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2011年6月30日木曜日

日本車の中国市場価格

 前々からやろうと思っては面倒がってしなかった企画ですが、中国における日本車の自動車価格を調べてみました。

 ここで言う中国の自動車価格というのは人民元を現在のレート(1元≒12.5円)で計算した価格です。一体何故こんなことに興味を持ったのかというと、中国市場では日本での価格に対して設定販売価格は高めなのか安めなのかが気になっており、またメーカーごとに違いはあるかが気になっていたからです。
 余計な前置きはいいので、早速どうぞ。


メーカー(合弁会社名)
車種  中国価格(円)  日本価格(円)

スズキ
(長安鈴木)
アルト           538,800~754,800   677,200~1,109,800
SX4           957,600~1,605,600  1,659,000~1,869,000
スイフト         621,600~1,101,600  1,244,200~1,653,700
(晶河鈴木)
ワゴンR          486,000~718,800   1,071,000~1,367,100

マツダ(長安馬自達)
アクセラ         1,353,600~1,797,600  1,660,000~2,318,000
デミオ           969,600~1,263,600  1,149,000~1,621,700
アテンザ         2,049,600~2,397,600  2,100,000~2,500,000
MPV           2,637,600~2,997,600  2,700,000~3,360,000

三菱(東南三菱)
ギャランフォルティス  1,317,600~2,037,600  1,796,000~2,993,000

ホンダ(東風本田)
CRV           2,277,600~3,153,600  2,470,000~3,390,000
シビック         1,557,600~3,237,600  3,000,000~3,000,000
(広州本田)
オデッセイ         2,757,600~3,393,600  2,390,000~3,610,000
フィット           1,077,600~1,557,600  1,230,000~1,698,000
アコード          2,241,600~4,113,600  2,498,000~3,902,500
アコードツアラー     4,785,600~5,136,000  2,748,000~4,122,500

日産(東風日産)
エクストレイル      2,493,600~3,237,600  2,239,600~3,297,000
ブルーバードシルフィ  1,497,600~2,013,600  1,842,700~2,404,500
デュアリス        1,677,600~2,637,600  2,097,900~2,777,200
スカイライン       2,289,600~4,461,600  2,898,000~5,019,000
マーチ            838,800~1,114,800    999,600~1,644,300
ティーダ          1,281,600~1,797,600  1,499,400~2,182,900

トヨタ(広州豊田)
ヴィッツ          1,044,000~1,281,600  1,060,000~1,790,000
カムリ           2,193,600~4,377,600  2,507,000~3,470,000
(一気豊田)
RAV4           2,277,600~3,081,600  2,020,000~2,590,000
クラウン          3,942,000~10,795,200  3,450,000~5,590,000
ランドクルーザー     9,240,000~13,533,600  4,350,000~6,920,000
プリウス          3,117,600~3,357,600  1,890,000~3,270,000
カローラ          1,485,600~2,397,600  1,356,000~2,440,000
プラド            6,456,000~8,376,000  3,150,000~4,750,000
マークX           2,517,600~3,921,600  2,380,000~3,800,000

※1元=12.5円で計算。価格はメーカー希望小売価格。
価格参照元:太平洋汽車網(http://www.pcauto.com.cn/qcbj/qcbj_if_gngw.html)、Goo-net(http://www.goo-net.com/newcar/)

 表自体はエクセルで作成して本当は図表を貼り付ける予定でしたが、何故だかJpg化させると文字がにじんでしまうので、こうして手製のリストにしました。

 全体の傾向としてはどうやらどこのメーカーも日本での自動車価格に合わせて中国販売価格を決めているようで、車種やメーカーに関係なく日本の価格に一段低い価格に設定しているところが多いです。ただこれは現在の円高というレート状況が強く影響しており、実際にちょっと前の1元=15円で計算したら逆に1段高い値段にきれいに逆転します。
 なおかつ言えることとしては高級車は日本での価格より高めに設定されていることが多く、そのせいか高級車ラインナップが多いトヨタはRAV4とカローラを除いてどれも日本価格より高く設定されております。ランドクルーザーなんてあまりにも差がありすぎるので、なにか値段を間違えているような気すらします。

