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2016年7月15日金曜日

中国首相の容貌の変化

<首相会談>安倍氏「法の支配」、中国は不快感…仲裁裁判決(毎日新聞)

 軍事物の連載途中ですがちょっと触れておきたいので記事を書きます。
 上のリンク先の記事はこのほど会談を行った安倍首相と中国の李克強首相が握手している2ショット写真が載せられているのですが、この写真を一目見て強い違和感を覚えました。具体的に言うと李克強首相を見て、「あれ、こんな顔だったけ?」と、なんか自分の知っている姿と少し離れているように見えたからです。

 最近あまり中国の記事とかチェックしておらず久しぶりに顔を見たからだけかもしれませんが、なんとなく頬がこけ、目元も重たそうでやつれているように見えました。この前亡くなった鳩山邦夫の影響もあるかもしれませんが、噂で習近平総書記とはかなりうまくいっていないとも聞くだけに、健康面とかで大丈夫なのかなと他国の政治家ながらなんか少し心配になってきます。
 前任の温家宝氏と比べても、李克強首相はいまいちリーダーシップが発揮できていないし、中国での人気や評価もそれほど高くはないというのは間違いない事実です。特に最近は中国の景気が依然と比べて振るわないことから風当たりも強く、次の党大会で更迭されることはないだろうけどそれはそれで針のむしろみたいで大変だろうなっていう風には思えます。

シャープ、「7000人リストラ」でも危ない。経営再建できない深刻な問題とは?(ハーバー・ビジネス・オンライン)

 取り上げるつもりはなかったけどついでなので取り上げますが、このリンク先の記事の四段落目に以下のような記述があります。

「しかし、先月22日になって鴻池の副社長が『7000人削減の可能性』を改めて認めた。」

 シャープの人事を握っているのは鴻池(運輸)だったのかとわざとびっくりすべきところですが、「鴻海(ホンハイ)」と書こうとした際に文字変換で「こうのいけ」って最初入力しててそのままになってしまったのでしょう。何が恐ろしいかってこの記事、昨日配信されているのに未だに修正入っていないって点です。楽な仕事で楽しそうだなぁ。
 ちなみにネットニュースではこの「ハーバー・ビジネス・オンライン」を初め、「ビジネスジャーナル」、「プレジデント」、「JB PRESS」の記事は配信元の名前を見た時点でほぼ読まないし内容も信じません。っていうか、こいつらが流すニュースの中から真実である記事を捜す方が難しい気がする。

2016年7月13日水曜日

日本を破った米海軍三将~チェスター・ニミッツ

 二次大戦史において日本陸軍、海軍の将軍らはそれぞれ数多く紹介、分析されており、ちょっとしたまとめ本でも買ってくればある程度の有名どころはすぐに調べられます。然るに、その日本軍と戦い打ち破った米軍側の将軍についてはあまり取り上げられることが少ないのではないかと大体今年二月辺りにふと思いつきました。
 彼を知り……ではないですが、日本を破った米軍側の将軍はどういう人物でどんな戦略だったかを知るということはあの戦いでどうすべきだったのか、どんな判断が正しく、間違っていたかを考察する上で非常に重要であるように思えたため、とりあえず私の方で解説できる範囲としてしばらく二次大戦時の米海軍将軍をを取り上げます。一発目の今日は、事実上の海軍総司令官として指揮したチェスター・ニミッツです。

チェスター・ニミッツ(Wikipedia)

 ニミッツはドイツ系アメリカ人としてテキサス州で生まれます。当初は陸軍士官学校への入学を希望していたものの、当時の米国の士官学校は議員などの推薦がなければ入学できず、頼った伝手の下院議員がウエストポイント(陸軍士官学校)への推薦枠を使い切っていたため、代わりに余っていたアナポリス(海軍士官学校)へ推薦してもらい、海軍士官としての第一歩を歩みます。
 下級士官の頃は謹厳実直な性格で真面目に勤務をこなしていたようで、一次大戦の勃発もあって比較的早い昇進を遂げながら「海軍の休息」と呼ばれた一次大戦以後の戦間期を挟み、1941年の真珠湾攻撃を迎えます。

