2017年3月26日日曜日

ロジックで考える人の希少性

 今日動画では見ていませんが怪我を押しての強行出場を続けた稀勢の里関が本日、二場所連続優勝を遂げられたとのことで、正直私も一回の優勝で横綱にさせたことについていささか不安を感じていましたが、今場所の優勝についてはその怪我の具合を考慮すると見事としかいうほかなく、日本人横綱としての名を恥ずかしくないものにした立派な功績だと感じました。

 さてそれで本題ですが、以前にも一度書きましたが中国でコナンや金田一といった推理漫画、果てには京極夏彦氏などの小説は中国でも大人気で、特に小説の方は海外文学コーナーに行くと日本人作家の小説がずらりと並んでおり、実質「海外文学=日本文学」と言ってもいいくらいの状態です。こうした日本の文物が受け入れられる背景について中国人の友人の嫁さんが、「中国人にはあんなロジック(論理)は組めない」と分析し、だからこそ受け入れられるという見方をしめしたことがありましたが、確かに中国人に推理小説を書けそうな人ってあまり浮かばないなと思うだけに、妙に納得させられる意見でした。

 ただこうした中国人からのコメントを受けつつも、果たして日本にロジックを理解している人はどれくらいいるのだろうかという問いがこのところ頭をもたげています。この場合のロジックというのは意見や主張の論拠や合理性を筋道立てて説明、理解することを指しており、想定不可能な事態や事故による結果の変動や予測間違いは含みません。
 敢えて私流に言わせれば、「話せばわかる」というのがロジックで考えられる人の定義となります。

 こんな風な疑問を持つのも、単純にロジックが日本社会で通ることが少ないと思うからです。いくらか入る感情の余地を考慮したとしても結構無茶苦茶な、有体に言えば明らかに論理破綻していて誰もが上手くいかないと考える意見が通って、実施して、案の定うまくいかなくなるというパターンは東電の凍土壁を始め世の中いくらでもあります。そういうパターンに多いのは、「声のデカい奴の意見が通る」という情景で、要するに発言力の大きさで採用意見が決まる、意見の中身というより誰が発言したかで決まるという形態です。
 っていうか声のデカい奴が大抵どこでも無能というのが地味に大きなトピックのような気もしますがそれは今回は割愛しましょう。

 こう言う風に言えば、「いや、間違っているのはわかるんだけど相手が相手だけに反論できない」という言い訳をほぼ確実に言われますが、意見に対して何故その意見が誤っているのかなどを論理立てて説明するよう求められても案外その手の言い訳する人は説明できません。なんとなくですが、ぼんやりとその意見は誤っているとは感じつつも、それをきちんと理解するには至れていない感じです。
 こうした傾向は通常の議論でもよく散見され、私が論拠の不備や自分の意見を優位性があるとまでは言わなくとも存在する可能性はあると主張した場合、よう「でもそれは気持ち的に納得できない」などと、反論意見において感情論を主張されることが多いことからもロジックがないなと感じる人は多いです。ゲロ吐くような気持ちになろうが合理性、論理性的に正しい意見は受け入れるというような精神は、大学時代を除くと周囲の人間に感じたことはありません。

 これ以上長く述べててもしょうがないので言いたいことを述べると、案外大学教育でそうしたロジックの組み立て方や議論について学ぶべきものを学んでいないという人がこのところ多いような気がします。特に、議論で負けることを恥だと思い論理的に破綻していながらも主張を曲げないような人を見る度、議論で自分の意見を曲げることは恥ではないということすら学ばなかったのかと感じたりします。
 なお論理破綻を無視して感情論を述べる人間に対しては自分も変な手加減は要らないと考え、そこから感情論に切り替えて相手への攻撃を始めることが多いです。基本的にこの手の感情論の議論は論理を無視しての怒鳴り合い、罵り合いとなるわけですが、話せばわかる人にはもちろんこうした手段は使いません。けど使っていいと思う相手なら遠慮なく使い、でもって年齢と共に声もでかくなってきたので最低限引き分けには持ち込む自身は今の自分にはあります。無論そうした手段がいいとは思わないものの、ロジックを考えない人にむざむざ屈するよりかはという気分で私も感情論を主張するわけです。

2017年3月23日木曜日

大手企業の栄枯盛衰

 WBCは残念ながら負けてしまいましたが、米国もまた見事な野球ぶりであったことを考えると恥じる敗北ではないなと思います。なお敗戦を伝えるニュースについたコメントに、「普段、援護のない菅野ざまぁとか思ってたけど、巨人ファンはいつもこんな気持ちで見てたんだね。もうこんなこと言うのやめるよ」というコメントが心に突き刺さりました。それにしても、国際戦でも「負け運」がついてしまうというか援護に恵まれないというか……。

大手有名企業の2001→2016年度の業績変化がヤバ過ぎワロタwwwwwwwwwwwwwwww(アルファルファモザイク)

 こちら、先日たまたま閲覧したまとめ記事サイトのニュースですが、非常によくまとめられて価値のある情報であるため、ビジネスマンであれば必ず見ておくべき記事内容です。なお別にビジネスマンでなくても、ワンダーウーマンであっても問題ありません。
 内容は見出しの通りに2001年度と2016年度における各大手企業の業績を業界別にまとめてあります。一見すると売上げが大幅に落ちていながら実はものすごい増益をしている会社があったり、目立たないけど着実に増収増益していたり、あまり悪い話は聞いていなかったけど実は結構業績が悪くなっている会社などが割と一目でわかるようになっています。

 友人この記事を見せた際、ちょっと話題になった数字は以下の数字です。

・電機大手その1
【NEC】
売上高 5兆4097億→2兆6800億
営業利益 1852億→300億

【富士通】
売上高 5兆4844億→4兆5000億
営業利益 1897億→1200億

【ソニー】
売上高 7兆3148億→7兆6000億
営業利益 2253億→2400億

【東芝】
売上高 5兆9513億→5兆5200億
営業利益 2321億→▲4100億

 東芝は言わずもがなですが、地味にNECが売り上げが半減化し、営業利益に至っては五分の一になるなど往時の勢いがみられません。友人も、東芝ばかり槍玉に挙げられるが地味にNECの方がやばいのではと言及しており、こうして改めて数字を突き付けられるとなおもその印象が強まります。
 こうした電気系に加えもう一つ気になった会社はこちらです

【JT】
売上高 4兆5017億→2兆1100億
営業利益 1320億→5600億

 噂には聞いてはいましたが、売り上げが半減しておきながら利益は4倍超になるという恐ろしいほどの好業績をJTが叩き出しています。脱タバコ化が上手くいって食品などの事業が好調とは聞いてはいたものの、営業利益率が約4割って普通に有り得ない凄さです。

 このほかに紹介されている企業もどれも一見の価値があるので、自分の方から説明するような蛇足はしないので是非読んでみてください。それにしても、こうした整理された情報ってやっぱり価値があるなぁ。

2017年3月20日月曜日

知られざるたなぼた

 今日昼ごろ、もしも阪神ファンが保育園に落ちたら「保育園落ちた巨人死ね」とか思うのかなと考え、その後もSF好きなら「保育園落ちた日本沈没」、香川県民なら「保育園落ちたうどん食おう」などと妙な言葉を思い浮かばせていました。

永田寿康元議員の自殺について

 それで本題に移ると、上のリンク先は私がかなり昔に書いた記事なのですが実はここ数日間で物凄いアクセス数を稼いでいます。理由は簡単で、例の森友学園問題で民進党が一旦跳ね上がったテンションを落として慎重になりつつあることについて、「かつての永田偽メール事件の反省からか」などと書かれているからでしょう。この事件もかなり昔の事件だというのにこうして現代にも引用され、さらにそれを検索する人がいるというのは私にとっても驚きで、それだけインパクトのある事件だったのだと再確認させられました。
 なおアクセス数がどれくらいかというと、ここ三日くらいで1500ビュー位いってるんじゃないかと思います。普段このブログは全記事合わせて1日500~600ビュー位なのですが、実質この記事一つで1日分のアクセス数を稼いでる計算となります。永田元議員についてはほかにも書いてる人いると思うのに何で自分所来るんだろう。

 それでまた話を変えると、例の森友学園については23日に国会での証人喚問が迫って話題性は嫌が応にも高まってきています。特に籠池氏が安倍首相から100万円をもらったという先の発言が取りざたされていますが、それについて上記の通り民進党は当初でこそそれみたことか世紀末と言わんばかりに大騒ぎしたものの、日が経つにつ入れてトーンダウンしています。

森友学園の「寄付」は籠池理事長の自作自演(アゴラ)

 その籠池発言について、現在までに出ている材料を分析すると上記の池田信夫氏の推論が最も正しいのではないかと思います。っていうかなんかどっかで見た名前だなとか思っていたら私と同じく池田氏もJBpressで定期的に記事を出していました。こういう関係ってなんていうんだろう、連載仲間?

