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2016年6月10日金曜日

上海動物園にて


 昨日は合計で十三時間も寝たので今日は家の近くにある上海動物園へ行ってきました。三連休の中日ということもあり大賑わいで、入場ゲート前では長蛇の列が出来ていたものの田舎者が割り込みしてきやがったので「ぶっ殺すぞワレ」といおうかと思いましたが大人になって我慢しました。

 上の写真は見ての通りペンギンですが、今日はやや蒸し暑いこともあってか水の中を泳いでばかりで普段なかなか見られない姿が見られて面白かったです。特に水中での動きは本当に鳥が飛んでいるようにしか見えず、ああだからペンギンは鳥類なのかと妙に納得感を覚えました。
 また今年は申年ということもあってサルの展示コーナーが充実していて特別説明パネルなども設けられていました。面白かったこととしてはニホンザル(中国語では「紅面猿」)が隣の檻にいる別の猿と格子越しに口喧嘩しているのを見た中国人客が、「日本の猿と中国の猿が喧嘩してるよ」と笑ってみていましたが、まぁ確かに笑えるワンシーンです。
 ちなみに名古屋に左遷されたうちの親父は以前に上海動物園へ行った後、「日本の猿が檻に入れられているのを見て助けてあげたくなった……」などと妙な同胞意識を持ち帰ってきたことがあります。

 他にはパンダ見たり虎見たり、モウコノウマという中国の動物園にしかいない動物見たりとかして過ごしましたが、軽食コーナーを歩いていると何故か猫がおり、口でチチチと鳴らして呼んで右手を差し出したところ、「ミニャーン」と鳴いて近寄ってきましたが、私が何も持っていないのを見るや右前脚で「バシッ」と手を払い、プイッとしてそのまま去っていきました。

(見え辛いですが後ろにも二匹がじゃれ合ってます)

 その後、野牛が放されている柵で囲まれたコーナーを見ていたら何故かその一角に子猫三匹がおり、しばらくしたら先程邂逅した成猫もやってきて、どうやら親子のようでした。動物園の中とは言え、野良猫はみんなたくましく生きているんだなと感じ入りつつ、気候が変わってきたせいか頭痛を覚えながらふらふらして帰りました。
 ……気候というより、昨日寝過ぎたせいかもしれないけど。

2016年6月9日木曜日

猛将列伝~ゲオルギー・ジューコフ

 ゲオルギー・ジューコフという名前を聞いてどんな人物か即座に反応できる人はほぼ皆無かと思われます。実際にこのところ頻出のやけにツッコミの厳しい私の後輩にこの前尋ねてみたところ、

「ゲオルギー・ジューコフって知ってる? (´・ω・)」
「知りませんけど、なんか強そうな名前っすねヽ(・∀・ )ノ」

 という素直な回答が返って来ました。実際に強かった人だから名前だけの印象も馬鹿にならないものです。
 では一体ジューコフはどんな人かと言うと、二次大戦におけるソ連軍元帥で、実質的にナチスドイツを粉砕した軍事指揮官です。

ゲオルギー・ジューコフ(Wikipedia)

 ジューコフは1896年に帝政ロシアのモスクワ近郊に生まれますが、生家は貧しく十分な教育も受けられないままモスクワで労働者となります。しかし19歳の頃、第一次大戦で徴兵されたところ一兵士として勇敢な活躍が認められ下士官となり、続くロシア革命で共産党率いる赤軍に加入するや軍功を重ね、昇進を重ねて軍団長の地位にまで上ります。この出世の背景には貧困階層出身という彼の経歴も影響したと言われていますが、階級を否定する共産党内で階層がきっかけに昇進するというのもつくづくな気がします。

 その後、時代はレーニンからスターリンの時代へと移り、1930年代後半にはソ連内で軍属の大粛清が起こったもののジューコフはこの禍に巻き込まれず、極東地域の司令官に就任します。そこでは、彼の転機となるハルハ河が待っていました。
 個人的にこの「ハルハ河」という音が好きなのでよく多用するのですが、歴史に詳しい人であればこの言葉の意味するところをすぐに思い浮かべられることでしょう。このハルハ河というのは長いれ式上で中国とモンゴルの国境線に使われた河のことで、この境界線を巡り1939年に勃発したのが俗にいうノモンハン事件、日本とソ連が干戈を交えた戦争です。