 なお中国で販売されている車はどれも中国企業との合弁会社とで作られており、車名は同じでも一代前の型式であったり、部品も中国メーカー製が使われているなどして全く同じ車ではありません。代表的なのはマツダのアテンザで、日本ではすでにハッチバック仕様が売られていますがこちらでは一昔前のセダン型しかありません。そのため上記のリストも、あくまで参考程度にご参照ください。

 最後に中国の値段感覚について一言。以前にタクシーの運転手と話をした際、街中をマツダのアテンザが多く走っていることに言及すると、
「ああ、マツダの車は安いからね」
 と話してました。
 この話からすると、どうやら上記アテンザの価格(2,049,600~2,397,600円)はこっちの感覚としては安い方のようです。なんか腑に落ちないなぁ。

2011年6月29日水曜日

豊臣秀吉の能力

 先日ネット上で、「日本史で最も英雄度の高い人物は?」というテーマの掲示板を見受けました。中には冗談で「野茂英雄」と挙げる人もいましたが、現代日本人への影響で言えば私はやはり徳川家康を挙げます。ただその一方で、最も図抜けた能力者という意味では今日の題となっている、豊臣秀吉を必ず挙げるでしょう。

 このところ古代史ばかりなのでたまには違う時代とばかりに秀吉を挙げてきましたが、彼の経歴については言わずもがなで一農民から完全な叩き上げで天下人となった「日本最強の成り上がり」と呼ばれる人物です。基本私は成り上がりが嫌いで、世界の富豪ランキングにも名を連ねる中国のパクリカーメーカーことBYD自動車会長も会った事もないのに嫌っていますが、この秀吉については別格で非常に人物としても気に入っております。具体的にどうして秀吉を気に入っているのかというと、晩年こそ判断ミスが多いものの全盛期の勘の鋭さについては歴史を眺めるだけでぞっとするほどのプレッシャーを感じるからです。

 秀吉の能力としての全盛期は信長の死後、いわゆる中国大返しをやった時期です。この中国大返しについては四年位前から「実は秀吉も信長暗殺に噛んでた。だからあらかじめわかってたので中国大返しも出来た」という異説が出てきましたが、これについては友人と夜中一時くらいまで議論しましたが最終的には疑わしいという結論に至りました。理由はいくつかありますが一言で言うと、毛利と和睦できる絶対的保証がなかったということに尽きます。

 それで話は戻りますが、中国大返しはその決断から行動に至るまで神懸り的な機敏さで、六月二日の本能寺の変から六月十三日の山崎の合戦に至るまでの九日間で以下のような行動を達成しております。

・交戦中の毛利軍との和議締結
・京都周辺の織田家武将との連絡、糾合
・部隊の撤退準備
・数万の部隊での200キロ程度の移動
・合戦準備

 これは言うは易いですが、実際にやるとなるととんでもない作業です。まだ最初の毛利家との講和は元から話が進んでいたのもあるので多少の譲歩をすることで達成することは可能ですが、数万の部隊での撤退準備ともなると武器やら兵糧やらをすべてまとめなおさなくてはならず、一週間以上かかってもおかしくない作業です。そのうえ200キロの強行軍、聞く限りだとある日の行程では一日70キロを走破させたとも言われ、世界史上でもこの速度はトップクラスと言ってもいいでしょう。
 その上で最後の合戦準備です。これも山崎周辺の武士から鉄砲などを調達する傍ら、合流した他の織田家武将たちとも打ち合わせを行っており、一体どうしてそこまでパワフルに動けるのかと信じられない気持ちでいっぱいになります。はっきり言ってこれらはすべて常識はずれの行軍で、これだけの行軍をされては敗戦した明智光秀も無能だったとは評価できないでしょう。

 ただ秀吉の絶頂期はこの中国大返しではなく、私は次の賤ヶ岳の合戦の頃だと考えています。これは以前の陽月秘話でもまとめましたが秀吉軍は雪解けのタイミングを見計らって軍を動かし、柴田勝家の軍をおびき出したところで急速に軍隊を引き返させ撃滅するという神業を達成しています。もっとも、前田利家が裏切らなければ柴田軍もああは負けはしなかったでしょうが。詳細は以前の陽月秘話のページを検索してください。

