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2016年3月10日木曜日

ハゲ議員連盟(日本を明るくする会)について

日本を明るくする会(Wikipedia)

 先日、いつものようにネットで政治ウォッチングをしていたところ、一つ気になる議員連盟があることに気が付きました。その議員連盟というのも上記の「日本を明るくする会」で、一体どういう議員連盟かというと要するにハゲ議員の集まりです。自分で書いててそんな冗談みたいな議員連盟なんてあるのかと思えてきますが、この議員連盟の参加資格は男らしく「頭髪が薄いこと」のただ一つだけで、それ以外何にもありません

 この会の始まりは2012年の衆議院選挙後で、この選挙で初当選を果たした自民党議員5人が情報交換を目的として会合を開いたところたまたまその5人がみんな揃って頭髪が薄かったことから、「たまたまとしない方がインパクトあふれる」としてメンバーが一致団結したそうです。会の趣旨としては議員同士の情報交換はもとより、自分たちの頭のようにともかく日本を明るくしていこうという方針からこういう会名になったそうですが、実態としてはまんまハゲ議員の集まり以外の何物でもありません。
 ただ参加資格が設けられているだけあって誰でも入れるわけではなく、自民党の茂木敏充議員に対して会長の八木哲也議員は委員会の会議上、「残念ながら、一見して茂木議員はメンバーになる資格がございません」と切って捨てています。こう言われるだけあって茂木議員は写真でも見るからにもふさふさです。

 もっともこの参加資格は必ずしも厳格に適用されているわけでもなく応用は効くようで、秋田県出身の冨樫博之議員はハゲてないものの「なまはげ」が秋田の名物であることから入会が認められ、同じように中村裕之議員も地元選挙区の小樽に毛無山があって、天気のいい日には石狩湾越しに増毛が見えるという説明が受け入れられ入会出来たそうです。まるっきりとんちやないけ。

 しかしなんだかんだ言いつつ、参加する議員の人数は増えていき現在は10人にも上るそうです。また会合にはベテランの江藤征士郎議員が来ることもあれば、恐らくこのまま在任日数が福田康夫元総理を抜いて過去最長となるであろう菅義偉官房長官も来たことがあるそうです。けどこんな会に招かれても素直に喜べない気もしますが。

 などとややおちょくった書き方でさっきから紹介しておりますが、こう言いながらも案外この議員連盟は凄まじいポテンシャルを秘めているのではないかと密かに注目しております。というのも自民党議員を中心に構成されているものの、特別な政治思想や出身などではなく身体的特徴だけを共通点にして集まっており、しばしば議員同士の溝を作りかねない派閥や世代、下手すれば政党すらも横断した議員連盟へと発展する可能性が感じられ、仮にそうなれば政治家同士のフラットな議論や政治家個人同士での連携した活動などが期待できるのではないかと思います。しかも、参加してる議員たちは見るからに団結力というか仲間意識が半端なく高そうですし。

 唯一の懸念としてはふさふさの議員らとの間で深刻な溝を作りかねないという点が挙げられますがそれはこの際置いといて、単純にお堅いと見られがちな政治家がハゲをウリにして「日本を明るくする」って主張しているということ一つとっても、なんだか日本の未来が明るくなりそうな気がしてきます。政治家というのは深い政策議論や権力の監視や運用能力が求められることもさることながら、市民に対して未来のヴィジョン、それもなるべく明るいヴィジョンを見せるということも重要な仕事です。そうした視点に立つならばこの「日本を明るくする会」は非常に前向きというか見ていてとてもわかりやすくそのような姿勢を見せており、こうした活動がこれまでの日本の議員に欠けていたのではないかとマジで考えさせられました。それこそこの議員連盟に参加している議員が光臨するって聞くだけでも、なんか見に行きたくなるし。

 ちょっとしつこく繰り返しますが、真面目に私はこの「日本を明るくする会」には期待しており、今後是非とも知名度を上げて日本政治を代表する議員連盟へ発展してもらいたいと考えております。党派や政治信条ではなくちょっとした共通点で政治家同士が集まるということに深い価値があり、またどう見ても根明な集まりであるということも見ていて本当に頼もしい限りです。今年はダブル選挙になりそうなだけに、「日本を明るくする会」の参加議員らには武運を祈ると共に、この記事に共感した方々もどうかお力添えをと願う次第です。

