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2016年5月9日月曜日

日露首脳会談と今後の北方領土交渉について

 報道されてはいますが果たして世間でどれだけ注目されているのかちょっと計りかねるこの前の日露首脳会談についてですが、個人的には今後も含めロシア外交を注目しています。というのも今回の会談に先立ちクレムリン(グレムリンじゃないよ)ことロシア政府は日本側に対し、「北方領土について交渉する余地がある」と発表していたからです。

 従来、ロシア政府は日本との領土問題は存在せず北方領土はロシアが合法的に支配する領土であるという姿勢を取り日本政府の返還要求に対して聞く耳すら全く持たなかったのですが、何故今頃になって急に交渉に応じる態度を取ってきたのか。このロシアが姿勢を転換した背景は実に簡単で、米国による経済制裁とそれに合わせた原油引き下げによる嫌がらせが結構応えており、日本側との交渉によって米国によるロシア包囲網の連携を崩す、なおかつ日本との経済協力を狙っているとみてほぼ間違いないでしょう。

 無論、ロシア側の狙いは経済的打開であって日本との領土交渉は本気ではなく、上記の北方領土交渉も口先だけで返還する気はさらさらないというのが実態でしょう。しかし口先だけとはいえ領土問題における強硬な立場を崩してきたということはそれだけ困っているということも事実で、打開策のなかった日本側にとっては大きな前進と言えるしチャンスでもあることは間違いありません。このチャンスを生かすためにも、日本側は北方領土についてどういう立場で臨むのかを今一度考えておく必要があると思います。

 大きな論点としてはやはり、北方領土の四島一括返還を求めるのか、それとも二島で妥協するのかという点でしょう。二島をまず返してもらい、その後で段階的に残りの二島を返還してもらう「二島先行論」というのもありますが、現実ではもはや四島か二島か、もしくは何も返ってこないかの三択に絞られているような気がします。恐らく二島返還で行くのであればロシア側も妥協する余地はあるように見えるのですが、もし可能であればもう一つ、北方領土四島すべての非軍事化をロシア側に飲ませたいところです。
 北方領土は太平洋に面していることから核ミサイル搭載原子力潜水艦も停泊していると言われ、日本側にとって脅威と言えば脅威ですがそれ以上に米国側の方が鬱陶しく思っているように見えます。仮に米国が経済制裁をしている中でロシアとの交渉で妥協すれば米国としてはいい気持ちしないでしょうが、二島+非軍事化を飲ませられれば米国への面目もやや立ち、なおかつ日本にとっても国防面でプラスの影響を受けられるのでは……などと素人ながら思います。

 ロシアとしては非軍事化は絶対に受け入れないでしょうが、そこは被爆国として「核抜き」を徹底的に追求し、核兵器など一部軍事力の削減にまで持って来れたら御の字だと思います。たとえ四島すべてが返ってこないとしても。あくまでこれは私個人の意見ですが、国民全体としてもロシアとの北方領土交渉でどのような方向が望ましいのか、ある程度案なり覚悟なりをそろそろ決めておいた方がいい時期だと思います。

2016年5月8日日曜日

マージン率を公開することによる派遣会社側のメリット

 先日、私が以前に書いた派遣会社のマージン率統計関連記事を読んだという派遣社員の方からメールをいただきました。内容としては貴重なデータを公開してくれて大変参考になりましたという、書いた本人からしたら努力した甲斐あったと感じさせられるお礼メールだったのですが、一緒に書かれていた内容の中に、「今まで業界内のマージン率の実態がわからず、派遣元の会社に自分はどれだけピンハネされているのだろうかという不信感が強くあった」と書かれてあったのが目を引きました。