<ノモンハン事件>
 満州国を設立した日本とソ連の間ではかねてよりこのハルハ河周辺の国境線をめぐり小規模な紛争が起こっておりましたが、両者ともに強い一撃で以って国境線を有利に画定させたいという意図の下、正式な宣戦布告なしに小競り合いから大規模な戦争へと発展したのがこのノモンハン事件です。この戦闘で日本の関東軍はかつての満州事変の勢いよろしく、拡大を望まない軍中央部の意向を無視してぐいぐいと進軍していき序盤はソ連軍を圧倒してハルハ河の対岸にまで追い込みますが、そこからのジューコフ指揮による反撃は文字通り戦況をひっくり返すようなものでした。

 かねてからジューコフは軍隊の機械化、簡単に言えばこれまで歩兵が中心となってトラックや戦車を随行させるという形態から、戦車やトラックに歩兵を随行させるというような、兵士から兵器を中心とした軍隊改革を主張していました。ただノモンハン事件勃発当初においてこうした機械化部隊はまだ実現してはいなかったものの、序盤の日本軍の攻勢を受けたジューコフはひたすら防戦に徹する一方、反撃に必要な兵士や資材を次々と戦場に送り込んで準備するとともに兵站線の拡充に努め反撃の機会を待ちます。
 勘のいい人ならわかるかもしれませんが、こうしたジューコフの戦略は後に二次大戦初期にナチスドイツが実行した「電撃戦」における軍隊思想そのものです。機械化により軍の攻撃力、進軍速度をかつてないほど高めた上で、進軍を支えるための補給の拡充に努めるというプランをドイツに先んじて部分的にジューコフは行っていました。後のポーランド進撃でこの機械化部隊の有用性は証明されることとなりますが、目の前で見ていたこれを見ていた日本軍はどうやら何も学ばなかったようです。

 話しはノモンハンに戻りますが、反撃に必要な軍備と兵員を揃えたと判断したジューコフは一気に反転攻勢へ出て、まずは左右から一気に進軍すると残った中央を覆い込むかのように包囲して日本軍を撃滅することに成功します。これにより日本側は一個師団が確か壊滅した上に大幅な後退を強いられ、国境線交渉においてほぼソ連側の言い分を飲まざるを得なくなりました。

 このハルハ河の一戦を以ってもジューコフは名将と呼ぶに十分ですが、彼がその名を真に歴史へ刻み込んだの二次大戦における独ソ戦の、スターリングラード包囲戦でしょう。

<スターリングラード包囲戦>
 独ソ戦序盤、ナチスドイツが好調に進軍してくる中でレニングラードの防衛司令官だったジューコフはこの地でドイツ軍の進撃をついに止め、続くモスクワ防衛戦にも部隊を派遣してこの首都の防衛にも成功して戦争を膠着状態へ持ち込みます。
 続いてジューコフが任されたのはスターリングラードを巡る戦いでした。こちらも歴史に詳しい方ならわかるでしょうが二次大戦における最大の戦闘で、「小屋一個を奪い合った」とまで称されるほどの熾烈な戦場で、欧州における二次大戦の分水嶺となったと言っても過言ではない戦いです。

 スターリングラードでは同じ都市の中でドイツ軍、ソ連軍が互いに入り込み双方で都市の完全占領を目指して戦い合う中、その周辺にも双方の大部隊が山脈の様に累々と対峙し合う状態でした。こうした状況でジューコフが採用した戦術というのはかつてノモンハンと同じく、といっても規模は半端なくこちらが大きいのですが、都市丸ごとの包囲を狙う「ウラヌス作戦」でした。
 この作戦の外相はスターリングラードを挟んで西側に陣取ったまま戦線が伸びきっていたドイツ軍に対し、比較的戦力の手薄なドイツの同盟軍であるルーマニア軍のいる南側から打ち崩し、そのまま北上することでスターリングラードを丸ごと包囲するという作戦で、この作戦においてもジューコフは何度も延期に延期を重ね準備を整えると、一気呵成に進軍してのけて反撃するドイツ軍を跳ね返しながら東西40km、南北50kmのエリアに20万人以上のドイツ軍、ルーマニア軍を閉じ込めることに成功します。ドイツ軍も最初は閉じ込められた部隊に空輸で補給を行いましたがとてもじゃありませんが間に合わず、最終的に閉じ込められた部隊はなすすべもなく降伏します。もっとも、降伏して捕虜となり、生きて帰って来れたのは一割もいなかったそうですが。

