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2018年3月10日土曜日

千葉のマッドシティ~閉じゆく松戸伊勢丹……


 先週末に日本へ一時帰国した際、今月21日(水)に閉店する予定となっている松戸伊勢丹にも足を運んできました。シャレ抜きでこの松戸伊勢丹は自分が物心ついたころからこの場所に存在し、うちのおとんとおかんにもつれられてきては迷子になった因縁の地でもあります。
 もっとも私が本格的にここを利用するようになったのは成人してからで、新聞社辞めて日本に一旦帰国していた際は松戸駅前に住み、よく会社帰りの夕食や買い物、そして休日のショッピングなどでよく使うようになりました。


 特にここで購入していたもので多かったのは密かに趣味としている陶器の購入で、今回も中国からナップザック一つで一時帰国するという軽装ながら、閉店セールで安かったということもあるので上の二品を購入してきました。左の茶碗はこのサイズのものを上海で持っていなかったこともあり、大口でお茶をガバーって飲むのに早速大活躍しています。右のマグカップは飲み口の色合いもさることながら、スプーンなどで叩いた際の「キーン」という音が素晴らしくきれいで、こんないいものをどちらも各1200円で買ってしまっていいものかといろいろ悩むくらいの出来栄えです。

 このほか今回松戸伊勢丹では3000円のベルト、あと意外に中国だとなかなかいいものに巡り合えない肌着を購入しましたが、さすがに閉店セールの日曜日とあって来客は多く、最後とはいえ賑わっている松戸伊勢丹を見て少しうれしかったです。
 正直に言って、この閉店セールが始まるまでの松戸伊勢丹はお世辞にも流行ってたわけでなく、土日に来ても地下一階の総菜コーナー、そして上の階にあるジュンク堂書店以外は閑散としており、撤退の方を聞いても経営判断的には当然だろうと私も思いました。何気に知人も、「あまりにも客少ないから、松戸伊勢丹の存在自体が伊勢丹のブランドを落としている」と割とひでぇことまで言ってました(´;ω;`)ウッ…

 しかしこれまで松戸の中心且つ象徴、そして松戸駅前からはやや歩くけど松戸ハローワークの隣という妙な立地にあったこの店がなくなるということは、私自身としてはそれなりにショックなものです。なお一部報道でもあるように伊勢丹周辺、具体的には松戸駅から伊勢丹に至るまでの通りは近年整備されてきており、非常にこぎれいな店が集まるなど歩いててそれなりに楽しく思える通りになっています。カレー屋のおじさんによると、「あそこが松戸市内で一番地価が高い」そうです。

 松戸伊勢丹の閉店後はどうなるのか滞在中に顔見知りの地元商工関係者に話を聞きましたが、以前はドン・キホーテが来るという噂があったもののそれはなくなり、はっきり言って未知数だと答える人が多かったです。ただ先ほどのカレー屋のおじさんによると、「東武が来るという噂がある」とのことで、また来るとしても建物の全フロアではなく一部だけを使用するに留まるという観測を教えてくれました。その上で他の階には別のテナントが入るのではとも予想しています。
 ただ閉店後にすぐに入居するわけではなく、建物は閉店から六ヶ月かけてあれこれ工事しなおすそうです。主に耐震補強工事がメインとなるそうで、フロア数を減らすかどうかも含めて具体的なことはまだ誰も知っていませんでした。

松戸北部市場開発プロジェクト開始について(住友商事)

 こうしていなくなるお店がある一方、上記リリースの通り住友商事が新たなショッピングモールを作る計画を昨年打ち出し、ついに映画館がまた松戸市にまたできそうです。
 ただ建設予定地の八ヶ崎って最寄り駅(馬橋駅)から結構離れている上に激しい坂道のある所なんだけど、その辺問題ないのかな。なお日本にいた頃の私はこの辺りを、「激しい坂道のアップダウンを如何に軽快且つ豪快に走るか」というテーマで公道最速理論(自転車版)をよく構築していました。