 そのメールをくださった方が私のマージン率統計記事を読んだ後で派遣元の会社に自分のマージン率を公開するよう要求して(営業担当の人は最初、「マージン率?」という反応だったらしい)データを見せてもらったところ、当初は50%くらい取られているのではと思っていたものの実際には業界平均を大きく逸脱するようなマージン率ではなく、またその費用内訳についてもきちんと説明してもらえたことから不信感から一転、納得感が強く得られたそうです。まぁその派遣会社も事業所別のマージン率を公開してはおらず、また個人マージン率も要求される前にきちんと公開しろよと苦言を言いたいところではありますが。

 なにもこのマージン率に限らずとも「数字が見えない」という状況にあっては、ましてやそれが給料に関するデータであれば普通どの人も少なからず不信感が芽生えると思います。しかしその内訳を公開されることによって労働者側はある程度は納得感が得られるというか、見えずにお金を取られている状態から脱することである程度気持ちに踏ん切りがつくと共にその業務に対してもある程度やる気が得られるものだと私は思います。

 一連のマージン率関連の記事で私が何度も訴えてきたことですが、あの一連のマージン率の記事は派遣業界や派遣会社を批判する目的で書いたものではありません。むしろ、マージン率を公開し合うことによって派遣社員、派遣会社双方でメリットが得られると共に派遣業界全体で整理淘汰にもつながり活性化されるはずだという信念の元で一連の調査を行ってきました。
 未だにマージン率の公開を拒む派遣会社が数多いというか圧倒的多数ではありますが、どう考えたってきちんと公開した方が派遣会社側にとってもメリットが大きいように私には思えます。公開した方が派遣社員のモチベーション向上に必ずつながるし、また他社と比較してマージン率が高いとしても、きちんとその理由を説明すれば普通は納得してもらえるはずです。むしろ隠すことによって先のメールの方の様に、「実は半分くらいピンハネされているのでは……」という不信感を招きかねず、業務にも支障を与える可能性すらあるでしょう。

 実際、マージン率などの社内データを率先して公開していて私もアドバイス面でお世話になっている株式会社リツアンSTCの野中社長によると、ネットで情報公開を行ってから評判はうなぎ登りで(掛川の会社なだけに)、派遣会社の移籍すら申し出てくる方も増えたと話しています。元経済紙ライターとしての立場から言わせてもらえば、周りが隠そうとしている情報ほど公開する価値は高くなるもので、このマージン率についてもみんなが揃って隠そうとしているからこそただ義務に従って公開するだけで、「えらい!」と言われちゃうほど公開価値は高いです。
 ただ普通にマージン率を公開するだけでも抱える派遣社員からは信頼感、納得感が得られ、また大多数が公開していない現状においては公開するだけで、「うちは一味違う」という宣伝にもつなげられるため、これで公開しない手はないと私には思え、引き続き派遣会社の方々には常識ある決断ともに情報公開に取り組んでもらいたいところです。

2016年5月7日土曜日

フジテレビの視聴率と日本景気の相関性

 今日は昆山のサイクリング部の活動日でしたが前日の予報で雨降りと言われたため参加を見送った所、昼過ぎまで雨は降らずに無事催行されました。念のため、前日に自転車を輪行袋に詰めておいたので朝きちんと起きて高速鉄道乗って参加してくりゃよかったのにと思いつつも、来週の旅行のため明日友人と打ち合わせするからまぁいいかと納得させてます。
 なお今回初めて自転車を輪行袋(自転車を丸ごと入れる袋)に詰めましたが、前後輪の分解はそうでもないですが後輪の組み立ては言われてた通りにやっぱコツがいるなと思います。でもって油で手がべたべたになってバーテープ汚れるし。それと袋に詰め込んだはいいが、持ち運ぶとなるとやっぱめちゃくちゃ重たいのがネックです。

 話は本題に入りますが一昨日帰宅する途中、このところは海外メディアにも「日本病」と書かれるほど不景気が恒常化していると言われるが、なんだかんだ言いつつ小泉政権時、特に郵政選挙のあった2005年前後はそれなりに社会の空気も明るく「ヒルズ族」が取り上げられるなど好景気だったと言っていいよなぁ……と考えていたところ、「あれ、それってフジテレビの視聴率と重ならないか?」とまた急に閃きました。

