2017年2月22日水曜日

明治維新期の欧州~普仏戦争

 最近外部の依頼で記事書いている自分の状況をふと振り返り、いわゆる覆面ライターって奴なのかなと思ったその刹那、「仮面ライター元いた会社はブラックRX」という妙な単語が浮かんできました。

 さて前回の記事で私は明治維新の頃の世界、とりわけ欧州はどんな状態だったのかをもっと知る必要があるとして、ペリー来航時の1853年に勃発したクリミア戦争を題材に取り、それまで宿敵同士であった英仏がこの戦争で初めて共闘し、それ以降も対立することなく強調しながら海外に植民地を作っていったという内容を紹介しました。実際にこの時期の英仏はほとんど衝突せずに植民地獲得へ万進しており、唯一対日政策で英国は薩長、フランスは幕府を応援するなど立場が別れましたが、これを除くと基本仲良くやっています。
 それだけにこの時代は「英仏二強時代」といえるような期間だったと言えるのですが、そうした秩序体勢が大きく変わるきっかけとなったのは今日紹介する普仏戦争です。

普仏戦争(Wikipedia)

 普仏戦争は1870年に起こった、フランスとプロイセンが衝突した戦争の事です。戊辰戦争が勃発し明治元年となったのは1868年であることを踏まえると、ちょうど明治政府が成立した時期の欧州で起こっていた事件と言えます。

 この戦争のきっかけを簡単に説明すると、スペインで王家の継承者がいなくなって次の継承者の候補にプロイセン王家の血縁者が挙がったことからでした。当時、フランスはプロイセンを警戒しており、スペインにプロイセン系統の王が立って戦争時に東西から挟撃されることを恐れてこの候補に対して継承させないよう国際社会に強く訴えていました。こうしたフランスの抗議を受けてプロイセンも候補者を取り下げたのですが、念には念にとフランスは当時のプロイセン国王を保養地まで追いかけて使者を出し、継承者を出さないよう要求しました。
 こうしたフランスの行動に対しプロイセン国王は首都にいる宰相へフランスから使者が来たという電報を送ったところ、かねてからフランスとの戦争を企図していた宰相はこれはチャンスだと考え、送られてきた電報の内容を脚色し、フランス側は不躾に且つ居丈高にプロイセンへ要求したかのような文面に変えて世間へ公開してしまいました。この事件を保養地の名前を取って、エムス電報事件といいます。

 脚色された電報内容を知ったプロイセン国民は外国に対しても居丈高に要求するフランスに対し文字通りに憤り、またプロイセンより南でオーストラリアからすれば北部に当たる、バイエルンなど普段はプロイセンと距離を置きながら独立していた王国もプロイセンに同調して反仏感情を高めました。そして相手のフランスもこうしたプロイセン国民がいきりたっているのを見て、「一度痛い目を見させるべきだ」とばかりにフランス国民もいきり立つという、まさにプロイセン宰相が思い描いていた通りにことが動いて行きました。
 こうした中で当時のフランス皇帝ナポレオン三世は、本人としてはプロイセンとの戦争は避けたいと考えていたもののちょうど支持率も落ち込み国内からの批判も高まっていた最中であり、周囲の声もあって戦争を決意してプロイセンに宣戦布告を行い、普仏戦争は幕を開けます。ただ宣戦布告をしておきながらもフランス側は何の戦争準備も行っていなかったことから兵士の動員までに時間がかかるという、初動においてミスを犯すこととなりました。ただそれ以上に誤算だったのは、相手のプロイセンには外交と戦争の両方において天才が、即ち宰相のオットー・フォン・ビスマルクと、参謀総長のヘルムート・カール・ベルンハルト・フォン・モルトケの二人が揃い踏んでいたことだったでしょう。

 ビスマルクはかねてからフランスとの欧州大陸の覇権を争う戦争を企図しており、あらかじめ英国、ロシア、オーストリアとは戦争に干渉しない様に了解を取り付けていた上、フランス側からの宣戦布告があればバイエルンなどドイツ南部の王国はプロイセン側で参戦するという盟約を結んでいました。
 こうした万全の外交姿勢が敷かれていた上、参謀のモルトケは開戦に備え兵員を素早く戦地へ送る鉄道網、そしてその運用法や運送ダイヤをあらかじめ準備しており、開戦するやあっという間に国境付近へ編成を終えた大兵力の軍団を送ることに成功します。これにより初動で立ち遅れたフランスはプロイセン領土へ攻め入る間もなく、宣戦布告したにもかかわらず国境付近で防御陣形を敷く羽目となりました。

 その戦争の経過については省略しますが、出す策全てが裏目に出るフランスに対し悉く出し抜いたプロイセンが各地で圧勝し、最終的にはセダンの要塞に籠ったナポレオン三世と約10万もの兵士が投降し、プロイセンが完全勝利して幕を閉じます。なおこの投降後、ナポレオン三世は首都のパリに戻ることはできずそのまま外国へ亡命することとなります。

 この戦争に勝利したプロイセンはそのまま占領したベルサイユ宮殿で国王の戴冠式を行い、正式にドイツ帝国を称するようになります。またこの戦争にプロイセン側で参戦したドイツ南部の諸王国もプロイセンへの併合に合意し、こうしてオーストリア、ハンガリーを除く神聖ローマ帝国の領土はすべてドイツ帝国に組み込まれ、現在の大まかな国境というか国家構成が組み上がることとなるわけです。もっとも、プロイセンが発祥した元々の領土は現在はポーランド、ロシアに組み込まれたため現在のドイツの領土ではありませんが。

 普仏戦争の結果、それまで海軍の英国に並ぶ陸軍のフランスの権威は落ち、代わりに欧州大陸最強陸軍の座はドイツのものとなりました。それと同時に英仏二強の時代から英仏独、それにロシアが加わる形で列強が形作られ、その下でかつての権威を失ったオーストリア、トルコ、そして独立の上に統一されたイタリア王国が続くという形で新たな欧州秩序が作られます。
 そして外交においても、クリミア戦争以降は主導権を握っていたフランスでしたがその座ははっきりとドイツ、というより宰相のビスマルクの手に移り、これ以降の欧州大陸は実質的にビスマルクが外交秩序を差配していたような時代となります。そういう意味でも、ドイツが欧州大陸を管理していた(ビスマルク体制)と言ってもよいのではないかと私は思います。

 この時、1872年。ちょうど日本でも明治政府が成立してようやくまとまりを見せていた頃ですが、まさにこの時に欧州ではドイツ帝国が成立し、急速な成長を遂げていたわけです。だからこそ欧州遣欧使節団として派遣された岩倉具視や大久保利通らがドイツやビスマルクに惚れ込んだのも無理はなく、その後日本は陸軍の軍制や法体系などでドイツを模範として国家建設を行っていくこととなります。
 こうした秩序体勢はその後ビスマルクが政界を引退するまで続き、この間に欧州は列強同士の大規模な戦争は起こらず小康状態が続きます。そんな秩序体勢が大きく動くのは、敢えて言うならやはり1905年の日露戦争とそれに伴う日英同盟で、この戦争による勝利により日本がアジア発の列強として仲間入りする歴史ではないか私は考えます。

2017年2月19日日曜日

明治維新期の欧州~クリミア戦争

 日本は今頃寒気が来て真冬並みの寒さでしょうが、こちら上海は今日初夏のような天気でむしろ熱く、気温の激しい変化に体がついて行けず頭が痛かったです。もっとも、昨夜大学の先輩らを含むゲーム大会が深夜一時まで続いたのも原因でしょうが。

 話は本題ですが、明治維新といえば日本で承久の乱に並ぶ大革命の一つでその内容については小説やドラマにも数多く題材に取られることもあって詳細に知られていますが、同時期の日本の外、海外の状況については恐らく大半の方が知っておらず、多少知識がある人でもせいぜい米国で南北戦争が起こっていたというくらいしか知らないのではないかと思います。
 はっきり言えばこうした状況は日本国内の内容しか取り扱わず周辺事情に気を配らない歴史教育に問題があると思え、細かいところまではいいとしても大雑把にその時の世界はどんな状態だったのかをある程度教える必要があるのではないかと思います。特に列強諸外国との関係を持ち始めた明治維新期においては重要で、当時の列強状況、どこが強くてどことどこが組んでいたのかなど、大まかでも把握しておく必要があると思うので、今日はクリミア戦争を主軸にとって当時の欧州事情を解説します。

クリミア戦争(Wikipedia)