 話は戻りますが上記のアゴラ寄稿記事で池田氏は、100万円の送金云々は森友学園側の自作自演説を唱えています。根拠としては振込の証拠として出された郵便局の払込証憑で、この証憑では籠池氏自らが自分の管理する口座に100万円を振り込んでいることしか立証していません。籠池氏自身はこの時の100万円は安倍昭恵氏から直接受け取った100万円の現金だと言っており、当初は安倍首相名義で振り込もうとしたが郵便局に止められて出来なかったから自分の名前で振り込んだと言っているわけです。
 しかし、普通に考えればツッコみどころ満載で、何の証拠にもならない証憑を取り出して安倍首相からお金もらったと主張するには無理があるでしょう。ではなぜこんなカスみたいな証憑でそのような主張を展開するのかというと、何かしら意図があるとしか思えずこの自作自演説は確実だとはまだ言い切れないもののありうる可能性としては高いのではないかと私も思います。

 では籠池氏は何故このような主張を展開したのか。これも憶測で述べれば安倍首相に対して逆恨みみたいな感情を覚えたが故の嫌がらせではないかという気がします。権利ばかり主張して義務を果たさないタイプというのは往々にして逆恨みが激しく、「あれだけ応援してたのに何故助けてくれない」などと安倍首相に対して反感覚えてやったんじゃないかという風に私は見ています。

 真実はどうであれ、ただ一つ言えることはこの籠池氏は書類の捏造と言い間違いなく山師というか詐欺師の部類に入る人物で、その証言はどんな些細なものでも鵜呑みにすることが出来ない人物です。だからこそ民進党もここにきて慎重になってきたのでしょうが、それにしてもその対応は無様としか言いようがありません。
 仮にこの安倍首相の献金発言を無視して徹底的に、何故国有地がタダ同然で払い下げられたのかを追及していればもっと世論も盛り上がっていたことでしょう。現状見る限り国有地払下げよりも安倍首相献金疑惑の方が話題となってしまっており、いわば攻めたところで価値のない、出口のない袋小路への道に突入してしまっています。ほんまあほやなぁ。

 国有地の払い下げに関しては常識的に考えて何らかの政治的圧力がかかったことはほぼ間違いないでしょう。まだ確証はないもののいくつか黒幕候補は既に出揃っているのですから、それらの黒幕に星をつけつつきちんと質問すればそれなりに民進党はいい結果を出せるはずですが、果たして23日の証人喚問はどうなるのかといったところが今日の感想です。

2017年3月19日日曜日

「レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ」の4巻を読んで

 今更ながらWBCの菊池選手の動画を見て今日ひとしきり感動していました。今まであまり知らない選手でしたが、シーズン中のプレイでも守備位置が明らかにほかの選手と比べ深く、広く、これほど規格外な選手がいたのかと唸らされました。
 さて本題ですが昨日は体力的にも余裕があり(つっても睡眠時間は13時間くらい)、暇だったので新刊チェックしていた所、「レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ」という漫画の最新刊に当たる4巻が発売されていたので購入して読んでました。

レッド (山本直樹)(Wikipedia)

 「レッド」というのは知ってる人には早いですが新左翼団体による山岳ベース事件、そしてあさま山荘事件をテーマにした山本直樹氏の漫画作品です。さきほど4巻と言いましたが当初は「レッド」というタイトルで8巻まで出され、恐らく編集部も中だるみに対する展開の切り替えという意図を持って「レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ」とタイトルを変えて続刊していますが、実質的に両作品は一連の作品です。切り替えポイントはまんま、山岳ベース事件が始まるところです。

 細かい説明は抜きにして最新巻4巻の概要を述べると、この巻で総括が終わります。この漫画には特定人物の頭部付近に○で囲まれた1~15の数字がすべてのコマに書かれているのですが、これはまんま死ぬ順番で、この順番の通りに連載当初からいたキャラクターたちが死んでいきます。これまでにもすでに多くが死んでいましたが、4巻では悲劇的に語られる妊娠八か月だった女性、そして主人公(植垣康弘氏がモデル)と恋仲だった女性、そして最後の総括死亡者である最年長メンバーの男性が死にます。

 元々こうした新左翼事件に興味があったことから読み始めた漫画で、こうして一通りの悲劇が終わるまで足かけ12冊もこの漫画を読み続けていたことからもこの巻は感慨深く、そしてややもすると丁寧に書かれているゆえか展開が遅く中だるみ感を感じていた前半箇所(レッドの1~6巻当たり)と比べると怒涛の如く死人ラッシュが続いた上、警察に追われいよいよあさま山荘へと向かっていく下りがこの巻では書かれていたため、この巻に限れば非常に読みごたえがありました。作者が意図して書いているのかまではわかりませんが、やはり総括当初と比べると登場人物それぞれが、「果たしてこの総括という行為に意味があるのか?」と言わんばかりに疑問を感じつつある表情が増えており、その辺りでも臨場感がありました。

 実際、一人目や二人目の死人が出た頃はともかく、後半になると同じ連合赤軍内部でも総括という行為に明確に疑問を持ち始める人が出ていたそうで、あさま山荘に立て籠もり死刑判決を受けた坂口弘は最後に死亡したメンバーの縄を解いたり、「必ず君を助ける」と述べたシーンも漫画の中で描かれています。もっともこうした行為は当時のリーダーである森恒夫からは問題視され、仮に森があのまま逮捕されなければ坂口が総括にかけられ殺されていただろうと当時のメンバー全員がほぼ一致した意見を出してましたが。
 こうした反応は坂口だけでなくむしろ他のメンバーの方が顕著で、死人ラッシュが続いた後は逃亡ラッシュで、こうした離脱者が出たことから残ったメンバーへの捜査が強まり最終的にあさま山荘へと至っていきます。なお印象に残った逃亡シーンとして、最初からいた男性メンバーが逃亡した後、時計を質屋に出して手に入れた千円で野菜炒めライスを食べ、東京へと帰ったとするシーンです。

 こうした総括シーンもさることながら、森恒夫と永田洋子がついに逮捕されるシーンのモノローグでは、「東京拘置所内で病死」と連載中に起こった出来事が書かれてあってなんともいえませんがふふっとなりました。そしてその後の、残ったメンバーが警察の捜査網から逃れるために妙義山を越える場面で植垣氏が「これはまたどえらい作戦ですナァ」と述べる場面と、それから続く雪の残る妙義山の山嶺を渡っていくシーンは素直にきれいだなという感想を持ちました。さらにその後に続く、「山岳アジトに参加した者37名 逃亡者離脱者8名 乳児1名 逮捕者5名 死者15名(山岳アジト以前も含む)」というモノローグを見て、自分も長くこの漫画を読んできたなぁという感慨を持った直後に「残り9名」というモノローグでこの巻は閉じられています。

 これは実際に植垣氏から私が聞いた話ですが、「ワシがいなかったら山は越えられんかった」と述べており、漫画のシーンだけでもどれだけ困難な山越えをやっていたのかと呆れかえると共に、やはり現代にないアドベンチャーがこの時代にはあったんだなと自分でもよくわからない感想が出てきました。