 真珠湾攻撃時、ニミッツは名うての潜水艦艦長として日本側にも知られていましたが、早くからその指導力と見識を買っていたルーズベルト大統領によって太平洋艦隊司令長官に就任するよう求められます。当時、彼よりも年齢の高い将軍もいたことから当初は難色を示すものの最終的にはこれを承諾し、事実上の太平洋戦争における米海軍総指揮官として日本と向き合うこととなります。
 司令官に就任したニミッツはまず最初に真珠湾攻撃について、「誰にも防ぎようのなかった事態だった」として一切の処分を行わないと訓令し、周囲を固める幕僚も前任者のメンバーをほぼそのまま受け継ぎました。この処置によって曲者揃いの提督たちの心を一気に掴み(どうでもいいが英語でも「ハートキャッチ」っていうのかな?)、その後も一貫して彼らの信頼を一身に受けながら統率のとれた艦隊指揮を続けていきます。

 個々の海戦についてはあまり詳しくありませんがニミッツが実際に行った決断で最も戦果が高かったものとくれば、日米の好守が完全に逆転したミッドウェー海戦において他ならないでしょう。このミッドウェー海戦前、米海軍内では日本軍がミッドウェー島の占領を図ってくるか、ハワイを再攻撃してくるかで二つに割れていたそうです。かつてに日露戦争でもバルチック艦隊の回航ルートがどちらになるかを見定めることが大きな勝敗要因になりましたが、この時の米軍も同じような感じだったのではないかと思います。

 ニミッツはこの際、日本軍はミッドウェー島を通ると判断して島内の防衛設備拡充に努める一方、作戦目標を島の防衛ではなく攻めてきた日本軍、特に空母艦船の撃破一本に絞り、島内の部隊に対しては、「あなた方がどんな目にあっても海軍は助けない」と非常な通知を行っております。また的空母撃滅という目標を必達するため、可能な限りの戦力をこの海戦につぎ込んでおり、修理に三ヶ月かかると見積もられた空母「ヨークタウン」も、「これならいける」と言ってわずか三日の修理を経て出撃させており、文字通り日本との決戦に臨んできました。

 結果は説明するまでもなく、日本側は多数の艦船を失いこれ以降の戦闘の主導権は完全に米軍へ握られることとなりました。しかしこのミッドウェー海戦単体で取るならば実は米軍艦船の損害の方が大きかったというのは、戦史マニアであれば誰もが知っている事実です。
 それでも何故日本の敗北とされるのか。理由はいくつかあり、日本はこの戦闘で主力空母の「赤城」、「加賀」等を失い、それに伴い大戦初期を支えた多くの熟練パイロットも失いました。米軍側はほぼ一ヶ月に一隻のペースで新造空母を建艦出来ましたが日本側はそれだけの工業力を持っておらず、事実上、一隻失ったらもう取り返しがつかないという台所事情でありました。ましてや「赤城」、「加賀」級の空母はその後作られることはなく、将棋で言えば飛車角を一気にとられたと言っても過言ではないでしょう。

 さらに踏み込んで何故日本はこのミッドウェー海戦で負けたのかというと、その原因として挙げられる有力な説としては作戦目標が米艦隊の撃破なのか、ミッドウェー島の占領だったのかどちらかはっきりしなかったためとされており、私もこの説を支持します。本当に笑っちゃいたいくらいなのですが戦闘が始まってもどっちを優先するか一切指示がなく、そのため現場の指揮官たちは米艦隊を迎撃しつつミッドウェー島にも攻撃をかけなければと動き、結局虻蜂取らずみたいになってぼろぼろにやられるわけとなりました。この点、初めから一貫して「主力空母撃破」を掲げた米軍とは対照的でしょう。

 こうしてミッドウェー海戦を制し主導権を握ったニミッツはその後も着実に戦果を上げていき、日本のポツダム宣言受諾後の9月2日に行われた戦艦「ミズーリ」での降伏文書調印式にも臨みました。終戦後は海軍作戦部長の地位に就いた後で引退し、マッカーサーと違ってそれほど国民的人気がなく地味だったことから特に政治とは関わることなく天寿を全うして亡くなっています。