 日本の明治維新、というより近現代の始まりは「嫌な誤算(1853年)」という語呂合わせでお馴染みのペリーの黒船来航から始まるということで衆目一致しており、私も同じ価値観を共有しています。なお1800年代の年号は「いやん○○」で私は大抵覚えており、「いやんムーミン(1863年)薩英戦争」という単語を今も胸に刻んでおります。
 話は戻りますが、日本が本格的に清やオランダ以外の列強各国との接触を始め変化が迫られた1853年に勃発したのがクリミア戦争です。クリミア戦争とはなにか大まかに説明すると、領土拡張を目指し南下政策を取っていたロシアがトルコに対する侵略を行ったのに対し、その動きに歯止めをかけようとトルコ側についた英国とフランスが戦った戦争です。

 戦争の勃発理由はバルカン半島の小国家同士の小競り合いに始まっており、その紛争の処理を巡って当初はトルコ領土の分割や宗主権の確認で終わるだろうと思われていた外交交渉が英国、フランス、ロシア、オーストリアのそれぞれの国内事情からこじれにこじれた上に外交担当者の不始末もあり、なし崩し的にロシアとトルコが開戦してしまったというのが実態です。そうした背景から列強各国は当初、この戦争は短期間で終わるだろうと思っていたのですが、英国はなんとしても地中海にロシアを入れまいと強硬な姿勢を取った上、当該地域における利害関係が比較的薄かったフランスも民主選挙の上に皇帝に即位したばかりのナポレオン三世が自らの影響力拡張を図って英国と共にトルコ側へ参戦したこともあり、初代ナポレオンによるナポレオン戦争以来の欧州大戦へと発展していくこととなりました。

 戦争の中身としては産業革命を経ていたこともあって物資投入がこれまでと比べ破格の量となり、火薬量の増大もあって戦死傷者がそれ以前の戦争と比べ段違いに増えていきました。一方、戦術は未だに突撃戦法が主流でありなおかつ治療体制などに置いては旧態依然ということもあって戦地ではコレラを始めとした伝染病も蔓延し、フローレンス・ナイチンゲールが「これだから軍人どもは後ろのことを何も考えない」などと文句言いながら治療活動を展開してたそうです。
 勝敗については正直な所、双方で拙い戦術や連合軍同士の足並みが揃ってなかったこともあってグダグダが続いていましたが、ロシア軍の方で致命的な戦術ミスが相次いだ上、戦時中に皇帝ニコライ一世が逝去するという不幸もあり、1856年にロシアの敗戦でクリミア戦争は終結しました。

 ロシアとしてはこの敗北によって南下政策が一旦停止させられたものの完全に諦めていたわけではなく、一旦は東方政策に転換して満州、朝鮮地域への進出を図りましたがそこは明治維新を経た日本によって日露戦争で歯止めをかけられると、再び南下政策に戻って一次大戦に繋がっていきます。

 ただこうしたロシアの戦略転換以上に欧州世界への影響が大きかった点としては、この戦争で英仏が手を取り合って戦ったことです。両国はジャンヌ・ダルクが活躍した英仏百年戦争の頃から欧州の覇権を争い続けた国同士(一度だけスペインも加わるが)であり、先のナポレオン戦争では文字通りガチンコの戦いを経て英国がフランスを下したことによって欧州チャンピオンの座に輝きましたが、それでも両国は「終生のライバル」とクリミア戦争以前は思われていたそうです。
 そんな両国がこのクリミア戦争で協力し合い、さらに英国自身が欧州大陸に対する興味を失い始め、海外での植民地獲得に集中し始めるなどより海洋国家としての性格を強めたことによって、なし崩し的に欧州大陸の中の影響力ではフランスが一番などという風な見方が一気に広まりました。

 一方、クリミア戦争で準当事者でありながら何の主導力も発揮できなかったオーストリアに至っては、保護国であったイタリアでは独立運動が高まり、影響力を持っていた現在のドイツ南部の地域においてはプロイセンが徐々に圧迫していた状況もあり、かつてはハプスブルグ家でブイブイ言わせていた威光が明確に凋落し、誇張ではなくその後も欧州一等国から二等国へと陥落する羽目となります。
 そうしたオーストリアの凋落もを尻目にフランス、というよりナポレオン三世の威光はどんどんと高まり、彼自身の英雄思想から諸外国への介入も増えていったことからそれからしばらくの欧州外交はナポレオン三世のフランスを中心に動いて行きます。

 故に明治維新直前の幕末期、欧州世界は英国、フランスの二巨頭が珍しく共調し、二ヶ国とも海外の植民地獲得(フランスも熱心だった)に従事していた期間であったと言えます。欧州外交はやはりフランスを中心に行われ、この間にフランスはイタリア独立戦争に介入したり仲裁したりしており、アジア地域ではベトナムを植民地化したり、英国と一緒に清から租界地分捕ったりしていて、案外この頃のフランスは見た目にもノリに乗っていたんじゃないかという気がします。
 しかしそんな絶好調のフランスに対し、欧州大陸チャンピオンの座を狙い密かに準備を続ける国家が存在していたわけで、続きはまた次回に。どうでもいいですが、そこん家の家紋はどう見ても馬鹿そうな犬にしか見えません。

2017年2月17日金曜日

AIの進化に対する懸念

 また今日からえらく寒くなって辛いためどうでもいいネタで記事埋めます。最近、Amazonのページやニュースを見ていると、「もうすぐITに駆逐される職業一覧」みたいな見出しがよく目に入ります。言わんとすることはITに取って代わられる職業がこれだけあり、こういう仕事は今後なくなるぞみたいな危機感を煽るような内容なのですが、私個人としては案外こういうのは眉唾だと見ており、対して実力のないライターが糊口をしのぐために危機感をあおる内容を書いてるだけで、実際には損な取材とか検討なんてしてないだろうと思ってみてます。

 特によく思うのが翻訳関係で、「欧米ではもうAIが記事を書いている」、「翻訳作業は全部AIに任せられる」みたいな内容が私以外にも見ている方が多いと思いますが、これらは所詮、欧米の枠内だけの話です。アルファベットを文字として使う言語圏であれば単語や文法などもある程度共通する点が多いため、機械翻訳する上では実はそんなに困難ではありません。特にフランス語やスペイン語などラテン語圏などは差異が小さく、これらに加えドイツ語や英語も文法法則さえしっかり押さえればそりゃ機械翻訳だってできるでしょう。

 一方、日本語や中国語はアルファベットとは違い膨大な量の漢字を取扱う上、同じ音や文字の組み合わせでも意味が大きく変わることもあるため、実際に機械翻訳をしようっていうのなら誇張ではなく欧米言語間の数百倍は困難でしょう。また日本語の場合は助詞が多いことに加え動詞などの活用も異常に多く、中国語は活用こそないものの単語の文字数が漢字一文字ないし二文字や三文字と極端に短く、漢字二文字の単語に使われている二つの漢字がそれぞれ一つの漢字で意味を成すこともあり、単語がどこで接続するのかという判別が異常に困難です。
 であるからして、少なくとも日本語使用者にとっては完全な機械翻訳が実現するはまだまだ先だと分析していない人間の話は私はまず相手にしません。

 話は戻りますがこうしたAIの進化についてはどちらかというとテクノロジーの発達を歓迎するような、これからどれだけ便利になるのかといった話よりも、上記の「なくなる職業」のように危機感を煽る系の述べられ方のが圧倒的に多いです。何をどう思おうがそれぞれ人の勝手だと思いますが、書いてる人間たちはなるべく煽って本とか買わせようという魂胆であるということを視野に入れて話すと、何故この程度しか煽れないのかという点で疑問に感じます。
 要するにもっと危機感を煽れってんだと言いたいわけで、具体的には「AIに駆逐される職業」とかではなく、「AI兵器をどうすれば倒せるのか」、「スカイネットの脅威」みたいなタイトルで、T-800型ターミネーターにはプレス機が有効だとか、サイバーダイン社をどう爆破すればいいのかみたいなハウツー本とかの方がもっと危機感煽れるんじゃないかと思うわけです。まぁこの辺は冗談ですが。

 ですがこの視点で以ってもう少し話すと、恐らく人間が実際に登場する最強の戦闘機は現行の米軍最新鋭機のF-35ライトニングⅡになると本気で考えています。何故かというと、今後の戦闘機には人間は登場せず、遠隔操作もしくはAI自動操作で任務を行うことが予想されるからで、実際に戦闘機の最大の弱点は人間を載せなければならないところにあり、人間を載せる必要がなければかなりめちゃくちゃな性能の戦闘機が今後作れると思います。
 そうしたAI兵器にどう対応するか。さすがにさっきのターミネーターは非現実的ですが、ドローン攻撃機や無人戦車に対する防衛策、具体的にはジャミングや遠隔からAIチップなど集中的に破壊する兵器や攻撃方法なんかはこれからの軍事領域で求められてくるかと思います。まぁ一番手っ取り早いのは、衛星装置を破壊することに尽きるのですが。