 話は戻りますが、松戸市の地元商工関係者もこのショッピングモールの話を切り出すことが多く、「いい方向に変わればいいんだけど」等と話していました。というのも松戸市周辺の吉川市、三郷市、流山市などには2000年代後半から大型ショッピングモールが次々と出来て人口が移動していく中、松戸市だけはそうした施設が出来ずにギリギリな伊勢丹だけしかなかったからです。で以って人口も減り続けており、尚且つ高齢化も激しいことから、「この際人口は無理に増えなくていいから、若い世帯の割合が増えてほしい」と話す人もいました。

「松戸手当」って何?  保育士への待遇がTwitterで評判(ハフィントンポスト)
松戸市の保育士確保に関する取組み(松戸市)

 行政側も若い世帯の人口割合を増やそうとしているのか、つい先月に全国ニュースにもなった上記の「松戸手当」というややダサさ感じさせるネーミングの保育士手当を打ち出しました。この政策に対する世間の評判は悪くなく、上のハフィントンポストをはじめ好意的に報じるメディアも多く、私と松戸市出身の冷凍たこやき好きの友人もニュースが出るや、「松戸が動き出したぞ( ・∀・)ノ」と互いに興奮気味に語り合ったほどです。
 この制度についてもすこし地元の人と話しましたが、あくまで伝聞ベースですが実は松戸市は現在待機児童がゼロで、むしろ保育所のキャパが余っている状態だそうです。この制度も保育士の流出阻止という面もありますがそれ以上に、「子育てにやさしい街」としてアピールして若い世帯の転入を促すという目的の方が強いと伺いました。もちろんそうした目的であっても、全国ニュースで出たくらいなのだからその効果はばっちりだと私も思います。

 ……なんだか途中から伊勢丹の話が消え失せましたが、散々マッドシティネタで記事書いてきたものの今回の一時帰国を経て、「俺って松戸市のこと好きだったのかな……」と初めて思いました。ぶっちゃけそれまで変に過去の記憶だけは十分にある街という印象だったのですが、今回の伊勢丹撤退を受け自分が思っている以上にショックを受けており、「この痛みは何なんだ……」的に松戸に対する感情に気が付きました。
 仮に私が将来隠棲するとしたら第一候補は奈良県奈良市であることに変わりはありませんが、もし関東に拠点を置くとしたらやっぱりこの松戸市になるのかなと思います。何気に今まで明言してきませんでしたが実はそもそも生まれ育ったのは松戸市ではなく隣の流山市だったりしますが、あんまここには愛着がないというか、市民会館へ行くまでの幅広な上り坂以外は魅力のない街だと内心考えています。そもそも地元縁自体ほとんどないし。

 逆に松戸市は、実際住んだのは約半年程度であったもののその間に今回話を聞いた地元商工関係者やインド人とかロシア人などと顔見知りがたくさんできたこともあり、今は非常に愛着を感じています。なお今回の一時帰国では松戸駅前の漫画喫茶に一泊、二日目は北松戸駅前のルートインに泊まりましたが、ここのルートインは駅前ながら閑静でかつ部屋の設備も整ってて非常に気に入ったのでまた使おうかと考えています。唯一残念というか心残りだったのは、北松戸駅前の洋菓子店で悩んだ挙句「ひなまつりショートケーキ」ではなく普通の「ショートケーキ」を買って食べたことで、やっぱりひなまつりショートを食べれば良かったなと今でも後悔しています。

2018年3月9日金曜日

急転直下の森友文書問題について

 昨夜酔っぱらったまま、「この問題をうやむやにするには最低二人の生贄が必要」みたいなこと書いてたら、既に一昨日の時点で一人出ていたという報道が出てちょっとびっくりしました。もっともまだ一人足りないのですが。

佐川国税庁長官が辞任 森友疑惑でキーマン自殺「数日前に姿見たのに…」財務省に激震 安倍政権崩壊も(週刊朝日)

 果たしてそのもう一人の生贄となるのか未知数ですが、かねてよりこの森友問題の交渉や決裁過程について国会で証言し、その矛盾が指摘されていた佐川国税庁長官が今日突然辞任となりました。この件について上の週刊朝日の記事が過程などを非常によくまとめているように思えるのでリンクしましたが、やはり本体の朝日新聞がそもそものスクープを拾ってきただけによく書けてます。
 辞任理由として佐川氏自身は混乱を引き起こした決裁自体が理由と述べていますが、それもある意味正しいものの、実際には更迭というか口封じでしょう。そもそも彼の国税庁長官への昇進自体、国会での証人喚問で政権に有利となるよう口をつぐんだことへの政権からの見返りとしか思えず、その忠誠心を買われて今回も尻尾切りにあったとみるべきでしょう。