 その後、ジューコフは元帥に昇進して独ソ戦を指揮し続け、最終的にベルリンでドイツ側から降伏文書を受け取り占領軍最高司令官にも就任しています。戦後はその活躍ぶりからぶっちぎりの人気でスターリンからも警戒されますが、暗殺されることなく軍歴を継続し、スターリンの死後は彼の懐刀で秘密警察長官のベリヤを逮捕、処刑するなどソ連の安定化に努め、1974年に天寿を全うしています。

 ジューコフの戦争指揮は早くから機械化部隊の構想を持つという先進性もさることながら、「必要な兵力、必要な装備を整え必要な時期に叩く」という原則を徹底している点にあります。相手側の兵力などをきちんと分析した上で自分に必要な軍備はどの程度か、こうした点をきちんと把握して確実に勝てるという体勢になってから始めて本格的に戦うという、どちらかといえば慎重な戦法を取る人物だと見ています。
 ただ彼の場合、自軍と敵軍の比較に当たって全く情け容赦がないというか、自軍の犠牲を全く恐れずに決断を下すという点がほかの指揮官と大きく違います。彼自身の回想録でも日本軍やドイツ軍と比べてソ連軍兵士の質は一段と劣るということは把握しており、敵兵一人を殺すのにソ連兵は二、三人、下手すれば五人くらい必要だという計算でもって出撃させ、案の定、勝つには勝つものの戦死傷者数では実はどの戦いでもソ連軍の方が多かったりします。

 ノモンハン事件についても近年明らかになった資料によると戦死傷者で言えばソ連軍の方が日本軍より多く、また独ソ戦においてはソ連軍の死者はドイツ軍の約五倍という、一見するとどっちが勝利したのかわからないくらい戦死しています。
 ただ、それでもどちらの戦いでも勝ったのはソ連です。戦死傷者数の多寡は勝利には関係なく、戦略的な勝利目標をどちらが達成したのかといえばこちらも間違いなくソ連です。そういう意味でジューコフはソ連が圧倒的に物量で優れているということを把握した上で、その物量を惜しみなく使って戦略目標の達成を愚直に追いかけたと言えるでしょう。

 これと真逆なのは言ってて恥ずかしいですが日本軍で、相手兵力の分析もしっかりしていないばかりか戦略的にほぼ無意味と思える島の占領をした挙句、守る必要もないのに必死で防戦を続けて兵力をガリガリ削った上、後になって追加の防衛兵力を小出しで投入し、後半に至っては輸送する途中で船ごと撃破されたりと、何がしたくて戦争しているんだと素人ですら疑問に思う戦い方をしています。
 もっとも、戦争には強いですがジューコフ将軍の下で戦いたいかとなるとこれまた頭の悩ませどころです。聞いたところによると1920~1922年生まれのソ連男性の戦後直後における生存率は3%を切っていた(ほぼ全員が勲章持ち)そうですし、実際敵より味方の方を多く殺している将軍だしなぁ。

違法ではないのに舛添は何故問題なのか

舛添叩いてる奴ら何なの?www(アルファルファモザイク)

 時間がないのでちゃっちゃと書きますが上のまとめ記事で一番最初に書かれている、「法律に触れてるわけじゃないから叩く要素皆無でしょ」というやや中二病が入っているような意見について他の人があれこれ反論を呈しているのですが、私から見ていて少々生温いというか鋭さに欠ける意見しかないように見えるため、舛添都知事問題についてこれまで何も語ってこなかったこともあるし一つ私なりの反論意見をここで紹介します。

 まず、「違法ではないから問題ではない」という根本的な問いについて一言で回答するなら、「一般市民なら」と私なら言うでしょう。この回答は根源的な倫理問題(何を逸脱と定義するかや、認知されなければ犯罪とはならない等)に触れないこと前提ですがこれはここで議論すること自体馬鹿馬鹿しいことでもし仮に言い出す人がいたら前提と討論内容も区別して理解できない輩なのでそこで見切っても十分でしょう。
 話は戻しますが先ほども述べた通り一般市民であれば法律に触れなければよほどのことがない限り問題ではありませんが、今回の騒動の大きな論点は「都知事」である舛添都知事がいろいろやらかしているという点です。先程の掲示板ではこの点を誰も指摘出来ていないのが私にとって非常に不満でした。