 そういう意味では日本も戦闘機の開発は米国から禁止されているのでできませんが、ターミネーターの開発は別段禁止されてないので、室伏氏をモデルにしたT-800型から開発していくのが筋かもしれません。モデルはほかにも吉田沙保里氏やケイン・コスギ氏を採用してもいいでしょうが、朝青龍をうっかりモデルにしてしまうと本気でAIの反乱が起こりそうなので人選はしっかりする必要がありそうです。

2017年2月15日水曜日

残業抑制と副業解禁について

 ほんとどうでもいいことですが、ちょっと興味を持った楳図かずお氏の「14歳」、「私は慎吾」をAmazonで検索かけたところ、「おすすめ商品」に楳図氏の漫画が毎日びっしりと表示されるようになり、どことなくホラー感が増した気がします。楳図氏の作品は「漂流教室」しか読んでいませんが、この一作だけでもどれだけこの人が漫画家として偉大であるかはよくわかります。

月60時間、経営側も容認=繁忙期や適用対象が焦点―残業上限(時事通信)

 今日は概ね上記ニュースへの感想ですが、疲れてるので一言だけ言うとこの手の議論とか主張してる人を見ると、「死ね、早く死んですぐ生まれ変われ」と言いたくなります。左目もやたら見え辛くなってるのでもう終わりにしたいですが頑張って続けると、電通や三菱電機の違法残業事件ではどちらも実際の残業時間をきちんと計測せず、規定した時間しか申告させずに処理しており、残業の上限時間を仮に決めたとしても申告可能な残業時間が減るだけ何も変わらないと思うのは私だけなのかと見ていて不安に感じます。誰もツッコむ奴がいないのか、いわんやジャーナリストもかといったところで、ほんとこのところ日本の記事見ていてこういうことが多く不安しか覚えません

 また上記記事では「経営側も容認」とか書いていますが、そもそもハナから残業代なんて払う気なんてないんでしょうからそりゃ容認するに決まってます。今求められているのは違法残業を強いる会社を駆逐する強い法的強制力と執行機関であって、上限を80とか60とか40と言っている時点でそいつの頭叩いて追い出した方がずっともっと建設的でしょう。ちょっと厳しい言い方すると、この記事書いた記者と通した編集長も頭叩かれた方がいいのではと私は思います。

 テンション上げてきたので頑張って続けると、この残業規制というか過重労働対策として私の友人がよく提唱している案というのが見出しに掲げた「副業解禁」です。言うまでもなく日系企業の多くは正社員(非正規にも?)に対しアルバイトを含む副業を行うこと社内規定などで禁止しており、ばれ方によっては懲戒を出す会社も少なくないでしょう。
 上記の残業時間規制によって現在何が心配されているのかというと、社員の残業時間が業務が処理できなくなるという労力不足が懸念されております。その穴を埋めようというのが上記の副業解禁案という奴で、具体的に言うと、アフター5こと定時以降はほかの会社で仕事を行ってもよいとすることで、これまで残業していた正社員の代わりに非正規などのスタッフを雇って不足する労働力を補わせるという案になります。

 この際の労働契約では超過労働時間計測は行わず、通常のアルバイト通りに深夜を除けば通常の時給支払いなどとすることで、雇用者側は残業代追加分を支払わずに済み、労働者の側は無理な残業からは解放され、本人がまだ働く余力があれば余所で働いて賃金が得られるという仕組みになり、さらには雇用の流動化も促せるというような意見が見られます。ただ結論から言えば、あまり実効性は高くないだろうというのが私の見方です。

 理由は複数あり、まず第一に日系企業は外部の人間に対する拒否感が異常に強く、守るほどの企業情報なんてないくせにやたらと内情を明かすのを嫌ったりするため安くで人員が雇えると言っても敢えて雇わず、既存の人員だけで回そうとするでしょう。もう一つの理由は、現在の日系企業はどこも慢性的に人手不足で労働力が足りませんが、雇用者全体で労働力が足りてないにもかかわらず賃金を増やして人員を募集したり、増員させようという意識は全くありません。その背景はやや複雑で、突き詰めれば人口減によるデフレによって業務効率を高めたところで企業の売上げが増えないためです。
 そのため、仮に副業解禁が日本で広まったとしてもアフター5の労働力を実際に活用しようとするのは小売や飲食といった業界だけで、しかも副業求職者が増えることによってこれら業界の時給は下がり、それまで働いていた人たちの給与が細くなるというデフレスパイラルが起こると私は予測します。繰り返し述べますが、今求められているのは労働時間を規定通り遵守させる強制力と執行機関だけで、制度自体には問題がなくその制度を徹底させる力が致命的に不足しているのであって、労働関連制度をこれ以上弄っても厳格にしても何も起こらないと断言します。

 それにしても近々また別に記事書く予定ですが、私から見て日本の労働者は大人しすぎるにもほどがあります。中国なんか自分が悪くてクビにされたのにやたら会社に抵抗して金をふんだくろうとしたりする人がたくさんいますが、そこまで極端でなくても違法だったり無茶なことだったりを要求する会社を爆破したりするようなボンバーマン的な気概を持つ人間こそが今の日本に必要だと私は思います。
 偉そうな口をと思われるかもしれませんが、私の場合はさすがに爆弾こそ仕掛けなかったものの、「あんたみたいなカスには従えない」といって次の行く先も決まってないにもかかわらず啖呵切って会社辞めたことはあります。日本人はやたら暴力は駄目だとか言いますが、抵抗する気概すら失っては暴力のあるかないかに関わらず人間として終わりだろうと思うし、もっと怒りの感情を世間に出したほうが人間らしいというのが私個人の意見です。

2017年2月14日火曜日

金正男氏の殺害報道について

 特に今日は書くことないから東芝の損失純額が4999億円って、この際だから無理せず5000億円でもよくね、っていうかここまで来たら過去最高記録を作るためにもっと積み上げなくちゃ、とか書こうと思っていた所、ビッグニュースが入ってきました。

北朝鮮の金正男氏 マレーシアで殺害(聯合ニュース)
搬送の北朝鮮男性が死亡とマレーシア警察 金正男氏との関係は不明(産経新聞)

 恐らく日本でも各所で速報が流れているでしょうが、北のプリンスこと金正男氏が亡命先のマレーシアで殺害されたという報道が出てきました。産経の記事内容によるとロイターがマレーシア警察にも裏取りして、北朝鮮男性が死亡したことそれ自体は事実だと思われ、具体的な死因、特に暗殺だったのかか否かについてはまだ書かれていないものの、私個人の意見ではやはり暗殺されたのだろうと現時点で考えています。
 これまでにも北朝鮮は金正男氏に対して何度も暗殺を謀っていたと報じられています。韓国へ脱北だと偽って諜報員を以前にも送っていたそうで、日本国内でも金正男氏の身の安全が危険な状態にあるということは各所でも伝えられてきました。

 と、書いてるうちにも死因はどうも毒殺で、謎の女性二人が逃走中であるという速報が続々と入ってきています。なお中国での報道はネット上だと速報ベースしかなく、内容は「死んだようだ」程度で日本と大きな差はありません。

 少し冷静になって今後の状況について述べると、今回の暗殺によって北朝鮮の一つの落着ポイントこと、金正男氏を担ぎ上げて金正恩を北朝鮮国内から追放するというシナリオは消失したということになります。もちろんこのシナリオ自体が現実味はそれほどありませんでしたが、「反北朝鮮」ではなく「反金正恩」という旗頭になり得た人物であったことには間違いなく、この暗殺によって少なからず北朝鮮を批判するネタは減ったことになるでしょう。
 ただそれにしても、ミサイル実験やった直後にこれまた暗殺なんて相変らずタイミングを考えずにやる国だなと思えてなりません。折も折で米国にはトランプ大統領が就任しており、オバマ前大統領とは違って堪え性ないということをわかってやっているのか疑問です。

 そんな米国以上に、中国政府ももう相当腹に据えかねていると思います。以前に知人にも話しましたが、もし北朝鮮が滅ぶとしたら滅ぼす人間らは鴨緑江、つまり中朝国境からくると私は予言しましたが、やはり現時点においても北朝鮮を滅ぼすとしたら中国軍になるのではないかという気がします。にしても、丹東行くのは去年で良かった。