 なんか一部ネットでは今回の件も朝日新聞の捏造だと言っている連中も見られますが、そうした発言は自らの愚かさをただ明らかにしているだけでしょう。というのも佐川氏は国会で森友学園との土地売却協議において価格交渉は行っていないと発言したにもかかわらず、その後はっきりと値段に言及する交渉を録音した音声が出ており、この時点で偽証罪は成立します。またそれ以外の発言も子供でも分かるくらいに大いに矛盾があり、にもかかわらずその直後に国税庁長官に栄転となったのは政府の意向に沿ったからという理由以外に考えられず、逆を言えば、政府としては口をつぐんでもらう必要性があったことを間接的に証明しています。
 では何故政府としては口をつぐんで闇に葬ってもらいたかったのかと言えば、やっぱり私としては安倍政権もしくは安倍昭恵夫人が公権力を使って必要なプロセスを捻じ曲げていたからとしか思えず、文書改竄を巡る議論を見ていてもその必死さからみてそうだったのだろうと推測しています。アッキード事件とは言ったものですが、後世にそのようにして語り継がれるかもしれません

 一連の朝日の報道に昨日夕方から今朝にかけて毎日新聞も追っかけ報道を行っており、具体的には改竄によって具体的にどの項目が削除されたのかについて報じ、朝日も足並みをそろえるようにこうした点について言及するようになりました。
 なお一部の人間が朝日が改竄が行われたという証拠を出さないことだけをみて今回の疑惑は捏造だと主張していますが、私の推測で述べると、朝日としては財務省が「決裁文書はただ一つで、複数存在することはない」とはっきりと主張したところで、「それは事実と異なる」といって出すつもりなのではないかと考えています。逆を言えばその前に複数の文書を公開してしまうと、あとで適当な理由を付けてうやむやにされる恐れがあるからで、そうした可能性を考えると現在の朝日の対応は理に適っているように見えます。

財務省、自民党に決裁後の文書書き換えを否定 朝日「契約当時の文書」の行方は(産経新聞)

 その一部の人間と呼べるのが上の産経新聞で、ぶっちゃけあり得ない妄想をして、毎日とは対照的に朝日の報道は眉唾だと書いてて、「よくこんな記事を平気で出せるな」とある意味その勇気に感心しました。読んでもらえばわかりますが、何かしら裏付け取材をした後が全く見えず、非常に機微な問題にもかかわらずインタビュー相手の主張をそのまま垂れ流しているだけです。政権よりの主張をするのは別に勝手ですが、事実と虚実のどちらが大事なのか、真実の裏付け作業をどう考えているのかと疑問に感じる記事です。

 昨日にもすこし書きましたが、言っては何ですが当初この問題は国有資産の不適当な売却プロセスに過ぎず、それほど大した問題ではありませんでした。しかしその後の不適切な開示と隠蔽過程、あらゆる捜査への抵抗、そしてそうした工作への政権の関与を考えると、公権力の横領という巨大な問題にまで政権自ら発展せしめたと思うところがあります。仮に最初の問題発覚時に即座に不適切な売却プロセスがあったことを認め持ってる資料を全部公開していたら、ここまで大ごとにはならなかったでしょう。ましてや資料を改竄するなど正気の沙汰とは思えません。

 言い過ぎと感じる人がいることを承知で言えば、これだけのことをしでかしたのだから最低でも財務大臣の辞任、場合によっては内閣総辞職も仕方がないと私は考えています。逆にそれくらいの責任を取らなければ未来に悪影響を残す前例となりかねず、折角一人死んでくれたんだから生きている人間も頑張って責任を取るべきでしょう。

