか言えません。
 まぁ死んだら死んだでそれはそれで楽なんだけどね。

2016年6月19日日曜日

広島で被爆死した米兵捕虜を追った郷土史家

 漫画「はだしのゲン」の原爆投下直後のワンシーンに、原爆によって亡くなったと思われる米兵捕虜に老婆が石を投げつつ、「アメリカめ、自国民まで巻き添えにしおって!」というような内容のセリフを述べるシーンがあるのですが、このシーンが事実に基づいた内容であったということをつい最近知り、非常に強い衝撃を覚えました。

広島原爆で被爆したアメリカ人(Wikipedia)

 私がこの事実を知ったのは今月の文芸春秋(七月号)にて、広島で被爆死した米兵捕虜を追った郷土史家の森重昭氏の手記を読んだことからです。私は知らなかったのですが森氏は先日行われたオバマ大統領の広島訪問時の式典に招かれ、直接オバマ大統領から抱擁されて翌日の新聞ではどこもオバマ氏と森氏の2ショットが一面に載せられてたいようなので、もしかしたらこのブログを読んでいる方は既に森氏の事はご存じであったかもしれません。
 なおこの時のことについて森氏は直後のインタビューにも答えた通りに「頭が真っ白になった」と書いておりますが、それもそのはずというか式典への招待自体は前もって電話で連絡を受けていったものでしたがてっきり会場の遠くからオバマ大統領を見ることになるだろうと思っていたところ、なんと広島知事らを押しのけて最前列の席に案内され、そのまま上記の通りにオバマ大統領から直接声をかけてもらった上にハグしてもらったとのことです。逆を言えば他の人間を差し置いて森氏にこうした対応を取る辺りはさすがはオバマ大統領だと思うとともに、こうした歓待を受けるほど森氏の功績が高く評価されたのだと思います。

 手記によると森氏は8歳の頃に広島で被爆しています。その後成人して会社勤めをする傍ら地元広島で原爆投下時に米兵捕虜が亡くなっていたということを知ってから、後世のためにきちんとした記録を残したい、そして国籍など関係なく被爆死した人間を弔いたいという考えから調査を始めたと語っています。なお森氏の勤め先は山一證券、次いでヤマハだったとのことで、何気にエリートサラリーマンだったようです。

 調査を始めた森氏は休日を使って当時の資料やまだ生きていた原爆体験者らから話を聞き集めるという地道な活動を行っていきました。そんな折、同じく米兵捕虜を追っていた広島大学研究所の宇吹暁氏が、戦後に外務省がGHQへ提出したとされる被爆死した米兵捕虜20人のリストを発見したことによって手がかりをつかみ、このリストに書かれてあった人名から詳細な確認作業へと着手していくこととなりました。
 最終的にこのリスト内容は完全には正しくなく、実際に被爆死した米兵捕虜は12人だったということが森氏の調査で明らかとなっております。その大半は撃墜された爆撃機B24(リベレーター)のロンサム・レディー号とタロア号の乗組員たちで、彼らの氏名、所属、そして被爆死した状況についても様々な角度から検証されて事実が確認されています。

 特に驚いたのはこの時の森氏の調査に対する熱意で、インターネットもなかった時代に国際電話をかけ、リストにあった米兵捕虜と同姓の家庭へしらみつぶしに電話をかけて親族を探したそうです。そんなことするもんだから電話代はかさんで月7万円を超えた月もあり奥さんからは白い目で見られたそうですが、それにもめげずに努力し続け実際に親族と連絡を取り合うことに成功しています。もっとも最初は胡散臭い詐欺師のように思われて相手にしてもらえなかったこともあったそうですが森氏の熱意を受けて情報を提供してくれる親族らも段々と増えていき、そして幸運なことに撃墜されたB24ロンサム・レディー号の機長であったトーマス・カートライト(2015年1月死去)が当時まだ存命しており、森氏の調査に協力してくれました。
 トーマス機長は尋問のため一人だけ広島市から東京へ移送されていたことから難を逃れ、戦後に解放されて米国へ帰国した後も上層部からは部下が広島で被爆死したことを言明するなと指示されていたそうです。実際、GHQは占領してすぐに原爆で米兵捕虜が亡くなっていたことを把握していたもののその事実は「不都合な真実」として公表せず、被爆死した米兵捕虜の家族らにも当初「行方不明」としか説明していませんでした。実際、ロンサム・レディー号の乗組員だったジェームズ・ライアンの家族には終戦二年後になって初めて、「広島の原爆投下時に死亡」とだけ通知され、原爆との因果関係も何も説明されていなかったようで被爆後に虐待死されたのではという疑念を家族らは持っていたそうです。

 そして、冒頭の石を投げつけられていたという米兵捕虜についてですが、この捕虜はロンサム・レディー号の乗組員ヒュー・アトキンソンだったということが種々の調査などから明らかとなっております。その死の状況については原爆投下地点(原爆ドーム)から400メートル離れた捕虜収容所で他の捕虜ともども被爆したものの、即死してはおらず重傷ではありましたが当初はまだ生きていたそうです。そして被爆直後の混乱の中、移送することもままならず処遇に困った憲兵が一旦相生橋欄干につないだところしばらくしたら死亡しており、そのまま現場に放置したというのが実態だったそうです。
 この死亡時の状況について当初は、「橋に繋がれた米兵捕虜が投石されて殺された」などとも言われており当時現場にいた証言者もそのように述べたそうですが、森氏曰く往々にして記憶というのは変わりやすいもので、以前そのように述べた証言者もその後確認を進めた上で聞き直すと、「既に死亡していて、死体に石を投げつけていた」と証言が変わったりすることも多かったそうです。この一回限りの証言で完結させない辺り、歴史のリサーチャーとして森氏が格段に優れていると思わせられる手腕です。

 また同じくロンサム・レディー号の乗組員であったラルフ・ニールについてですが、彼の家族らは戦後生まれた彼の甥に同じ「ラルフ」という名前を付けたそうです。その甥であるラルフ・ニール氏は森氏をテーマにしたドキュメンタリー映画「ペーパーランタン」の撮影で広島を訪れ、資料館にある叔父の写真を15分間も無言で眺めつづけたそうです。森氏は一連の調査を進める傍らで彼ら米兵捕虜にも日本人と同じく墓碑に名を刻むべきだと考え、既に定年退職した身であったことからアルバイトで貯めた約65万円を投じてわざわざ米兵捕虜の慰霊碑を打ち建てるとともにまだ存命していたカートライト機長を案内したとのことで、重ね重ね森氏の行動には頭が下がります。

 正直な感想を述べると、今までこのような事実があったということを知らなかったこと自体が恥ずかしく感じるとともに、冒頭で述べた「はだしのゲン」のワンシーンにこんな背景があり、そしてそれを事実として確認するために膨大な労力が払われたのだということを考えると森氏には強い尊敬の念を覚えます。そしてそれをきちんと評価してその努力を労ったオバマ大統領をはじめとする米国政府の面々も改めて大した連中だと思うと共に、公式に米兵捕虜が一緒に被爆死していたという事実を明らかにしたその対応はなかなか真似できるものではないとばかりに、米国の底力というものを覚えさせられます。
 逆を言えば、どうして今まで日本はこうした森氏のような人物を取り上げてこなかったのか。先程の映画「ペーパーランタン」も日本では未公開とのことで、「プロジェクトX」ではないですが「地上の星」に対し目が向けられていないのではという気持ちにさせられます。

 最後に余談というかなんというか広島で被爆死した捕虜の中にいたタロア号の乗組員たちですが、彼らはどうも、広島に新型爆弾が落とされる予定であるという事実を知っていたそうです。余計なことは書かず素直な心情を述べると、この事実を知って私はゾッとした感情を覚え、被爆時の彼らの胸中は如何なるものだったのかと慮りました。

横須賀米軍のあるある話

ワイがひたすら在日横須賀米軍のマイナーあるあるを呟く(大鑑巨砲主義!)