 諸々の資料を見る限りだとニミッツは本当に真面目で実直な人物であり、組織の統率においては右に出るものがないほどチームをまとめ上げられる人物だったそうです。実際、この後で紹介するつもりのハルゼーもニミッツに対しては深く信頼し、その指示や意向に口を挟まずに従っています。
 そんなニミッツですがこちらもまた今度紹介するつもりのスプルーアンスともども若手士官時代、日露戦争直後に練習艦で日本を訪れ東郷平八郎と会う機会があり、彼について深い尊敬の念を覚えたと手記に残しております。そして戦後、日露戦争の旗艦であった戦艦「三笠」が好き勝手に部品取られた挙句にダンスホールとして使われていることを知り、「もっと大事に保存すべきだ。俺も金を出す!」とわざわざ言い出し、これを受け日本国内でも三笠の保存運動が高まり現在の様に横須賀市で記念館的に保存されるきっかけとなりました。

 こういってはなんですが、真に武人らしい武人だというのが私のニミッツ評です。

2016年7月11日月曜日

2016年参院選について

 前略、昨日行われた参議院選の投票結果は自民党の圧勝となり、安倍政権としては念願となる公明党を含めた与党三分の二議席も獲得する結果となりました。正直この選挙については解説しなくてもいいかなという気もするのですが念のため一応の見解をまとめると、民進党を始めとした野党は初めから負けに行くつもりで選挙に臨んだようにしか見えない選挙でした。

 伝え聞くところだと野党側は安倍首相が議論に応じないなどと批判していたそうですが、そもそもアベノミクスは失敗したと言っておきながら何がどう失敗したのか、どこが欠陥なのか、じゃあどうすればいいのかなどについて一切語らずにおいて議論に応じないとよく批判できるなと見ていて呆れました。結果的には自民党が圧勝したことによって今日の株価が大きく寝あがったことを鑑みるに、アベノミクスは確かに成功していないかもしれませんが市場は野党が勝利するよりは安倍政権に期待していたということは間違いないようです。
 また憲法改正論議も一向に深まりませんでしたが、これに関しては野党の側に問題があると断言できます。野党が「憲法を改正して戦争をするつもりだ」と主張するのに対して安倍首相は、「憲法九条は改正しない」と返事してるのに何故かまた、「憲法を改正して戦争をするつもりだ」と、同じことしか言わず全く会話というか議論が成立しないままで、普通誰がどう見たってどっちがやばいかはわかるでしょう。本来なら、「憲法のどこをどう変えてどういう方向に持って行く?」と聞き返さないといけないのですが、それすらもできないで政治家になれるという事実の方が私にとってはびっくりです。

 先ほどにも述べた通り今回の選挙は与党が勝ったというよりは野党が自ら死ににいった選挙であるようにしか見えず、比喩を用いると選挙なだけに「バンザイ突撃」をやりにいったようにしか見えませんでした。ただこのバンザイ突撃をやった中にもしたたかな人間もいたようで、具体的に名を挙げるとそれは共産党で、「このまま突っこんでもみんな死ぬだけだ。ここはひとつ、一塊になって突破を図ろう!」と言わんばかりに野党みんなで選挙調整を行った結果、往時までとはいかないまでも改選前と比べ議席数を大きく伸ばす結果を得たようです。
 なんとなくですが、「みんなで突撃しよう」と言っておきながら後ろに下がり、ほかの野党を盾代わりにしてうまいこと突破してのけたようにも見えてしまうのは共産党だからでしょうか。しかも選挙戦中に例の「自衛隊は人を殺す予算」発言も飛び出て、これも戦場風に言えば、「おれたちはここだ―!」って敵にわざわざ自分の位置を知らせる様な利敵行為にしかみえず、全体的にわざと民進党を潰すためにこいつら動いてるんじゃね、もしかしてコミンテルンの指示などと想像していました。