2018年3月8日木曜日

森友文書問題について

 友人と酒飲んでフラフラなのですぐ終わる政治記事として、今ホットな森友文書問題について見解を書きます。

 概要については説明を省きますが、何らかの回答をするとか言いながら財務省は今日、元々公開済みのコピーしか出してきませんでした。それでいて文書の書き換えはなかったとは明言せず、また朝日新聞が指摘する別の文書があることについてもダンマリしたままです。この状況、つまり朝日の指摘をこれほどまでに否定できないということは、現実に別文書は存在すると考えてほぼ間違いないでしょう。
 その上で、財務省が否定しようとしないのと、朝日新聞の報道姿勢から見て、恐らく朝日は改ざんが行われたという確実な証拠も既に握っているのではないかとも思えます。だからこそ財務省も知らぬ存ぜぬができず、もはや時間稼ぎとしか見えない無意味な引き延ばしで国会を空転させているのでしょうし、朝日側も報道の仕方には含みが感じられます。現時点でも十分なレベルですが、また大したスクープを拾ったものだと今回の朝日の報道には非常に感心します。

 今後に関してですが、もう文書の書き換えの有無はもう勝負ありだと思うので、これから議論すべきは誰が書き換えを指示し、誰がそれを実行し、誰がそれを隠蔽しようとしているのかの犯人捜しだと思います。私自身、最低でも二人くらい首を吊ってもらわないと私自身到底納得できません。
 恐らく財務省もそれが分かっているからこそ頑なに口をつぐんでいるのだと思います。内容や指示系統によっては野党が言っているように内閣総辞職もあり得るほどの問題行動なだけに、省内の人間が処分されることは免れようがありません。官僚が必死になるのは身内を庇う時だと私は考えていますが、まさに今回がその時なのでしょう。

 もう一つの議論としては、今挙げた指示系統です。果たして、この書き換えは財務省が忖度して自ら行ったのか、それとも官邸が指示して行われたのかで、後者だった場合は最悪内閣総辞職、指定でも麻生財務大臣は責任を取って辞めるべきだと私は考えます。後世の歴史にも影響を及ぼす重要な記録証拠であり、また権力の暴走抑止においても公文書の書き換えは決して許してはならず、なぁなぁで済ませては絶対にならない問題です。真面目に関わった人間は見せしめとして死刑にかけても惜しくないと思える行為でなだけに、相応の人物が責任を取るべきでしょう。

 最後にこれは邪推ですが、仮に財務省が忖度して自ら書き換えを行ったとすると、何故忖度を行ったのかを考える必要があります。結論から言えば、それほどまでに安倍昭恵夫人がこの森友問題にコミットしていたと思わせられる状況であり、案外韓国の朴槿恵前大統領の事件を笑えない内容だったのかもしれません。
 それだけに、普段から朝日を公然と批判する安倍首相に、公権力の暴走抑止の観点から見て今回の朝日の報道についてどう思うか聞いてみたいものです。野党もそういうこと聞いてくれれば頼もしいし、「読売新聞熟読してもわからないんだけど」などと皮肉の一つでも言ってほしいものです。

2018年3月6日火曜日

クソ映画ハンター

 先日の日本帰国の際に大学時代の友人と久々に再会してきたのですが、再会するなり私はこんなことを言いました。

花園「中国にいるときも君のことをよう思い出しとった。クソ映画が好きやったなーって」
友人「ふっ、『進撃の巨人』もちゃんと見たで。映画館でな+.(-ω-´)」

 何故か知りませんが、この友人は昔から「クソだ」と言われている映画ほどやたら見ようとする傾向があり、映画「ファイナルファンタジー」と「デビルマン」の両方を見た人間は私の周りだと彼以外いません。特に前者に至っては、奈良のド田舎(橿原市)出身の癖にきちんと映画館で見たというほどの強者でした。
 今回会ったのはかなり久しぶりでしたが、上記の「進撃の巨人」を見たという事実からもそのクソ映画好きは未だに変わりないようでした。ちなみに「デビルマン」は私が「クソらしいよ」と言ったことがきっかけで見ようと決心したそうです。そしてみた後の感想は、「もうあれはね、映画というかね、なんていうかね、表現できないわ……」でした。