 上のまとめ記事は大分前に見た記事ですが、なかなか内容が興味深いと思えるのでこちらでも紹介します。この記事の中では横須賀の在日米軍関係者と思しき日本人が在日米軍に関する様々な事実を紹介しているのですが、こうして読んでみると今まで知らなかった事実が多数載せられておりなかなか衝撃を受けました。

 紹介されている内容として目立つのは余暇の過ごし方などで、ペッパーランチ等が好まれるという事や独身者の家賃補助が月18万円出るなどと具体的に書かれてあります。この家賃補助に関しては元手は思いやり予算ではないかと推測されていますが、仮にそうだとしたら日本政府が米具に出したお金はきちんと日本国内で還元されているともいえ、こういうところで消費させるというのも経済的には悪くないなという気もします。
 なお消息筋によるとこの家賃補助の金額は大体合っており、米軍に部屋を貸す大家も相場より敢えて割高で貸し出しているという例もあるそうですφ(。_。*)メモメモ

 この記事を読んでて全体的に感じたこととしては、横須賀は割と米軍と上手くやっているなぁという印象が何よりも大きいです。もちろん米兵絡みの事件もないわけではありませんが、私が見聞きしている中だと横須賀の人で露骨に米軍へ拒否感を持つ人はほぼ全くおらず、ストレートに言ってしまうと沖縄とは全く違うなとも感じざるを得ません。
 この差は本土と沖縄ということもあるでしょうが、その他にも海軍(ネイビー)と海兵隊(マリーン)での兵士の差が大きいとよく聞きます。確かにそうかもしれないし、実際はどうかはわかりかねますが、横須賀も沖縄もこうした日本で暮らす米軍の生活や暮らしぶりについてはあまりにも報じられていないという実態があるような気がします。

 日本で事件を起こす米兵がいる一方、地域に関わったり日本で野球観戦したりする米兵もいる、というよりこっちの方が圧倒的大多数のはずですが、何故だかその姿はあまり報じられません。一方で犯罪を犯した際はもれなく報じられ、何が言いたいのかというとポジティブな情報は一切出されない一方でネガティブな情報はふんだんに報じられ、結果的には日本人の米軍に対する憎悪が煽られやすいメディア環境なのではと思うわけです。こうした状態は正直に言ってあまり望ましくなく、思いやり予算や日米地位協定などについての正当性に関する議論はもちろん必要ですが、少なくとも眼前にいる米兵とその家族らについてはもっと日本人はその存在をしっかりと認知した方がプラスなのではと言いたいわけです。特に沖縄のメディアは。

 ただこれ書いててふと思いましたが、日本には在日米軍を嫌う人がいる一方で、自衛隊に対しても露骨に嫌悪感を抱く人も多かったりします。この前の熊本の地震でも現地に駆け付けた自衛隊員が迷彩服を着ているということにすらクレーム(曰く、戦争を喚起させるとか)がきたという報道を見ましたが、こういう理屈がもはや通じず恩知らずな人間もいるということを考えると下手にあれこれ関係改善を努力する位なら排除に動いた方が楽なような気もしてきました。

2016年6月18日土曜日

ポスト舛添は誰か?

 前略さておき、ようやく辞任した舛添前都知事の後任を巡る議論が段々と活発化してきました。民進党を始めとした野党は蓮舫議員で固めるような動きを見せていますが、私個人としては何が何でもこの人には都知事になってもらいたくないというのが偽りのない本音です。
 理由としてはそもそもの行政手腕に疑問があることはもとより、彼女が舛添前都知事と同じくアピール力に長けたメディアに強い人間であるからです。この手のタイプは仕事で着実に実績を上げることよりも何らかの強みなり得意な分野に偏ってピーアールしたがる一方で苦手分野はノータッチする傾向があるように思え、国会議員とかならともかく全方位的な仕事が求められる都知事には向いていないことが今回の一件でよくわかりました。

 また構造的な話で述べると、蓮舫議員は民進党に所属していることから、恐らく就任でもしたらかつての民主党よろしく、反対の反対とばかりに与党自民党が出す政府方針に理由なく何でもかんでもいちゃもん付けて盾ついてきて政策が滞る可能性が高いように思えます。民進党議員が全員が全員そういう人間かといえば断言できませんが蓮舫議員の場合は間違いなくそっち側だろうと思え、極端な話で言えば野党が推薦する人でなければこの際誰でもいいようにも思えてきます。

 ではほかには候補がいないのかですが、目下待望されている人物を上げるとすれば橋下徹前大阪市長とニュース解説者の池上彰氏の二人でしょう。しかし橋下氏は私の見る限りしばらくは政治の表舞台から少し離れた位置で仕事したがっているように見え、池上氏も現在の解説者の仕事を続けたがっているように見えるので、本人らが否定しているように出馬することは有りえないと断言します。
 それ以外の候補となると前回の都知事選にも出馬した弁護士の宇都宮健児氏がいますが、前回都知事選では私は並みいる候補の中から彼を支持しましたが最近の彼の発言を聞いててちょっと疑問に思うところがあり、現在に至ってはあまり政治家になってもらいたくないと考えています。

 このほかニュースで取り上げられている人物上げるとすれば総務相、鳥取県知事を務めた片山善博氏がおり、正直言えば彼であれば私も安心して見ていられますが今の所見ていると出馬するようには見えません。他には宮崎県知事を務めた東国原氏も名前が一部で出ていますが、蓮舫議員よりはマシですがなんか見ているとこの選挙についてはあまり本人にやる気がないようにも思え、また今のコメンテーターの位置にいる方が彼にとってもいいような気がするので今回は見合わせてもらいたいなーって感じです。

 なら私はどんな人に都知事になってもらいたいのかというと、前の猪瀬氏も含めてやたらとメディア対策の強い人間ばかり、言い換えれば知名度だけで決まっているように思えるだけに、むしろ地味目で実績でしかアピールできないような実務に長けた人間になってもらいたいというのが本音です。そういう意味で変に政治経験がある人間よりもむしろ、企業経営などを経験した実業界出身者が今後のオリンピック対策を含めて向いているのではないかと見ています。
 具体的にはどんな実業界の人物が上がってくるかとなると、本命というか確実だと思えるのはやっぱり京セラ会長でJALをV字回復させた稲盛氏ですが、本業の方も忙しそうなのでどんだけ誘ってもまず出ることはないでしょう。ならば今比較的フリーな人間で探すとなるとマクドナルド、ベネッセの経営を行った原田泳幸氏が上がってきます。色々毀誉褒貶の激しい人ですが私個人としては世間で言われている程マネジメント能力が悪いわけではなく評価しており、蓮舫議員が来るくらいならこの人に来てもらいたいと真面目に思っています。なお経営経験者といってもワタミは論外です。