 ともあれ今回の選挙は結果が見えた選挙だったこともありそもそも一喜一憂するのようなものでもないでしょう。社民党はもうすでに崩壊状態でしたが今回で止めを刺され、民進党も今後は年月とともに縮小を続ける一方になると予想します。一方で勝者の自民党の中ではこれから内部での路線対立が高まると見られ、憲法改正論議においても公明党との譲歩交渉が活発化していくのではないかと思えます。
 総じて言えば今後の政界は野党対与党ではなく与党内部の政争が中心になるという見解で、さしずめ次回の東京都知事選はその口火を切るものにとして親安倍VS反安倍という構造になるかもしれません。まぁでもこの際だから、石原伸晃氏は無能もいい所だしこれを機に立ち直れないくらい叩いて放り出すのもいいんじゃないかという気もしますが。あれだけ決断力ない癖に先走ろうとする人も珍しい……と言いたいけど、森元首相もいたこと考えるそうでもないか。

2016年7月10日日曜日

「嫌なら見るな」を否定しないフジテレビ

  今日は上海に台風が来て天気大荒れとかいう予報出てたのに現時点では雨粒一つ落ちず、曇ってはいるものの降ったりやんだりが続いていた昨日よりもいい具合です。既に台風も熱帯低気圧に様変わり(クラスチェンジ)しており、折角ワクワクしながら、大雨の中自宅でゲームしながら過ごそうとしてましたがどうもそれは叶いようもありません。まぁ、台風の進路予測は山脈が連なる日本と比べて中国だと難しいのは理解できるので、予報が外れたとしても予報士の方に同情はしますが。
 話は本題に入りますが、先月の株主総会ラッシュの時期にフジテレビの株主総会があってその内容についてニュースが出ておりました。

フジテレビ「視聴率低迷」に株主の不満が炸裂(東洋経済)

 この記事の中で私が注目した一文として、以下の内容がありました。

「ちなみに、(出席者から出された批判にある)『嫌なら見るな』とされる方針に関して、稲木甲二取締役は『フジテレビからそのように打ち出したことは一度もない』と明確に否定している。」

 このフジテレビ側の回答を見て、広報の弱い会社だなという印象を覚えました。まぁここに限らず、公告企業を含むマスコミ企業でありながら広報が弱い会社って意外と多いですが。

 この「嫌なら見るな」という発言は元々、フジテレビへの批判デモが起きた際にお笑い芸人の岡村隆史氏がラジオ番組の中で述べた発言であるため、フジテレビ側が言うようにこれは確かにフジテレビ側が発信した言葉や方針ではありません。しかし発言の発端がフジテレビ批判でもにあったこと、そして発言主がほかならぬフジテレビの看板番組「めちゃいけ」のメイン出演者である岡村氏であることを考慮すると、岡村氏がフジテレビを擁護する意図で発言したと受け取られるのも自然でしょうしフジテレビが言ったようにみられるのも仕方ない気がします。逆に、そう思わないのならメディアとして致命的な欠陥を抱えているとしか言いようがないですが。

 私が何を言いたいのかというと、そもそもの発言から何年も経過しながらも指摘され続けている点一つとっても、「嫌なら見るな」とフジテレビが発信したと受け取られている現実は確実にそこにあるというのは事実です。そしてこれは企業の広報戦略上、放送局としての立場の上から言っても小さくない経営リスクで、このイメージ排除に向けて何の対策も採っていないというのであれば経営者として失格でしょうし、コンサルティング会社からすれば火の付け所でしょう。
 いちいち説明するのも馬鹿らしいですが、「あのテレビ局は『嫌なら見るな』と言っていたぞ」と思われてプラスになることなんて何もなくむしろマイナスにしかなりません。だからこそこのマイナスイメージを取り除くためには広報上で全力を尽くす必要があるのですが、生憎フジテレビは上記の発言を見る限りだとなにもそういった対策を取らず放置しているようにしか見えません。

 では具体的にどういった対策が必要なのかですが、「視聴者あってなんぼのもの」と発信し続けることはもとより、即効で最も具体的な手段としては発言主の岡村氏を切ることが何よりも一番でしょう。何もこれは私が非常なことを言っているつもりはなく、現に生活保護芸人の過去の例から言っても大きくイメージを損なう人物は身から出たサビで切られて当然です。
 折も折で「めちゃいけ」も視聴率がずっと不調だと聞くし、抜本的にイメージを改善する上では最良の一手ではないかと思えてなりません。しかし今のフジテレビ社長は「めちゃいけ」スタッフだったというだけに自身のプライドから切れないということも考えられ、そうであったとすればそれはそれで経営者失格でしょう。