 ただこうしてネタにしながらも、クソ映画を追おうとする彼の気持ちも全く理解できないわけでもありません。やはり「クソだ」と言われると、「どれだけクソなのだろうか」とまるで危険な香りをかいでみたいような興味を覚えることは私にもあり、他の方もいくらか同じような経験があることだと思います。これは映画に限らずゲームでもよく「負の吸引力」だとか「負のオーラ」と呼ばれますが、大抵吸い寄せられて実際にプレイすると後悔すること間違いなしです。
 なお上記のクソ映画はんたーの友人はクソゲーにも並々ならぬ興味を持っており、学生時代はよく「たけしの挑戦状」について言及することが多かったです。

 話は戻りますがクソ映画について長所を述べると、同じクソ映画を見たもの同士だと如何にその作品がクソだったのかで話が激しく盛り上がることが多いです。なんていうか同じ苦しい戦場を生き抜いた戦友めいた感情が芽生えるので、異性同士のデートでも経たら恋愛映画見るよりクソ映画を一緒に見た方が絆がずっと深まるのではないかと私は真剣に考えています。
 あとこれは最近発見した事実ですが、クソ映画をどこで見たのかと聞くと「飛行機の中」と答える人が案外多いです。というのも長時間のフライトだと暇でしょうがなく、クソ映画だと途中でわかっていても何故か最後まで見てしまうことが多いようで、飛行機はクソ映画の普及に大きく貢献していると密かに睨んでいます。

 最後に、友人ほどではないですが私が見たクソ映画をいくつか紹介します。

コンゴ
 「何故彼らはこの映画を作ったのだろう?」という哲学めいた疑問を覚えた一作。ある演劇で「どうしても笑顔になれない作品」と役者が言ったのを見てひとり深くうなずいていました。

ガッチャマン
 開始30分で限界でした。あれ以上見ていたら精神に変調をきたす恐れがあったでしょう。

プロメテウス
 ブルーマンっぽい青い肌したオッサンが大暴れすることしか覚えていません。

スリーピー・ホロウ
 ジョニー・デップ出てるけど、なんか脚本がかなり破綻しているような印象しかありません。

2018年3月5日月曜日

社会的セーフティネットとしての漫画喫茶

 また例によって先週末は日本に密入国してましたが、帰りに空港の航空会社カウンター前で並んでいたらアンケートに答えてほしいと言われたので対応しました。

( ・∀・)<今回、中国に行く目的は?
(´・ω・`)<目的というか、中国に常住しているからむしろこれが帰国。
( ・∀・)<日本ではどこに滞在したのですか?
(´・ω・`)<千葉県のマッドシティ(松戸市)です。
( ・∀・)<滞在先がマッドシティなのは実家などがあるからでしょうか?
(´・ω・`)<いや、いつも宿泊する漫画喫茶があるから……。
(;゚;ж;゚; )ブッ(マジこんな顔された)

 上記の通り、例によってまた今回も漫画喫茶を宿泊に使ったのですが、これまでの宿泊ではリクライニング、フラットシートを経験していましたが、今回はカウチしかなく仕方なくこちらのボックスに入ったところめちゃくちゃよかったです。狭いボックスながら背もたれを挙げればソファに、倒せばフラットなシートに変わるカウチが置かれてあり、寝心地も非常に良かったです。むしろいびきによる妨害がない分、名古屋に左遷された親父の家で寝るのよりずっとよく眠れました。
 っていうか、あのカウチ売っているならぜひ買いたい……。

 知ってる人には早いですが私はこれまでにも何度も漫画喫茶を宿泊先として使用しており、今回も慣れたものであらかじめ手ぬぐいと中国のホテルにアメニティとして置かれていたちっちゃいシャンプーとボディソープを持ってきており、漫画喫茶内のシャワールームで優雅に入浴も済ませました。シャワーを借りる際に店員からは、「なにか必要な道具はないでしょうか?」とメニューを見せられましたが、「もう何度も泊まってるから準備万端だよ(^ω^)」と、上級者(=ネットカフェ難民)のように振舞って見せました。