 逆に今回、一回引退した企業家をあれこれ探してみましたが、東芝にしろ松下にしろソニーにしろ過去の経営陣は在任時は持て囃されたもののその後現在に至っては当時の改革や投資方針が裏目に出ている会社が多く、なんかいまいち名前が挙げ辛いように感じました。引退済みの人で強いて挙げるなら今絶好調の伊藤忠の丹羽宇一郎氏もり、中国大使も務めているので悪くはないのですが結構お年を召しているのがネックで私からは推薦できません。同じくセブン&アイの鈴木敏文氏、スズキの鈴木修氏(注:狙ったわけではない)などつい最近に引退されたこの二人もかなりの高齢で、今から都知事っていうのもちょっと難です。

 どちらにしろ、派手さよりも地味さ、ピーアールよりも着実なオペレーションに長けた人に今度は都知事になってもらいたいものです。そういう意味で実業界から人物を出してほしいというのが私個人の意見です。

  おまけ
 最後に、本当に誰でもいいってんなら一番来てもらいたい人物としては元サンクトペテルブルグ副市長のアイツに来てほしいです。といっても、この人が都知事に就任したら政府すら飲み込みそうで面白過ぎますが。

2016年6月15日水曜日

舛添都知事の辞任について

 既に報道されている通りに本日、かねてより税金の公私混同が指摘されていた舛添都知事が辞任を申し出て都議会もこれを受理しました。私の感想としてはようやく決めたかという一言がまず最初に出てきて、次に辞めるだけじゃなくちゃんと金返せよと言いたいというのが二言目に来ます。

 率直に言って、舛添都知事には牢獄がお似合いだから検察もぐずぐずせず国策捜査でもいいから逮捕して財産を没収してくれないかなと本気で考えています。彼一人の無駄な虚栄心のために数億円の資本が海外に流出しており、また本人は辞任しなければ来月辺りから始まるリオ五輪へまた視察、しかも何度も分けていく予定だったと聞いているだけに、もう少し痛い目にあった方が今後の人生の反省においても彼にとってもいいような気がします。もっとも反省した所で次の機会はないでしょうが。

 それにしても、かつてこれほどまでに嫌われた政治家というのはいるのかなと思うくらい憎々しい演出を重ねに重ねた人物だと改めて思います。メディアの世論調査でも9割以上の人間が会見に納得せず批判的な反応だったと伝えられており、折角だからこの際100%を目指して頑張ってもらいたいなとも思いましたが、かつて同じくらい嫌われた政治家を上げるとしたら森喜朗元首相か鳩山由紀夫元首相くらいしか思い浮かばず、松岡利勝元農相とかも散々批判されましたが今回の舛添都知事ほどではなかったでしょう。
 これほどまでに嫌われた理由としては何よりもあの会見のふてぶてしさと、呆れた屁理屈での反論が最大の原因でしょう。また、これまでの政治家の資金不正事件はどっちかというと金の「入り」が問題で、猪瀬前都知事の様に秘密裏に5000万円受け取っていたとか、ドリル小渕優子議員の様に参加費用をプールしていたなどでしたが、今回の舛添都知事の場合は金の「出」こと、税金を私利私欲に使い込んだということもあり、消費者の感覚からしたら先の二人以上に反感を覚えたのではないかと見ています。しかもそういった支出を、さも公務のために必要だなどとトンデモ理論を振りかざすのだから、あれを見て釈明になると考える当たり人格というか見識に致命的な欠陥があるように思えてならず、いい機会だから都知事をやめてもらって本当によかったでしょう。

 最後に個人的に気になることとして、舛添都知事が恐らく虚栄心からやろうとした東京都の土地を韓国人向け学校の建設用地とする案についてこれは今後どうなるのかを考えています。一番最初に舛添都知事への批判が始まったのもこの件からだったと私は記憶しているのですが、主導した舛添都知事がいなくなった後で果たしてどうなるのか、当時の批判で言われたように不足している保育所の用地とするのかなど案外次の都知事選でも論点になるかもしれません。

  おまけ
舛添知事、逃げ道ふさがれ辞職へまっしぐら(東洋経済)

 上記記事は6/9に出されたもので結果論ではありますが、当時の状況であったとしても読んでてちょっと甘すぎる分析だろと今日一人でツッコんでました。

ひょっとして……

 最近上海人の友人に、以前日本で相談した事のあるスピリチュアリストに「感情や気持ちの上下が激しい」と指摘されたことを伝えたところやけに深く納得されて、それ以降はことある毎に、「君は気持ちの上下が激しいから」とツッコまれる機会が多くなりました。まぁ当たってるし、この友人も何度も目の当たりにしているから全く以って言い返せないのですが。

 ただ最近、気持ちの上下が激しいってなんだかガンダムに出てくる「強化人間」みたいだなとふとよぎり、もしかしたら私も知らないうちに、マシュマーの様な強化人間手術を施されたのではないかという疑念を覚え、ひょっとすればサイコミュ兵器が使えるようになっているのではないか、ファンネル飛ばせるんじゃないかという妙な期待を持ちましたが、そもそもサイコミュ兵器すらまだ実現していない現状に後になって気が付きました。
 もちろんこれは半分冗談ですが、自分の性格を「強化人間っぽい」と評するのは我ながら適切というかわかりやすい気がします。突然妙な所で半端ないバイタリティを発揮することもありますし、その一方で落ち込み方も激しいだけに、これから機会あれば強化人間キャラで売りだして行くつもりです。

 なお強化人間と一口で言ってもパターンがいくらか分かれ、簡単ですが一つここで類型を作ったのでおいておきます。

<強化人間の類型>
・フォウ型:物忘れが激しい
・ロザミィ型:ブラコンかシスコン
・マシュマー型:特定人物への肩入れが激しい
・キャラ型:ハンドル持つと性格変わるような感じ
・プルツー型:ツンデレ
・カロッゾ型:マスク被りだす
・カリス型:プライド高くて見下しやすい
・ステラ型:ファザコン
・ファラ型:部下への八つ当たりが激しい
・カテジナ型:超危険
・ギュネイ型:意外とまともな常識人、ってか普通

2016年6月13日月曜日

ベスラン学校占拠事件を振り返る

マンダム、日本人男女の腋臭(ワキ臭)の違いを明確化(マンダム)

 また本題と関係ありませんが、今年もイグノーベル賞は日本人がいただきだと思う明るいニュースを見つけたので紹介しておきます。

 それで本題に移り、昨日は上海浦東空港で起きた爆発事件を取り上げましたが、この報道を見たから思い出したわけではなく二ヶ月くらい前に突然「ベスランとはなんだったけ?」とこの単語が気になって事件を思い出したこともあり、爆発があったという点で共通するので今日はこの事件を取り上げます。

ベスラン学校占拠事件(Wikipedia)

 記憶の忘却に対する耐久度で言えば誇張ではなく並ぶ者がない私ですら「ベスラン」という単語が何を意味するのかをこの前まで忘れていたくらいなので、恐らくこの記事を読んでいる方ほぼすべてはこの事件のことを覚えていないのではないかと思います。ではこの事件がどういったものだったのかという、とロシア連邦を構成する北オセチア共和国のベスラン市にある小学校がテロリストに襲撃、占拠され、死亡者が386人以上(うち186人が子供)、負傷者が700人以上に上った事件を指します。