 なお今回のニュースが出た直後、友人の上海人からすぐにニュース記事が転送されてくるとともに、「君がやった?」と聞いてきたので、「俺ちゃう、やったのはシーチ……」と適当に返信しておきましたが、ほんとどうでもいい事でもこのところぼけてくるのでツッコむ回数が増えてます。

2017年2月13日月曜日

流行り物なき近現代

 最近社会批評書いてないので今思いついたものをありのまま(れりごー)に書くと、日本に住んでないでいうのもなんですが、最近日本で流行り物ってないなぁって気がします。一応日経トレンディとかが毎年まとめていますがブームと呼べるような商品やサービスは報道を見る限りだとほとんど見られず、また流行語大賞もここ数年の反応を見ていると満場一致というか誰もが「流行っている」と頷くような言葉がなく選考する側もやや苦心して選んだような跡が見られます。

 流行り物がないのは社会が多様化したからだという風に説明することも一応は可能ですが、内心ではそうでもないんじゃないのかなというのが私の意見です。というのも中国で暮らしていて市民が関心を持ったり誰もが興味を持って流行るものというのが毎年きちんとあったりして、たとえば最近だとどこでも乗り捨てできるレンタサイクルの「mobike(モバイク)」が話題で、中国人と話しをしていてもよくこの単語が出てきます。
 なんていうか、日本人と話をしていてもよく話題になる単語がどうしても出てこないという感じがしてなりません。誰にでも共通できる話題が少ないというか、各人それぞれの趣味や嗜好に合わせて話題を選ばなければならない煩わしさが少しあり、だから人間関係とかも日本だと偏りがちになったりするのかななどとも思うところがあります。もっとも私の場合、どんな話題にも対応して食いついていく自信があるのでその限りではありませんが。

 時たま私はこのブログで「平成史考察」という見出しで近現代史を取り扱いますが、単刀直入に言って現在に近い年代になればなるほど書き辛くなるという違和感を覚えています。理由ははっきりしており上記の通り各時代を映す鏡のような話題がないためで、直近だとせいぜい言って「STAP細胞」くらいしか書けないのではないかという気すらします。
 それこそ90年代くらいであれば酒鬼薔薇事件とか神奈川県警の不祥事、アムラーやコギャルと援助交際問題など題材に取り上げるテーマは枚挙にいとまがありませんが、2010年代に入ってしまうと東日本大震災など大規模災害を除けばほんとに書くネタがありません。もう少し熟成するのを待てば「イナズマイレブン」とか「妖怪ウォッチ」が書けるようになるかもしれませんが、現時点で近現代史として取り扱うにはやや無理があるでしょう。

 なんでこのようなことを記事にするのかというと、単純に危機感を覚えるからです。流行り物がない即ち社会に活力がなくなってきていると言い換えてもよく、流行る商品やサービスを企業が作れないことはおろか大衆消費者行動に結びつかない点でも社会として弱っているのではないかと思えてならないからです。
 そう考えると、流行りだした頃は正直いい気分しなかった恵方巻きなんかはまだ年度の消費者行動として定着させただけでもマシだったかもしれません。個人的には納豆巻きの方が好きだから太巻きじゃなく納豆巻きだったらもっと応援していたのですが。

2017年2月12日日曜日

派遣マージン率記事取材の舞台裏~ライクスタッフィング編

 昨日に引き続き、前に出した派遣マージン率に関する記事の取材における舞台裏を書いてきます。今日は取材を完全拒否してきたライクスタッフィング(旧ジェイコム)についてです。

 ここには都合、二回ほど電話をかけており、一回目の電話で相手になったのは比較的声は若そうな女性でした。代表番号にかけて出てきたので恐らく総務スタッフではないかと思うのですが、広報につなげてほしいとすかさず、「現在外出中で戻りません」と即答。ならばといつ戻るのかと尋ねたら、「予定が不安定なためわかりません。明日以降も同様です」という風にすらすらと答え、この時点で「手ごわい。こいつ、エースだ……」と感じました。

 最終的な結末はともかくとしてこの時の女性の受け答えは企業広報(恐らくは総務スタッフではあるけど)としては非常に理想的です。具体的にどこがいいのかというと断言している点で、たとえば先程の回答で「今日は恐らく戻らないかも」という回答なんてしたら、「今日中に戻る可能性は有るんだな。だったら携帯にでもかけて夕方前に必ず返事寄越せ」というツッコミを出す隙を与えてしまいます。
 その後の回答も完全に「無理」と言わんばかりに全部断言口調で、曖昧に回答されるのと比べると記者側からしたら非常に攻めづらい相手でした。それでも一応嫌味半分で、「常にオフィスにいない広報なんてあり得るんですか?それで仕事回せますか?」と攻めかかってみたものの。「ええ、頻繁にグループ会社間を回ってるので」という風に返されるなど、正直手も足も出ませんでした。

 仕方ないのでならメールで聞いたら回答してもらえるかと尋ねて、「それであれば担当者にお伝えしておきます」という風に話をまとめられたこともあり、質問を後ほどメールで送るから返信をくれと伝えて第一ラウンドを終えました。
 恐らく、「フリージャーナリスト」と私が名乗った時点で広報には繋げないように判断したのではないかと思います。悔しいですが大手メディアと比べると中小メディアではこういうことは多々あり、取材を暗に拒否されることも少なくはないのですが、こと断り方に関してこの時の女性は非常に手ごわく、ここ数年で相手した中では間違いなく最強でした。ほかの会社で広報している方にもお伝えしますが、回答は基本的に断言口調で二の句を次がせない言い方のが強いです。

 その女性との激しい一騎打ちから一週間後。いくらか想像はしていたもののライクスタッフィングからはメールの返信は来ませんでした。やっぱりと思いつつまたあの女性と第二ラウンドに臨める、今回はメールでの返信もなかったことから攻める材料も十分だし今度は負けないぞとばかりにいくらか楽しみな気持ちを持ちつつ電話をかけたところ、生憎電話に出たのは前回の女性とは別の比較的若い男性の声でした。
 今回も電話に出るや取材のため広報につないでほしいと開口一番に言うと、その若い男性は一旦電話を置き、相談でもしてたのか戻ってから、「すいません、広報担当者は今外出中です」とまたも同じ返事を出してきました。しかし今回は二回目の電話、しかもメールの件もあるので、「先週電話をかけた時も同じ回答でした」と述べた上で、既に質問メールを送っている、質問内容は貴社のコンプライアンス違反である、このまま全く広報を出さないなら取材拒否としてこちらは扱うと強い口調で述べたところ、「しょ、少々お待ちください」と、少しよろめいた様な口調で再び電話を置きました。

 しばらくしてから別の人間、今度はやや年かさを感じる女性が電話に出て、用件は何かと私に尋ねてきました。しかしこの時点である程度結末は予想していたので「御社は広報がいつまでたっても出てこない、メールで聞いても返事こない」と伝えた上で、「真面目に答える気あるのか?」と、一言を入れました。これに対しその女性は、「代わりに私がお伺いします」というのですが、「あなたであれば私の質問に答えられるのか?」とまた強い口調で言うと、一瞬ためを置いて、「回答できるかどうか、まずはご質問を伺えればと思います」というので、質問してやりました。
 質問内容はこれまでも書いてきている通り、派遣マージン率を何故公開しないのか、コンプライアンス的にどうなのかというこれまでもいろんな会社に繰り返してきた内容を伝えたところ、「誠に申し訳ありませんが、ご回答しかねます」と、案の定回答を拒否してきました。

 ただこっちとしてはマージン率を公開していない企業が悪質だという風に書ければ問題なく、またほとんど想定通りの対応だったため話を締めようと、「では、取材拒否として受け取ってもよろしいでしょうか」と最後に確認した所、「構いません」と即答され、最後に「ご協力(されてないけど)ありがとうございました」と言って第二ラウンドを終えました。

 第二ラウンドはともかくとして第一ラウンドは触れられたくない情報を隠す上ではほぼ理想的な対応と口調であったことから、マイナビに比べればまだメディア対応はしっかりした会社だなというのが私の感想です。とはいえ第二ラウンド、ひいては広報を全く出さないのはやはり問題で、取材や回答を拒否するなら拒否するでメールで返答しておけばリスク回避の上でも有利なのにその辺の詰めの甘さは感じます。メールで拒否しておけば電話かけられても、「既に返信した通りです。以上」と切れるのに。