各局の年度視聴率(1990~)

 翌日、早速ネットで過去の年度別視聴率を検索してみたところ上記のサイトがシンプルイズベストにまとめていてくれたので敬意共にリンクします。また脱線しますが、かつては一方的にリンクする側でしたが最近はリンクされる側に回ることも増えてきたなと思います。

 真面目な話しに戻りますが、上記サイトの調査結果に従うとフジテレビは全日視聴率で1990~1992年及び2004~2011年(2011年のみ日テレと同着一位)の間で全局トップに君臨しています。あくまで印象論ですがこのフジテレビが全日視聴率で一位だった期間は日本が「好景気だった」と私が感じられる期間とほとんど重なっており、1990~1992年の間はバブル期とその残滓が残っていた時代で、2004~2011年は先ほども述べた通りに小泉政権下で比較的経済環境が安定していて「カンバン方式イズナンバーワン」というたわごとが闊歩していた時代でもありました。まぁ2008年のリーマンショック以降はフリーフォールみたいに景気悪くなりましたが、今現在の景気へ本格的に悪影響を及ぼしている主要因は2011年の東日本大震災でもあるのでこの辺は大目に見てください。

 たまたまかもしれませんし偶然かもしれませんが、日本の景気変動とフジテレビの浮沈が相関し合っているように思ったというのがこの記事の主旨です。一体何故この両者が相関し合っているのかという仮説を立てるとしたら、すぐ浮かんできたのは景況感が消費者に与える意識とフジテレビの番組方針が関係しているのではないかという点です。
 かつてテレビ局はそれぞれ、「報道のTBS」、「野球中継の日テレ」、「アニメのテレ東」、「バラエティのフジ」という風にそれぞれのテレビ局の性格というか番組方針に個性がありました。このうちTBSに至ってはグループ会社の毎日新聞ともどもその報道ぶりはカス同然、ていうか最近も逮捕者出したし報道問題をいい加減起こし過ぎですが、他の三社についてはまだこうした番組姿勢は残っており、フジテレビも看板番組はバラエティでほぼ占められていると思います。

 他局にもバラエティ番組はもちろんありますがフジテレビのバラエティの特徴としてはやはりはっちゃけるというかバカ騒ぎを敢えて行うような傾向があるようにみられ、私個人の勝手な見立てで述べるとそうした、バカ騒ぎ的なノリが受け入れられる環境というのは景気がよくて消費が激しく行われるような時代でこそ好まれるから、景気との相関が生じるのではないかと推測しています。なので「フジテレビの視聴率がよくなる→景気が良くなる」ではなく、「景気が良くなる→フジテレビの視聴率がよくなる」という図式が私の立てる仮説です。自分で書いてて思いますが、最近変な所で説明すっ飛ばしてる気がします。

 仮に上記の仮説、図式が成立するとしたら、フジテレビの視聴率は景気というより景況感に深く依存しており、相関があるとしたらむしろこっちでしょう。でもってその通りであれば、このところフジテレビの視聴率はだだ下がっててテレビ朝日にも抜かれたりしてるので下手すりゃ過去最悪なくらいの景況感が今そこにあるってことになりそうです。
 また逆の視点を持つならば、フジテレビと視聴率トップを常に繰り広げているのは日テレであるとなると、日テレが調子づくと日本の景気が悪くなる……のかもしれません。日テレ=日本テレビなのに……。もしくは景況感が悪くなると視聴率がよくなる要素が日テレにあるのだろうか……。

2016年5月5日木曜日

中国の農畜産物ブランドについて

 最近発見したのですがGoogleで「たまきしげさね」と検索すると、ちゃんとガンダムの主題歌を歌っていた歌手の玉置成実(たまきなみ)氏のWikipediaページがヒットし、しかもその一つ下は戦国武将の伊達成実(だてしげさね)のWikipediaページだってのがじわじわきます。