 この事件は2004年9月1日、ちょうど始業式があったことから体育館に生徒らが集められたところ、チェチェン独立派の武装したテロリスト集団32人が乱入してそのまま学校の教師、生徒、関係者の計1181人を人質として体育館に監禁しました。テロリストらは人質が逃げないよう、彼らの周囲をぐるりと囲むように対人地雷を置き、ロシア政府へチェチェンからの撤兵などの要求を行った上でこれを受け入れない場合は人質を殺害していくと発表しました。
 テロリストグループの人質への扱いは劣悪極まりなく、気温が30度を超す猛暑の、しかも蒸し暑さがこもる体育館の中にもかかわらず一切の水分補給やトイレなどを認めず、6歳の女の子が突然起こった事態に泣き出したところ容赦なく射殺されたそうです。こうした扱いはもとより、子供を人質に取ることに対しテロリストグループ内からも抗議を行った人間が二人いたとのことですが、この二人は襲撃当日のうちに粛清されました。

 ロシア政府は仲介役を立てた上で特殊部隊のスぺツナズを出動させいざという事態に備えますが、状況はなかなか進展せず、そのまま二日経ち9月3日を迎えます。この間に一部の赤ん坊と母親26人が解放されましたがその一方で些細なことから殺された人質の死体も幾度か運び出されています。

 事件発生から50時間以上経ち人質の体力も懸念される中、9月3日の昼過ぎに事態は大きく動きます。きっかけは「爆発」があったことでどの情報も一致していますが、一体何が爆発したのか、どうして爆発したのかについては未だ真相がはっきりしていませんが、当時現場にいた人質らの証言を取るならば、どうやら人質を囲んでいた対人地雷の一部が何らかの原因で偶発的に爆発したという可能性が高いと私は見ています。この爆発を受け近くにいた特殊部隊は一斉に体育館へ突入し、テロリストらも応戦する形で銃撃戦が始まります。この際、中にいた人質らは体育館内を逃げまどい、特殊部隊によって無事に救出された方もいましたが大半は銃撃戦に巻き込まれたり、爆発物によって吹っ飛ばされたりし、最終的に体育館は屋根ごと崩落したため隠れていたところ押しつぶされて亡くなった方もいました。幸運にも生還した人質の男の子によると、目の前で上半身と下半身が真っ二つになっていた人もいたとのことで、恐らく我々が想像できる領域をはるかに超えて凄惨な現場になっていたことでしょう。

 最終的にテロリストグループは一人を除いて全員死亡しており、中には体育館から逃げ出そうとしたところ周囲にいた武装した保護者らによって四肢をバラバラにされるほどの虐殺を受けた者もいました。また特殊部隊の隊員も10人が死亡、28人が重傷するという大きな損害を出しています。この時死亡した隊員の中には結婚してまだ三週間だったり、子供を守るためテロリストが投げた手榴弾に覆いかぶさって亡くなったり、銃撃から身を挺して盾になったりと、こういってはなんですがまるでお話の中にしか存在しないと思っていたようなことが現実にあったのかと、何とも表現しにくい複雑な感情を惹起させられます。

 自分が何故このような事件を今頃になって掘り起こすのかというと、昨日米国のバーで銃乱射事件が起こり何十人の方が亡くなり大きく報じられていますが、ほんの10年ちょっと前の出来事であるのに、これほど大きな事件を時間が経つとこうも忘れてしまうのかと自分で感じたからです。またベスランの事件に先立つ2002年には同じくチェチェン独立派によってモスクワ市内の劇場が占拠され人質129人が死亡するモスクワ劇場占拠事件が起こっており、もちろん今でもロシアが治安警備に多大な努力を払っていることは承知ですが、かつてと比べると今のロシアは随分と落ち着いたものだなとも感じたからです。
 その上で、やはりこうした民間人を狙うテロリストは許し難く、どのような形であれその根絶に向け各国市民は努力すべきであると改めて主張したいです。昨日の上海浦東空港の爆発事件のYahooニュースの記事には、「いよいよ始まるのか……」などと、まるで事件が起きたことを喜び期待するかのようなコメントを書いた人がいましたが、どんな理由があれ自分にとってはこのような態度自体が非常に許し難い気持ちを覚えます。どの国だろうがどの民族だろうが、一般市民を対象とした無差別なテロ犯罪は絶対に許容、歓迎してはならず、社会全体で強い認識を持つべきだというのが今日の私の意見です。

<参照サイト>
ベスラン学校人質事件を生き延びたゲオルグ少年 前編後編(なんでも評点)
ベスラン学校占拠事件にて殉職された特殊部隊員(ロシア軍を追い続けて)

2016年6月12日日曜日

上海の浦東空港爆発事件について

上海空港爆発 ビール瓶で自作した爆発物投げる 男は自ら刃物で首切り重傷(産経新聞)
一男子在浦东机场航空柜台手持烟花爆炸 颈部受伤(東方網)

 日本でも既に報じられているでしょうが中国時間で本日午後二時半頃、上海の浦東空港で爆発事件が起こりました。新華社などの報道によると爆発があったのひゃ浦東空港のターミナル2にあるチェックインカウンターで、犯人とみられる男がビール瓶で作った爆発物を投げつけて爆発し、破片に当たった三人(うち一人はフィリピン国籍)が怪我を負って病院に搬送され、投げた男もその場で首を切って病院に送られたそうです。

video

 なんか友人がネットからかき集めたのか知らないけどどかどか画像やファイルを送ってきたので、折角だからアップしておきます。なんでも友人の母ちゃんがちょうどこの現場にいたそうで、難は逃れたものの中々タイムリーな話で聞いてて驚きました。
 で、一緒に送られてきたのが下の写真ですが、二番目は一見する怪我人の写真のように見えますが首が切れて血を流している辺り、これが犯人なのかもしれません。にしてもほんとどこからこういう写真とってきたのやら。
 なお、今日は私は三連休の振替出勤日で会社行って一人で黙々と仕事していました。みんな有給使って休んでるので社内に人は少なく、なんで先週金下ろしたのに財布薄くなっているんだろうと最近の出費について気にしながらキーボード叩いてました。


2016年6月10日金曜日

上海ディズニーに対する産経の嫌らしい記事

・上海ディズニー波乱含み…相次ぐ故障、列へ割り込み、“ダフ屋”横行 正式開園まで1週間(産経新聞)

 前略、あまりにも公平性を欠いた記事であるためこの場で強く批判させてもらいます。
 また例によって産経新聞が開園直前の上海ディズニーリゾートについてあれこれ悪口を書き連ねているのですが、一部文言に関して完全に公平性を欠いており、記者の風上にも置けない書き方がなされています。具体的には、

「だが、5月に入場した関係者によると、人気アトラクションには長い列ができて2時間待ち、3時間待ちが常態化。」

 この記述ですが、「じゃあ東京ディズニーは?」と聞き返したいです。
 ほかにも聞きづてで批判的なことをこれでもかと書き並べており、以前にも同一人物が書いた記事を記者の友人が激怒していましたが、悪口しか口に出せないのかと聞きたくなるひどい書きようです。第一、全体的に「これだから中国人のマナーは」とでも言いたそうな書き方ですが、日本のUSJで大学生がバカなことをやったというのを覚えていないのでしょうか。どの国にも一部のおかしな人間はいますがそれをさも全体であるかのような、憎悪をかきたてるような記事の書き方をするのはあまりにも公平性を欠きます。

 もっともそれ以上に、現場で取材していない分際で偉そうな口を叩いているというのが一番腹立ちます。悔しかったら私みたいに現場行ってその目で見聞きしたり、カメラに取った光景を出せってんだ。

上海動物園にて


 昨日は合計で十三時間も寝たので今日は家の近くにある上海動物園へ行ってきました。三連休の中日ということもあり大賑わいで、入場ゲート前では長蛇の列が出来ていたものの田舎者が割り込みしてきやがったので「ぶっ殺すぞワレ」といおうかと思いましたが大人になって我慢しました。