 自分がこの漫画、ひいては山岳ベース事件とあさま山荘事件に興味を持つようになったきっかけは、作家の佐藤優氏の小菅ヒルズにおける隣人が坂口弘だったと書かれていたことからですが、その後も強い興味を持ち続けているのは果たして自分があの中にいたらどうなっていたのだろうかと未だに自問自答し続けているからです。総括にかけられ殺されていたのか、一緒になって総括をかけて殴打したのか。植垣氏曰く、集団狂気でもなくマインドコントロールでなく、強固な論理構造の上で誰もが正しいと思って総括を行っていたという分析が未だに自分の頭をもたげます。


2017年3月18日土曜日

中国の進歩なき建材について

「イラン人が血だらけで…」路上で若い男性死亡、殺人容疑で捜査 名古屋(産経新聞)

 本題と関係ありませんが上のニュース見て、「名古屋」、「イラン人」だから中東系の顔したうちの親父が刺されたのかと本気で疑いました。ちなみにうちの親父は昔、仲間だと思われたのか上野でイラン人に声かけられたそうです。

 話は本題に入りますが、私が昨年から入居している賃貸住宅は入居直前にリフォームされたこともあって非常にきれいな部屋だったのですが、このところ壁の端っこ当たりを見るとひび割れが見え始めるようになりました。何もこの部屋が欠陥住宅だからというわけではなくこうしたことは中国では日常茶飯事で、総じて建材の質が日本と比べると極端に低い傾向があります。

 特に日本と差が出るのは壁材こと漆喰とコンクリートで、どちらもほんのちょっとの年数や衝撃で簡単にひび割れします。漆喰に至っては少し物が当たった程度でへっこみ、また湿気にも極端に弱いのかびっしりとカビが生えることも珍しくなく、メンタルの弱い日本人はこの程度で軽く鬱になります。コンクリートも同様で、こちらは住宅というよりかは市街地の方が顕著で、中国は大型トラックを走らせることが多いせいか道路は普通アスファルトではなくコンクリを敷きますがしょっちゅうひび割れてはえらいことになってます。また道路に限らず、ちょっとした階段や塀に使われているコンクリも簡単に穴開いたりひび割れたりで、それがこの十年の間で何も進歩がありません。

 一応、高級な住宅地やオフィスだとそういうひび割れは見られないので金懸ければちゃんとした建材というか施工もしてくれるのかもしれませんが、それにしても末端がいつまでもこれではどうか、中国も業界の最低基準とかもうちょいしっかりさせたらどうかと言いたくなるレベルです。
 百歩譲って漆喰は家主の意向で安価なものに需要があると認めるにしても、道路や塀といった公共物に使われるコンクリートに関しては明らかに見ていて不安になるレベルで、コンクリなんて土石物はいい物も悪い物もそれほど単価に差はなく、混ぜ込む際の技法さえしっかり確立させてしまえば後は安定するんだから、なんでいつまでも指導せず放っておいているのか不思議でしょうがありません。

 なおこれ以外の建材を挙げると水道管も日中で大きな差がありますが、これに関しては中国の質が悪いというよりは日本の水道管が異常な水準にあると考えるべきかもしれません。最新の水道管は掘り返さずに破損個所の修復や補修までできてしまうそうで、なんでこういうところにこれほどまでに情熱燃やすんだろうと呆れると共に頼りがいがあります。

2017年3月17日金曜日

中国経済の穏やかな不気味さ

 日本ではそろそろ花粉症の季節だと思いますが、よく駐在員の間では「この時期だけは中国にいたい」と話す人が多いです。というのも中国だと花粉症はなく、心地よく空気吸えるからだそうです。私自身は花粉症ではないので実感はないのですが、よく中国というと空気が悪いというイメージで話されるものの花粉はPM2.5に入らないのかとかいろいろ考えると、この時期に関しては日本の空気もどんなもんかねという気がします。
 さてかなり久々に中国経済の話をしますが、結論から言うとやや不気味さを感じています。そしてその不気味さに気が付いているのは私くらいではないかとも思います。

 まず中国全体の景気ですが、この規模の経済力にしては依然と世界最高水準の成長率を維持してはいるものの、やはり依然と比べるとその速度は落ち込んでいます。これ自体は問題ではないものの、経済戦隊の成長率が鈍化する中、私も以前に取り上げた給与の昇給率に関しては10%弱を維持しており、GDP成長率を上回る数値を維持しています。これがどういうことを指しているのかというと、実体経済以上に所得は増加しているということです

 所得が実体経済以上に増加しているということそれ自体は問題ではないのですが、気になるのは鉄鋼や石炭を始めとした重工業系産業が落ち込んでいるにもかかわらず所得が増加している点です。重工業は雇用吸収力が高い、言い換えれば売上げが大きく雇う従業員が多いことから雇用の安定で重要な要素となるのですが、その重工業は先ほどの鉄鋼、石炭共に中国では物凄い落ち込み方をしているにも関わらず、どこも国有系企業のため統廃合もなかなか進んでいません。
 これはどういうことを意味するかというと、収益が悪化しているにもかかわらず給与が増えているということで、実態に合わない給与支払いが続いているということです。そのため産業転換も進まず、会社自体のリストラも進まずということで、今はともかく今後かなり大きな問題になるのではないかという風に思えてなりません。

 私がこの事実に着目したきっかけは、GDPがこのところ落ち込みを見せている遼寧省の実態に関するニュースをみたことからでした。遼寧省などまさに国有企業の巣窟というくらい国有企業が多く、実際にどこも経営が悪化しているのですが、現場の報道によると市民自体はそれほど切迫感を感じているようでなく、生活もそれほど悪化していないと報じられていました。
 私自身の実感で言っても、二次産業系企業は自動車産業を除きほとんどどこも苦しくなっており街の人も「景気が悪くなった」とよくいいながら、消費それ自体はそれほど落ち込んでおらず、むしろ政府の支援もあってますます盛んになってきています。強いて言えば、「以前ほど大きく昇給しなくなった」といったところで、経営が悪くなっていながらどこも昇給率を抑えつつも昇給自体は続けているようにも見えます。

 具体的に何が言いたいのかというと、二次産業を中心に収益モデルが限界を迎えている、或いはすでに越えているにも関わらず、雇用を維持し過ぎてリストラや再建が全く進んでいないのではないかと言いたいわけです。日本の90年代の様に短期的にはともかく、長期的に見てリストラや企業同士の統廃合は早ければ早いほどよく、遅ければ遅いほど悪影響は大きくなります。
 中国政府も馬鹿じゃないですから「ゾンビ企業」という言葉を使って産業の統廃合を進めようという姿勢自体は示していますが世間から、「リストラ(クビ)にあって生活が大変」なんていう意見はあまり聞こえず、お世辞にもこうした指導は行き届いていない様に感じます。

 全体景気が悪化していて景気が悪いと言いながらもどこが他人事のよう、そんな感じが今の私が感じる街角景気です。割と中国びいきの私ですが、この辺については確かに大きなリスクでもっと強く対策に取り組むべきだと提言したいところです。

2017年3月15日水曜日

再配達関連記事の反応を見て

 最近も―忙しくて家帰ってくるのもいつも夜遅くです。仕事が忙しいののはともかく、連夜で会合があったせいというのが何より大きいのですが。

「再配達地獄」を解決するシンプルで効果的な方法(JBpress)

 そういうわけでもはや恒例となった自分で書いた記事に対する自分のリファレンスです。上記記事は今週月曜に配信された記事で、普段中国に住んでるくせして何故だか日本の物流業界について語ってます。一応、中国的要素も含まれていますが。
 記事内容は読んでもらった方が早いですが最近何かと話題の再配達問題について、中国のネット通販では基本的に自宅ではなく職場で荷物受け取るから再配達ないよとこちらの物流事情を紹介してます。その上で日本だと公私混同と受け取られて反発を招くだろうが、そんなの価値観次第の話だからそういう余計なのを改めて、日本でも職場配達を普及させればノーコスト、ノーニュープランで再配達を大部分減らせられる可能性があると主張しています。