2016年3月8日火曜日

イーロン・マスクとスペースX

 すいかさんのブログでこの前、お子さんが熱に浮かされた際に出た寝言のエピソードが紹介されておりましたが、私が今まで聞いた寝言の中で一番衝撃的だったのは中学校の修学旅行中に友人が発した、「もう眠いよぉ(ノД`)~゜」という寝言でした。っていうか既に寝てんのに夢の中でも寝足りなかったのか彼は。

スペースX、衛星打ち上げ成功 ロケット洋上着陸はまた失敗(AFP)

 大体今年一月くらいからですが、米国のロケット打ち上げ事業を行うスペースXという会社の各種実験に関する報道が日本でも見られるようになりました。上記ニュースは中身を見てもらえば早いですが、これまで打ち上げた後はそのまま廃棄していたロケットを再利用できるよう海上に着陸させようという実験を報じたもので、今回は衛星を打ち上げることが本目的であって海上着陸は二の次のデータ取得が目的だということであったことからCEOのイーロン・マスク氏は、「計画通りの失敗だ」と述べています。
 ちなみに、スペースXは地上への着陸には既に成功しています。またついでに述べるとこのスペースXは、衛星や補給物資を積んだロケットを実際に打ち上げ続けている世界でも数少ない民間企業の一つで、もう何年も前から商業ベースの依頼を受けて衛星を宇宙軌道に乗っけたり、国際宇宙ステーションに補給物資とかを送ってたりします。

 そんなスペースXを率いているCEOというのが上記のイーロン・マスク氏です。恐らく日本ならスペースXはおろかこの人の名前を聞いてもピンとこない人の方が多いかと思いますが、このマスク氏が電気自動車(EV)の開発・販売で一時はトヨタとも技術提携したテスラモーターズのCEOでもあると聞けばその印象も変わってくるのではないでしょうか。

イーロン・マスク(Wikipedia)

 イーロン・マスク氏は米国系移民の息子として南アフリカ共和国で生まれ、青年期までこの地で育ちました。マスク氏は少年期から一風変わった子供だと周囲から見られており、一旦集中すると揺すっても声をかけても全く反応をしなかったり、一読した本の内容を隅から隅まで暗記しているなど際立った秀才ぶりを見せていたそうです。ただ子供の頃は大人しい性格をしておりクラス内でも特別目立つ人物でもなければ、ガラの悪いグループに絡まれていじめられることもあったと本人も語っています。
 マスク氏は高校卒業とともに最初はカナダ、次いで米国本土の大学へ留学しますが、留学の理由としては当時南アフリカ共和国で敷かれていたアパルトヘイト政策への反発と徴兵への忌避、そして現在も絶縁している父親から離れようとしたことが動機だったそうです。留学先の大学はいくつか転々としておりますが学生期にはプログラミングや経営学を学んだとしているものの、この時期の彼については学歴ロンダリング、または学歴詐称の指摘も出ておりはっきりとした足跡の裏付けは取れてはいません。ただ後からやってきた弟ともに学生時代から当時発達し始めてきたIT系の分野に興味を持ち、大学卒業後はIT会社にインターンとして入社しました。

 彼の最初の転機は弟とともに始めた事業で、今でいうマッピング広告と呼ぶようなサービスで地元の商店街を中心にネット上で地図と店の紹介を行うというサービスを展開しました。IT黎明期ということもありましたがこの事業はそこそこ成功していくらかの資金を獲得するにも成功しましたが、このマッピング広告事業からはすぐに足を洗って今度はかねてから構想を抱いていたネットバンク事業へと挑戦します。
 今でこそネット決済は当たり前ですが1990年代はネット上でお金のやり取りをするなんてセキュリティ面で危ないのではという認識が強い中、必ずネットで決済する時代が来ると踏んでいたマスク氏は培った人脈から事業運営に必要な人材を集め、手持ちの資金を大々的に活用するとともに米国内で銀行事業免許を取得し、当時としては本格的なネットバンクを設立するに至ります。ただ当時には同じような事業モデルを展開する競合他社もおり、お互い熾烈な競争を繰り広げた後で最終的には手を組み、ネームバリューとブランド力の高かった提携相手側の名称を使って成立したのがペイパル社(PayPal)だったりします。知ってる人には早いですが、ペイパルは今もネット決済サービスで世界最大手の会社です。