 こうした対応だったからなるべくとっちめたかったのが本音ですが、肝心のマージン率の記事がそれほど反応がよくなく、どちらかといえば今回は私が敗北したとみるべきでしょう。情けないことを承知で敗因を述べると、Yahoo記事のコメント欄を見ていて感じたこととしてどうも、派遣労働者当事者の反応が薄いというかあんまり読んでないのではと感じる節があり、これまでのマージン率関連の記事全体でもそうですが、部外者の人間しか読まない上に当事者が反応ないということでこの問題はいまいち盛り上がりに欠けてしまうのではという気がしてなりません。

2017年2月11日土曜日

派遣マージン率記事取材の舞台裏~マイナビ編

人材派遣会社の派遣マージン率を調べてみた(JBpress)

 知ってる人には早いですが先月にこのブログでも記事書いたマージン率記事をJBpressさんの方でも出してもらいました。ただこちらは「派遣マージン率とは何ぞや」という最初の説明からしたため、記事全体であまり尖がった主張が出来ず自分としてもうまく書き切れなかったとやや反省しています。
 ただこちらの記事ではブログ記事とは違って、マージン率を未だにサイト上で公開していなかったマイナビ、そしてライクスタッフィングに対する取材内容を掲載しております。取材で得た内容については直接記事を見てもらえばいいですが、今回はその時の取材の舞台裏というか両社がどういった対応だったのかと合わせて企業広報のあるべき姿、それと普段の経済部記者のお仕事を軽くレポートします。両方一緒に書くとしんどいので、今日はマイナビです。

 マイナビには一月中旬、サイト上で「広報部」と表記のある電話番号へ直接国際電話をかけました。でてきたのは女性の担当者で、自分は派遣会社のマージン率を調べているのだが、マイナビはガイドラインに反してサイト上に情報を公開してないがこれはどういう意図なのかと直接問いただしました。すると向こうの回答は、

「誠にお手数ですが、メールにてご質問いただけないでしょうか」

 っていう内容でした。この回答に対して私はすぐにはいわかりましたとは言わず、現時点で法律に対しマイナビが明確に違反していると指摘した上で、何も難しい事聞いてるわけじゃないんだから今ここで答えられるはずだと言い、あくまでその場での回答を求めました。ついでに、前年一月にメールでマージン率の開示を要求したにもかかわらず返信を寄越さなかった件についても触れ、「メールで聞けと言いながらあんたらはこちらの問い合わせに対して返信すらよこさなかったじゃないか。言われた通りにメールで質問してあんたらがきちんと回答してくれる保証はないどころか、回答をしなかった前科があるんだぞ」と述べ、今ここで答えるように再度要求しました。

 少し声のテンションを上げたこともあって向こうも警戒感を強めたのが、「少々お待ちください」といって一旦電話から離れました。恐らくはほかの広報の人間と相談をしていたのだと思いますがしばらくたって戻ってきたところ、「誠に申し訳ありませんが、株価などにも影響するような取材に対してはメールでしか質問、回答を承ってないため、やはりメールでご質問いただけないでしょうか」とオウムの如く同じこと言ってきました。

 多分普通の人からしたらそう感じるほどでもないでしょうが、企業広報がこうした回答して来たら記者は真面目に激怒しても許されます。というのも株式非上場企業であればともかく、上場企業は経営に関する情報を常にできる限り公開するという義務があり、私のこの時のマージン率に関する質問は法規違反にも関わるため公益性も確実に備えていました。そもそも、広報というのはあらゆる質問に対して即座に対応、回答するための部署であり、その業務はそれ以外でもそれ以上でもありません。

 ってこともあり、っていうか企業取材で私はむしろ優しい方でめったに怒ることもなければ怒鳴ることもなく、新聞社時代の上司からは「お前は甘すぎるんだよっ!」って具合で自分が怒鳴られていたほどでした。そんな自分にしても、上記のマイナビの回答はさすがにカチンと来て、こういいかえしたわけです。

「メールで回答するったってだったらなんであんたら広報部として仕事してるんだ。質問にその場で答えられないってんなら電話番号なんて置く必要もなければ、あんたら広報なんて部署の人間だっていらないだろ!」

 という具合で、怒鳴るほどではなかったもののかなり声を大きくして強く言いました。あくまで心優しいと自負する私からしても上記のマイナビの対応ははっきり言って許せず、また広報としては明らかに致命的で、リスクの高いというか訓練のできてない広報だと感じました。

 たとえ即座に答えられない質問が来たとしても、広報は何かしらの回答を記者に行わなければなりません。この場合の模範解答としては、「誠に申し訳ありませんが、回答を準備させていただけないでしょうか」と述べ、その日中に折り返しの電話で回答するというやり方で、実際にほかの大半の会社はこのような回答を取ることが多いです。この場合記者は入稿締め切り時間などを勘案して、何時までに回答を寄越すよう伝えて第1ラウンド終了となるわけです。
 もう一つの模範的な広報の対応としては、何かしらの情報をお土産として記者に持たせるやりかたです。記者としては原稿を書くための情報が必要なのであり、それは完璧な情報に限るわけじゃありません。たとえ断片的であっても、部分的な回答であってもそうした情報があれば記者はある程度記事が書けるわけで、上司に対しても、「核心は濁しましたが、粘った甲斐あってこの情報は引き出せました」と成果を報告できます。逆を言えば、回答は後でと言われて何も情報を得られなければ記者としても大変なわけで、上司に何も報告できなければ「てめぇもう一回電話かけろ!」って逆に怒られてしまうため、なんでもいいから少しでも情報を出してくれると記者としても引きさがりようがあるわけです。

 しかし上記のマイナビの対応はこのどちらも出来ておらず、ましてやマージン率に関する情報なんて模範解答を準備してたっていいと思うような内容だと思えるだけに、取材している私としてもこの程度で回答渋るなんてなんて情けない広報だと思って呆れました。なもんだから更にまくしたてて、

「私が今聞いているのは法律順守に関する問題なんだからすぐ答えられない方がおかしい。おたく規模の会社なら法務部だってあるだろうし、なんだったらそっちに今すぐつなげろ!」

 と要求しましたが、「申し訳ありません」というだけで繋げてもらえませんでした。真面目にあの時法務部の電話番号をなんとしてでも要求してもよかった気がします。
 ただ、やっぱり鬼になりきれない性格もあって、「メールなら即日で返事くれるんだよな」といって最後にはこちらが折れました。そしたら「最高でも二営業日以内に返事します」と返ってきて、本当にここの広報部はレベル低い、それこそプロの経済記者が取材に来たら本気で泣かされるぞと心の中で思いました。でもってメールで質問出して返事来たのは三営業日経ってからだし。

 そのメールの文面も色々と呆れました。この回答についてはJBpressの記事でも書いてある通りに事業分社化に伴い人材派遣業務を担うマイナビスタッフィングで今、公開の準備をしているっていう回答だったのですが、私は質問に出したメールで「何故マージン率を公開していないのか?」ということと、「何故前年の私の公開要求メールを無視したのか?」という二つの質問を聞いていたのですが、後者の方は完全に無視してきました
 これには本気でマジ切れして、「もう一つの質問を完全に無視してるがきちんと答えろ。明後日までに返事寄越さなかったらまた電話かける。覚悟しておけ」っていうような文面で再度メールを出しました。そしたらその二日後のまさに電話をかける直前に返事が来たわけです。

 その返事としては問い合わせのメールを確認できず、また前任者もいなくなっているため追跡できないというものでした。ある程度は予想していた内容なのでこれはこれで私も納得しましたが、追加した質問で、「これまでのマージン率公開請求にはどう対応してきたのか?」という質問については、

「これまで公開請求は一切受けていません」

 という返事で、「ほんまかいな。っていうか俺が請求したっつってるというのにこんな回答の仕方すんのかよ」と、やや消化不良な印象を覚えました。

 既に何度も書いていますが、このマイナビ広報部に関してははっきり言って非常にレベルが低いという印象しか覚えません。やはり取材していて手ごわいという広報部は会社によってはあり、企業によってその実力差ははっきりと出るのですがマイナビに関しては最低限の対応の仕方すらできず、またリスクに対しても非常に脆い部分があるので将来何かやらかすんじゃないかという懸念すら私は覚えました。

 なお、これまで相手した企業広報で手ごわかった広報部を挙げると以下の通りです。

一位、旧みずほコーポレート銀行:完全に手の平で弄ばされた。
二位、トヨタ自動車:官僚的な対応で、隙が一切見当たらなかった。
三位、DeNA:広報担当者が全業務、情報をきちんと把握しており、よどみなく明確に回答出来る人だった。

2017年2月9日木曜日

替えの効かない人材になろう!