 なお料金については12時間の滞在で確か1750円。この間、もちろん携帯電話などは充電が可能で、先ほど書いたようにシャワーも浴びられ、ドライヤーや毛布も無料で借りれます。またシャンプーや石鹸はさすがに無料ではないものの店内で購入でき、かつて購入した手ぬぐいは60円でした。
 普通、銭湯施設などではこういうアメニティに結構高めな料金を設定することが多いですが、パッと料金表を見た限りだと上記の手ぬぐいのようにお手ごろな料金に抑えられていました。こうした配慮は非常に助かる上に、頼めば500円くらいでカレーなどの食事もルームサービスしてくれます。

 無駄に長く書いてもしょうがないので書きたいことをもう書いちゃうと、なんか日本は民泊をどう認めるかとか、許可とかどうするのかあれこれ騒いでいますが、現実にはもう漫画喫茶は宿泊施設としての役割を果たしています。旅行で漫画喫茶を宿泊施設として頻繁に利用する人間は私に限らず多く、またネットカフェ難民のように常住する人ももはや珍しくありません。
 これは今回つかった漫画喫茶ではありませんが、以前使ったある店ではトイレ内に、「住民票登録をお手伝いします」という張り紙が貼られてあり、漫画喫茶を一時居住先として住所登録を受け付けるサービスを展開している店もありました。実際にその立場に立ったわけじゃないですが、求職しようにも住所がなくて苦労している方などにとってこうした配慮は非常に助かるだろうと思え、本来は行政が担うべき社会的セーフティネットを漫画喫茶が果たしているようにも感じました。それも比較的良心的な金額で。

 こうした事実は既に一部で報道されているため今更的な話ですが、敢えてそこから踏み込んで言うと、もっとこうした漫画喫茶の宿泊機能を日本は活用するべきだと思います。それこそ東京五輪における宿の問題に関して、騒いではならない等の注意事項を周知した上で外国人も気軽に且つ公に予約や宿泊できるように整備し、運営会社を跨ぐ予約管理システムみたいなものをこの際作った方がいいでしょう。
 また仕事を探そうにも住所がなくて困っている人たち向け、というよりそうした長期利用者たちに特化した漫画喫茶をこの際整備した上で行政も支援して、社会復帰支援施設としての役割も強化した方が下手な公的施設や団体を使うよりもずっと安上がりになる気もします。何せ現在の漫画喫茶は一般の市場競争の中で比較的安い金額で、現在運営されており、費用対効果の面では高いポテンシャルを持っていると思えるからです。

 以上のような考えは以前から持っており、民泊議論が起こり始めた際には「現実に正式な旅館業資格を持たない漫画喫茶が宿泊施設として機能しているのに何をいまさら……」と思っていましたが、現在においてもあれこれ民泊で騒いでいるのを見るとなんかいろいろとやるせなくなってきます。その上で、よく漫画喫茶はあの価格設定でこうして営業を続けられるものだとビジネス面でのからくりも気になっていたりします。

  おまけ
 宿泊中、「いぬやしき」全巻を号泣しながら読んでました。

2018年3月2日金曜日

ITに疎い業種

 先日、今後のJBpress用記事の取材のためIT関連企業経営者の方と食事(焼鳥大吉)する機会があったのですが、ぱっぱと取材を終えると関係ない話で盛り上がり、「花園君のJBpressの記事読んでてよくわかるけど、なんか無理やり日本を持ち上げる記述入れてるよね」と、かなり玄人な読み方して読んでくれていることとか教えてくれました。
 そうした他愛もない話をした一方、二人で妙に意見が一致した話題として、IT方面の知識や感覚に対して極端に疎い業種がある、という話題がありました。具体的に言えばそれはメーカー系で、「何故彼らは必要なIT投資をしないのか」という点でしばらく話し合いました。

 私自身もメーカーに在籍したことありますし、大手メーカー企業に就職した友人らからも詳しく話を聞きましたが、製造業は大手、中小に関わらずIT方面の投資を怠る傾向が非常に強いです。では製造業はあまりITを必要としていないのかというとさにあらず、受発注管理から在庫・品番管理、決済管理などの面で、多数の仕入・販売・外注加工先を持つことから、むしろ他の業種と比べても先進的ITシステムの導入の必要性が高いことが多いです。
 にもかかわらず多くのでメーカーでは時代錯誤もいいところな古い管理システムを使用し続けていることが多く、今はどうだか知りませんが10年前にシで始まる液晶メーカーに勤めていた友人が言うには、「Windows以前の骨董品のようなシステムで重要な処理を行っている」と呆れながら話していました。