 この記事の内容ですが元々はJBプレスの記事に書く予定はなく、ブログでササッと書いて終わらせようと考えていた内容です。ただ執筆前に友人へ簡単にプロットを説明した所、「その発想はなかった。絶対JBプレスで書くべきだ」と猛プッシュに遭い、たまたま編集長も上海に来て会った頃だったので「こんなん書いて載せてええ?」と聞いたら即OKだったので書くことにしました。
 書いてみた感想としては正直何の取材もいらず構文さえ組み立てればいいだけだったので非常に楽でした。そんなラクラクに書いた記事で当日JBプレスサイト公開記事でアクセス数1位(久々)を取った上、2ちゃんねるにもスレ立てられるというのだから、つくづく世論というのはわからないものです。

 一応というか国の再配達に対する調査や対策案など資料をあらかた調べてはいるのですが、対策検討会では記事中にも書いていますが宅配ボックスとコンビニ受取りの二案しか提唱されておらず、さらに両プランのデメリットには触れられておらずはっきり言えば既定路線を歩むだけの検討会なのではという疑念がよぎりました。私が紹介した職場受取りなんて海外の物流事情を調べれば一発でわかる内容だというのに指一本触れられておらず、先ほどの友人ともども急に宅配ボックス設置に補助金出すとか政府も言い出していることから、何か裏があるのではとこれまた疑念がよぎってきています。

 で、この記事は例によってYahooにも配信されてそっちの方の記事ではコメントもたくさんついています。コメント読んでて思ったけどまさかこういう記事書いてる奴が昨年末に上海大江戸温泉について取材記事書いた奴だとは思わないだろうな。
 そのYahoo記事のコメントについてまた先程の友人とも二晩に渡って議論したのですが、友人ともども気になったのはなんかやたらと細かい理由を挙げてはこの職場受取り案を全否定する人間が多いという点でした。実際にコメントの方を見てもらえばわかるでしょうが、やれ重たい荷物なら持って帰れない、日本は電車通勤だから無理、宅配ボックスで十分などと、なんでこんな日本はネガティブな思考の連中が多いんだと正直思いました。

 職場受取りを否定する理由として、「日系企業はこうした行為を公私混同と捉えいい目で見ないだろう」という意見を上げている方らについては私も記事中で触れており、至極真っ当な反論だと思います。しかしさっき上げた三つに関してははっきり言うと「記事全部読んでないだろ」と言いたくなる意見で、記事中である程度あらかじめ潰しておいた反論意見だっただけにいくらか言う奴はいるだろうと思いつつもその多さをみて、たまたま前夜に日本の子供の読解力が落ちているという日経の英語講座聞いてたから大人も結構深刻なんじゃないかと思いました。

 まず重たい荷物は持ち帰れないという意見について、これは記事中で「大きい荷物ならともかく~」と書いて、かなり明示的に除外しています。家電やお米など重たいものは自宅に届けさせるのは仕方ないとして、職場で受け取れるものは職場でっていうのがこの記事のスタンスなんですが、あれ以上さらに詳しく言わないとわからないのかと軽くショック受けました。
 次の電車通勤だから無理というのも上と少し被りますが、書籍や化粧品、雑貨程度の荷物も電車通勤なら持って帰れないものなのか。やや大きめの手提げ紙袋でもあれば10×25×30くらいのパッケージは持って帰れると私は思うし、そもそも既に職場受取りが一般的な中国では上海や北京だと普通に電車通勤です。これは読解力というか想像力の問題かもしれませんが。
 そして最後の宅配ボックスで十分という意見については、これも記事中で収容能力に限界があるのと設置に当たり投資がかかるというデメリットを強調しています。だからと言って宅配ボックスを全否定する気は私にはさらさらありませんが、持って帰れるような荷物なら職場で受け取った方が社会全体のコスト的にプラスじゃないのかというのが一番の記事の骨子なのにそれを無視してこういう発言来るのかなぁと見ていて言いたくなりました。

 このほか見ていてうーんと唸ったのは、見られて恥ずかしい物を買ったのが職場にばれるなどという意見で、「俺はいちいちこういう意見に対しても記事中で除外を明示しなきゃならんのか」と、本当に口から出てきましたこういう文句が。
 そうした個人的に納得いかないコメントばかりの中、「可能な職場で、可能な荷物だけそうするだけでも、それなりの効果はあるんだろうから。別に全面否定する必要はないでしょ。」、というコメントしてくれている人がいて、誇張ではなくこのコメントにマジ救われました。やれる範囲で導入して社会全体の負担を下げると提唱しているのに頭ごなしに、しかもあらかじめ潰している反論意見で頭ごなしに否定する人が多い中でこうしたちゃんとメッセージを受け取ってくれる人がいたのは至上の幸いでした。

 結論としては、いくらか反論は出るだろうと予想はしていたものの、合理性の比較をする前からなんかくだらない理由で頭ごなしに否定する人間が想定以上に多く、日本社会はなんてネガティブなんだと驚いたことが一番の発見でした。なおコメント見ている最中、USJ復活の立役者である森岡毅氏がバックライドを初めて提案した際に社内から反論が出て、「やってもないうちに出来ないなんて言うな!」と言ったというエピソードがずっと頭に浮かんでました。

2017年3月12日日曜日

生存説が叫ばれた歴史人物

 歴史上、死んではいるものの実は落ち延びて生きていたと噂される人物は古来より数多く存在します。かつてのその代表格は源義経で、何故だか大陸に渡ってチンギスハンになったというちょっとトンデモすぎる伝説が横行しましたが、概してその人気の高さから「実は生きていてほしい」と思われる人物ほどこういう生存説が叫ばれる傾向があります。

 もうひとり、現在ではそれほどではないものの当時生存説が叫ばれた代表格としては西郷隆盛がおり、彼に至っては大津事件でロシア皇太子を切りつけた巡査が「西郷が亡命先のロシアから戻ってくるため、西南戦争で功績を挙げた自分が処分されると思って切りつけた」と証言したことから一気にその生存説が横行しました。もちろんこれは根も葉もない主張で、また切りつけた巡査自体がちょっと精神が不安定であったことから眉唾であったものの、当時としても西郷人気が非常に高かったことをうかがわせるエピソードです。

 続いて最近になって俄然と生存説が叫ばれることの増えた人物を挙げるとしたら、私の中では明智光秀が上がります。彼は知っての通り本能寺の変の直後に起こった山崎の合戦で敗戦し、居城へと落ち延びている最中に落ち武者狩りに遭って死んでいますが、実はこの時に本当は落ち延びて、徳川家康のブレーンである南公望天海となって政界へ復帰していたという説が10年くらい前からよく見かけるようになってきました。
 この説の根拠として南公望天海の年齢が光秀と近似していること、政治手法が似ていることなどが挙げられている他、花押(サイン)が似ていたというのも挙げられています。実際に両者の花押はよく似ていて以前に見たテレビ番組で筆跡鑑定も行われていましたが、鑑定人の判定としては同一人物であるとは断定できないというものでした。ただ、筆跡が似ていることは事実でもしかしたら親類である可能性は有るという説明も加えられていましたが。

 そのほかに生存説が叫ばれた者としては近頃流行りの真田幸村で、彼も人知れず鹿児島に落ち延びていたという意見がありますがさすがにこれは願望が入りすぎていると私も感じます。一方、生存説とは違いますがなかなか「実は死んでいないのでは」とその死亡に疑義が呈されていた人物とくれば旧日本陸軍参謀の辻政信を置いてほかにいないでしょう。彼の場合は一度GHQの摘発から逃れるために戦後直後に行方をくらましており、ようやく戦犯指定から外されると再び表舞台に現れ国会議員にまでなってしまった後、東南アジアに向かうと出国して再び行方が分からなくなりました。
 現在も辻の最後については議論がなされているものの、さすがに年数を経過して寿命を迎えていることが予想されることから「実は生きているのでは?」という生存説はもうでなくなりました。ただ彼の場合は「生きていてほしい」という生前の人気の高さからくる願望というよりも、「あの辻ならやりかねん」というような一種の怪しさが往時の議論を巻き起こしたものだと私は考えます。