 話は本題に入りますがこの前中国の冷凍食品について書きましたがその続きとばかりにまた中国の食品業界について思うところがあり、特に地域ブランドについてはまだまだ改善の余地があるように感じます。具体的に述べると、中国には日本でいう「ジャガイモなら北海道」、「玉ねぎと言ったら淡路島」といったような、農畜産物の地域ブランドが全くと言っていいほど存在しません。
 唯一例外と言っていいのは日本でも一部で知られる「上海蟹」で、これは上海付近の湖から得られる蟹そのもので立派な地域ブランドと言っていいでしょう。しかしこれ以外となると、たとえばピーマンはどこ産が有名なのか、物価で一番注目される豚肉はどこが上手いのか、お米の産地はどこなのかとか、なんか普段生活していても全然意識しないというか目に入ってきません。

 お米に関しては日本同様に東北地方が一応産地として認識されてはいるものの日本の「ササニシキ」に代表される誰もが知るようなお米ブランドは恐らく存在しません。そのほかの農畜産物に関しても同様で、スーパーを回っていてもバナナなんかは「フィリピン産」ってたまに書いてありますがそれ以外だと産地をかいたPOP広告は一切なく、重量単価が書いてあるだけです。
 一応、トレーサビリティ制度自体はあるのですが産地を喧伝することは一切なく、中国人は食にこだわるのに一体何故なんだろうと疑問に感じた次第です。この背景としてはまず第一に食のブランド化を誰も手掛けようとしてないということが考えられ、日本の様に農家や農業団体などがブランド化を目指す動きは中国ではほとんどなく、恐らくそういった価値観自体が薄いのと農民の教育水準とかも影響していると思います。

 次に考えられる理由として、中国人にとってはまだどこの農畜産物がおいしいのかおいしくないのかではなく、どこが安全か安全でないのかの方が重要な関心事項であることも大きいでしょう。未だに日本で「中国で働いている」と言ったら毒ギョーザの話題が振られたりするくらい日本人にとっても中国の食の安全は強い関心事項でありますが、当事者である中国人からしたら日本以上により強く関心を寄せており、自国の食品に対する不信感は現在においても半端なく高いままです。日本でも報じられているでしょうが粉ミルクも外国産が文字通り飛ぶように売れ続けていますし、そのほかの食べ物類でも海外食品メーカーの品物はその事実だけで値段が高くても評価されます。
 そんな中国人からしたらどこの産地が良いか悪いかではなく、どこが安全であるか否かの方がずっと重要であって地域ブランドなんて知るかこの野郎みたいな価値観なのかもしれません。ただ逆を言えば、安全安心かつおいしさを約束したブランドを確立すれば意外と市場はあるのではないかと思う節があります。なんせ誰も手を付けていない未開拓の領域なんだし。

 こと地域ブランドの確立という点においては、地味に日本人はこの方面の手腕に長けていると思えます。数え上げたらきりがないですが「松坂牛」や「神戸牛」などはもはや立派な世界ブランドとして通用しており中国人でも一回食べてみたいと話す人が実際多く、また「京野菜」という地元京都の人間は一切買わないのに他府県の連中がありがたがって買っていくというほどのブランド化においてはかなり日本人は長けています。なのでこの分野で日本があれこれ指導したりすればいいコラボできるんじゃないかと思うのですが、その一方で日本人が中国人に騙されて終わりになるかもしれない懸念があり、あんま強く主張すべきか悩ましい所であります。


  おまけ
 前に信長の野望で新武将を作っていた時にその武将の列伝編集で何故かどれもこれも、「冷凍毒ギョーザを食べて死亡」、「メラミン牛乳を飲んで嘔吐」「カドミウム米を食べて頓死」、「段ボール肉まんを食べて悶絶」などとよくわからない末期を書きまくっていました。