 ペイパルが成立した後ほどなくして米国でITバブルが弾けますがこの逆境下でもマスク氏は慌てて身売りはせず、時期をしっかり見計らった上で株式上場を果たして巨額の富を得ます。大体この頃から数多いる米国のIT長者の中でも一際キャラが立っているというか一目置かれる存在とみられ、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズに続く第三の男という風に取り上げられるようになったそうです。
 なお彼を知る人物からの評でも、「ビル・ゲイツのビジネス的なえげつなさとスティーブ・ジョブズのエキセントリックな偏屈さを兼ね合わせた男」と比較されていますが、なんていうか本当に嫌な組み合わせだなぁ。

 話は戻りますがペイパル上場によって巨万の富を得たマスク氏が次に手を出したのが、ロケット打ち上げ事業を手掛けるスペースXと、電気自動車(EV)の開発及び販売を手掛けるテスラモーターズでした。信じられないかもしれませんがマスク氏はロケットとEVという二種類の最先端の技術分野の開発・事業化をほぼ同時期にスタートさせており、現在も両社のCEOを兼任しながら同時並行で仕事を進めております。
 既に書いている通りにマスク氏は元々IT分野からの出身者でありますが宇宙開発や自動車には昔から興味があり、ペイパルを売却して開発者との会合に出ていくうちに物凄い勉強し始め、現在においては両分野共に第一線の研究者にも負けないほどの知識を持つに至ったそうです。そのため社内の開発者が技術トラブルなどの原因や対策を説明する際に少しでも穴があったら的確にそこを突いてくるので、社員としてはやり辛い上司らしいです。

 両事業共にペイパルと比べ技術的な障害も多いだけでなく資金調達面でも何度も危機にさらされ多くの人間が失敗すると予想していましたが、結果的にはどちらも見事収益化に成功しており、また技術的にこちらも難しそうなハイパーループという超高速鉄道事業にも手を出すとマスク氏は宣言してます。

 以上のようにマスク氏は経営者としてその実績は超一流で、なおかつ最先端のテクノロジー開発に自ら取り組みチームを指揮することからも超一流の技術者であります。そうした背景から映画「アイアンマン」の主役でロバート・ダウニーJr氏が演じたトニー・スタークは彼がモデルだと言われ、本人もその気というかそう言われてうれしかったようで社内に等身大のアイアンマン人形を置いているそうです。
 実際に彼の評伝を読んでいるとトニー・スタークに近い印象を受け、その能力と決断力は傑出しているものの人間性に問題があるというか、苦しい時期を乗り越えてきた仲間と何度も衝突して袂を分かったり、ちょっとでも気に入らないと部下をこき下ろしたり、こちらも「アイアンマン」に出てくる優秀な秘書のペッパー・ボッツに擬せられるほど優秀だった自分の秘書をある日突然解雇したりと、非常に独善的で必要以上に自信家である印象を覚えます。ただそんな彼に対する米国の人々の注目は小さくなく、米国経済を引っ張っている一人であるというのは間違いない事実です。

 今回こうして紹介記事を書こうと思ったのは、彼ほど米国、ひいては世界に影響を与える企業経営者は決して多くはない上、テスラモーターズの社名は日本でもよく報じられている一方、「イーロン・マスク」という個人名が何故日本では浸透していないのか、この点に疑問を感じたからです。文字通り世界を動かす経営者であるのだからもっと注目されたり紹介されてもいいと思えるのに、何故かこういう情報は出回りません。
 はっきり言えば世界に対する目が日本のメディアに不足しているように思え、この点に対して自分を含め日本のマスコミ連中がほざく「グローバルな目」というものを養わなければならないと自戒を込めて書くことにしました。ちなみに、自分もマスク氏を知ったのは友人に「最近読んだ本で一番これが面白かったから」と、下記の本を教えてもらったことがきっかけです。