 上の写真は見ての通りペンギンですが、今日はやや蒸し暑いこともあってか水の中を泳いでばかりで普段なかなか見られない姿が見られて面白かったです。特に水中での動きは本当に鳥が飛んでいるようにしか見えず、ああだからペンギンは鳥類なのかと妙に納得感を覚えました。
 また今年は申年ということもあってサルの展示コーナーが充実していて特別説明パネルなども設けられていました。面白かったこととしてはニホンザル(中国語では「紅面猿」)が隣の檻にいる別の猿と格子越しに口喧嘩しているのを見た中国人客が、「日本の猿と中国の猿が喧嘩してるよ」と笑ってみていましたが、まぁ確かに笑えるワンシーンです。
 ちなみに名古屋に左遷されたうちの親父は以前に上海動物園へ行った後、「日本の猿が檻に入れられているのを見て助けてあげたくなった……」などと妙な同胞意識を持ち帰ってきたことがあります。

 他にはパンダ見たり虎見たり、モウコノウマという中国の動物園にしかいない動物見たりとかして過ごしましたが、軽食コーナーを歩いていると何故か猫がおり、口でチチチと鳴らして呼んで右手を差し出したところ、「ミニャーン」と鳴いて近寄ってきましたが、私が何も持っていないのを見るや右前脚で「バシッ」と手を払い、プイッとしてそのまま去っていきました。

(見え辛いですが後ろにも二匹がじゃれ合ってます)

 その後、野牛が放されている柵で囲まれたコーナーを見ていたら何故かその一角に子猫三匹がおり、しばらくしたら先程邂逅した成猫もやってきて、どうやら親子のようでした。動物園の中とは言え、野良猫はみんなたくましく生きているんだなと感じ入りつつ、気候が変わってきたせいか頭痛を覚えながらふらふらして帰りました。
 ……気候というより、昨日寝過ぎたせいかもしれないけど。

2016年6月9日木曜日

猛将列伝~ゲオルギー・ジューコフ

 ゲオルギー・ジューコフという名前を聞いてどんな人物か即座に反応できる人はほぼ皆無かと思われます。実際にこのところ頻出のやけにツッコミの厳しい私の後輩にこの前尋ねてみたところ、

「ゲオルギー・ジューコフって知ってる? (´・ω・)」
「知りませんけど、なんか強そうな名前っすねヽ(・∀・ )ノ」

 という素直な回答が返って来ました。実際に強かった人だから名前だけの印象も馬鹿にならないものです。
 では一体ジューコフはどんな人かと言うと、二次大戦におけるソ連軍元帥で、実質的にナチスドイツを粉砕した軍事指揮官です。

ゲオルギー・ジューコフ(Wikipedia)

 ジューコフは1896年に帝政ロシアのモスクワ近郊に生まれますが、生家は貧しく十分な教育も受けられないままモスクワで労働者となります。しかし19歳の頃、第一次大戦で徴兵されたところ一兵士として勇敢な活躍が認められ下士官となり、続くロシア革命で共産党率いる赤軍に加入するや軍功を重ね、昇進を重ねて軍団長の地位にまで上ります。この出世の背景には貧困階層出身という彼の経歴も影響したと言われていますが、階級を否定する共産党内で階層がきっかけに昇進するというのもつくづくな気がします。

 その後、時代はレーニンからスターリンの時代へと移り、1930年代後半にはソ連内で軍属の大粛清が起こったもののジューコフはこの禍に巻き込まれず、極東地域の司令官に就任します。そこでは、彼の転機となるハルハ河が待っていました。
 個人的にこの「ハルハ河」という音が好きなのでよく多用するのですが、歴史に詳しい人であればこの言葉の意味するところをすぐに思い浮かべられることでしょう。このハルハ河というのは長いれ式上で中国とモンゴルの国境線に使われた河のことで、この境界線を巡り1939年に勃発したのが俗にいうノモンハン事件、日本とソ連が干戈を交えた戦争です。

<ノモンハン事件>
 満州国を設立した日本とソ連の間ではかねてよりこのハルハ河周辺の国境線をめぐり小規模な紛争が起こっておりましたが、両者ともに強い一撃で以って国境線を有利に画定させたいという意図の下、正式な宣戦布告なしに小競り合いから大規模な戦争へと発展したのがこのノモンハン事件です。この戦闘で日本の関東軍はかつての満州事変の勢いよろしく、拡大を望まない軍中央部の意向を無視してぐいぐいと進軍していき序盤はソ連軍を圧倒してハルハ河の対岸にまで追い込みますが、そこからのジューコフ指揮による反撃は文字通り戦況をひっくり返すようなものでした。

 かねてからジューコフは軍隊の機械化、簡単に言えばこれまで歩兵が中心となってトラックや戦車を随行させるという形態から、戦車やトラックに歩兵を随行させるというような、兵士から兵器を中心とした軍隊改革を主張していました。ただノモンハン事件勃発当初においてこうした機械化部隊はまだ実現してはいなかったものの、序盤の日本軍の攻勢を受けたジューコフはひたすら防戦に徹する一方、反撃に必要な兵士や資材を次々と戦場に送り込んで準備するとともに兵站線の拡充に努め反撃の機会を待ちます。
 勘のいい人ならわかるかもしれませんが、こうしたジューコフの戦略は後に二次大戦初期にナチスドイツが実行した「電撃戦」における軍隊思想そのものです。機械化により軍の攻撃力、進軍速度をかつてないほど高めた上で、進軍を支えるための補給の拡充に努めるというプランをドイツに先んじて部分的にジューコフは行っていました。後のポーランド進撃でこの機械化部隊の有用性は証明されることとなりますが、目の前で見ていたこれを見ていた日本軍はどうやら何も学ばなかったようです。

 話しはノモンハンに戻りますが、反撃に必要な軍備と兵員を揃えたと判断したジューコフは一気に反転攻勢へ出て、まずは左右から一気に進軍すると残った中央を覆い込むかのように包囲して日本軍を撃滅することに成功します。これにより日本側は一個師団が確か壊滅した上に大幅な後退を強いられ、国境線交渉においてほぼソ連側の言い分を飲まざるを得なくなりました。

 このハルハ河の一戦を以ってもジューコフは名将と呼ぶに十分ですが、彼がその名を真に歴史へ刻み込んだの二次大戦における独ソ戦の、スターリングラード包囲戦でしょう。

<スターリングラード包囲戦>
 独ソ戦序盤、ナチスドイツが好調に進軍してくる中でレニングラードの防衛司令官だったジューコフはこの地でドイツ軍の進撃をついに止め、続くモスクワ防衛戦にも部隊を派遣してこの首都の防衛にも成功して戦争を膠着状態へ持ち込みます。
 続いてジューコフが任されたのはスターリングラードを巡る戦いでした。こちらも歴史に詳しい方ならわかるでしょうが二次大戦における最大の戦闘で、「小屋一個を奪い合った」とまで称されるほどの熾烈な戦場で、欧州における二次大戦の分水嶺となったと言っても過言ではない戦いです。