ねこ相撲


  今日もアフターファイブに人と会っててブログ書く時間がないため、ネットで収集した猫写真をアップすることでどうにかごまかそうと思います。テーマは最近マイブームな「ねこ相撲」です。

右の猫は足袋付き

後輩に胸を貸す先輩猫 

 豪快な投げ技

重量級同士の取り組み 

 土俵際

部屋での稽古

最後、送り出し

 一番疑問なのは、なんでこういう写真を保管しているのかって点です。足りなければネットで探そうかなと思ってましたが、手持ちの写真だけで見事に事足りました。

2016年5月2日月曜日

中国の冷凍食品

 また余談ですが現在「戦国無双4」というゲームを遊んでいるのですが賤ヶ岳の戦いを前にして石田三成、大谷吉継、加藤清正、福島正則が秀吉の天下取りに向けて仲良く語り合っているところを見ると、関ヶ原の戦いの折はこいつらには「あんなに一緒だったのに」がBGMで流れてたんじゃないかなと妙に感じ入ってました(つД`)
 話しは本題に入りますが、結論から言うと中国の冷凍食品は種類が少なすぎる気がしてなんていうかいろいろ不満なので、早く来てくれ日系冷凍食メーカーと叫びたいので簡単に現況を紹介します。

 まず、中国において冷凍食品は日本同様に一般的でポピュラーです。しかし取り扱われている冷凍食品の種類には日本人の私からすると非常に偏りがあり、私の見解で述べると売られている冷凍食品の50%は餃子と言っても過言ではありません。なんでこんな冷凍ギョーザ好きなんだよこいつらと思うくらいスーパーでは有り得ないほど冷凍ギョーザに溢れており、メーカーもたくさん分かれていれば味も「ニラ豚肉」、「白菜豚肉」、「三色豚肉」などと果てしなくバリエーションに分かれており、多分各メーカーの各種類の冷凍ギョーザをきちんと評論できるならなんかの雑誌とかで好評に連載できるんじゃないかと思うくらい中国人は冷凍ギョーザが大好きです。
 ではほかにはどんな冷凍食品があるのか。私の見る限りだと他には焼売(シュウマイ)、春巻(センテンススプリング)、饅頭(あんまんっぽいの)でほぼ占められており、先程のギョーザとこの四種類で実質90%を占めているんじゃないかと思います。一応冷凍庫の片隅に目をやればあんまおいしくなさそうな冷凍ステーキ、冷凍パスタ、やけに高い冷凍ピザなんかも置いてあるっちゃおいてありますが、正直手に取る気にはなりませんしレジ前に並んでいてもこの辺の冷凍食品を買ってる人は見受けられません。一方で「どんだけ買うねん?」と思うほど冷凍ギョーザを大量に買ってる人は多く見るのですが。

 ネットで日本の冷凍食品の人気ランキングを見てみると、改めて日本は冷凍食品の種類が多種多様にあるんだなと思えてきます。こっちには冷凍お好み焼きもなければ冷凍たこ焼きもなく、ましてや冷凍肉まん、冷凍たい焼き、冷凍エビドリア、冷凍グラタン、まともな冷凍ピザ、冷凍コロッケ、冷凍エビフライなんてなく、中国なのに冷凍チャーハンすら見かけません。特にこのところやけに冷凍お好み焼きが食べたくて仕方なく、ちょっと居づらいけど今度「花月」って上海にあるお好み焼き屋チェーンでも行こうかなと検討中です。酒飲まずにお好み焼きだけ食べるから店員がなんか怪訝そうに見てくるのがいやなんだけど。