2016年3月6日日曜日

千葉のマッドシティ~松戸市長

 昨日今日とで150km以上も自転車で走ってまだ疲労が抜けないので今日も短く切り抜けられる記事でお送りします。

 知ってる人には有名な話しですが、現在「松戸市長」という言葉についてやや齟齬が生まれる現状が続いております。というのも、「松戸船橋市長」もしくは「船橋市松戸市長」と呼ばれる人が出てきてしまったからです。

船橋市長なのに「松戸市長」 「どちらで呼んだらいいのか」とネットで笑い広がる(ジェイキャスト)

 松戸市と船橋市はどちらも千葉県内で多くの人口を抱える有数の行政法人なのですが、現在の船橋市の市長の名前は松戸徹氏で、皮肉なことに船橋市の市長なのに松戸という苗字がついてしまっているわけです。そのためニュース記事などでは上記などのように「松戸・船橋市長」などと書かれるために読んでて一体どっちやねんと言いたくなるような記述にならざるを得ないわけです。しかもどちらも同じ千葉県内だからさらにややこしい。
 自分が間違っているとは分かっていながらも、船橋市の松戸市長については頼むから改名してくれないかとすら密かに思っています。もしくは「船橋・M・市長」みたいにちょっと小細工効かせた呼び方とかにするとか。

 なお、本家本元の現松戸市長は本郷谷健次氏です。本郷谷市長に私から言いたいこととしては、市庁舎のすぐ裏にソープランド(角海老)があるのはどうかなっていうことくらいです。

 なんか本当に自転車の乗り過ぎの疲労で色々ときついです。帰り道はルート開拓とばかりに選択した道が無駄に遠回りになって失敗したなぁ。

2016年3月5日土曜日

シャープの中国子会社清算に関する疑問

 昨夜は上海にやってきた後輩と仕事後に合流して一緒にご飯食べましたがその際に、

花園「今度サイクリング部のメンバーと一緒にイチゴ狩りに行くんだ(´∀`*)ウフフ」
後輩「おっさん同士でイチゴ狩りに行くんですか?(´・ω・)。oO(何が楽しいの?)」

 と言われて、一瞬言葉に詰まりました。

投資家情報 決算資料(シャープ)

 話は本題に入りますが、先日ホンハイとの被買収交渉を終えたシャープですが、交渉を追えてさぁ契約ってタイミングでホンハイ側から資料精査のために契約時期を延期するという発表がなされました。この背景について海外メディアが、3000億円にも上る偶発債務リストをシャープが契約直前に渡したためだと報じられており、この報道に対してシャープも、「うちが発表したものではない」といった辺り事実なんだと思われます。
 では事実だとしてその偶発債務の中身は何なのか。現在シャープの表に出している有利子負債額は3000億円強といわれているだけに、普通の上場会社であれば偶発債務とはいえ3000億円もの債務リスクがあるのであれば財務諸表の注記事項で記入するのが当然です。報道を見ている限りだとシャープはこれまでこの偶発債務については一切公表していないようではあったものの、何かしら中身のヒントが得られないものかここはひとつ「俺がやるしかねぇ」と思ったので、直近におけるシャープの決算情報並びに財務諸表を確かめてみようと決心しました。

 そんなわけで上記リンク先のページにある今年2月4日発行の「平成28年3月期Q3決算短信」を見てみたのですが、結論から言うと偶発債務3000億円と思しき情報は見受けられませんでした。だとすると重大な債務リスクを隠しているという事なのでこれはこれで問題だと思いますが、それ以上に目を疑ったというか疑問に感じた記述として、連結会社に関するある記述が目に留まりました。
 その記述とは決算短信PDFの8ページ目上部に有る記述で、シャープの中国法人の一つで連結対象子会社でもある「夏普科技(無錫)有限公司」を2015年8月26日に清算したとさらっと書いてあります。一体この記述の何が問題なのかというと、ほかならぬこの私がこの情報を知らなかったということが問題だったりします。