 これ以後も秀吉は外交から戦争に至るまで縦横無尽に処理し、あっという間に天下を平定してしまいます。もちろんそれは秀吉一人の力ではなく弟の羽柴秀長や軍師の黒田官兵衛など優秀な部下達があってのことでしょうが、そのような優秀な部下を活躍させるにも才能は必要です。九州平定のあたりも、改めて読んでみるとかなり凄い速さで始末してますし。
 晩年の秀吉は私が言うまでもなく判断ミスを繰り返しては豊臣政権の崩壊を自ら招いておりますが、それでも絶頂期の秀吉以上に才走る人物は日本史中にはいないと私は考えております。強いてあげるとしたら伊藤博文でしょうが、もう少しこの時期の秀吉について研究とか進んだら個人的に面白いような気がします。

 ちなみに秀吉が毛利家との対陣中に本能寺の変を知った際、黒田官兵衛は、
「やったじゃん、秀吉ぃ(´∀`*)」
 って言って、秀吉を大いに慌てさせたそうです。中国大返しも賤ヶ岳の合戦も実質取り仕切ったのは黒田官兵衛だと思われますが、こんなこと言ってればそりゃ警戒されるわな。

2011年6月28日火曜日

メガソーラー計画に対する私の意見

 震災に伴う福島原発の事故を受けて代替エネルギーの議論が激しくなる中、ソフトバンクの孫社長(最近アリババの問題でこっちの新聞にも良く出てくる)は大規模太陽電池発電によるメガソーラー計画を打ち出しました。概要はいちいち説明するまでもありませんが、休耕田などに敷くなどいろいろな案があって導入に前向きな自治体が出てくるなど続報ニュースをネットでよく見かけますが、このメガソーラー計画について私の意見を今回は紹介しようかと思います。

 結論から言ってあくまで一素人の意見ですが、私はメガソーラー計画に反対です。理由をいくつかありますが、ざっと要点だけ挙げると以下のようなものがあげられます。

1、太陽光発電では得られる電力が少なく、コストが高い
2、電力が天候に左右されやすく不安定
3、太陽電池の寿命について未知数
4、寿命後の太陽電池の処理に言及がない


 まず1については言うまでもなく、かねてからのネックです。確かに資本を投じて大規模生産を始め、広い土地に敷設すればそこそこのコストダウンと電力は確保できるかもしれませんが、それでも2番目の理由なども考慮すると絶対的に発電能力が足りないかと思います。
 次に2番目ですが、現行の太陽電池は大分マシになってきているとはいえそれでも天候が曇りや雨になると途端に発電能力が急減します。そうした場合に備えて現在では発電できない夜間を含めて大型電池と組み合わせ、昼に発電しつつ充電し、夜に電池を使うという案もありますが、なんとなく都合のいい話のような気がしてあまり信用できません。

 そして3番目ですが、これが一番重要で私が反対に立場を置く最大の理由です。あまりテレビとかでは宣伝しませんが太陽電池というのは作った後は半永久的に使えるものではなく、現行の電池でも寿命は約二十年と言われております。しかも二十年たったら突然使えなくなるというわけじゃなく、時が経つにつれて発電能力が徐々に落ちていき、二十年後には発電能力は1割以下になるという予想です。
 結構この辺の説明を省いて、「電力会社に売電して、施工費用は10年で元が取れますよ」と言っては住宅に太陽電池を敷いて、実際にはそれほど発電できなくて訴訟になるケースもちらほら出てきてます。多分二、三年したらもっと出てくるだろうけど。しかもこの寿命はあくまで現時点の予想であって、実際には二十年より早く駄目になるかも知れませんし二十年よりもっと使えるかもしれません。まぁこういうときの希望的観測というのは大抵外れるのですが。