 政治学的な論点で話を進めると、地方自治体の長である都知事という役職は行政職としては非常に権限が強く、また日本の自治体情勢上、実質的に立法職も兼ね備えている役職です。これが何を意味するかというと、都知事を含め政治家というのはある程度自分で法律を変えることができる地位であるということです。極端なことを言えば自分にとって不都合な条例や規定を排除することも出来てしまい、今回の例だと出張規定などを変えれば外遊渡航費などの上限を取っ払うことも不可能ではないでしょう。また逆に自分にとって都合のいい法律を作ることもでき、実際に小沢一郎は国家から金を懐へ入れられるように政党助成金制度を作って悪用し、舛添都知事も今回同じように悪用したわけです。
 そのように法律を変えられる政治家に対し、「法律に触れていないから問題ない」と言うことに何の価値があるのか、変則的に言い返すならば法律の制定、運用過程を理解しているのかと聞き返すのもありでしょう。

 上記の意見を踏まえた上で今度は法学的な論点に変えて話を進めると、政治家と言うのは法律を変えることができる地位であることから、一般市民に比べより強い倫理性が求められるものだと私は考えます。というのも倫理観の低い人間であれば自分に都合の良い法律を作ったり排除したりする可能性が高く、仮にそうなれば社会全体として不利益しか生まれません。また「法律に触れていないから」と言って好き勝手やる政治家を見て、果たして一般市民は法律を守ろうと思うでしょうか。
 「信なくば立たず」という言葉があるように、法律というのは誰もが守るから効力を発揮しますが上の人間が守ろうとせず市民から信頼が得られなければ、結局誰もが法律を守らなくなっていきます。だからこそ政治家と言うのは厳格に法を守る立場なり姿を見せる必要があり、法律に書かれてなくてもより倫理的な行動を取らなければ上にも書いたようにコミュニティが上手くいかなくなっていく可能性があるだけに、政治家と言うのは法律に書かれていなくても倫理性が求められるわけです。

 もっとも、綺麗ごとだけで世の中渡りあって行けるわけではないことは私も重々承知で、多少なりとも法律に違反するようなお金の使い方も政治の世界には求められます。一例を挙げると高杉晋作なんか藩のお金を勝手にちょろまかして軍艦とか買ってたりしましたが、彼がそうやって長州藩の軍備を整えていなければ明治維新は起こらなかったかもしれません。また外交の世界でも、賄賂と言うのはどこでも違法ですがどこでも飛び交う物でもあります。
 こうした法律に反するお金の使い方の是否かは実に簡単に区別することができ、即ちそれが国益のために使われたのか否かです。国益を思って使われたとしても許されない使い道ももちろんありますが、法律に反したお金の使い道で見ていて納得できるか否か、許すか許さないかのラインはこの国益に叶うか否かに尽きるでしょう。

 今回の舛添都知事の例の場合、仮に大金を貪ったとしてもそれが純粋に国益に叶うものであれば恐らくは大きく問題視されなかったでしょう。しかし報道でもせこいと書かれているほど舛添都知事の場合はスイートルーム借りたり、ファーストクラス乗ったり、家族旅行を会議と言いはったりと全て私利私欲に基づいた支出しかなく、されに彼の場合はこうした誰がどう見てもおかしいと思う支出を「国(都)益のための支出」だと主張するからなおさらムカつくんでしょう。っていうか最初の段階で変に強弁張らず、「もうしません。反省してます」と言っておけばここまで大事にならなかったような。

 以上の意見をまとめると、法律に触れていなくても問題であると判断する私の主張は以下の三点に集約されます。

・舛添都知事は法律を変えることのできる政治家である
・政治家は法律の条文以上に倫理が求められる
・問題とされる支出は国益につながらない。むしろ下手すりゃ資本流出

 まぁそもそもの話、法律に触れてないとか言いますが政治資金規正法では政治活動目的以外の支出がある時点で違法なんですがね。更に領収書の書き換えもやっていることから会計報告上でも明確に違反なんで、「法律に触れていない」という前提自体が間違っているっていうのが私の立場です。

2016年6月7日火曜日

友人の文章の校正作業

 なんか視界もぐらつくほど疲労を感じているので、先ほど仕上げた友人への文章指導としての校正文をまるまる載せて今日は乗り切ります。ちなみに昨夜は腕が腱鞘炎になるくらい仕事でキーボード叩き、帰り道で雨降ってきたので早歩きして帰ったら足も痛めてへとへとです。