  おまけ
>コンサルティング会社からすれば火の付け所でしょう。
 上記記述については最近、コンサルティング会社ってどんな仕事かと聞かれて私は、「火のない所に火をつけて、消火してやるから金払えって要求するのが主な仕事」と説明しましたが、上手いこと的を得ているなと自画自賛しています。コンサル会社に属したこともないのによく言うなぁ自分も。

2016年7月9日土曜日

石田純一の都知事選立候補について

 扇風機買うと冬場使わずにスペース取るのと、これまで二年以上同じ場所に住まず引っ越しを繰り返す生活を続けているので冷房をガンガン使っているのですが、かつてお金がなく電気代をケチるために冷房を全く使わなかった(客が来たときだけ)学生時代を思い出してはいい身分になったもんだと思います。なおどうでもいいですが、私が学生時代に使っていた下宿アパートはこの前言ったらなくなっていました。

 話は本題に入りますが既に各所でも報じられている通りにタレントの石田純一氏がこの度、舛添前都知事の辞職に伴う都知事選挙に立候補すると宣言しました。しかしこの立候補宣言ははっきり言って非常に胡散臭い物で、本人曰く「グレー」な立候補であり、野党四党の推薦を受けることが条件で受けられなければ出馬しないとのことです。その上で石田氏は野党が統一候補を出す意義を主張するとともに、憲法改正も議論するとほざいています。なお、野党からはそもそも出馬の打診自体無く現時点も公認するとの連絡はないそうです。

 ほかのメディアでも書かれていますが、「何様だ?」というのが私の正直な感想です。行動や発言を見ている限りで後は売名や攪乱を狙った行為ではないとは思います。しかし、だからこそなお手に負えない。

 あくまで私の見た印象で述べると、恐らくは妙な使命感なり義務感なりでこの出馬発表を石田氏は行ったのではないかと見えます。彼の本心としては自分でなくてもいいから野党に統一候補推薦を促すということ、それにより安倍政権の憲法改正を阻止する動きへの一石になろうとしたのではないかと思いますが、どこをどう切り取ってみても思い上がりが甚だしいでしょう。
 今回の石田氏の出馬宣言の要旨を取ると、「野党は自分を推薦しろ、だったら出馬してやる」という風に聞こえかねず、っていうか実際そういっているのですがこれまで本格的な政治活動もしていない人間が突然こんなことを言うなんてやはりおかしい以外の何物でもありません。統一候補を促すだけであればわざわざ出馬宣言などする必要など全くなく、私人として、一芸能人として普通に発言して促せばいいだけで、熱に浮かされたのか知りませんが出馬せずにはいられないほど無用な使命感を感じちゃったのでしょう。

 また都知事になって何をするのかという政策案については憲法改正に反対するという、そもそも都知事の仕事ではない国政議論を亥の一番に言い出し、だったら都知事選ではなく参院選とかに出りゃいいじゃねぇかと記者会見で誰もツッコまなかったのかという点でこちらは日本のマスコミに疑問を覚えます。実際、他に何をするのかなどと行政関連の質問を飛ばされた際にはしどろもどろだったそうですし。

 私は以前に「やる気のある無能」を書きましたがこれを読んだ知人はみんな、「こういう奴っているよね……」ってやたら真面目な顔して感想を漏らしますが、今回の石田氏の行動はまさにこれじゃないかという気がします。本人が不必要なまでの使命感を感じてしまったがゆえに本人を含め誰も得しない結果を招いており、政治参加は確かに個人の自由ではあるもののニュースを見る側からすればくだらないこと言い出しやがってという具合に無用な苛立ちしか覚えないほどのお粗末さです。強いて教訓として述べられることとしては、こういう人間はいちいち相手をしてはいけないということを再認識出来るっていうことくらいでしょう。

 ついでに自民党都知事選候補について述べると、小池百合子氏の出馬について手続きがどうとか言っていますが単純に石原伸晃氏が小池氏を嫌っている、もといその後ろにいる人物が反対しているだけというのが実態だと思います。そういう意味だと私としては小池氏を応援したいなというのが本音です。