2017年3月10日金曜日

パククネ韓国大統領の弾劾罷免決定について

 本日、既に国会で弾劾決議を受けていた韓国のパククネ大統領について向こうの司法も断崖決議に同意し、彼女の罷免がようやく決まりました。そもそもだいがい決議前にあそこまで支持率落として毎日デモされてたんじゃ政権なんて維持できるわけもなく、その時点で自ら辞職していればすぐに大統領選挙を行って後任を選べたというのに、無駄に抵抗したせいで三ヶ月も浪費した挙句に外交でも金正男暗殺にTHAAD導入で国を追い込むなど、最後の最後まで空気の読めない奴だったなという印象しかありません。歴代韓国大統領と比べても、真面目に狂人だったとしか思えないかつての盧武鉉大統領といい勝負だったんじゃないかとすら思います。

 そんなパククネ大統領について罷免が決まったこともあっていろいろ執政成果に関する記事が出ていますが、結論から言えば外交を完全に履き違えていたというのが私の見方です。日本に対しては当初からケンカ腰で「告げ口外交」と言われるほど外国を訪問する度に日本の悪口を言いふらし続けた挙句に首脳会談にはなかなか応じず、ようやく日中韓の三ヶ国首脳会談をやろうと決まった矢先に弾劾決議を受けるなど、対日外交に関しては何がしたかったのか全く分かりません。
 そうして日本との友好の道を自ら閉ざした代わりににじり寄った先は中国でした。もともと中国にも留学していたことから親近感があったのだと思いますが、中国に対しては異常に親密ぶりをアピールするなどしていたからこそ北朝鮮のミサイル対策に米国のTHAADを導入しても問題ないと踏んでいたものの、実際に導入を決定するや中国からマジ切れされ、当時の印象からするとパククネ大統領からすればあの中国の反発は完全に想定外だったのだろうと私には見えました。

 しかもそこでもう少し外交的な駆け引きをやればよかったものを、具体的にはTHAAD導入を見送るか、THAADの能力や設置場所に制限をかけ中国を対象圏外する代わりに中国へ北朝鮮に対する制裁や説得を真面目にやらせるとか、交渉の仕方はいくらでもあったはずです。結局そうした努力は何もせずにロッテ財閥の保有する中国も一部射程圏内に納める敷地へ導入を決定したもんだから、ご覧の有様になっているわけですが。
 軍事に関しては正直素人ですが、私の目から見てTHAADを導入したからと言って韓国の防衛能力的に意味があるのかというと疑問です。北朝鮮からすれば中・短距離ミサイルによってはTHAADの撃墜対象外で韓国に打ち込めるでしょうし、何なら潜水艦からのSLBMだっていいでしょう。またミサイルが韓国本土に撃ち込まれるということはもはや戦争状態に突入するということを意味しており、その場合であればミサイルを防いだとしても休戦ラインにほど近いソウルの防衛はどうなるのか。そんな時点においてミサイル一発を防ぐことに意味があるとは私には思えません。

 なもんだから米国も本気で韓国の防衛用としてTHAADを導入したというよりは、通説の通りに中国への牽制と在韓米軍基地を守るために置いたのではないかと考えています。そう考えると中国との外交関係をここまで悪化させてまで導入する意味はあったのか、疑問以外の何物でもありません。

 ともあれようやくこれで次の韓国大統領選びが本格化するわけですが、日本の報道を見ていると最大野党党首のムンジェインが有力候補だそうです。慰安婦問題合意すら破棄すべきと主張する彼が大統領に就くとなるとますます日韓関係は悪化するだろうと日系メディアは予想していますが、パククネ大統領について就任前に「朴正煕の娘だから親日派だ」とどの日系メディアも公言してはばからなかったことを考えると果たしてこうした解説を素直に受け入れていいものか非常に疑問です。韓国に限るわけじゃないですが、日本の国際報道はもっとまともにならないのか不満で仕方ありません。

 なお中国の政治関連とかに関する実態については、香港の報道が個人的にお勧めです。本土と違ってメディア活動が活発であり自由であり、また中国人自身が割かし政治議論好きということもあって新聞や書籍でも中国の政治家や派閥関係の解説で様々な観点から報道がなされています。っていうか本土メディアもこの手の報道では香港記事の引用が多いです。

朝日新聞の東大合格発表記事の違和感ある写真

Q、漫画の登場人物の中で「こいつ、仕事ができるな」と思うキャラは?

3位、島耕作(島耕作シリーズ)
2位、トネガワ(中間管理職トネガワ)
1位、瞳さん(ヒナまつり)

東大で合格発表 掲示板復活、ただし胴上げは禁止(朝日新聞)

 話は本題ですが上記の朝日新聞の記事に添付されている写真を一目見て、強い違和感を覚えました。もっと率直に言えば、気持ち悪ってはっきり感じました。

 記事の内容は東大構内での掲示板による合格発表現場について書かれてあり、件の写真は写っている登場人物が右手で口を押えて笑いをこらえている場面を写しているのですが、何故か写真の中の老若男女四人が揃いも揃って全く同じポーズを取っており、しかも目線まですべて同じ方向向いています。目線に関しては掲示板の方を向いていると解釈すればまだわかるものの、何故みんな右手をべたっと口につけて笑いを堪えたような表情をしているのかは理解できず、一人や二人ならまだしも四人そろってショッカーみたく同じポーズ取っているのには不思議を通り越して違和感しか感じません。

 また合格発表の現場ということを考えると、私個人の主観で述べれば受験番号が書かれた用紙を普通確認するのではないかと思うのですが、写真に写っている面々はみんな右手で口を押えつつ左手はだらんと下がっており、そうした用紙を確認している素振りは見られません。はっきり言ってしまえば、なんでこんな不自然な写真を記事に添付したのか、朝日のデスクは馬鹿なんじゃないかという気がしてなりません。
 そしたら案の定というかYahoo記事のコメントでも気持ち悪いと言及しているコメントが一番上に来ています。正直記事内容よりもこの写真がどのように取られたのかという方がニュースだと思うのだから朝日もその辺を検証すればいいのに。

2017年3月9日木曜日

日本史の暗黒時代

 余り頭使う余裕のないのでしばらくは趣味の話でもと思ってまた歴史話です。
 さて暗黒時代と一言でいうとなんとなく苦難に満ちた時代を想像しがちですが、歴史学においてはむしろ資料などが少なく詳細がはっきりしない時代の事を指します。日本史においてそのような暗黒時代の定義に当てはまる時代を挙げるとすれば私の中では二つあり、一つはこれは公にも一致するでしょうが弥生時代から飛鳥時代(推古朝)に至るまでの期間がそれに当たります。

 正直、そろそろ弥生時代と縄文時代という区別をつけるのはやめるべきだとは思うのですがそれはひとまず置いといて、魏志倭人伝で邪馬台国と卑弥呼の記述が書かれて以降、日本に関する記述は推古朝に至るまで全くなくなります。その理由というのも中国が三国時代以降、異民族が中原に侵入して五胡十六国時代という大混乱期に入って安定した政権が生まれず、外交など周辺国に関する記述が全く残されなかったからです。
 中国で再び日本について触れられるのは隋書においてで、日本から外交官の小野妹子が派遣されたことが書かれてあります。この記述というか小野妹子の存在は日本側資料でも一致していることから自然と彼を派遣した聖徳太子についても実在性が確認され、推古天皇が本当に天皇だったのかなどについてはまだ疑問符がつくもののそのような形態の政権は当時の日本にあったことが史実であると検証されています。

 この間の日本はどうだったのか、大和朝廷というか天皇家は存在していたのかなどいろいろ議論はあるもののはっきり言って詳細は全く分からず、あるのは日本各地に作られた古墳だけです。その古墳も詳しく調べれば色々わかるというのに、宮内庁が妨害しているせいで歴史の検証が妨げられるなんて今時中国じゃあるまいしとすら思います。もっとも中国は古代史研究に関しては割と真面目で、また陸地が広いことから恐竜の骨も多数出土することもあって白亜紀時代などの発掘研究では地味にメッカとなりつつあります。
 上記の日本の暗黒時代を敢えて言葉にするならば、「前飛鳥時代」ともいうべきで、近畿に安定した王朝が生まれる前の日本がどのような形だったのかは今後の研究を待たなければなりません。そんな前飛鳥時代と並んで日本史において暗黒時代と呼ぶべきだと思う時代を私の方からもう一つ上げるとすれば室町時代中期、というよりは戦国時代初期がそれに当たると考えます。