 通常、連結対象にもなる子会社が異動する場合、経営に影響を与える要素ともなりうるため市場に対しきちんとその情報を公開しなければなりません。しかし常日頃から日系企業の海外拠点情報を収集している私は今回のこの情報は全く把握しておらず、シャープが同中国法人の清算を決断、または清算完了時にきちんと情報を公開していたのかという点で強い疑問を感じました。きちんと公開していれば恐らく私もキャッチしているはずでしょうし。

 この点が非常に気になったので2014年から2015年にかけてのシャープのニュースリリース並びにIRトピックスを細かく調べてみましたが、私が見る限りですと同中国法人の清算に関する発表は一切見当たりませんでした。またこの中国法人名で過去のニュースをネットで検索かけてみましたが、同中国法人が清算または解散するというニュースはどのメディアも一切報じておらず、ニュース的に旬な会社の子会社(海外工場)整理という内容から考えるとちょっと有り得ないんじゃないのかと思え、はっきり言えばシャープは情報公開せず隠してたんじゃないかという疑念を持ちます。
 もっとも公開したくないという気持ちはわかるしなにもシャープに限らずパナソニックも上海のプラズマテレビ工場閉鎖を数ヶ月黙っていたことがありましたが(自分が日系メディアで一番最初に報じた)、それでも清算を完了してから半年後にちょろっとだけ書いて公開するというのは意気地のない話です。こと情報公開に関しては口うるさいというか厳しい立場を取る私ですが、こうした態度を取る企業に対してはもっと社会も厳しい態度をを取るべきだと思います。

 ……と、いいながら、シャープが事実を隠してたら隠してたでニュースネタとしての価値は上がるだけに内心おいしいなとも思っており、この前元職場に、「決算短信を当たってみろ」とアドバイスしてたりします。

2016年3月4日金曜日

女性の方が多い中国の会計士事情

「中国の会計士の七、八割方は女性だ」

 先日、このような情報を知人からキャッチしました。
 会計士というと日本では司法試験などと並ぶ文系最難関資格の一つとされ、一時期は監査法人の採用が減って不遇の時代もありましたが現在は社会での需要の高まりと共に同資格保有者の求人も増加しており、高級職の一角に食い込む職業であります。こうした事情は中国でも同じで会計士資格の保有者となるとどの会社でも歓迎されますし、普段の生活でも「あの人会計士なんだって」という具合でちやほやされること間違いなしです。

 ただ、日本とは少し事情が異なるというか冒頭で上げたように、中国では会計士は女性がやっていることの方が多いとのことです。日本で会計士というと想像される姿はやっぱりスーツ着た男性で、女性もいないことはいないだろうけど検事や弁護士同様にやはり男性がメインというイメージの方が強いです。それだけにこの話を最初聞いた時は少し疑ったというか確認する必要があるように思え、早速監査法人に務めている知り合いがいる中国人の友人に連絡を取って真偽を確かめました。

 確認を取ったところ、確かに中国の会計士は女性の方が多いというか大半であるというのは事実だそうです。一体何故女性が会計士やることが多いのかとさらに尋ねたところ、経理や監査といった細かい数字を見たり確認したりする仕事は女性の方が向いているという概念が中国にはあるそうで、その延長で「会計士は女性の仕事」と考えられているそうです。もっとも、監査法人のトップに立つような会計士はほぼ男性が占めており、影響力的には男性の会計士の方がやっぱり上に出るとのことです。

 確かに日本でも経理業務は女性職員が多いような気はしますし、また女性の方が金の出し入れや金額の確認業務は向いているのではというのも納得できます。しかし会計士の大半が女性だというのは私からすると素直に驚きで、逆になんで日本では男ばっかなのかと逆方向の疑問すら湧いてきます。
 ただこの方面の中国事情についてもう少し述べると、地味に日本よりも経理や監査や財務申告は中国の方が進んでいるなと思う節があります。不正腐敗のエレクトリカルパレードの中国で何を言うかと思われるかもしれませんが、中国では社会主義国家なだけあって会計基準や税率税法の適用などについて統一した管理を敷きながら細かく当局が指導、強制しており、特筆すべきは一部領収書の書式が全国統一の同じ仕様で、領収書の印刷機も政府公認の物しか使えないようになっています。