 この太陽電池の寿命を考えると、今から大量に投資して一定度の電力を賄えるくらいに敷設したとしても二十年後、実際にはそれよりももっと早くにまた新しい太陽電池を作って取り替えなければなりません。それはいうなれば、二十年足らずで現在行う太陽電池の投資はすべて無に帰すということです。さらに言えばその二十年間の間に置いとくままというのも現実的ではなく、実際にはメンテナンスコストや盗難防止策などにもお金が取られること間違いなしでしょう。
 その上で4番目の理由です。上記の太陽電池の寿命を考えると、交換するたびに大量の廃棄物を出してしまうことになります。あまり構造について詳しくありませんが現在主流のシリコン型太陽電池は環境負荷の高い物質を含んでいるとも聞くだけに(薄膜系太陽電池は少ないと聞くが)、廃棄物をどう処理するかを全く考えずに今一斉に敷設するというのは未来に問題を先送りするだけ、程度はともかく原発を使うのと方向的には同じな気がします。リサイクル処理方法、施設が確立されているのであれば話は別ですが。

 ただ太陽電池に全く期待していないというわけではなく、上記の問題を解決できるというのであればまだありだと思います。せめて量産品で変換効率が40%以上、そして電池寿命も三十年くらいが保証されるのであれば私も賛成の立場に回りますが、少なくとも現状では資源の無駄遣い、環境破壊につながる恐れがあるので納得できません。そのため孫社長の目がソーラー計画については今すぐやろうとするよりはもっと技術の向上を待つべきだと思い、この方面の研究開発に投資するのが先のような気がします。

 では他の代替エネルギーについてはこれもあくまで素人として意見を言わせてもらうと、まず風力発電についてはあまり期待はしていません。早稲田大学に聞いたら絵に描いたような餅のような案を提供してもらえるかもしれませんが。一部で人気なメタンハイドレードなんかは前職の時に周りにも聞いたりしましたが、深海にあるという特性上、調達コストが高すぎてまだとても採算には乗れません。
 将来未来がある分野でなら、地熱発電なんかは日本という特性上は意外と面白いかもしれません。こちらも技術の発達を待たねばなりませんが、熱量を安定的に得られることを考えると面白い気がします。この地熱発電同様に昨日友達と盛り上がったのは水力発電で、この際だから人口の滝を作ったりなど、技術の熟成を待てばかなりいろいろなものが作れるんじゃないかとなんだか希望に満ちた都合のいい話をしてました。

 ただ水力発電については私はかつてシムシティといって街づくりが出来るシミュレーションゲームにて、街のど真ん中にとてつもなく高い山を作り、そこの頂上から麓まで水を通し、その川沿いに水力発電機を大量に設置して街の電力を賄おうとしたりしました。
 シムシティはまじめに無茶が出来るから本当に面白かった。警察署を一軒も作らず、「GTAの世界だ、ヒャッハー(゚∀゚)ヒャッハー」とか言ってたし。時代的にはファイナルファイトのメトロシティというべきかも知れないが。

2011年6月26日日曜日

日本人が海外に出て行きたくない理由

 現在世界的アーティストのレディー・ガガ氏が来日して様々な復興支援活動に参加してくれておりますが、やはり日本人として彼女の活動には頭が下がる思いがします。今回の支援活動においてレディー・ガガ氏は何度も日本が大好きだと言ってくれていますが、彼女に限らず海外の有名人の方には映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏などのように日本を贔屓にしてくれる方が少なからず存在します。これまた日本人の私としては、「そんなに気に入ってくれるなんて(∀`*ゞ)テヘッ」などと照れる気持ちがするのですが、このところこうした日本贔屓の外人を見ていて、ひょっとするとここに日本人が海外に出て行きたくない理由があるんじゃないかと密かににらんでいます。

 近年、経団連の殴られたダルマみたいな顔した米倉会長を始めとして日本の若者が海外に留学したがらない、異動を嫌がるといったことを懸念する言葉を発していますが、結論から言うと、私は日本人が海外に行きたがらない理由は日本国内の生活があまりにも便利で快適過ぎるからじゃないかと思います。

 私がこの発想を最初に得たのは、友人とのある会話からでした。その友人によるとフィリピン人などは一刻も早く別の国に行って働きたがるそうなのですが、日本人はそうでもないと言うとそれはあなたの国が恵まれているからだと言われたそうです。確かに言われてみると日本の公務員は天下りこそあるものの不正は少なく、警察も外国ほど無茶はやらかしません。なおかつ市場に出回る製品も中国みたいに粗悪品は出回らず、生活も若いうちならアルバイトで一人暮らしが出来て、パソコンも買えればインターネットだってできます。よくネット上では日本の今の景気状態を嘆いてはこんな最悪の国はないという人がいますが、それでも他国、イギリス(飯がまずい)やフランス(街が汚い)などの先進国と比べても日本の状況はまだまだ優れたものだと断言できます。日本は老後の保証がないといいますがそんなのどこの国だって一緒で、中国なんか今の一人っ子の若者たちの老後を考えると他人事のはずなのに心配になってきます。