 戦国時代とくればある意味日本で最も研究の盛んな時代でありますが、その初期、具体的には1467年の応仁の乱以降しばらくの時代についてはほとんど語られることもなく、大枠についてすらもあまり調べられていない気がします。一体何故この時代が手垢が付けられていないのかというと、先ほどの中国の五胡十六国時代と同じく当時の日本も室町幕府がガタガタで安定した政権がなく、きちんと整備された資料が少ないということに尽きます。
 また資料がない以上に、この時代は日本全国でカオスな時代で、ファイナルファンタジーで言えば「無とはいったい……うごごご」(CV:エクスデス)みたいなくらいわけわかんない状態となったため、存在する資料を眺めてもまるで把握できないことも原因として大きいかと思います。

 あくまで私見ですが私の意見を述べると、この戦国時代初期の日本の中心はそれ以前の中心であった京都というか近畿ではなく、関東にあったかと思います。というのも当時の関東地方では足利家一門の古河公方、堀越公方と呼ばれた各棟梁がそれぞれ武士団を率いて主導権を争っていたかと思えば、本来ならばその配下であるはずの関東管領職にある武家が主人を差し置いて勢力を伸ばした挙句に主家とも敵対して、さらにはその関東管領の上杉家の家中でも一門同士が争ったりするなど、カオス極まりない状態でありました。
 それだけカオスなだけあって外からもよくわからない流人が一旗揚げようと侵入してきて北条早雲が躍進したり、近在の今川家や長尾家なども介入したり、百戦百勝と呼ばれた名将の太田道灌が上杉家の配下として出現したものの警戒されて主家によって暗殺されたりと、書いてるだけでもうお腹いっぱいです。

 当時の関東地方がめちゃくちゃカオスだったのは間違いありませんが、ほかの地域も似たり寄ったりで下剋上が繰り返されたのと、時代を把握、読み解く上での主役的人物、たとえば後の織田信長のような主導権を取る人物がいないため、極端に読み解くのが難しくなっているのがこの戦国時代初期です。それゆえか小説などの娯楽に取り上げられることもほとんどなく、普通の人が文物として触れることもほとんどないこともあって実質的に「何があったのか全く分からない」という暗黒時代になっていると私は考えています。
 何度か私も、古河公方と堀越公方を中心に解説記事とか作ろうかなと思ったのですが、生半可な気持ちでこの時代に当たろうと思ってもほんとに理解するのが難しく、やろうと思ってから現在に至るまでなんか全力疾走的に忙しくなっているため未だに着手できていません。ただこの時代を読み解かない限りは室町時代と安土桃山時代の間に明確な断絶が起こるため、誰かがきちっとカバーしないといけない時代であることは間違いありません。願わくば誰か頑張って歴史小説を書いて、この時代に対する興味を世間一般で高めてもらいたいというのが個人的な意見です。

2017年3月7日火曜日

技術不正に対するリスクアシュアランス

 「平成の怪物」と検索してみると、「松坂」や「大谷」といったプロ野球選手に並んで「新田」という苗字が出ることをつい最近知り、安くなるまで待とうと思っていた「ヒナまつり」という漫画の12巻を即購入してしまいました。わからない人向けに説明すると、新田というのはこの漫画のキャラクターで作中での異名が「平成の怪物」なのですが、最新巻では妹に殴られまくったり、肺炎なのに空中で一回転させられています。

 話は本題に入りますが、元の記事を失念というか去年の8月くらいに見たので忘れてしまったのですが、昨今流行りの企業リスクに「技術不正」が加わってきたと指摘する立派な記事がありました。技術不正とはその言葉の通り技術に関連した不正で、これを経営視点で見るならば自社商品やサービスの品質や内容を誇張し、それが発覚することにより被る損害に対するリスクとなります。最近仕事が仕事だから言い回しが自分でも変になってきたような気がします。

 具体的にどういうのが技術不正に当たるのかというと、代表格としては東洋ゴムの免震ゴムの機能詐称、有名だけど微妙に違うのが三菱自動車の燃費虚偽表示です。三菱自動車の例の場合は会社ぐるみというか経営陣もほぼわかっていながら放置してなおかつ隠蔽までしようとしていたので、「経営者側にとっての企業リスク」とは言えないので技術不正とは言えないと私は考えており、敢えて言うなら「倫理観の欠如」といったところです。技術不正とはあくまで経営者目線のリスクであって、そういう意味では経営者の預かり知らぬところで現場の検査担当者が検査業務をサボっていたとされる東洋ゴムの事件は技術不正と言えると考えます。
 もう少し例を挙げると、旭化成の杭打ちが足りてなかった事件を始め、建築不正も技術不正の一種といってもいいと思います。むしろサンプル数ではこうした建築業界のが圧倒的に多いでしょうし。

 そんな技術不正ですが、一言で言えば「見えない爆弾」といったところでしょう。というのも横領や怠慢などといった会計不正や業務不正であればちゃんとした監査法人の監査を受ければある程度検出できる可能性は高いものの、技術不正となると製品の機能の問題であるだけに、監査で検出することはほぼ不可能です。内部監査も同様に部署ぐるみとかで口裏合わせられたらそれで終わりでしょうし、また技術に関する偽装なので、たとえばタイヤの性能がカタログと一致するの可動とかなんて専門の検査機関とかでなければわかりようがなく、外部から指摘を受けるのも難しいでしょう。まぁ外部から指摘受けてる時点でリスクが実現し、損害影響はもう出てるんでしょうが。

 一応、国とか大学、一部団体などが独立した検査機関として活動を行ってはいるものの、企業側も義務付けられていない限りはそんなしょっちゅう性能検査を外部に委託するなんてことはまずありません。建築業界においては色々と検査義務が課せられているにもかかわらず欠陥マンションが続出しているので制度や検査機関に問題があると言わざるを得ませんが、工業製品とかだと客先の検収通り抜けて市場に製品が出てしまえばその影響は膨大で、また社会もこうした問題に対する意識が年々増していることからもリスクレベルも一緒になって増大し続けているという状況です。

 こうした技術不正にどう対応していくか。やはり一番いいのは外部検査機関に性能・品質検査を委託することに尽き、会計に対する監査法人みたいに製造業も共同出資とかして独立した検査機関とかを作るとか、一部重要製品に対しては義務化させたりした方がいいのではないかと思います。軽く商売の話をすると、そうした第三者検査機関による検査確認体制を確立することで、そのような外部検査を世界でもスタンダードとさせれば日本初で監査法人ならぬ検査法人みたいなのを作れるんじゃないかとも考えることが出来ます。
 もっともあらゆる工業製品、極小の針から複雑なロボット製品までやろうってなると検査機器や検査員がいくらあっても足りなくなりそうですが、その辺は世界のミツトヨさんとかに頑張ってもらう、っていうかミツトヨの方でこういう検査機関作ってくれるとありがたいなと他力本願な結論でまとめるわけです。



2017年3月6日月曜日

韓国THAAD導入に対する中国の反発

 土曜は今年初めて1日100kmオーバーの120kmを自転車で走ってきましたが、夜の9時から12時にかけて50km連続で走り、体が興奮したのかその晩は眠れず、翌日昼間に少し寝入ったら右足が軽く動かない上に突然右太もも外側が何かに撫でられるような感覚がしてビビりました。多分硬直が解けたからだと思うのですが、最初幽霊か何かに撫でられたと思ったよ。