 また間接税も日本の消費税に対して増値税方式で、日本よりも明らかに管理しやすい形になってますし、なにより一番大きく異なるのは経理業務の担当者は経理関係の資格保有者に限定していることです。日本にも一応、簿記資格はありますが通常の経理業務を行うに当たっては求められませんが、中国ではその辺りが厳しくて、税務申告に当たっても領収書の添付が必ず義務付けられます。
 中国に駐在経験がある人ならわかるでしょうが中国の領収書添付の厳格さは日本が緩すぎやしないかと思うくらいで、「他はいい加減なのになんでここだけ厳しいんだ」とよく駐在員同士で愚痴り合うのはこちらの常です。もっとも、それでも不正やらかしたり資金隠したりする人間が後を絶たないというのですから、別な意味でも中国人は会計業務に長けているといえるかもしれません。

2016年3月3日木曜日

千葉のマッドシティ~バンダイミュージアム(移転)

 このブログとリンクを結んでいる潮風大使さんがディープなマッドシティネタをわざわざ取り上げてくれているので、興味がある方は是非下記リンク先をご覧ください。

潮風太子松戸に出没す(笑う蜘蛛の糸)

 一方、こちらのブログではマッドシティネタがこのところめっきり少なくなってきておりますが、何もネタが切れたというわけではなく単純にほかに書くネタが多過ぎるというのが実情です。とはいえいい機会だし、あと知り合いと一緒に夕飯食べて眠いこともあるので大分前に準備しておいたバンダイミュージアムについて今日は紹介します。

おもちゃのまちバンダイミュージアム(Wikipedia)

 バンダイミュージアムとは玩具製造販売大手のバンダイ(現バンダイナムコホールディングス)が設立、運営しているアミューズメント施設です。栃木県下都賀郡にあり、看板商品のガンダムに関連した商品や展示を中心に様々な玩具が多数置かれてあり、大人から子供まで様々な年代が楽しめるような施設となっております。行ったことないけど。

 で、なんで栃木県にあるこの施設をマッドシティネタで語ってんのかというと実はこのバンダイミュージアム、元々は松戸市にあった施設でした。場所は松戸駅から徒歩一分というかほぼ接続している商業ビルのピアザ松戸で2003年にオープンし、聞いた話だとガンダムのプラモデルが大量に売られていたとか。そんな松戸市に合った施設が何で栃木県に移ったのかというと、はっきりとは言われていませんが客足がそんなに伸びなかったという営業上の理由が大きかったとのことで2006年に閉店しており、2007年から栃木県で再オープンしたそうです。

 で、正直なことを述べると、実は私も松戸時代のバンダイミュージアムには一度も行ったことがありませんでした。なんでかって理由は非常に単純で、この時期の私は京都方面で転戦を続けていたというか大学に通ってて(+北京)、関東にはほとんど滞在していませんでした。なのでたまに帰省した際も松戸にこういう施設が出来たとは聞いてはいたものの足を運ぼうとまでは思うことはなく、むしろこういうアニメグッズやプラモを買おうってんなら秋葉原まで出向こうとしたでしょう。
 あくまで私個人の意見ですが、なんで松戸でバンダイミュージアムが流行らなかったのかというと都心に近すぎたということも一つの理由じゃないかと思います。都心に近すぎてこの手の商品なりアミューズメントを求めるのであればもっといいところというか候補が数多くあり、地元民はともかくとして中途半端な距離にある松戸にまで足を運ぼうっていう人が多く出なかったのかもしれません。

 なおこの元入居先ことピアザ松戸にはかなり前から1~2階にはゲームセンターが入っており、その上にはマクドナルド、紳士服の青山、ダイソー、ユザワヤ、ブックオフが入っています。ゲームセンターには中学生の頃に親父を無理やり引き連れて25対25で打ち合う戦車ゲームして遊んでて何故か親父もこの時のことをやけに覚えてて何度も話題にしてきます。
 紳士服の青山では開店当初に一着スーツを購入していますが、今日以前いた職場にそのスーツ着て顔を出したら、「あら、あんたスーツも持っていたのね」と、昔の同僚に言われました。秋から春にかけてその職場ではほぼ毎日、猫の絵柄に「ALCATRAZ」とアルファベットで書かれたトレーナとGジャン来て通っていたのですが当時の同僚みんなこの格好を覚えてて、むしろどうして今日それを着てこなかったという風にまで言われました。