 その上で日本だけの特別な特徴を挙げると、隅々まで行き渡るサービスの細かさも見逃せません。海外に行ってみるとわかりますがあらゆる面における日本のサービスは神懸り的とでも病的とでも言うべきか、どうしてそこまでするのと思い知らされます。冷凍食品の種類の多さからコンビニでの予約と代理決済、定時通りの電車運行から商店員の態度にB2B取引の対応など、外国で暮らしてみると改めてその細かさや早さがどれだけ凄かったのかがわかります。
 敢えて逆に日本の方がサービスが悪いと思う分野を挙げると、敷金や礼金に加え保証人を求められる不動産業にいじめが絶えない義務教育などがありますが、それらを見越しても日本での生活は自分がネイティブであることを考慮しても快適の一言に尽きます。参考のために上海人の友人に来日直後は不便ではなかったかと聞きましたが、「コンビニに行けば食事などすべて事足りるから不便に感じることはなかった」とうまいこと言い切ってくれました。

 話は戻りますが、単純な問題として現下で快適な環境にあるのにわざわざ他の環境に行こうと思うでしょうか。それも外国となると言語面での不便は言うまでもなく食事や製品などの面で確実に日本での生活より苦しくなるのは間違いなく、生活費面ではどこの国でも確かにマシになるでしょうがそれだったら高いお金かけたいと思う日本人がいるわけで上海の日本食屋は成立するわけです。
 例の殴られたダルマみたいした米倉会長はハーバード大には中国や韓国からたくさん留学生が来ていると言っていますが、それは優れた研究環境というのが一番でしょうが、それとは別に彼らの国より米国という環境が住み心地がいいというのも大きな理由じゃないかと思います。韓国について言えば、そうでもしないと就職もし辛いという厳しい雇用環境もあるでしょうが。

 私は日本人が海外に出たがらない理由というのは、もちろん日本人が保守的とか内気とか言っても間違いではないと思うものの、その裏には日本での生活が世界最高峰なくらいに便利すぎるというのが最大の理由じゃないかと考えています。それゆえにレディー・ガガ氏を始めその文化や便利さに引き寄せられる海外の有名人も現れるのではないでしょうか。
 これを逆に言い換えると、日本人をもっと海外に出そうとするならサービスの質を下げるのが効果的なのではということになります。実際に私の体験でも、平気で私の前に別の客が割り込んできてもなにも注意しない店員とかを見てるとやっぱり日本はいいなぁとか思ってしまいます。あとちまちまやってはあっという間に長蛇の列を作る銀行とか。

 もっとも今更サービスの質を落とせといっても出来るわけないので、少数精鋭とばかりにまだ海外に行こうとする少数派の日本人をもっと行きやすく応援するようにした方が手っ取り早いと思います。もしくは日本に引き寄せられる外国人への対応を良くするとか。
 日本人にとって海外に行くということは、本当にごく一部の国を除いて生活の質を下げることにつながります。特に若者にとっては上から指示するだけの職位とか有り得ず、また私のような現地採用の人間は日本より低い給料に加え生活面での会社からの補助などありません。こういう状況わかって抜かしてるんだろうか、あのダルマは。

素顔同盟の思い出

 突然ですが、「素顔同盟」という短編小説はご存知でしょうか。
 この小説は中学校などの国語の教科書に引用されていて恐らく私と同年代の方なら誰もが呼んだことがある作品だと思いますが、あらすじを簡単に説明すると、人間は喜怒哀楽を表情に出すから争いが絶えないわけでみんなして笑顔の仮面を被って生きるのが当たり前の世界に疑問を持っていた主人公はある日、仮面を脱ぐ素顔同盟という団体があることを知り、その所属員らしき女性の素顔を見て仮面を脱ぐ決心をするというストーリーです。