ヒールの品格

 今日さっき日本料理屋で同僚と飯を食ってる最中、「だからシャープは駄目なんだよ!」っていつものように吠えてたら対面の席に座っていた同僚が店を出た後で、「花園さんがシャープの名前を出した瞬間、後ろの席にいた二人がばっと振り返ってこっち見てましたよ」と親切にも教えてくれました。偶然って面白いなと思うと同時に、ネット弁慶ではないのはわかったがどこでもかしこでも吠え過ぎかなとちょっと思いました。

 話は本題に入りますが今日何気なく琴欧洲のウィキペディアを読んでいたら、現役中は母国のブルガリアでも相撲中継が放映されて故郷の人たちも琴欧洲を応援しながら見ていたそうですが、日系メディアが取材に行ったところ現地の人たちは、「朝青龍は悪い奴だ」といって、周囲の人もうんうんと頷いていたそうです。
 これを見て思い出したのが私の留学中、相部屋だったルーマニア人です。彼も私が寮で相撲中継を見ていたら自然と一緒に見るようになっていったのですが、何故か彼も朝青龍を嫌っていました(贔屓にしていたのは安馬時代の日馬富士)。一体何故、日本でのスキャンダルが報じられるわけでもなく、ましてや中継の日本語解説もわからないにもかかわらず朝青龍は嫌われるのか、一言でいえば彼のヒールとしての品格がそうさせたのではないかと今思います。

 ヒールの品格とは何か。言い換えるならヒールの条件というかヒールとしてふさわしい特徴みたいなもんですが、仮に朝青龍を手本にするなら以下のようなものがそれに当たるのではないかと思います。

A、ふてぶてしさ
B、反省のない態度
C、粗野な物言い
D、圧倒的な強さ

 AからCについては言わずもがなですが、一番重要なのはやっぱりDでしょう。「憎らしいくらいに強い」とはいったもんですが、現役時代の朝青龍なんかまさにこれでした。どれだけ粗野な態度であろうと弱っちかったらヒールとしては成立せず、やはり「どうすれば倒せるんだよこんなの」と言わんばかりの強さが何よりもヒールを際立たせる気がします。同時に、ヒールは弱気な態度を見せてしまうと一発でイメージが瓦解する恐れもあり、どんなときであろうと無駄に強気を保つことも大事です。

 それにしても改めて思うに、朝青龍は稀代のヒールと呼ぶにふさわしい人物で彼がいた頃は大相撲もほんとに面白かったです。プロレスじゃないですが興行においてやっぱりヒールはいた方がいいと思えるくらいの活躍ぶりでしたが、そんな朝青龍の最大のライバルは魁皇でも琴欧州でも白鵬でもなく、横綱審議委員会の内館牧子氏だったというのも見逃せない点です。でも今の相撲界上層部を見てると、内館氏は厳しい態度取っててしっかりしてたなぁという気もしてきます。

 このヒールの概念をほかのスポーツに向けると、野球界ならやっぱり巨人がヒーローでもありヒールである気がします。ただ最近は一番肝心な圧倒的な強さという者が感じられず、そっちの方で行ったらパリーグのソフトバンクの方がこの要素を満たしています。もっともソフトバンクは野球賭博をしてはいませんが。

2016年7月5日火曜日

プーチン、ロシア猫くれるってよ

 またこのところプライベートで忙しくブログの更新が滞っておりました。健康的には問題なく、むしろ元気が有り余っているのかこのところ「ぶっ殺す」と言う回数がやたら増えているような気がします。
 話は本題に入りますが、やや古いニュースではあるものの周りで知っていた人がほとんどいなかったので、現秋田県知事の佐竹敬久氏とロシアのプーチン大統領との交流について今日は紹介します。

【わんにゃん外交】 秋田犬”ゆめ”とロシア猫”ミール”の動画等。随時更新♪

 佐竹知事は江戸時代に秋田県こと秋田藩を支配していた佐竹家の現当主で、全国的にも珍しく旧領の知事に就任した人物であります。そんな佐竹知事がどうして現世界でぶっちぎりに権力とパワーと実力を兼ね備えるロシアのプーチン大統領と交流を持ったのかと言うと2012年に、