2016年3月1日火曜日

伝統工芸のぼったくり事情

 本題とはまた関係ありませんが、今職場で使っているパソコンと自宅で使っているパソコンのこーボード配列が異なっているため、なんかこのところ職場でも自宅でもキーボードを打っているとどちらでも違和感を覚えてなんでやねんという状況です。どちらもノートパソコンですが、自宅では外付けキーボードを使っているものの職場ではノーパソ付属のキーボードなので、職場にも外づえっキーボードを一応は用意したもののなんかテーブルの高さが合わないのか仕事し辛くて結局外してしまいました。

日本の誇りを守るため「伝統文化」も変化せよ なぜ、ここまで「ボッタクリ」がまかり通るか(東洋経済)

 そういうわけで本題ですが今日引用する記事はみんな大好きアトキンソン……といっても、この名前聞いてするわかる人はほとんどいないでしょうが、この人は以前に私が書評を書いた「新・観光立国論」という本の作者で、以前ゴールドマン・サックスの日本支部でアナリストをやっていた愉快なイギリス人です。
 どうでもいいですがこの前、「イギリスに留学した姉が現地の食べ物がまずくて栄養失調寸前なんだけど」というまとめ記事見てうんうんと深く頷いていました。自分は余り食にこだわりがないけど、生きているのが本気で嫌になったのはロンドン滞在時くらいです。

 アトキンソン氏は現在、京都にある文化財保護事業を行っている小西美術工藝舎で活動されておりその傍らで日本の観光産業について提言や警鐘を行っているのですが、今回引用した記事では、日本の伝統工芸が実は日本の物ではなくなってきているにもかかわらず、日本製と偽ってぼったくりに近い行為がなされていることを紹介しています。
 そういった一例としてこの記事で紹介されているのが「漆」なのですが、自分もこの記事で初めて知りましたが漆の英語名は「japan」とのことで、それほど世界的にも日本を代表する素材だと認識されているようです。しかし、現在日本で使われる漆の98%は実は中国産で、重要文化財の塗り直しとかにも日本産の漆はほとんど使われなくなっているそうです。

 それでも日本人が作っているのなら日本製といえるのでは、と思うかもしれませんが、アトキンソン氏によると、日本らしいものを買い求めに来ている外国人からすれば「そりゃないよ」と受け取るだろうと否定した上で、

「想像してみてください。みなさんがイタリアで高価な『ヴェネチアングラス』を購入して来たとしましょう。後にそのガラスが実は中国産だったと聞いて、どう感じるでしょう。『ダマされた!』と思わないでしょうか。」

 おっしゃることまさにその通りで、日本の伝統工芸品として売り出している以上は徹頭徹尾日本産にこだわるべきでしょう。これも本文に書かれてますが、漆が「japan」ではなく実は「china」だったというのはシャレにならない話です。

 またこの漆と合わせて金箔についても触れており、一部で中国産の金箔を使って安く作っているのにもかかわらずお値段は据え置きで、ぼったくっている業者が少なからず存在するということも指摘しています。安く作れるのならそれに越したことはないものの、それを消費者に還元しないというやり方は消費者にも技術者にも産業的にも悪影響を与えていると指摘し、それならば値段が高くても本物志向にこだわるべきだということを暗に示唆しています。

 なお最後の方で金箔に疑問を持ったきっかけとして、以下のようなエピソードが載せられています。

「業者から『金の値段が1割上がったから、1枚あたりの単価が1割上がります』と言われました。これは元金融アナリストとして、絶対に認められない話です。1枚あたりの単価のなかには、職人の賃金、固定費なども含まれているはず。金だけで構成されていないのは明らかです。」

 というエピソードを書いた後、「ゴールドマン・サックスという世界トップクラスの投資銀行の元役員にそんな話が通じるはずもない」と、かっこよく言っててマジリスペクトみたいに思いながらこの記事読んでました。