 この話を何故唐突に持ち出したのかというと、これまたちょっと時間がたっていますが下記のニュースを見たことがきっかけでした。

訃報:すやまたけしさん60歳=作家(毎日新聞)

 今月十二日、この「素顔同盟」の作者であるすやまたけし氏が死去しました。
 このニュースを受けていろいろ思い出すところがあったのですが、実はこの作品に関しては一悶着というか、妙な思い出があってその他の教科書引用作品と比べても格段に強い記憶があり、上記訃報を聞いて「あの素顔同盟か……」とちょっと思い出すところがありました。

 その一悶着とはまさに中学時代にこの作品を国語の授業で扱っていた時でした。授業も終盤にさしかかって当時の教師は生徒に作品の感想を求めるプリントを配ったわけですが、「素顔同盟に走った主人公をどう思うか」という質問に対し、ちょっと妙な回答を私はしてしまいました。

「集団の秩序を乱そうとする典型的な破滅的行動である。テロリズム的な思想で気に入らない」

 これは冗談じゃなくマジで上記のように書いて提出してしまいました。というのもこの授業の直前に読んだ中国史の解説本にて、「始皇帝暗殺」で有名な刺客の荊軻について以下のようなくだりを読んでいたことが原因でした。

「荊軻の評価は暗殺者という特性上、その時代ごとに大きく変わりやすい。ある時代では圧政を敷く暴君に立ち向かう勇者として称えられる一方で、暴力によって権力を転覆せしめようとするただのテロリストとして扱われることもあり、現代ではそのような評価が強まっている」

 この論説を読んでたせいというかなんとなく素顔同盟の主人公も荊軻っぽいなぁとか思い、「テロリズム」という言葉が出てきてしまったわけです。しかもその時の教師も教師で、生徒からプリントを集めるや何を思ったか「こんな意見もありました」と言って上記の私の書いた感想を読み上げると、

「この感想を書いた人の仮面を取っても良いでしょうか、花園君( ´∀`)

 と、いきなりクラス中に名前をばらされてしまいました。
 言われた瞬間はそれこそ「オイオイ、マジかよっ!?Σ(゚Д゚;)ゲゲッ」って滅茶苦茶焦りましたが、元々仲が良かった教師なので問題あるとか気に入らない感想だからといった理由ではなく、「クセ球を投げてきたな、こいつ(・∀・)ニヤニヤ」ってな感じで暴露してきたんだと思います。
 もっとも授業後にこの件をネタにからかってくる生徒はいませんでしたがこの一件を経て私は、「絶対にこの教師には逆らわないでおこう」と決意するに至りました。

2011年6月25日土曜日

自転車チャレンジ、浦東空港まで行ってみよう!

 前々から暇があればやってみたいなと思っていたことで、上海のメインエアポートこと浦東空港まで自転車で行くというのに本日チャレンジしてきました。

 気象は午前六時。当初は六時半から出発する予定でしたが空模様が怪しくてそのまま二度寝し、次に目覚めた時は既に八時半でした。その時間も空模様は怪しいままでしたがもうどうなってもいいやとばかりに強行出撃。
 というのも前日の予報では本日上海の天気は雨模様でありましたが、上海の天気予報は「てめぇ、なめてんのか(#゚Д゚)ゴルァ!!」といいたくなるほど外れることが多く、事実ここ三日間は雷雨と言っておきながらピーカンの晴れが続いたことから、もう降って元々とという半ばヤケになったような感じで出発を決意しました。もっとも、昨日西の空見たら夕焼け見えなかったから自分でもさすがに今日は降ると予報してたけど。

 そうして出発し、まずは上海中心部を経由して上海最大の観光地こと外灘へ向かいました。外灘はなんどかこのブログでも紹介していますが黄浦江という川沿いのビル街で、戦前に立てられた建物が古くから残っていることから人気のスポットです。何故ここへ向かうのかというと、橋は数箇所に架かっているものの自動車しか渡ることが出来ないため、フェリーに乗る必要があったからです。自宅がこの外灘から比較的離れた場所にあり、なおかつ中国人は朝が早いことから既に人や車が街中を行き交っているために時間にして大体一時間程度かけて外灘に着き、フェリー代(2.5元。なぜか反対側は1.8元で値段が違った)を払って無事渡河に成功します。