 一体何故これほど中国だと冷凍食品の種類が少ないのか業界関係者に詳しく聞いてみたいところですが、一つに日本で主力となっているドリアやグラタンといった洋食系はまだ中国だと食べ慣れていない料理であること、もう一つはギョーザや焼売などが冷凍食品のセオリーとして固定化されてしまっているのが原因かもしれません。
 しかし逆を言えば冷凍食品市場にはまだまだ広がる余地があり、特に中国でも段々と単身者が増えつつある土壌を考えると潜在的な市場性は高いと思います。特に冷凍食品をおかずに使う文化はあるもののお菓子や軽食として使う文化はまだなく、先ほど挙げた冷凍ピザや冷凍たこ焼き、冷凍たい焼きなんかは子供を中心に広く受け入れられるのではないかと推測しています。というのもたこ焼きやたい焼きはかなり前から中国にも入ってきて食べられており、人によってはこれらは中国で成立した食べ物と考えている中国人もいるだろうと思うくらい普及しているからです。

 そういうわけで市場性は高いのだから、どこでもいいので早く日系冷凍食品メーカーは中国に来て工場こさえて作ってもらいたいです。もし必要だったら私と私が所属する組織も全力でコンサルするし、余計なことなんて考えず早くかかって来いよベネットと言いたいのがこの記事の主旨です。

  おまけ
 いついかなる時であっても必ず冷凍庫に冷凍たこ焼きを準備している友人にこの記事の企画を伝えた上で、「どこがうまいねん?」と聞いたところ、「加ト吉も捨てがたいがやはりニチレイ」と即答してきました。

  おまけ2
 こんだけいろいろ書いておきながらなんですが、実は今の自宅には電子レンジがありません。というのも中国で暮らしてて電子レンジ内生活長かったから、「中国では電子レンジは極力使わない」という妙な不文律が建てられてて、冷凍食品でも茹でて食べるタイプ以外はこっちでは食ってなかったりします。ちなみに同じ理由でトースターも常備しておらず、中国では常に食パンは生で食べてます。

2016年5月1日日曜日

感覚強奪

 最近自転車に乗っていなかったので上海市中心部から北に行った海沿いの公園まで片道33km、往復66kmを走ってきましたが、連休ということもあって公園は大賑わい、っていうか車の列が公園入り口前からやばいくらい長々と続いていたので結局入らずすぐUターンしてきましたが、気温がここ数日で急に上がったのと、最近あまり漕いでいなかったのもあってやけに疲れて帰ってきました。しかも帰り道、道を逆走してきた電動バイクと正面衝突もしてます。
 私が腕時計に目をやったその瞬間、その電動バイクは横にマージンあるのにまっすぐ私に向かってきたのですが相手の上げた声で私も気が付いたので直前で減速しつつ、よけきれないと思って斜行しながら向こうのバイクにわざと自転車をぶつけたため、自転車も体も完全に無傷でした。つくづく自分は無駄にタフな気がします。

 話しは本題に入りますが仮に学問をするとはどういう事かと人に尋ねた場合、十中八九は「その分野の知識を身に着けること」という答えが返ってきて、少しレアなものになると「知見を広げること」なんてのもあるかもしれません。仮にこの二つの答えが返ってきたら私ならばその場で「それは違う」と否定した上で、模範解答として私が学生時代にお世話になった中国語の先生にかつて教えてもらったように、「各学問分野ごとの思考法を身に着けること」と教え、経済学なら貨幣を中心に社会を分析し、商学なら経済活動と価値測定を中心に、法学なら法体系や制度を中心に、人文学なら個人や社会の思想や文化を中心に、それぞれ核となるとモノから世の中を見る思考や判断力を身に着けることだと教えます。
 その上で自分の学問目的は上記の概念をベースにしてあるもののやや邪道で、多種多様な感覚を身に着けることそれ一筋であったと、気分がよければそう教えると思います。