 話は本題に入りますが韓国は先日、同国の財閥ロッテが保有する土地に高高度防衛用ミサイルシステムのTHAADを導入することを発表しました。この発表を受けて真っ先に反応したのは北朝鮮でもなく中国で、かねてから「導入したらえらいことになる」と散々脅して来ただけに実際に導入されるや中国国内の旅行会社に「韓国旅行ツアーを売るな」と規制したり、中国にあるロッテの小売店を様々ないちゃもんつけて営業停止に追い込んだりと、もうなんていうかやりたい放題です。
 そもそもTHAADはミサイルにミサイルをぶつけて守るミサイル防衛システムだからそこまで心配しなくてもいい、っていうか狙おうと思えば米国はICBMを太平洋などからも余裕で中国に打ち込めるのだから今更慌てる必要なぞないと思うのですが、むしろ中国側は敢えて慌ててこの問題を軸に韓国に攻勢をかけようとしているのかもしれません。

 私の観点で述べると、中国はこの問題を口実にして韓国に無理難題を言っていろいろふんだくろうという外交戦略をやっているのではないかと思います。そもそも韓国がTHAADを導入したのは北朝鮮がミサイル開発を加速させているからであって、その北朝鮮を甘やかして図に乗らせたのはほかならぬ中国だからこの問題に関して私は韓国の方が正しく、中国の方こそいちゃもんをつけていると考えているのですが、当の中国はそんなのお構いなしに、敢えてこのタイミングで韓国を狙い撃ちにしてきているようです。

 というのも韓国はパククネ大統領の職務停止を受け事実上、外交活動が展開できない状態にある上、日本とは慰安婦像を巡ってかつてないほど、といっても李明博政権時の「天皇土下座発言」よりかはマシだと思いますが、日本とは関係が冷え切っており、トランプ政権とも何もコラボできず文字通り八方ふさがりな状態です。おまけにサムスングループは寄付金問題でトップが逮捕されるは、スマホのギャラクシーは火を吹くわで経済状況もあまりよろしくなく、隣国相手に言うのもなんですがサンドバッグ状態です。だからこそ中国もここぞとばかりに韓国を追い立てようとしているのでしょうが。

 では中国国民はどうなのかですが、パッとニュースとか見ていると政府の韓国批判を受けてか韓国に対する反感が日に日に高まってきているような気がします。友人などから送られてきたニュースを見ていると、なんかあちこちで韓国製品を叩いたり壊したりする田舎者も出ているそうで、また都市部でも「米国の言いなりになりやがって」などと、なんかやたらと批判を口にします。
 既に周りにも話していますがこの状況は日本にとっては非常にお得で、特に4月の連休時には韓国旅行が制限されている分、また訪日旅行に来る中国人が大幅に増えるのではないかと予想しています。ちょうどまた円安に振れてきている上に、恐らく中国人が一番日本に期待している花見ができる桜シーズンであることから、「爆買い再燃」という見出しがまたみられるかもしれません。

2017年3月3日金曜日

森友学園問題に関するさらなる見解

 本題とは異なりますが本日午後に石原慎太郎元都知事が豊洲問題について記者会見を行いましたが、内容は既に報じられている通り予想通りというか従来と同じ内容を繰り返すだけで、要約すれば「自分は悪くない」、「悪いのは小池都知事だ」という発言に終始しており、こんなんなら記者会見しなくてもよかったのではと誰もが思ったことでしょう。逆を言えばここまで責任忌避する発言を繰り返しているということは、この人の性格から考えて恐らくかなり深く絡んでたのではと逆に勘繰りたくなります。それにしても、この会見に対し小池都知事の方は

「こういう状況をつくってこられたことについて、もう少し客観的にご自分を見つめて頂きたい」

 と短く切り返しており、政治家として両者の実力差がはっきり出ています。そもそも基本的に攻めに強い政治家は守りは点でダメということがあり、そういうタイプは攻守が一回逆転した時点で勝つ見込みはほぼないというのが私の持論です。

 変わって本題ですが、こっちは豊洲ではなく豊中の国有地売却問題に絡む森友学園についてです。それにしても「豊」がつく地名はなにか呪われているのかと勘繰りたくなるミッシングリンクぶりです。

 記事リンクはつけませんが、この事件で森友学園側から土地購入費の減額を求められた参議院議員の鴻池祥肇氏ですが、ネットとかを見ていると非常に男を上げているというか、その態度と対応に関しては野党議員からも称賛され始めています。というのも鴻池議員は何度も陳情に来る森友学園に対して事務所担当者がつけたメモによると、「うちは不動産屋じゃない」、「どこが教育者やねん」と鋭くツッコミを入れていることもさることながら、森友学園側が持ってきた賄賂と思しき封筒を「無礼者!」と一喝して受取りを拒否したなんて、なかなか最近の政治家にはできない行為に思えます。
 っていうかあからさまな贈賄行為をやっていると指摘された上、「あの封筒の中身は現金ではなく三万円程度の商品券だ」と、疑惑を否定したいのか肯定したいのかよくわからない抗弁を森友学園がしてきたのは笑えました。たとえ中身が商品券だとしても、その前後の陳情内容を考慮すれば商品券でも贈賄が成立するというのに。

 ただこうして鴻池氏側から暴露された内幕から察するに、森友学園は相当なりふり構わず裏工作をやっていたと推測されます。またそれを裏付けるかのように自民党側は森友学園関係者の参考人招致に対して菅官房長官をはじめとして否定的な立場を取っており、先ほどの石原元都知事じゃないですがやはり何かあるのではないかと勘繰りたくなります。あるとすれば鴻池氏同様に関西地方の自民党国会、もしくは地方議員なのかなという気がしますが、これらについてはまだ確証がないだけに何とも言えません。疑念は口にしますが。
 一方、関西のある地方議員が配ったパーティ券をこの森友学園側が購入していた事実が既に報じられていますが、さすがにこの件で批判をするのは当該議員に対して可哀相だと思え、公平性を欠いている気がします。議員活動する上で金は言うまでもなく必要で、合法として認められている範囲の金集めでいくら問題の業者が買っていたとはいえそれをいちいち批判するのはアンフェアでしょう。

 そうした森友学園の裏工作も十分気になりますが、私がこの事件の報道で一番疑ったのは下記の報道です。

昭恵夫人が涙 新映像入手(FNN)

 上記リンク先の報道によると、森友学園が運営している幼稚園を訪れた安倍昭恵夫人が政治の事なぞわかるはずもない幼稚園児たちが安倍首相を礼賛するような挨拶を受けて感動したと涙を流したとされています。まぁ色々と言おうと思えば言い訳は立ちますが、昭恵夫人は例の小学校でも名誉校長に就任しているだけに、マジでこの人こんな洗脳めいた発言聞いて何とも思わないのか不思議でしょうがありません。
 私がこの報道を見て最初に浮かんだのはやっぱりというか北朝鮮で、子供に無理やり将軍様を礼賛するような発言をさせているシーンでしたが、それだけに日本でもこういうのやってるんだと正直ドン引きしました。政治とかわかるはずもないだけに子供が本気で将軍様や安倍首相を讃えようと思うわけなく、こうした発言は大人による強制なくしては絶対に成立しません。そしてそれは教育というよりは、洗脳に近いものだと言っていいでしょう。

 私は普通はそのように考えると思うのですが、昭恵夫人はそうでもなかったようです。さすがに本心はどうなのかは私が知る由はありませんが、もし上記ニュースで報じられている通り素直に感動したというのであれば、私はこの人の人格を本気で疑いますし、一切の公務にも関わってほしくありません。
 安倍首相は昭恵夫人の今回の問題との関わりについて私人であって公人ではないと抗弁していますがこれは詭弁でしかありません。外交の場にこれまでも散々同席しており、テレビにもよく出ており、なによりファーストレディです。トランプ大統領の若い嫁さんが私人だから何してもいいなんて言ったらアメリカ人にまず笑われるでしょう。

 既に述べた通りに昭恵夫人は一度は名誉校長に就任していることから、少なくとも先程の幼稚園での礼賛に対して異常だと感じなかったのは間違いないでしょう。異常であることが異常だとわからない人間ほどやっかいなのは多くなく、安倍首相もこれ以上庇い立てするというのであれば私個人としては今後この問題で批判的な立場に回らざるを得ないというのが心情です。

2017年3月1日水曜日

パクリ記事取材の裏側

「パクリ疑惑」記事が中国の雑誌にパクられた!(JBpress)