 その友人は私の高校の頃の同級生ですが理系であることを差し置いてもかなり日本語の言語能力に問題があり、最近通っている大学の教授からも、「お前誤解されることが多いんじゃね?」と言われたそうです。私も前々から気になっていて少し話しながら観察した所、絶対的に語彙力が足りていないことがわかり、訓練として毎月文芸春秋を読むこと、でもってその中の記事からどれでもいいから感想文を書いて送るように上から目線で指示しました。
 それで送られてきた文章がこれです。

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<パナマ文書 >(友人の書いた文章)
 ケイマン諸島などのタックスヘイブンという税金がかからない国のペーパーカンパニーに支出したことにして、そこの会社にお金蓄えさせて 税回避してた会社のリストが、代行していたパナマにある法律事務所のPC から、流出したって話だった。
 アイスランドの首相が辞任したりした。楽天もパナマ文書のリストに入っていたと思う 。
 何が問題かというと、適法なのだが、国境を超える脱税で法秩序が守られてなく、中小企業にしわよせがいったり より高い納税を一般の人に強いさせていて、より高い納税を一般の人に強いさせて格差を拡大さることになる。
 アイスランドの首相がやめたのはタックスヘイブン(租税回避地)である英国領バージン諸島にウィントリスという会社を作って4億5千万ほどを資産隠ししていた問題があったからである。
(マネーロンダリングの方法はペーパーカンパニーの他にもあって、海外の会社に投資して、その会社を倒産したことにさせるなど。)
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 まぁこういうのが来ることはわかっていたので私にはそれほど驚きはありませんが、結論から言えば書いている内容をほとんど全く理解しないまま知ってる単語だけを書き並べている文章に過ぎません。こいつ本当に社会人経験あるのかよと、我が友人ながら見ていて不思議に思います。
 でもって敢えてこの文章を直すとしたら、修正ポイントとなるのは主に以下の点です。

・ケイマン諸島は「国」じゃない
・事務所が何を「代行していた」野か書いてない
・パナマ文書はPCからの流出ではなく情報提供者によるリーク
・アイスランド首相の話が分割されており、まとめて語られていない
・リストにあるのは楽天ではなく三木谷氏の名前
・「4億5千万」の通貨単位がない
・[格差を拡大さること」は誤植
・そもそも何が言いたいのかわからない
・それどころか「パナマ文書」という単語の説明をしていない

 以上を踏まえて私が校正した文章は以下の通りです。

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<パナマ文書とは>
 ケイマン諸島などと並ぶ租税回避地(タックスヘイブン)の呼び声高いパナマの法律事務所からこのほど、大量の顧客情報リストのデータが流出しメディアによって公開された。俗にいう、パナマ文書である。
 同法律事務所ではパナマでの会社設立代行業務を行っており、リストに書かれてある会社はどれも本国での税金を逃れ自己資産を隠匿するため設立されたと見られることから、世界各国でその文書内容並びにリストに書かれた顧客へ大きな注目が集まった。
 その影響は早くも現れ、英国領バージン諸島の親族が関与する会社に数百万ドルを預けていたとされるアイスランドの首相が脱税の疑惑追及によって辞任し、そのほかの国でも政治家やセレブなどが違法な資金移動があったのではとメディアから追及を受けることとなった。日本ではソフトバンクグループ会長の孫正義氏、楽天グループ会長の三木谷浩史氏らの名前が同文書に掲載されていたものの、両者ともに違法な資金移動ではなく正当な投資活動であると主張し、その後も疑惑が続かなかったことから他国に比べると大きく取り上げられるような事態には至らなかった。
 なお、同文書に掲載されていた国別関係者名で人数が突出して多かったのは中国だが、中国では同文書の報道が政府によって規制されたこともあり話題にすらならなかった。
 あと関係ないが舛添はムカつく死ね。
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 そもそも日本の教育ではまともに文章を書く訓練を課さないと前から危惧しており、もっとこの辺を育てないと思考力も育たないと前から考えています。ただそれを差し置いても上の友人の文章は本当にひどいなぁと思うとともに、対面で話してても会話が脈絡なく相手のペース無視して話してくるのでキャラクターはしっかり出てはいると納得します。これでも医学部行けるんだから世の中は面白い。