 そしてやってきた浦東。この浦東という場所はもともとは上海中心部と川を挟んでいたことから1990年くらいまでは農地が集まる田舎の土地として見られていました。しかし経済特区に指定されて以降は急激に開発が進んで昨年の上海万博の開催地となったほか、現在では数多くのオフィスビルが立ち並ぶ高級地となっております。その分道路なども広くて自転車で走る分には走りやすかったのですが、空港までの道のりはやはり長かったです。

 結果をもう言うと、最終的には浦東空港を目前にして今日は引き上げました。理由は空港までの距離が地図上の目測以上に遠かったことと、猛烈な雨と風が吹いてきて疲労が限界に達したことからでしたが、走った感覚としては大体片道3時間で40キロ、合計にして80キロくらいを走ったように思います。あまり言い訳したくありませんが、タイヤの小さい折り畳み自転車でやるような距離じゃなかったと途中で何度も後悔しました。
 それにしても今日は雨が半端じゃないくらい降りました。降ったのは二時間程度ですぐにまたやみましたが、一度全身ずぶぬれになったのに自宅に帰り着く頃には靴下を除いてもう全部乾き切っていました。4時ごろに家に帰ってシャワーを浴びると疲労から懇々と二時間眠り続け、さすがにケチな自分でも今日くらいはおいしいもの食べたいと思って焼肉屋で88元も使って晩御飯を食べ現在に至ります。

 毎回毎回こうやって自転車で無計画に遠乗りする計画を実行しては途中で後悔し、「なんでこんな馬鹿なことをしようと思ったんだろう(´д`)」と走りつつ思うわけですが、途中で自転車を乗り捨ててタクシーとかで帰ることも不可能ではありませんが、一旦遠くまで行ってしまうととんだけ苦しくても自力で帰るしかありません。個人的に思うこととしてこのように本当に逃げ道のない場所に追い込まれた場合(自分で追い込んだわけだが)、やはり精神力というかタフさが非常に問われると思います。もちろん自分はこの程度でひぃひぃ言ってて情けない限りなのですが、それでもズルを使わずにちゃんと自力で帰ってきた分にはまだ及第点かなと思います。

 それにしてもずっと雲がかかってたけど両腕がすっかり日焼けしてひりひりして痛いです。毎年そうですけどある週末に自転車で遠乗りして一気に日焼けし、次の日に職場に「何やってきたんだ!?」と驚かれるので、多分次の月曜日もそうなるでしょう。あとサドルがスポーティなタイプで細くとんがっているのが良くないのか、乗っててお尻がかなり痛かったです。個人的には幅広のサドルのが長距離乗るにはいいんじゃないかと思うけど、プロとかはどうなんだろ。
 あとあと、自転車は買ってまだ二ヶ月ですがやはり折り畳みで家に置いとく分にはコンパクトでいいけど、やっぱりちゃんとしたレース用自転車が欲しくなってきました。この前もカルフールでみてきて880元(約10560円)と1100元(約13200円)がいいなと見てたりしましたが、金に余裕が出来てきたらといってあんま調子に乗るのはよくないかなぁ。来月あたりには一旦帰国してノートパソコンも新調したいし……。

2011年6月24日金曜日

自動車会社グループ化の今後

日産・三菱自:合弁戦略 13年度に「軽」開発・発売--新社名「NMKV」(毎日新聞)

 ちょっと古いニュースですが、私が贔屓する三菱自動車と日産自動車が軽自動車の共同研究・開発のため合弁会社「NMKV」を設立しました。もともと三菱自動車は日産に対して軽自動車をOEM供給しているなどかねてから関係があり、その延長から今回の合弁に至ったものとされます。
 記事中にもありますが現在のん本の自動車市場は軽自動車の割合が三分の一を占めるなど、無視できない存在となりつつあります。うちの親父の若い頃なんて「軽なんて乗ってるのだっせーよなー」ってセガサターンばりに肩身が狭かったそうですが、今こんなことを言っていたら時代の趨勢も読めない奴だと言われてしまうかもしれません。私個人としては燃費で言えば明らかにホンダのフィットを始めとしたコンパクトカーのが優れているのは重々理解しておりますが、軽自動車はあの小さなボディという制約を受けつつ様々な装備やパーツが組み合わせられるなど設計に工夫製が感じられるため、カタログを見る際は真っ先に軽から見ます。