佐竹知事「プーチン大統領は犬好きだというし、秋田犬を送ってみよう!」

 という、割とテンション高くないと思いつかない企画を実行に移したことがきっかけでした。
 あんまり犬種には詳しくないのですが秋田県は世界的にも独特な品種であることと、ハチ公の話が海外に伝わり賢く忠実な犬種であると評判になって中国でもこのところ人気の上がっている犬種であります(マジで)。でもってプーチン大統領が犬好きだというのも事実で、この秋田県からの提案を受けるや二つ返事で「くれ!」と言い、運搬のためわざわざ飛行機のビジネスクラスを用意する程の歓迎ぶりを見せてくれました。
 こうして秋田犬「ゆめ」は日本を離れロシアのクレムリンへと送られそこですくすくと育ち、数年後にロシアを訪問した安倍首相を出迎える頃には立派な体格になっていたほど優しく迎え入れられたそうです。この一点で以っても佐竹知事はなかなかやるなと思うのですが、この話にはさらに続きがあり、

プーチン「佐竹知事は猫好きだというし、ロシアのサイベリアンを送ってあげよう」

 という展開で、なんと今度はプーチン大統領から佐竹知事の元へ犬への返礼として猫が送られることとなりました。上記のNAVERのまとめ記事がいうように「わんにゃん外交」とは言ったもんです。

 こうして2013年に秋田県へと送られてきたサイベリアンの「ミール(ロシア語で「平和」)」は佐竹知事とその夫人によって暖かく知事公舎に迎え入れられ、定期的に秋田県の公式サイトでその成長ぶりが映像で公開されるなどして人気を博しています。
 なお今回この記事を書くに当たって少し下調べをしたところ、佐竹知事の猫好きは半端じゃなく、なんと現在知事公舎の中でミールを含め8匹もの猫を飼って生活しているそうです。そのためメディアの取材でも猫関連の物が多く佐竹知事と検索すると猫の話題しかヒットしないほどで、なんというかキャラは非常に立っていると思います。もちろんちゃんと政治の仕事もしているそうですが。

 更に佐竹知事の偉いというかまともだなと今回思ったのは、猫の飼育グッズの類はちゃんと自費で支出しているとのことです。ここまで言えばわかるでしょうがこの点、舛添前都知事とは大違いもいい所でしょう。
 その舛添前都知事は都市間外交などとほざきながら世界各地の一流ホテルのスイートルームに泊まり歩いただけで日本の国益には何も貢献しなかったどころか、東京都の土地を間違いなく自身の権益拡大のためだけに韓国へ無償で貸与しようとしたなど、非常に問題の多い人物でありました。

 それに比べるとこの佐竹知事のプーチン大統領の交流は、まさにこれこそ都市間外交と呼ぶに相応しい傑作と言える手段で、ほとんど費用を発生させないまま両国間の国民感情を改善するとともに秋田県の地名を冠する「秋田犬」を送ることによって地元PRにもつながっています。突き詰めて言えば地方の首長が海外に訴えるべきことはかつての東国原元宮崎県知事よろしく、徹底的に地元特産品をPRしてその存在を知ってもらうことに尽きます。その点で佐竹知事のこの行動は絶賛するに値する外交だと私は考えています。

 また地味にペットを送るというこの行為も見逃せません。「すごいよマサルさん」こと佐藤優氏によれば外交においてプレゼントは非常に重要な駆け引き手段であり、送りすぎても駄目だし送り方もよく考えて出さなければならないと要所でテクニックが要求されると以前に言っていました。その点でペットというのは相手に受け入れられやすい贈り物であり、なおかつ長期間にわたって送られる相手と交流が続くことによって先程の安倍首相の訪問時のように後々にも交流の証として機能します。秋田県知事の元へ送られてきた猫も然りで、こうして動画が更新される毎に日本人からすればロシアとの交流を思い出すわけで、かつて中国がやったパンダ外交もそうですがあながち外交における動物の存在感は我々が想像する以上に重要なのかもしれません。