2016年6月5日日曜日

派遣マージン率と派遣賃金の相関分析

 また今日も自転車で往復100km以上走ってなんか体がおかしな状態になっています。そもそも、先々週にひいた風邪が無駄に長引いて咳が止まらず、夜も咳のせいでほとんど眠れないというのに何故強行したのか自分の猪突猛進ぶりに呆れてきます。しかも昨夜は水割一杯で死にそうになるくらい酔って頭痛をおこし、「アルコールは毒水だ……」などとうわごとを言っていました。


 話は本題に入りますが今年一月に書いたマージン率の記事について先日私に連絡を取ってきた方がおり、私が公開したデータを下地に、派遣労働者の賃金の平均額(8時間、以下「派遣賃金」)とマージン率の相関についてエクセルで作成し図表データを送ってきていただきました。本来はこういうのも自分がやらないといけないのですがサボっていたところ、っていうかあんまこの辺の図表の作り方を理解していないこともあって非常に助かる作業をしていただき、送っていただいた方にはこの場において改めてお礼申し上げます。

<派遣料金とマージン率の比例関係>
 それでここから解説に移りますが、まず事前のお話として私はマージン率の元記事において「マージン率と派遣賃金は比例の相関をする」と主張しました。これは言いかえれば「マージン率が高いほど派遣賃金(派遣料金を含む)も上昇する傾向がある」ということで、順番的には派遣賃金が高くなるほどマージン率も上昇しやすいというのが実態です。逆を言えば派遣賃金が低ければ低いほどマージン率も低い傾向があり、人材派遣会社の側からすれば安い賃金の派遣社員からにはマージン率を低めに抑え、逆に高い賃金でも稼いで来られる方からはやや高めに設定して取るというビジネスモデルを組んでいると言えます。
 実際のところ私も何度か取材しましたが、派遣料金が高い方はほぼ全員がいわゆる「特定派遣」に分類されるような技術者や有資格者が多く、勤務先とのマッチングも工場のライン工や事務スタッフと比べるとどこでもいいというわけではなく派遣する側の派遣会社の腕が問われる面も大きいだけに、こうしたマージン率相関になるというのは市場競争的に自然の成り行きだと思え特段取れる人からぼった食ってるなどとは思いません。

<二段階の派遣料金> 
 では早速上記の相関図を見てみますと、確かに全体としては右肩上がり、マージン率が高くなるほど派遣料金も上昇するような傾向を示しており、私が元記事で述べた比例関係があるという指摘は大きく外れていはいません。しかし子細にデータを眺めてみると、実態としては少し違うというか別のい方をする方が適当なのではないかと思える節が出てきました。
 具体的に述べると、マージン率が10~40%までのくくりと40%以上のくくりで二つのグループが出来上がっています

 マージン率10~40%のグループでは一言で言えば団子状態で、あまりマージン率と派遣賃金に相関がないというか比例傾向も見られず、派遣賃金が約15,000円以下の枠内に固まっています。これは言うなれば、派遣賃金が15,000円以下であればマージン率の高い低いはほとんど傾向がないということで、マージン率が高いか低いかは派遣会社のさじ加減による面が大きい、といえるのかもしれません。
 一方、マージン率40%以上のグループは非常に際立っているというか、ほぼすべてで派遣料金が20,000円以上の水準に位置しています。サンプル数の影響によるのかもしれませんが、これだけ固まっているのを見れば一つの傾向としては一応主張できるデータだと思うので続けますが、マージン率40%以上且つ派遣賃金が約20,000円以上というのが一つのボーダーラインになると言えると考えられます。

 以上内容を簡単にまとめると、

・マージン率40%未満の場合、派遣賃金には余り相関はなく派遣料金は約15,000円以下
→この場合はマージン率が低ければ低いほどお得?

・マージン率40%以上の場合、派遣賃金は通常約20,000円以上となる
→マージン率40%以上で派遣賃金が20,000円を大きく下回ればぼったくり?