 最近もう定番になりつつある取材記事の楽屋裏ネタですが、今日配信された上記ニュースに関して今日は少し触れます。ちなみに上の記事はこの前の日曜に3時間くらいで書きました。
 内容については直接記事を読んでもらいたいのですが、概要を簡単に話すと私が昨年末に書いた上海大江戸温泉に関する取材記事がそのまま上海の日本人向けフリーペーパーに丸パクリされ、その件についてフリーペーパー担当者と直接やり合った話を書いています。

 今回も記事はYahooに配信されており色々とコメントついてて面白いのですが、全体を見て一つ気になった点を挙げるとすると、なんかやたらとみんな真面目に読み過ぎている人が多いように感じました。中国だからパクられるのはよくあるとか、対策は無駄だとか、書いてる奴は抗議が足りないとかの類のコメントがそれで、私としては「パクリ疑惑を書いた記事がパクられた」という点をもっと普通に受け取って、その後のやり取りも含めて「なんじゃこりゃ」と笑って流してもらえばいいと思って書いたのに、なんかそういう風に受け取ってる人はコメントを見る限りだと少ない気がします。
 あと、中には「本気で抗議する気なら訴えろ」とか書いている人もいますが、厳しいことを言うと神経疑います。仮に訴えるとなると訴訟費用だけで大損確定で、ましてや海外案件ともなるとその手間は非常に膨大でやるだけ損です。かといってこのまま無視していると「ここは何も言ってこない」としてほかのメディアも含めて無断転載が広がる恐れがあることから抗議した上で和解を探り、和解交渉が決裂したことからこうして無断転載の事実を記事化して姿勢を示したわけで、毎回そうですが思うのは勝手であるもののこういうこと書き残すのは本当にどうかと思います。

 ただ上記の様に変に真面目に取るコメントが多い一方で、単純に面白かったと書いてくれている人もいてそれは素直にうれしかったです。そんなコメントの中で、今回一番注目したのは以下のコメントです

「中国側の登場人物を個人的にみんな知ってるから複雑!あの編集長は良い人だし、シティブロスは少数で給料ぎりぎりで本当によく頑張っている。あの人たちに賠償を求めるのはちょっと酷だなぁ......弱い者イジメという感じだね。露天商をいじめる武装警察みたい。この記事の筆者にはもっと大手の悪を叩いて欲しい。
彼らがというよりも、中国全体のメディア世界で情報リテラシーや知的財産に対する慎重さが欠けているのは事実。僕も一種の同業者として記事の筆者に同情するけど、今回はメールの厳重注意ぐらいに済ましたら良かったのにね。記者としてやるべき事は他にあると思うんだ。
と言いつつも、記事は面白かった。」

 割と上海は狭い業界だから登場人物の関係者なり知り合いなりはいるだろうとは思っていましたが、恐らくコメントを書いた人と私は面識はないでしょうが、上海で広告業に携わる人のようです。このコメント内容ですが、書かれていることには私自身も非常に同感で、中国の日系フリーペーパー業界はどこも苦しい経営事情の中で必死で活動しているということを把握しているつもりです。私自身も知人にフリーペーパー関係者というか結構な重鎮連中もいてその事情についてはよく聞いているだけに、最初にこの無断転載被害を知った時も、「連中をあまり追い詰めすぎては駄目だ」と考えたほどでした。

 だからこそ、和解案で請求した金額は半端なく抑えたつもりではありました。恐らく配信された記事を読んだ方々は私が和解で請求した金額は十万円単位とかを想像しているのではないかという気がするのですが、実際にはそれを遥かに下回り、ばっと明かしちゃうと2000元(約3万3千円)でした。しかも最初、JBpress側は3000元(約5万円)を提案してきましたが、なるべくお互いに気持ち良く終わらせようと私の方から言って2000元に引き下げさせています。
 記事中にも書いていますが、それだけにまさかこの金額で和解が拒否されるとは正直予想外で、多分金額が1000元、下手したら数百元単位でも拒否していたというか一銭も払うつもりなかったんだろうなと今思います。普通に原稿料として考えたら2000元なんて特別な金額でもないし、ましてや慰謝料を兼ねているとしたら私自身は法外に安いと思うのですが。っていうか2000元だったら今乗ってる自転車すら買えないし(4400元で買った)。

 だからこそ先程のコメント主の方の意見については、言われることそれ自体には自分も納得できますがそんなに相手をいじめるつもりはなかったと述べておきたいです。恐らく請求額の金額がわからなかったためでしょうが、さすがにこの一件で2000元も払えないってのは論外だと私は思います。まぁこういう無断転載の場合、普通は事実を認めず対話すら行わない連中も多い中、きちんと呼び出しに応じて口頭だけとはいえ謝罪を口にしただけまだマシな相手だったとは私も考えていますが、だからといって無断転載は駄目っちゃ駄目ですけど。

 ここだけの話、記事丸ごととは言わず一部だけとかだったらきちんとクレジットつけてあれば何も言うつもりはありませんでした。記事末尾にも書いていますがメディア業界は持ちつ持たれつで、ある程度メディア同士で記事を引用し合わないと成り立たない業界であるのと、引用されることで書き手の価値が高まるという側面もあるだけに、きちんと敬意を払った引用ならむしろありがたいと感謝します。ただ今回の場合はそうした敬意が何もなく、ましてや上海が舞台の話で日本語媒体であったことから放任はできずアクションは取りましたけど。
 その上で、実はこの記事の裏テーマは「中国で記事がパクられた」ではなく、「横行する無断転載」ということを暗に書いており、コメント欄では「これだから中国は」と書かれてありますが、実際にこうした無断転載は日本のメディアも頻繁に繰り返しており決して中国を笑えるレベルではありません。

甘利大臣疑惑報道 テレ朝「週刊文春」明示せず異例の謝罪 全国紙は大半が明記(楊井人文)

 少し古いニュースですが、テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」が当時甘利氏に対して浮かんできた疑惑について、資料や情報をスクープした週刊文春については一切触れずにニュース内容を報じたことがありました。報じられた内容は文春の記事からの実質的な引用にも拘らずさも自分たちが取材したかのように報じたことで文春から抗議を受けるという事件が2016年にありました。これなんて無断引用が明らかになった珍しい例で、実際にはこのように他社が報じた内容をしれっと何も言わずに自分たちで報じる様な行為は日本でも日常茶飯事で、実際に私もここ数日のニュースを見ていて、「ああこの記事はあの記事のパクリだ」とか、「これはあの記事をベースに書いているな」とか気づくことが多いです。

 さすがに今回の私の一件の様に記事丸ごとという大胆なパクリ方は珍しいですが、見えないだけで記事やデータの無断引用というか盗用は呆れるほど多く行われています。上でも述べた通り最低限の引用は仕方ないと私は考えており、だからこそ引用の際には元の書き手や報道主に対し敬意を払わなければならず、クレジット等は必ず付ける必要があると言いたいわけです。逆を言えばそれすらできず無断転載をやってしまうのであれば、出版や報道に関わるべきではないと断言します。

 なので今回配信された記事では中国でパクリだと騒ぎつつも、日本国内でも実はこういうのが多いだけに中国を嘲る人間はもっと実態を知るべきだというのが裏テーマでした。

 最後にYahoo記事のコメントの中で、「なんで自分の事を、『筆者は』と書くのだろう。」とコメントした人がいましたが、このコメント内容についてははっきり言って強い嫌悪感を覚えました。まさか自人称についてとやかく言われるなんて今の今までで初めてで、自分に対する呼称だからなんて言おうがどうでもいいじゃないかと思うのにケチつけてきて何なんだこいつはと思っていたら、友人もこのコメントについて指摘してちょっとねーみたいに言ってきました。
 なおJBpressで書く記事で自人称を「筆者」としているのは特に意味はなく、一応は報道記事なんだからブログでの「私」と分けておこうという程度の物です。とはいえ、自人称に「朕」とか使っていたらどこの皇帝さんなのか気になるので、自人称だからと言って何使ってもいいわけではないのかもしれません。山田風太郎は画数が少ないという理由で「余」を使ってたけど。