 感覚を身に着けるというのは私なりの表現で、通常の表現ではありません。では感覚を身につけるということは何かというと、上にあげたあらゆる学問分野の価値判断基準を身に着け、それぞれの視点を使いこなすと共に同時に見られるようになるということを指します。更に学問分野だけでなく、男性と女性の価値観の違い、日本人と中国人の価値観の違い、カレー好きと煎餅好きの価値観の違い、これらあらゆるジャンルや特徴の異なる視点で使い分け、目に入る耳に入るものすべてを見逃さずに知覚する目的で以って学問に取り組んでいました。

 一体何故こんな妙ちきりんなことをしていたのかというと一番大きな理由は中学生の頃からジャーナリストになりたいと思っており、普通の人なら見逃すような情報でもきちんと拾えるようになるためにはどうすればいいかと考え、究極的には間隔を広げ、増やすことだという結論に至ったためです。感覚というと通常ならば五感を指し、視覚なら目、聴覚なら耳を介して感じ取りますが、これと似た感じで芸能情報を感知する感覚、政治情報を感知して分析する感覚、特定状況下に置かれた人々の思考を類推する感覚など、こういったものを私はずっと求めてきました。
 常日頃からあらゆるジャンルの情報を感じ取るため感覚を磨くことはもとより、価値観の異なる人間同士で同じ対象をどのように異なって見えるのか、また限られた知識の中でどういう風に思考を組むのかなど、今まであまり口にすることはありませんでしたが隙あらば観察しようと動き続け、思考パターンを作ることに従事してきました。

 そんな私の経験から言えば、完全にではありませんが比較的同じような記憶を共有している場合だとほぼ同じ思考、行動パターンを取る可能性が高いようにみられます。同じ記憶と言っても何も生まれてからずっとの記憶となると本人以外でなければわかりませんが、特定ジャンル、たとえば歴史や経済などの分野に分けると小学生レベルや中学生レベルなどに区分しやすくなり、それらあるジャンルの知識が同じ水準の人間同士となるとそのジャンルに対する思考パターンは等しくなり、何か課題や質問を出すとほぼ同じ結論に至ることが多いというのが私の実感です。

 そのため、私が相手の出方を伺う際はその相手がその分野に対しどれだけの知識を持っているのかをまず確認します。その上で知識とは関係なくとも何か特定のこだわりの条件、極端な例だとトラウマのような思考に影響を及ぼす過去の体験や経験を探り、これらを一通り把握した段階から相手の次の返答や行動を読み始め、それに対する自分の返答も準備し、結論をどこに持って行くかなどを決めていきます。
 人間、苦し紛れとなると手持ちの材料を全部投げ出そうとするところがあり、特に知識関連だとあまり関係なさそうでも少しで関係する要素があれば、苦しい状況下で口に出しがちです。大体の結論はそこへ持って行くというか苦し紛れの一言を言わせることにあり、その一言を打ち崩す自分の言葉でフィニッシュをかける、というのが私の通常の議論パターンです。ほかの人がやってるかどうかは知りませんが。

 ただ、大体10分から15分くらい話せばその人が大体どういうパターンで話を組んでくるかは段々見えてきます。掘り下げるタイプとか話題を切り替えるタイプとか逆質問を多用するタイプとか、それらを見極めた上でどういう言葉をかけると相手がどう反応するのか、むしろどう捉えるかを予想する、言うなれば感覚を奪うような感じで議論で攻める時は攻めるようにしてます。もちろん完全に決まらないこともあるっちゃありますが。
 前にもちょこっと書きましたこのところ「隙を見せたら一撃死」みたいな白熱した議論をする相手がいなくてやや手持無沙汰です。そういう白熱する議論における好敵手というのは上記の思考パターンとは異なり、既存の知識に頼らないというのがやっぱり一番手ごわい気がします。そういうタイプはどうやってまくかとなると、ひたすらに頭使わせて途中から疲れで頭廻らなくさせるくらいしかないのですが、やってる最中にこっちが頭廻らなくなったりするからまた面倒くさい。