 上記意見はあくまで全体の傾向を述べた概論、すべての個別例に当てはまる意見ではないということをご了承ください。ただまぁ、マージン率が高いにもかかわらず派遣料金が低い場合は要注意であることに変わりはありませんが。

 以上、簡単な解説ですが今日の分析を終えます。重ねてとなりますが、相関図作ってくださった方には今一度感謝の意をここでお伝えします。この前のリクルートスタッフィングデータの件といい、こうして協力者が出てくれることには執筆者冥利に尽きます。

2016年6月2日木曜日

上海ディズニーのアトラクション動画

 先日書いた上海ディズニーの記事で絶賛した「TRONライトサイクル」の動画がネットにあったので、折角だからここでも紹介します。



 前回記事でも書いている通りに、このアトラクションは何よりも加速が凄まじく今までにない感覚を味わいました。上の動画は恐らく乗っている最中に携帯カメラを構えていたんじゃないかと思いますが、よくもまぁあれだけの速度の中で撮影し続けたもんだと呆れます。

2016年6月1日水曜日

漫画に出てくるヤクザの会話を見て……

 先日上海で後輩と会った際、タブレットPCを持ってきて折角だから私が今はまっている「ヒナまつり」という漫画を見せてこの漫画どれだけやばいほど面白いかを熱心に説いてきました。
 「ヒナまつり」がどんな漫画か簡単にあらすじを紹介すると、異世界から転送されてきて念力が使える非常識な少女のヒナ(13歳くらい)と、なし崩し的にヒナと暮らす羽目になった家庭的なインテリヤクザの新田が行く先々でトラブルを引き起こすというドタバタ系のギャグコメディ漫画です。ちなみに新田がどれだけ家庭的かというと、ハンバーグにチーズをINしたり、洗剤をオリジナルブレンドしたりするくらい家庭的です。

 それでこの漫画、新田がヤクザということもあって周囲に同じ組の人間がたくさん出てくるのですが、彼らヤクザ同士の会話を見ていてなんか変な違和感というかデジャブが常にあり、一体なんでだろうと思って見ていましたが最近になって、以前働いていた新聞社で似たような会話をよくやっていたからだということに気が付きました。具体的に漫画中のどんなセリフにデジャブを感じるのかというと、主に以下のようなセリフです。。

「オイこらサブ、このクソボケェ!」
 日常的な挨拶みたいなフレーズで、よく言われていました。

・(借金の取り立てから帰ってきて)「せめて利息分くらい取り立ててこいや!」
 取材で意図されていた内容が聞き出せなかった時、似たようなことをよく言われました。

・(空き缶投げながら)「バッカヤロー!!」
 空き缶はなかったけどボールペンとかはよく投げられていました。

「サブちゃんよ~、お前さんはほんとバカだねぇ~」
 咄嗟にきちんと切り返せなかった時は皮肉っぽく確実に言われていました。

・(オレオレ詐欺に向かって逆に恐喝して)「俺は傷ついたぞ!慰謝料よこせや!」
 ミスった時なんかこんな感じで追い込みかけられてました。

 あとこれは漫画の中に似たようなセリフはないのですが、日系企業の広報へ電話取材する時なんかよく、「お前は聞き方が優しすぎるんだよ!」と言われ、もっと激しく罵りながら追い込みをかけろと、しょっちゅう私の方が追い込みをかけられていました。ちなみに電話取材の時に私は苦労してそうな感じの広報さんには「はいはい、ですよね~」みたいな感じでとにかくこちらも下手に出て、逆に高慢な態度を取ってくる広報には、「ええですから同じことそっちが何度も言わなくてもこっちはとっくにわかってるんですからとっとと早くデータなりなんなり出したらどうですか?」とめちゃくちゃな早口でまくし立ててました。なお当時の経験では電通とサマンサタバサの広報がめちゃくちゃ態度悪かったです。

 改めて当時の会話を思い出してみるとなんかヤクザさながらの会話、特に追い立て絡みだと本職とそう変わらないようなやり取りをよくやっていたなという気がします。逆にここから別の会社に移ってからはこうした激しい言葉を使うことが無くなりなんとなく張り合いがないというかなんでもっとみんな本音で言い合わないんだろうと逆に不思議に感じるようになり、もっと日本社会はバイオレンスな空気を出すべきじゃないかと本気で考えています。
 もちろん言われている時はしんどいと感じることもありましたが総じてその新聞社には自分をしっかり育ててくれ、その厳しさにもちゃんとした理由があったことから感謝の念が未だに強く残っています。ただ新聞記者というよりか、なんかヤクザの徒弟修業みたいなところのが多かったようなと、「ヒナまつり」読んでてつくづく感じます。