 そんな三菱の軽ですが、日本の軽市場はダイハツ、スズキという二代巨頭が存在するためにいまいち目立ちませんが、改めてラインナップを見てみると三菱の軽もなかなか捨てがたいものがあります。主力のekシリーズはもとよりこの前リコールしたパジェロミニなど、去年のネットスラングを使うなら「そんな値段で大丈夫か?」といいたくなるくらいの面白い車で、駆動方式がRRのアイなど二代巨頭とは別の方面に進化していて見ていて面白いです。

 さてそうした三菱ヨイショは置いといて、今回のこの三菱と日産の提携を見て私が感じたのは自動車業界で統合が進んできたなという感想でした。というのも一昨年くらいにスバルがトヨタに資本を握られ完全に軍門に落ち、同じく既にトヨタの資本下となっていたダイハツとの車種の兼ね合いからスバルは軽自動車事業の廃止を迫られることとなりました。ぶっちゃけ、スバルの軽にはなんの魅力も感じなかったからいいんだけど。
 この結果、トヨタグループではトヨタが全車種ラインナップを維持するとともにスポーツ、ワゴン部門はスバル、軽部門はダイハツと住み分けがなされるようになりました。聞くところによると現在トヨタが開発しているFT-86の開発はかつてのヤマハ2000GT同様にスバルに丸投げだって聞きますし。

 これは別業種ですが、金融においては現在の日本は東京三菱UFJ、三井住友、みずほの三大メガバンクが大半の市場シェアを握っております。もちろん小さい銀行の存在価値は低くはないものの、グローバル化を迎えた現在では主要な業界が許せる企業数というのは3~5社くらいが限界のように思え、三洋はすでに吸収されましたが、パナソニック、シャープ、東芝、日立、ソニー、三菱電機、NEC、富士通など数多くの企業が出揃う電機業界同様に自動車業界の主要企業数はやはり多過ぎるのではないかという気がします。それこそ発展途上の今の中国とかならともかく、既に成熟している日本の市場ではもうちょっと統廃合を進めたほうが全体に良いのではと思え、韓国やアメリカなどの業界企業数を見ているとますますその考えが強くなってきます。

 それゆえに先のトヨタの住み分けも、スバルが買収されるのはちょっと残念ではありましたが内心ではありかという風に見ていました。まぁそれ以上に、スバルには書類選考で落ちてて良かったとほっとしたのが大きかったですが。
 そして今回は三菱と日産が提携したとのことで、両者ともに電気自動車に力を入れているのでうまく話し合いが進めばこの分野でも協力が進むのではないかと思います。ただSUVと乗用車の部門で競合はしますが客層は明らかに違うし、なんとかなるんじゃないでしょうか。

 となると気になるのは残ったメーカーのホンダ、スズキ、マツダです。私の素人ながらの勝手な良そうだとホンダとスズキは会社所在地こそ程近いものの両者は四輪はおろか二輪で競合する企業同士で、傍目にも仲が良さそうには思えません。それに対してマツダはというとかねてからスズキからアルトなど軽自動車のOEM供給を受けており、コンパクトカーの部門でデミオとスイフトが競合(客層は違うように見えるが)するもののそれ以外だとあまり被らないように見えます。私の希望としてはこのままマツダとスズキもどんどんと協力して、合併とまではいかなくとも提携を深めて準グループ化していってもらいたいものです。

 何気にこのところのホンダさんには気に入らないところが多々あり、他社もやってたけどトヨタのアメリカにおけるリコール騒動の陰に隠れて大量リコールを実施したり、プリウスのデザイン丸パクリなインサイトを出したり、質の低いハイブリッド技術を搭載しておきながらこの分野の付加価値を余計に下げたりと、これがかつて技術のホンダと呼ばれた姿かといろいろ問いただしたい気持ちでいっぱいです。はっきり言いますがハイブリッド技術ではトヨタとホンダは天と地ほども差がある上、電気自動車も量産できないようでは三菱、日産以下で、どうかこのまま孤立化して細々と消えてなくなってもらいたいのが本音です。