 またこれは私の経験ですが、最初に務めた商社では在庫管理にこれまた古い、緑色一色しか発行しないウィンドウのシステムを使っていたんですが、ある時期に別のシステムを導入したところ、現場で大混乱が起きました。理由は非常に簡単で、経営者が「安いから」という理由でしょうもないシステムに切り替えたことが原因でした。

 断言してもいいですが、大半の日系メーカーでは業務に管理システムが追いついておらず、それ固め生産性を著しく低下している面が大いにあります。では何故メーカーはIT投資をしないのかというと、単純にそんな余力がないだけということもありますが、それ以上に大きな要因としては、システム導入の決定権者は高齢の幹部に多く、彼ら自身がITに疎い上に現場処理作業に携わらず、その必要性を認識できないということがあります。
 またそういった環境に慣れてしまうと、当初は新規システム導入の必要性を感じていた現場社員ですら段々とそういったやる気を失い、途中からむしろ既存システム擁護派になってしまうというケースもあります。とくに中間管理職に上がった人間なんかに多いです。

 なので話をした経営者の人も、よく取引先に、価格交渉以上にどうして自分たちの仕事が必要なのかということを上の人間に説明するのが一番大変だとも語っていました。私自身も似たような経験を持つだけに、非常に納得できる話でした。
 こう言ったメーカーにおける問題を話した後、今度は私から、「メーカー以外にも、マスコミ業界もITに疎い人間が非常に多い」ということを口にしました。

 幸いというべきか私がかつて所属した新聞社は先進的な方で、システムも次々と更新されていった上に本社のITチームも優秀な人ばかりでした。ただ末端のライターはキーボードのブラインドタッチ以外はあまり強くなかったことから、ExcelやPower Pointなどで記事に必要な図表や資料を作る上でいくらか経験のある自分は割と周りから重宝されていました。
 しかしこれが他の新聞社や出版社ともなると違って、実際にそこで働いたわけじゃないですが、非常に古い記事編集システムとか資料管理システムを使い続けている所が多いと聞き、またオンラインでの業務運行や管理も非常に遅れているそうです。これにも先ほどの経営者も同調し、やはり取引先でそういうところがあるということを教えてくれました。

 ただマスコミ業界の場合はメーカーと違って膨大な受発注処理などがない分、その影響はまだいくらか小さいのですが、やや看過できないのがテレビ・ラジオ業界です。ラジオ業界については務めていた友人がやはり年配の幹部層が投資に不熱心だと話しており、テレビ局については広告でネットとは競合するからかもしれませんが、ウェブマーケティングなどを見ると呆れるくらいに手法が拙いことが多いです。
 ちょっと古いですが2012年にフジテレビがやったこれなんか、何を狙ってやろうとしたのか今でも意味が分かりません。これに限らず、折角たくさんコンテンツを持っているのにそれをネットに全く生かせていないというのはおかしいを通り越しているような気すらします。

 などと、いくつかこういった業界について書いてきましたが、本当にITに疎くて大問題な業種はメーカーでもマスコミ業界でもなく、一番は実は政治業界だと思います。

 中国の政治家、官僚は割と理系出身が多く、新規テクノロジーへの理解も比較的早いというか貪欲であるほか、その産業育成方法についても非常に習熟しています。例えば今度解説しますが、今年から中国では新エネルギー車への補助金を支給する際、車載電池のエネルギー密度が一定以下であれば全額切り下げるという政策を打ち出しています。これにより質の悪い車載電池は市場から一掃されることになりますが、あらかじめこうした政策方針をアナウンスしており、電池メーカー側も時間内に対策を取るよう示唆されていました。