 スターリングラードでは同じ都市の中でドイツ軍、ソ連軍が互いに入り込み双方で都市の完全占領を目指して戦い合う中、その周辺にも双方の大部隊が山脈の様に累々と対峙し合う状態でした。こうした状況でジューコフが採用した戦術というのはかつてノモンハンと同じく、といっても規模は半端なくこちらが大きいのですが、都市丸ごとの包囲を狙う「ウラヌス作戦」でした。
 この作戦の外相はスターリングラードを挟んで西側に陣取ったまま戦線が伸びきっていたドイツ軍に対し、比較的戦力の手薄なドイツの同盟軍であるルーマニア軍のいる南側から打ち崩し、そのまま北上することでスターリングラードを丸ごと包囲するという作戦で、この作戦においてもジューコフは何度も延期に延期を重ね準備を整えると、一気呵成に進軍してのけて反撃するドイツ軍を跳ね返しながら東西40km、南北50kmのエリアに20万人以上のドイツ軍、ルーマニア軍を閉じ込めることに成功します。ドイツ軍も最初は閉じ込められた部隊に空輸で補給を行いましたがとてもじゃありませんが間に合わず、最終的に閉じ込められた部隊はなすすべもなく降伏します。もっとも、降伏して捕虜となり、生きて帰って来れたのは一割もいなかったそうですが。

 その後、ジューコフは元帥に昇進して独ソ戦を指揮し続け、最終的にベルリンでドイツ側から降伏文書を受け取り占領軍最高司令官にも就任しています。戦後はその活躍ぶりからぶっちぎりの人気でスターリンからも警戒されますが、暗殺されることなく軍歴を継続し、スターリンの死後は彼の懐刀で秘密警察長官のベリヤを逮捕、処刑するなどソ連の安定化に努め、1974年に天寿を全うしています。

 ジューコフの戦争指揮は早くから機械化部隊の構想を持つという先進性もさることながら、「必要な兵力、必要な装備を整え必要な時期に叩く」という原則を徹底している点にあります。相手側の兵力などをきちんと分析した上で自分に必要な軍備はどの程度か、こうした点をきちんと把握して確実に勝てるという体勢になってから始めて本格的に戦うという、どちらかといえば慎重な戦法を取る人物だと見ています。
 ただ彼の場合、自軍と敵軍の比較に当たって全く情け容赦がないというか、自軍の犠牲を全く恐れずに決断を下すという点がほかの指揮官と大きく違います。彼自身の回想録でも日本軍やドイツ軍と比べてソ連軍兵士の質は一段と劣るということは把握しており、敵兵一人を殺すのにソ連兵は二、三人、下手すれば五人くらい必要だという計算でもって出撃させ、案の定、勝つには勝つものの戦死傷者数では実はどの戦いでもソ連軍の方が多かったりします。

 ノモンハン事件についても近年明らかになった資料によると戦死傷者で言えばソ連軍の方が日本軍より多く、また独ソ戦においてはソ連軍の死者はドイツ軍の約五倍という、一見するとどっちが勝利したのかわからないくらい戦死しています。
 ただ、それでもどちらの戦いでも勝ったのはソ連です。戦死傷者数の多寡は勝利には関係なく、戦略的な勝利目標をどちらが達成したのかといえばこちらも間違いなくソ連です。そういう意味でジューコフはソ連が圧倒的に物量で優れているということを把握した上で、その物量を惜しみなく使って戦略目標の達成を愚直に追いかけたと言えるでしょう。

 これと真逆なのは言ってて恥ずかしいですが日本軍で、相手兵力の分析もしっかりしていないばかりか戦略的にほぼ無意味と思える島の占領をした挙句、守る必要もないのに必死で防戦を続けて兵力をガリガリ削った上、後になって追加の防衛兵力を小出しで投入し、後半に至っては輸送する途中で船ごと撃破されたりと、何がしたくて戦争しているんだと素人ですら疑問に思う戦い方をしています。
 もっとも、戦争には強いですがジューコフ将軍の下で戦いたいかとなるとこれまた頭の悩ませどころです。聞いたところによると1920~1922年生まれのソ連男性の戦後直後における生存率は3%を切っていた(ほぼ全員が勲章持ち)そうですし、実際敵より味方の方を多く殺している将軍だしなぁ。

違法ではないのに舛添は何故問題なのか

舛添叩いてる奴ら何なの?www(アルファルファモザイク)

 時間がないのでちゃっちゃと書きますが上のまとめ記事で一番最初に書かれている、「法律に触れてるわけじゃないから叩く要素皆無でしょ」というやや中二病が入っているような意見について他の人があれこれ反論を呈しているのですが、私から見ていて少々生温いというか鋭さに欠ける意見しかないように見えるため、舛添都知事問題についてこれまで何も語ってこなかったこともあるし一つ私なりの反論意見をここで紹介します。

 まず、「違法ではないから問題ではない」という根本的な問いについて一言で回答するなら、「一般市民なら」と私なら言うでしょう。この回答は根源的な倫理問題(何を逸脱と定義するかや、認知されなければ犯罪とはならない等)に触れないこと前提ですがこれはここで議論すること自体馬鹿馬鹿しいことでもし仮に言い出す人がいたら前提と討論内容も区別して理解できない輩なのでそこで見切っても十分でしょう。
 話は戻しますが先ほども述べた通り一般市民であれば法律に触れなければよほどのことがない限り問題ではありませんが、今回の騒動の大きな論点は「都知事」である舛添都知事がいろいろやらかしているという点です。先程の掲示板ではこの点を誰も指摘出来ていないのが私にとって非常に不満でした。

 政治学的な論点で話を進めると、地方自治体の長である都知事という役職は行政職としては非常に権限が強く、また日本の自治体情勢上、実質的に立法職も兼ね備えている役職です。これが何を意味するかというと、都知事を含め政治家というのはある程度自分で法律を変えることができる地位であるということです。極端なことを言えば自分にとって不都合な条例や規定を排除することも出来てしまい、今回の例だと出張規定などを変えれば外遊渡航費などの上限を取っ払うことも不可能ではないでしょう。また逆に自分にとって都合のいい法律を作ることもでき、実際に小沢一郎は国家から金を懐へ入れられるように政党助成金制度を作って悪用し、舛添都知事も今回同じように悪用したわけです。
 そのように法律を変えられる政治家に対し、「法律に触れていないから問題ない」と言うことに何の価値があるのか、変則的に言い返すならば法律の制定、運用過程を理解しているのかと聞き返すのもありでしょう。

 上記の意見を踏まえた上で今度は法学的な論点に変えて話を進めると、政治家と言うのは法律を変えることができる地位であることから、一般市民に比べより強い倫理性が求められるものだと私は考えます。というのも倫理観の低い人間であれば自分に都合の良い法律を作ったり排除したりする可能性が高く、仮にそうなれば社会全体として不利益しか生まれません。また「法律に触れていないから」と言って好き勝手やる政治家を見て、果たして一般市民は法律を守ろうと思うでしょうか。
 「信なくば立たず」という言葉があるように、法律というのは誰もが守るから効力を発揮しますが上の人間が守ろうとせず市民から信頼が得られなければ、結局誰もが法律を守らなくなっていきます。だからこそ政治家と言うのは厳格に法を守る立場なり姿を見せる必要があり、法律に書かれてなくてもより倫理的な行動を取らなければ上にも書いたようにコミュニティが上手くいかなくなっていく可能性があるだけに、政治家と言うのは法律に書かれていなくても倫理性が求められるわけです。