 よく就職斡旋サイトとか新社会人向けのムック本、自己啓発本などで見出しに掲げた「替えの効かない人材になろう!」という言葉が謳われているのをみます。その意味せんとするところは、「会社側からすれば切るに切れない唯一無二のスキルや存在感を身に着けた人材」といったところで、立身出世はもちろんのこと、不安定な会社社会で生き残っていく上で大事な心がけだとよく説明されます。
 結論から言うともし私が経営側に立つならば、このような考えを持つ奴こそ真っ先に排除したいと思う人材です。なんでかっていうと、単純に経営上でリスクとなりやすいからです。

 まず前提論として、スキル上で替えの効かない人材というのは実際には存在しないと私は考えます。首相職ですら安倍首相以前は毎年替わってた位なんだし、人間国宝級の職人とかならまだしも普通の企業業務で「替えの効かない」仕事なんてまず有り得ず、あるとしたらそれは業務の難しさや特殊性ではなく、別に理由があって替えが効かなくなっているだけです。
 ではどういう場合で替えが効かなくなるのか。大きく区分するならば理由は二つに分かれ、一つは市場価格より圧倒的に安い単価(=給料)で仕事をこなしている場合、もう一つは何かしらの策謀で業務プロセスを他人に開示しないまたは妨害している場合でしょう。前者は一見すると会社にとってすごくプラスに見えますが、仮に何らかの理由でその業務をこなす人間が突然いなくなったり、居直って高い給与を要求するようになると会社としては大打撃を受けかねず、これもやはりリスクといえばリスクに当たり経営者としては何らかの対策を施す必要があります。

 一方、実際にはこちらのケースのが多いと思う後者の例ですが、これなんかまさに企業リスクを招く人材以外の何物でもありません。基本的にこの手の人材は業務を自分だけで囲い込み、他の人間がタッチできない、後からタッチしようとしても入り込めないようにするといった妨害工作を行うことで「替えの効かない人材」になろうとする上、他の職員への指導などもサボる可能性も高く、単純に業務効率の点から言ってもマイナスです。しかもこの手の人材、会社が問題視していながらも切るに切れないとわかるやかなり図に乗るタイプが多く、実際私が見てきたこのような人材はそろいもそろってクズばっかでした。

 逆にと言ってはなんですが、経営者は「替えの効く人材」を増やしていくことをリスク低減策として常に意識する必要があるでしょう。これは全く保身を考えず友人などからリアルに「もっと自分を大事にしろよ」と言われる私だから言えるのかもしれませんが、所詮従業員なんて使い捨てなんだし、もっと使い捨ての身分を自覚してその境遇に甘んじろよとか思います。
 その上で述べると、本当に企業にとって価値ある人材というのは「替えが効くけどわざわざ変える必要のない人材」であって、同じ能力、同じスキルの人材がほかにいても取り替えられる必要がないと思われる人材こそ会社にとっての宝だと私は思います。でもって、「替えの効くスキル」をたくさん持っているユーティリティな人材こそ会社にとってありがたいし、本人のためにもなるんじゃないかなとか思っています。

 以上が私の今日言いたい内容ですが、何でもって見出しと内容がまるで異なっているのかというと、「替えの効かない人材」で検索かけてアクセスしてきた人に、「フカシこいてんじゃねぇよボケ!」みたいな冷や水を浴びせたいなという気遣いからです。ただ実際にこのワードで検索かけたら、私と同じようにこういう人材はむしろ良くないという人が結構いてちょっとびっくりでした。

 最後に、現在の私は現地採用者という身分もあって所詮自分は使い捨てという意識は恐らく一般の日本人と比べて遥かに高いと自負している、っていうか現地採用者でその自覚ない奴はむしろヤバいです。なもんだから最近初対面の人に、「俺はいわゆる傭兵だ」という意味わかんない自己紹介することが増えてます。

2017年2月8日水曜日

恋愛サーキュレーション

 つい先ほど、JBpressへと出す記事を書き終えて送信しましたが、実はその記事の取材に行った際に撮影した写真でいくらかミスをやらかし、取材先が上海市内のショッピングモールであることから今日会社帰りにまた行って撮影してきました。我ながら仕事熱心にも程があると思うと同時に、こういう写真で初歩的なミスするなんてまだまだ甘いと感じました。

 そういうわけで最初の取材時と同様に自慢のフジフイルム製コンパクトデジカメを持ち寄って今回はバッチリ撮影してきたわけですが、撮影を終えてショッピングモールをでようとエスカレーターを降りている最中、近くのファンシーショップからなんか聞いたことのあるようなボーカルなしのメロディが聞こえてきて、しばし考えた後で、「あ、これ声優の花澤香菜が歌ってる『恋愛サーキュレーション』じゃん。ってかすぐわかる俺って凄くね?」と、エスカレーター降りながら気が付きました。

 知ってる人には早いですが、この「恋愛サーキュレーション」という曲はかなり反則的な曲です。いっぺん聞けばわかりますが通常のアニソンとは異なり、どちらかというと朗読するような歌われ方しており出だしからして反則です。それがまたなんで中国でメロディだけとはいえ流れているんだとかいろいろツッコミたくなるのですが、それ以上にツッコミたくなるのは自分の携帯電話です。というのも一時期、マジでこの曲を着メロに設定していました。
 しかもその着メロにする過程というのもいろいろおかしく、具体的に述べると私の携帯電話を作ってるメーカーの「MEIZU(魅族)」の公式サイトで着メロやら壁紙が無料で配られているのですが、何故かその中に「恋愛サーキュレーション」が入ってたからです。しかも複数バージョンで。

 同サイトで配られている壁紙にはカオナシを始め明らかに著作権を無視したキャラクターや日本のアニメ絵とかも入っており、結構暇な時なんかは無駄にダウンロードして使っています。もっともそれ言ったら、日本のサイトでも無断での配布は日常茶飯事なのであんまとやかく言うのもどうかなって思うのですが、何故「恋愛サーキュレーション」が中国でも配られるのかがいまいちわかりません。そこそこ中国でもヒットした「ヒカルの碁」や「ナルト」の主題歌とかならまだわかるのに。

 なお現在の私の着メロは、「おかけになった電話番号は、現在電源が入っていないか電波の届かない地域にあります(中国語)」という音声になっています。本当は声優の能登麻美子氏が歌う、やけに怖い「かごめかごめ」を入れたいのだけれどちょうどいいデータがないのでこれで我慢しています。

2017年2月6日月曜日

寝過ぎた( 一一)

 一昨日から春節休暇が終わり仕事が再開し、昨日は土曜ながらも中国のわけのわからないカレンダー設定によって出勤日であったことから普通に働いていました。そして今日日曜はお休みなので朝はまた9時半までたっぷり寝た後、洗濯機を回して洗濯物を外に干した10時半から11時半までまた寝て、正午ごろに作り置きしてた焼きそばを食べました。

 その後、パソコンで細々とした作業をした後で1時から家を出て、本日の取材先へと出発しました。その際、クリーニング屋にも寄ってスーツを一着クリーニングに出してきました。
 取材先に到着したのは2時半ごろで、取材対象をいつもの携帯カメラではなく今日は真面目にコンパクトデジカメを持ち寄って撮影しまくった後、3時頃に近くのラーメン屋でラーメン一杯食べて帰宅。家に戻ったのは4時半頃で、洗濯物を取り込み電気カーペットをオンにした布団に入ったらそのまま7時まで寝てしまいました。

 7時に起きた後、ラーメンを先に食べてたこともあってあまりお腹はすいてなかったためそのままPS Vitaで「サガフロンティア」というゲームで遊び、ボーっとしていたこともありいつの間にか10時になった後、「なんかまずいのでは」と気が付き、またパソコンへ向かって情報収集。ひとしきり情報を整理、収集した後、11時半になってやっぱり晩御飯食べておこうと思ってスパゲッティを茹でて食べて今に至ります。

 まぁ休日の過ごし方なんて大体こんなもんですが、取材した内容を忘れないうちに明日また書かないといけないなぁと思いつつ、これ書き終わったら寝ようかと思います。昼寝してるのにどうして寝れるのとたまに聞かれますが、昼寝してでもまだ寝足りないというのが私の本音です。ただ今日はちょっと寝過ぎたかなぁ。

2017年2月5日日曜日

平成史考察:「つくる会」の教科書騒動(2001年)