 一方、日本の政治家は言うまでもなく大半が文系で、新規テクノロジーの理解についてもあまり期待できない人が多いです。また産業育成プランについても、はっきりいえばバラマキ政策しか能がなく、規制や支援について全く他の手段を持っていません。なんか誉め過ぎな気もしますが、中国の新エネ車に対する近年の規制と支援の使い分け方は見事なものだと感じ入ります。
 そういう意味ではやはり理系のトップ人材を育ててこなかったことが、技術大国敗北の主要因ではないかとも思えてきます。自分なんかはあり得ないくらいの文系ゼネラリストで理系とは真逆の存在ではありますが、無理をしてでも理系に進むべきだったのかと、今の日本の状況を見ていて思うところがあります。

2018年3月1日木曜日

週刊女性PRIMEのチクり報道の奇妙さ

大杉漣さん長男・隼平氏、“フジテレビの酷な要求”報道を否定(オリコン)

 既にリンク先記事を読んでいる方なら話は早いですが、先日亡くなられた大杉漣の遺族への取材についてなんか妙な報道だと感じるため、ここに記載しておきます。
 概略を簡単に説明すると、大杉漣の突然の死去を受けマスコミ各社が長男の隼平氏へと取材を行った後、遅れてやってきたフジテレビが隼平氏に自分たちにも取材させてほしいと、嫌がる隼平氏に無茶な要求をして苦しめたというような報道を、週刊女性PRIMEが報じました

 仮に事実だとしたら確かにフジテレビの行動は非難もやむなしなものだと思えますが、実際はさにあらず、今回のオリコンによる報道こと隼平氏の回答はというと、「遅れて取材に来たのは事実だが、別に拒否したこともなければ無茶な要求をされたわけでもなく、こちらからの提案で場所を変えて話をしただけ」という、週刊女性PRIMEの報道内容を根底からひっくり返すものでした。これが何を意味するかというと、遺族の隼平氏に対して何も取材をせずに週刊女性PRIMEは勝手な憶測を報じたということになり、果たして遺族を傷つけているのはどっちだと言いたくなる報道だったということです。

 今回の例はフジテレビ自身が反論報道をするわけではなく第三者のオリコンが報じていることからも信憑性が高く感じられますが、それにしても女性PRIMEは呆れた報道をしたものです。ただこうした検証が行われることは案外少なく、現実には遺族や関係者が言ったことにしてライターが勝手な憶測や自分の主張を書き立てる例は少なくありません。インタビューを受けた側からすれば自分が語ったわけでもない内容を書かれ大抵は驚き、中には怒りや悲しみを感じる人もいるでしょうが、発信力の違いから大抵はそうした事実は報道されることなく、泣き寝入りすることとなります。

 自分がこうしたインタビュー記事を書く際、やはり取材相手との信頼を絶対に崩してはならないという信条があり、やはりこういったインタビュー内容部分については非常に気を使います。それこそたとえ取材相手が口にした内容であっても、本人が言ったことを忘れたり、もしくは当初の思惑以上に内容を大きく出てしまった言葉なんかを報じてしまうと、取材相手としては私の記事を読むなり「こんなつもりじゃなかったのに」と言いたくなるでしょう。
 こうした事態を避けるための一応の対策として私は、

・取材相手が繰り返し何度も言った言葉しか書かない
・しゃべった直後に「○○なんですね?」といちいち再確認する
・文面に書く言葉を実際に口にした上で「この解釈で間違いないでしょうか?」と再確認する

 といった手段で対応しています。それでも実際にインタビュー部分を書いている最中は、きちんとメモに残していても本当に相手は確かにこんなことを言っていたのかと何度も迷い、真面目に強い吐き気を感じてえづくことも少なくありません。
 記事の特性上、読者が面白いと思う記事を書きあげることは何よりですが、取材相手の意向を着実且つ確実に表現することも非常に重要で、特に自分の勝手な考えや主張を他人の口を使って語ってはならないと常日頃からこの点には注意しています。それでも取材相手のやる気のない取材対応によっては、「話が違う」とか言われたりすることもあったりするのですが。

 こうした立場から言わせてもらえば、今回の週刊女性PRIMEの報道はマジ最低だなと私は思います。そもそも、仮に事実で遺族自身がそういったのならともかく、フジテレビを貶めるためにまるでチクるかのような今回の報道の仕方は単純に言って底意地の悪いやり方です。週刊誌に道理を諭すというのも無意味なことかもしれませんが、やはり記録には残そうと思って今回こう言う風に書きました。