 もっとも、綺麗ごとだけで世の中渡りあって行けるわけではないことは私も重々承知で、多少なりとも法律に違反するようなお金の使い方も政治の世界には求められます。一例を挙げると高杉晋作なんか藩のお金を勝手にちょろまかして軍艦とか買ってたりしましたが、彼がそうやって長州藩の軍備を整えていなければ明治維新は起こらなかったかもしれません。また外交の世界でも、賄賂と言うのはどこでも違法ですがどこでも飛び交う物でもあります。
 こうした法律に反するお金の使い方の是否かは実に簡単に区別することができ、即ちそれが国益のために使われたのか否かです。国益を思って使われたとしても許されない使い道ももちろんありますが、法律に反したお金の使い道で見ていて納得できるか否か、許すか許さないかのラインはこの国益に叶うか否かに尽きるでしょう。

 今回の舛添都知事の例の場合、仮に大金を貪ったとしてもそれが純粋に国益に叶うものであれば恐らくは大きく問題視されなかったでしょう。しかし報道でもせこいと書かれているほど舛添都知事の場合はスイートルーム借りたり、ファーストクラス乗ったり、家族旅行を会議と言いはったりと全て私利私欲に基づいた支出しかなく、されに彼の場合はこうした誰がどう見てもおかしいと思う支出を「国(都)益のための支出」だと主張するからなおさらムカつくんでしょう。っていうか最初の段階で変に強弁張らず、「もうしません。反省してます」と言っておけばここまで大事にならなかったような。

 以上の意見をまとめると、法律に触れていなくても問題であると判断する私の主張は以下の三点に集約されます。

・舛添都知事は法律を変えることのできる政治家である
・政治家は法律の条文以上に倫理が求められる
・問題とされる支出は国益につながらない。むしろ下手すりゃ資本流出

 まぁそもそもの話、法律に触れてないとか言いますが政治資金規正法では政治活動目的以外の支出がある時点で違法なんですがね。更に領収書の書き換えもやっていることから会計報告上でも明確に違反なんで、「法律に触れていない」という前提自体が間違っているっていうのが私の立場です。

2016年6月7日火曜日

友人の文章の校正作業

 なんか視界もぐらつくほど疲労を感じているので、先ほど仕上げた友人への文章指導としての校正文をまるまる載せて今日は乗り切ります。ちなみに昨夜は腕が腱鞘炎になるくらい仕事でキーボード叩き、帰り道で雨降ってきたので早歩きして帰ったら足も痛めてへとへとです。

 その友人は私の高校の頃の同級生ですが理系であることを差し置いてもかなり日本語の言語能力に問題があり、最近通っている大学の教授からも、「お前誤解されることが多いんじゃね?」と言われたそうです。私も前々から気になっていて少し話しながら観察した所、絶対的に語彙力が足りていないことがわかり、訓練として毎月文芸春秋を読むこと、でもってその中の記事からどれでもいいから感想文を書いて送るように上から目線で指示しました。
 それで送られてきた文章がこれです。

―――――――――――――――――――――
<パナマ文書 >(友人の書いた文章)
 ケイマン諸島などのタックスヘイブンという税金がかからない国のペーパーカンパニーに支出したことにして、そこの会社にお金蓄えさせて 税回避してた会社のリストが、代行していたパナマにある法律事務所のPC から、流出したって話だった。
 アイスランドの首相が辞任したりした。楽天もパナマ文書のリストに入っていたと思う 。
 何が問題かというと、適法なのだが、国境を超える脱税で法秩序が守られてなく、中小企業にしわよせがいったり より高い納税を一般の人に強いさせていて、より高い納税を一般の人に強いさせて格差を拡大さることになる。
 アイスランドの首相がやめたのはタックスヘイブン(租税回避地)である英国領バージン諸島にウィントリスという会社を作って4億5千万ほどを資産隠ししていた問題があったからである。
(マネーロンダリングの方法はペーパーカンパニーの他にもあって、海外の会社に投資して、その会社を倒産したことにさせるなど。)
―――――――――――――――――――――

 まぁこういうのが来ることはわかっていたので私にはそれほど驚きはありませんが、結論から言えば書いている内容をほとんど全く理解しないまま知ってる単語だけを書き並べている文章に過ぎません。こいつ本当に社会人経験あるのかよと、我が友人ながら見ていて不思議に思います。
 でもって敢えてこの文章を直すとしたら、修正ポイントとなるのは主に以下の点です。

・ケイマン諸島は「国」じゃない
・事務所が何を「代行していた」野か書いてない
・パナマ文書はPCからの流出ではなく情報提供者によるリーク
・アイスランド首相の話が分割されており、まとめて語られていない
・リストにあるのは楽天ではなく三木谷氏の名前
・「4億5千万」の通貨単位がない
・[格差を拡大さること」は誤植
・そもそも何が言いたいのかわからない
・それどころか「パナマ文書」という単語の説明をしていない

 以上を踏まえて私が校正した文章は以下の通りです。

―――――――――――――――――――――
<パナマ文書とは>
 ケイマン諸島などと並ぶ租税回避地(タックスヘイブン)の呼び声高いパナマの法律事務所からこのほど、大量の顧客情報リストのデータが流出しメディアによって公開された。俗にいう、パナマ文書である。
 同法律事務所ではパナマでの会社設立代行業務を行っており、リストに書かれてある会社はどれも本国での税金を逃れ自己資産を隠匿するため設立されたと見られることから、世界各国でその文書内容並びにリストに書かれた顧客へ大きな注目が集まった。
 その影響は早くも現れ、英国領バージン諸島の親族が関与する会社に数百万ドルを預けていたとされるアイスランドの首相が脱税の疑惑追及によって辞任し、そのほかの国でも政治家やセレブなどが違法な資金移動があったのではとメディアから追及を受けることとなった。日本ではソフトバンクグループ会長の孫正義氏、楽天グループ会長の三木谷浩史氏らの名前が同文書に掲載されていたものの、両者ともに違法な資金移動ではなく正当な投資活動であると主張し、その後も疑惑が続かなかったことから他国に比べると大きく取り上げられるような事態には至らなかった。
 なお、同文書に掲載されていた国別関係者名で人数が突出して多かったのは中国だが、中国では同文書の報道が政府によって規制されたこともあり話題にすらならなかった。
 あと関係ないが舛添はムカつく死ね。
―――――――――――――――――――――

 そもそも日本の教育ではまともに文章を書く訓練を課さないと前から危惧しており、もっとこの辺を育てないと思考力も育たないと前から考えています。ただそれを差し置いても上の友人の文章は本当にひどいなぁと思うとともに、対面で話してても会話が脈絡なく相手のペース無視して話してくるのでキャラクターはしっかり出てはいると納得します。これでも医学部行けるんだから世の中は面白い。

2016年6月5日日曜日

派遣マージン率と派遣賃金の相関分析

 また今日も自転車で往復100km以上走ってなんか体がおかしな状態になっています。そもそも、先々週にひいた風邪が無駄に長引いて咳が止まらず、夜も咳のせいでほとんど眠れないというのに何故強行したのか自分の猪突猛進ぶりに呆れてきます。しかも昨夜は水割一杯で死にそうになるくらい酔って頭痛をおこし、「アルコールは毒水だ……」などとうわごとを言っていました。


 話は本題に入りますが今年一月に書いたマージン率の記事について先日私に連絡を取ってきた方がおり、私が公開したデータを下地に、派遣労働者の賃金の平均額(8時間、以下「派遣賃金」)とマージン率の相関についてエクセルで作成し図表データを送ってきていただきました。本来はこういうのも自分がやらないといけないのですがサボっていたところ、っていうかあんまこの辺の図表の作り方を理解していないこともあって非常に助かる作業をしていただき、送っていただいた方にはこの場において改めてお礼申し上げます。