 かなり不定期なこの「平成史考察」ですが、案外もうすぐ平成時代終わりそうだからこれから増やしていった方がいいのかなとか思ったりもします。

 そこそこ大きな騒動となったので覚えている人も多いのではないかと思いますが、日本の歴史教科書は日本を貶めるいわゆる「自虐史観」に満ちているとしてかねてから内容に不満を持っていた保守派論客らが集まった、「新しい歴史教科書をつくる会」とその教科書出版時の騒動について、また例によってぴきーんとフォース的な何かを感じたので今日は書きます。

新しい歴史教科書をつくる会(Wikipedia)
一般社団法人 新しい歴史教科書をつくる会(公式サイト)

 「新しい歴史教科書をつくる会(以下、つくる会)」とは読んで字の如く、従来とは異なる新たな歴史教科書を作ることを目的として発足した団体です。結成時の構成メンバーはさすがに年数経過してるのもあって最近見ることは少なくなった者の、西尾幹二氏、西部邁氏、八木秀次氏、あとつくる会の内情について細かく発信してきた漫画家の小林よしのり氏などその筋では有名な保守派の論客が集まっており、今思うとすごい面子だったなぁという気もします。
 これらの参加メンバーは一様に日本の一般的な歴史教科書は自虐史観に満ちていて自国に誇りが持てなくなる教科書であるとして、もっと日本を愛せる様な教科書が必要という価値観からつくる会を結成しました。その上で自らの手で歴史教科書を作り、一般に配布するという目標掲げて教科書作りへと邁進していったわけです。

 そんなこんだで1997年の結成から約4年経ち、完成したつくる会の教科書は検定も通って通常の歴史教科書として発行される運びとなりました。ただその内容について極度に保守的な内容、特に二次大戦絡みについて南京大虐殺や朝鮮人の強制労働などについて否定的な内容であったことから中国や韓国が「日本は過去の反省を忘れ戦争を賛美し始めた」などと反発し、今も続く歴史問題が過熱する要因にもなりました。
 もっとも中国や韓国だけに限らず、日本国内からもその極端な内容については賛否が相次ぎ、特に対立相手の左派論客とは文字通り対立の主軸となってテレビなどで公然と批判する人間も少なからずいました。なお細かい点を挙げておくと、文部省(現文部科学省)側もその内容を危惧してか検定前に一部内容をメディアに漏らすなど、つくる会の教科書が検定を通らないように妨害をかけていたそうで、この点に関しては公平性の観点から私ですらつくる会の擁護に回ります。

 ただ上記の様に2001年に正式発行された際は非常に大きな話題とはなったものの、実際の売れ行きというか採用に至った学校数については芳しくなく、はっきり言ってしまえば普通の学校はどこも採用せず、障害者学校とか、購買に天皇の写真を販売する右系の学校くらいしか採用されませんでした。なおその数少ない採用校の一つに学校法人麗澤系列の高校とかも入ってますが、地味に親類もその系列の学校に当時通っており、なんていうかもうちょっと学校選択どうにかならんかったのかなという風に今思います。

 では実際の教科書の中身はどうだったのか。いくつか特徴を挙げるとまず古事記の神話の説明から始まり、二次大戦は聖戦だと書いて、米国には嫌がらせを受けてるとして、でもって日本以外の国の記述は極端に少ないというのが大きな特徴だったと思います。このつくる会の教科書が発行された当時、私は高校生でしたが話題となっていたことから一応は手に取って中身を読んだことがありました。でもって当時から歴史通、っていうか歴史科目では評定で最高評価以外取ったことがないくらい今とほぼ変わらない状態だったのですが、そんな私の感想はというと、

「余計なことばかり書いてあって大学受験には使えないな」

 という、今の自分からしてもびっくりするくらいリアリスティックな感想でもって読むのをやめました。一応言っておきますが、上の感想は今考えたわけじゃなく、当時本当にこんな感想を私は持ちました。
 ただある意味でこの感想は正鵠を得ていたというか、つくる会の教科書がその努力の割に全く広がらなかった要因を突いている気はします。結局のところこの教科書は保守派の主張ばかりが込められていて大学受験の歴史科目に必要な知識が網羅されておらず、「大学受験に勝てる教科書」という高校生、現場教師のニーズを全く無視した内容であったことから、内容に一定の評価を持ちながらも実際に採用にはまでは踏み切れない学校が多かったのではないかと私は見ています。

 またこの教科書の問題点としてかねてから挙げられているように、メンバーに歴史学を専門とする学者がほとんどおらず、年号を始めとして稚拙な間違いも散見されたことも評価を下げる原因となっています。本当に少年少女に愛国心が持てるような教科書を作りたかったというのなら、最低限の「質」のラインを確保した上で自分らの主張を盛り込むべきだったろうと今書きながらでも思います。

 なおつくる会のその後ですが、元々がクセのある保守派論客の集まりだったということもあってメンバー間の意見対立は常に止まず、発足以来何度もメンバーの集散離合が繰り返されています。何故そうなったのかというとやはり「自虐史観の排除」という目的の元に一同集まったものの、以下のような対立点を抱えたままお互いが全く主張を譲らなかったことが原因でしょう。

・親米か反米か
・二次大戦は日本の侵略か聖戦か
・天皇を神格化させたいか否か
・明治維新をどう評価するか
・A級戦犯は有罪か無罪か

 ただでさえ恫喝すら厭わない保守派論客同士の集まりだったことを考えると、プロ野球に例えるなら江夏、門田、江本、江川、落合、清原、伊良部、中村紀といった我の強いプロ野球選手一同が全員同じチームに在籍しているような感じだったんじゃないかと勝手に想像しています。っていうか自分で言っておいてなんですが、監督はストレスで発狂するだろうけど上記のようなナイトメアチームをいっぺん見てみたいような気もします。

 つくる会のその後に戻りますが最初の発行以降もメンバーを変えながら改訂を続けていたものの、実質的にスポンサーとなって発行を引き受けていたフジサンケイグループ傘下の扶桑社から、「内容が右に偏っている」などと右寄りの出版社にまで言われた挙句、提携関係を打ち切られるという憂き目を見ています。
 フジサンケイグループと扶桑社はその後、別会社を作った上でつくる会を離脱したメンバーによって発足した「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(教科書改善の会)」が作る教科書の発行を手掛けるようになりました。つくる会の方も自由社を新たなパートナーに選んで発行を続けてるそうですが、こう言ってはなんだけど自虐史観に問題を感じている人はそこそこいたと思うし期待していた人も少なくなかったのだから、少しくらい尖がった主義主張を抑えて普通の教科書に仕上げていれば違っただろうと思うだけに商売の下手な連中だったなというのが私の彼らに対する総括です。

2017年2月3日金曜日

日中での就労意識の違い


 昨夜は友人と一緒に水城路駅近くのカルフール対面にある「月下」という鰻屋でメシ食って、ビール一杯で頭痛起こして大変でした。なおこのお店は「料理は味より栄養価」を豪語してやまない自分をして、リーズナブルな値段に対し味が別格だと感じた唯一のお店なので興味のある方はぜひ足を運ばれることをお勧めします。

<パナソニック>午後8時までに退社 国内10万人に通知(毎日新聞)

 話は本題に入りますが、上記のニュースはこの前報じられたものですが結構大きく報じられていたので見ている人も多いのではないかと思います。このニュースを見た私の感想をありのまま(れりごー)に述べると、「新年早々、パナも面白い冗談を言うなぁ」というのと、「来年にはなかったことにされてるだろうなぁ」の二種類でした。意外と関東の人はあまりパナの実態を知らない人が多いですがこここそ電通を越える体力至上主義の会社で、どれだけ業績を上げたかよりもどれだけ立ってられるかが評価される会社なだけあって、パナ系列の子会社にいた友人も一ヶ月の残業時間が200時間越えてました。
 まぁ電通問題で労働時間が話題になっているから宣伝兼ねてちょっと便乗してみただけで本気じゃないだろうというのが私の見方です。これに対し日本人の友人は、経理とかは決算期とかだと8時退社じゃ済まないだろうとした上で、研究職とかではやはり難しいのではという見方を示しました。

 一方、昨夜に「ボーナスを受け取ったから」という理由で私のおごりで鰻丼を食べた友人の上海人はこのニュースについて、「普段から8時まで残って仕事しているというのが信じられない」と述べ、そもそも8時まで仕事すること自体があり得ないという中国人を代表する意見を語ってくれました。