<派遣料金とマージン率の比例関係>
 それでここから解説に移りますが、まず事前のお話として私はマージン率の元記事において「マージン率と派遣賃金は比例の相関をする」と主張しました。これは言いかえれば「マージン率が高いほど派遣賃金(派遣料金を含む)も上昇する傾向がある」ということで、順番的には派遣賃金が高くなるほどマージン率も上昇しやすいというのが実態です。逆を言えば派遣賃金が低ければ低いほどマージン率も低い傾向があり、人材派遣会社の側からすれば安い賃金の派遣社員からにはマージン率を低めに抑え、逆に高い賃金でも稼いで来られる方からはやや高めに設定して取るというビジネスモデルを組んでいると言えます。
 実際のところ私も何度か取材しましたが、派遣料金が高い方はほぼ全員がいわゆる「特定派遣」に分類されるような技術者や有資格者が多く、勤務先とのマッチングも工場のライン工や事務スタッフと比べるとどこでもいいというわけではなく派遣する側の派遣会社の腕が問われる面も大きいだけに、こうしたマージン率相関になるというのは市場競争的に自然の成り行きだと思え特段取れる人からぼった食ってるなどとは思いません。

<二段階の派遣料金> 
 では早速上記の相関図を見てみますと、確かに全体としては右肩上がり、マージン率が高くなるほど派遣料金も上昇するような傾向を示しており、私が元記事で述べた比例関係があるという指摘は大きく外れていはいません。しかし子細にデータを眺めてみると、実態としては少し違うというか別のい方をする方が適当なのではないかと思える節が出てきました。
 具体的に述べると、マージン率が10~40%までのくくりと40%以上のくくりで二つのグループが出来上がっています

 マージン率10~40%のグループでは一言で言えば団子状態で、あまりマージン率と派遣賃金に相関がないというか比例傾向も見られず、派遣賃金が約15,000円以下の枠内に固まっています。これは言うなれば、派遣賃金が15,000円以下であればマージン率の高い低いはほとんど傾向がないということで、マージン率が高いか低いかは派遣会社のさじ加減による面が大きい、といえるのかもしれません。
 一方、マージン率40%以上のグループは非常に際立っているというか、ほぼすべてで派遣料金が20,000円以上の水準に位置しています。サンプル数の影響によるのかもしれませんが、これだけ固まっているのを見れば一つの傾向としては一応主張できるデータだと思うので続けますが、マージン率40%以上且つ派遣賃金が約20,000円以上というのが一つのボーダーラインになると言えると考えられます。

 以上内容を簡単にまとめると、

・マージン率40%未満の場合、派遣賃金には余り相関はなく派遣料金は約15,000円以下
→この場合はマージン率が低ければ低いほどお得?

・マージン率40%以上の場合、派遣賃金は通常約20,000円以上となる
→マージン率40%以上で派遣賃金が20,000円を大きく下回ればぼったくり?

 上記意見はあくまで全体の傾向を述べた概論、すべての個別例に当てはまる意見ではないということをご了承ください。ただまぁ、マージン率が高いにもかかわらず派遣料金が低い場合は要注意であることに変わりはありませんが。

 以上、簡単な解説ですが今日の分析を終えます。重ねてとなりますが、相関図作ってくださった方には今一度感謝の意をここでお伝えします。この前のリクルートスタッフィングデータの件といい、こうして協力者が出てくれることには執筆者冥利に尽きます。

2016年6月2日木曜日

上海ディズニーのアトラクション動画

 先日書いた上海ディズニーの記事で絶賛した「TRONライトサイクル」の動画がネットにあったので、折角だからここでも紹介します。



 前回記事でも書いている通りに、このアトラクションは何よりも加速が凄まじく今までにない感覚を味わいました。上の動画は恐らく乗っている最中に携帯カメラを構えていたんじゃないかと思いますが、よくもまぁあれだけの速度の中で撮影し続けたもんだと呆れます。

2016年6月1日水曜日

漫画に出てくるヤクザの会話を見て……

 先日上海で後輩と会った際、タブレットPCを持ってきて折角だから私が今はまっている「ヒナまつり」という漫画を見せてこの漫画どれだけやばいほど面白いかを熱心に説いてきました。
 「ヒナまつり」がどんな漫画か簡単にあらすじを紹介すると、異世界から転送されてきて念力が使える非常識な少女のヒナ(13歳くらい)と、なし崩し的にヒナと暮らす羽目になった家庭的なインテリヤクザの新田が行く先々でトラブルを引き起こすというドタバタ系のギャグコメディ漫画です。ちなみに新田がどれだけ家庭的かというと、ハンバーグにチーズをINしたり、洗剤をオリジナルブレンドしたりするくらい家庭的です。

 それでこの漫画、新田がヤクザということもあって周囲に同じ組の人間がたくさん出てくるのですが、彼らヤクザ同士の会話を見ていてなんか変な違和感というかデジャブが常にあり、一体なんでだろうと思って見ていましたが最近になって、以前働いていた新聞社で似たような会話をよくやっていたからだということに気が付きました。具体的に漫画中のどんなセリフにデジャブを感じるのかというと、主に以下のようなセリフです。。

「オイこらサブ、このクソボケェ!」
 日常的な挨拶みたいなフレーズで、よく言われていました。

・(借金の取り立てから帰ってきて)「せめて利息分くらい取り立ててこいや!」
 取材で意図されていた内容が聞き出せなかった時、似たようなことをよく言われました。

・(空き缶投げながら)「バッカヤロー!!」
 空き缶はなかったけどボールペンとかはよく投げられていました。

「サブちゃんよ~、お前さんはほんとバカだねぇ~」
 咄嗟にきちんと切り返せなかった時は皮肉っぽく確実に言われていました。

・(オレオレ詐欺に向かって逆に恐喝して)「俺は傷ついたぞ!慰謝料よこせや!」
 ミスった時なんかこんな感じで追い込みかけられてました。

 あとこれは漫画の中に似たようなセリフはないのですが、日系企業の広報へ電話取材する時なんかよく、「お前は聞き方が優しすぎるんだよ!」と言われ、もっと激しく罵りながら追い込みをかけろと、しょっちゅう私の方が追い込みをかけられていました。ちなみに電話取材の時に私は苦労してそうな感じの広報さんには「はいはい、ですよね~」みたいな感じでとにかくこちらも下手に出て、逆に高慢な態度を取ってくる広報には、「ええですから同じことそっちが何度も言わなくてもこっちはとっくにわかってるんですからとっとと早くデータなりなんなり出したらどうですか?」とめちゃくちゃな早口でまくし立ててました。なお当時の経験では電通とサマンサタバサの広報がめちゃくちゃ態度悪かったです。

 改めて当時の会話を思い出してみるとなんかヤクザさながらの会話、特に追い立て絡みだと本職とそう変わらないようなやり取りをよくやっていたなという気がします。逆にここから別の会社に移ってからはこうした激しい言葉を使うことが無くなりなんとなく張り合いがないというかなんでもっとみんな本音で言い合わないんだろうと逆に不思議に感じるようになり、もっと日本社会はバイオレンスな空気を出すべきじゃないかと本気で考えています。
 もちろん言われている時はしんどいと感じることもありましたが総じてその新聞社には自分をしっかり育ててくれ、その厳しさにもちゃんとした理由があったことから感謝の念が未だに強く残っています。ただ新聞記者というよりか、なんかヤクザの徒弟修業みたいなところのが多かったようなと、「ヒナまつり」読んでてつくづく感じます。