 中国でも一応残業代規定はあるのですが、実際に残照代が支払われることはそれほどありません。というのも、みんな定時過ぎたら速攻で仕事切り上げて帰るからです。むしろ経営者側が繁忙期などにおいては従業員を説得して残業してもらうようなケースも少なくなく、いくら残業代がもらえるからと言って夜8時まで残って仕事するなんて中国人に言わせればクレイジー以外の何物でもないでしょう。
 もちろん中国においても証券や不動産業など遅くまで仕事するのが当たり前という業種もありますが、それでも日本ほど激しくはない上、振り替え休日などは細かく設定されて回しています。それこそもしそういった待遇をきちんとしなかったり残業代を払わなければ中国人従業員はすぐに労働者の権利を主張するか離職するでしょうし、またそういったことをする会社はすぐにネットなどでいろいろあることないこと書かれ、社会上でも経営能力のたらない会社だとみなされたりします。

 だいぶ以前にも書きましたが、こと経営者の資質においては日本人よりも中国人の方が平均的に上でしょう。日本の場合は法令無視したり従業員を酷使した所で当事者である従業員は何も言い返さず従順に従いますが中国ではそうもいかず、従業員の扱いでは日中でハードルの高さが大きく違います。もっとも日本の従業員の場合、従順を通り越したものだと私は考えていますが。

 話は戻り中国の就労意識についてですが、やはり残業代を多くもらえるよりかは家族との時間や自分の時間を優先し、またそれを確実に実行しようとアクションを起こしてきます。日本も最近の若い世代は恐らく同じ志向でしょうが、残業代も出ないにもかかわらず何も反抗せず愚鈍なまでにいうこと聞き放題です。
 なおビンラディンみたいなうちの親父の様に日系企業の大半はきちんと残業代を支払っていると勘違いしている人も中にはいるかもしれませんが、電通然り三菱電機然り、超一流の大企業ですらああいう様だというのに中小企業が払っているわけなどなく、私の見立てでは9割方の企業は全く支払わないまたは法定通りに支払っていないと私は断言します。

 こうした残業に対する意識と合わせ、日中の就労文化で最も異なる点を私から上げるとすればやはり「転勤」の有無に尽きるかと思います。中国、というより多分日本と韓国以外では軍隊や省庁を除くと転勤という慣例は恐らく存在せず、最近本気で周りから日本人扱いされず大陸浪人だと言われる私の目から見ても珍妙な日本文化だなという風に見えてきました。
 たとえば工場や新規店舗の起ち上げの際に本社から指導員が派遣されることは中国でもありますが、それでも期間的には一ヶ月や二ヶ月など長期出張レベルで、本当の意味での転勤といったら海外駐在くらいな気がします。一方、日本は言うに及ばず、「住宅を買ったから」というよくわからない理由で地方に転勤させたり、無駄にローテーション組んだりして地元で人員を採用するなんてことはせずやたらめったら転勤を強制したがります。

 なお前の会社でも、東京の営業社員と名古屋の営業社員をちょうどお互いに交替するような形で二人同時に転勤させていましたが、果たしてこの行為に意味があるのかと元同僚と一緒に悩んだりしました。かつて横浜ベイスターズを率いた伝説の名将、山下大輔元監督はある日の試合中にレフトとライトの守備位置をお互いに交替させるという采配を取ったことがありますが、この故事から私は誰も得しないような無意味な交替転勤のことを「レフト・ライトチェンジ」と呼んでおり、その適用第一号となったのが上記の例でした。

 必要な転勤とかなら私もある程度はわかりますが、恐らく日本で行われている転勤は実際にはそれほど必要性がなく、むしろ転勤させることを目的として企業がやっているようにしか見えません。日本よりなんぼも広い中国ですら転勤なんかなくたってそれなりに経済回ってることを考えると、もうちょっと日本人は頻繁な転勤の必要性とか、最初に上げた8時退社でも外国人からしたら異常と受け取られる労働時間をもうちょっと真面目に考えたらどうかと言いたくなります。

2017年2月1日水曜日

トランプ政権成立に伴う世界情勢予測

 毎日毎日朝十時に起きて、寒いからそのままふとんから動かない日々をもう一週間近く続けていて何だかいろいろ思うところがあります。っていうか一昨日からマジ寒くて、布団の中からリアルに出られません。暖房かければいいだけの話ですが、自分は空調での暖房だけは絶対に使わないという掟があるため、電気カーペットだけで堪える日々です。

 話は本題に入りますが、設立前にどうこういうのもあれだと思ったので今まであまり語らず、何故かトランプマンについて語ったりしましたが、そろそろ動き出してきたのもあるので米国のトランプ政権設立と今後の世界情勢について自分の見方を解説します。
 にしてもああ寒い。マッドシティにあった隠しベースほどではないけど。

 まず政権成立から数週間経ってわかったこととしては、この人は公約をきちんと守る人だったのだなってことです。それもかなり忠実に。
 既に大分大きな波紋を呼んでいますが中東七ヶ国の出身者に対しテロから守るためといって米国入国を拒否するなど、無茶苦茶と言われた公約を確かに実行しています。この分だとメキシコ国境沿いにも本気で壁、恐らくは電気柵のようなフェンスになるのではないかとは思いますが、こっちも本気でやりそうです。

 こうした米国内の内政以上に、外国人として注視すべきは今後の外交姿勢でしょう。こちらの外交については今のところまだはっきりとした方針を打ち出していませんが、あくまで私がこれまで見てきたトランプ大統領の印象を元に今後どうなるのかを現時点で予想してみます。

 外交方針を占ううえで当事者の性格は非常に重要ですが、傍目から見てトランプ大統領の性格の大きな特徴はなによりも自分の間違えを認めたがらないところにあるのではないかという気がします。その上で外交観としては、縄張り意識が非常に強い所があるように思え、逆を言えば自分の縄張りの外はあまり気にしないタイプなのではないかなという風に見ています。
 そうした前提のもとで述べると、恐らく最も関係がよくなるのはロシアで、南北アメリカ大陸に干渉しない限りはヨーロッパは好きにしていいとトランプ大統領は言いそうで、クリミアとかその辺については頭から眼中にないでしょう。その上でプーチンの辣腕ぶりと自らを重ねそうなので、核兵器協議と合わせて今後の米露関係は明るいのではないかという気がします。

 逆に、今後最も関係が悪化するのは間違いなくといっていいほど中国でしょう。選挙戦中も米中貿易赤字について何度も槍玉に挙げながら批判を繰り返し、貿易方面で何らかの妥協を必ず引き出すなどと公然と攻撃していました。
 また中国の場合、ロシアと違って「ここからここで住み分けよう」などという概念が通じません。ロシアであれは東欧さえ見て見ぬ振りしてくれれば米国の領域に干渉するようなことはありませんが中国の場合はその覇権主義からなんとしてでも米国の領域を侵食しようという国家意識があり、トランプ米大統領の考える縄張り、具体的に言えば南沙諸島とフィリピン、後ニュージーランドとオーストラリア方面への影響力を高めようとするでしょう。
 その上といってはなんですが、トランプの外交姿勢は中国からすると「舐められている」と受け取られる可能性が高いです。中国には「損して得取れ」という概念はなく、むしろ「得を捨ててでもメンツを守れ」という国民性から、恐らくはトランプの挑発を真に受けて批判合戦を繰り返すこととなるのではと予想します。

 こうした米中関係の悪化に伴う日本の影響を考慮すると、日本としてはまぁ動きやすい位置になるでしょう。経済的にはまず中国国内で米国車のシェアが落ちて日独メーカーが恩恵を受け、また工作機械などでも日本からの輸出や現地生産が伸びるのではないかと思います。
 また防衛上では米中関係が悪化することで米国にとっての日本のプレゼンスは高まるため、いろいろと条件交渉をする上でやりやすくはなるでしょう。もっとも、日本の領土が米国の領域であるとトランプ大統領が考えているという前提の上ですが。

 最後に日米関係についてですが、まず先程の米露関係の融和から北方領土交渉はオバマ政権時代よりは「好きにしていいよ」と言われる可能性が高く前よりはやりやすくなるのではないかと思います。貿易に関しては既に言われている通り自動車方面で日本へ圧迫をかけてくることでしょうが、このトランプ大統領の日系自動車メーカー批判は既に大量の現地生産がおこなわれているという実態をわかって条件を引き出すためにやっているのか、それとも本当にその事実を知らずにやっているのかで対応は変わります。
 これがどっちかについては意見が割れ、つい先日も知人とかなり激しく言い合ったのですが、私個人としては恐らく後者のような気がして、最初に述べた間違えを認めたがらない性格から訂正せずそのまま信じ込んでいるような気がします。とはいえこっちの場合でも事実をありのままに伝えたところで振り上げた拳をすぐには降ろしようがないため、何かしら仕掛けなりアクションを起こして考えを一変させるような駆け引きが必要でしょう。