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2018年11月7日水曜日

違法サイトのアクセス制限はどうすべきか

 ようやく体力的にもまともな状態となったのでまた監視社会ネタです。

 さて先日、かねてからその違法性が指摘されてきた漫画村という、漫画データを違法に配布するサイトについて政府が「望ましくない」との見解を出し、これを受けたNTTを含む大手サーバー会社があくまで自社判断としてアクセス制限を実施し、結果的に壊滅したようです。この一件に関しては私は政府、サーバー会社の行動を支持しており、普段から漫画は電子書籍でちゃんとお金払って買っているということもあるでしょうが、ここまで大ぴらにやっている違法なサイトについてはやはり望ましくないと思え規制されたことを歓迎しています。

 ただこの件については「通信の秘密」との折り合いをどうつけるかについて議論があり、またサイトを規制するに当たって「望ましくない」という判断はどこでつけるのか、そして誰が判断するのかなどといった点が槍玉に挙げられました。そして何よりも、国家たる政府が望ましくないサイトを指定して規制することは情報統制につながらないかという懸念も出ており、今回はあくまで政府見解に対してサーバー会社が自主判断して行動したという形式をとったものの、今後このようなサイトの規制手法はどうするのかという点で現在も検討が進められています。

 まず政府によるサイトアクセス遮断を論点としますが、これは中国では当たり前で、「何がいけないの?(´・ω・`)」というくらいに浸透しています。現在も中国では去年の今頃まで使えたYahoo検索が使えない状態となっており、最後のお情けとばかりにニュースとYahooメールだけは使えますが、真面目にこちらで調べ物とかする際に日本サイトを検索する上で非常に手間なだけにマジでどうにかしてもらいたいです。あ、あとWikipediaも使えない。Googleは来年か再来年あたりに解禁になるだろうけど。
 こうした国家によるアクセス遮断については、中国はもう議論するのもばかばかしいのでほっときますが、はっきり言えば完全な情報統制に当たりファシズム化を招く恐れがあります。そうした観点に立つならば有害サイトの一掃に効果が期待できるものの、やはり許容するべきものではないでしょう。

 かといって漫画村のような違法サイトを野放しにするわけにもいきません。また3Dプリンタで発砲できる拳銃を作ったという事件も過去に起こりましたが、爆弾製造法の解説といったテロ活動につながる恐れのある情報サイト、犯罪者同士が仕事仲間を探すようなサイトもパブリックエネミーとしてやはり遮断することが望ましいという立場を私は取ります。

 ならどうするべきかですが、政府に規制の判断をさせられないとしたらどこがするべきかと言ったら真っ先に浮かんできたのは業界団体です。大手サーバー会社やこの方面につよい法曹関係者による委員会組織を立ち上げ、企業や団体からの通報を受けてサイト内容を精査し、社団の実行有無を判断して各サーバー会社に勧告するという流れなら、あくまで業界の自主規制ということで私は妥協できるラインです。
 ただ、上記勧告が強制力を持たない場合、こうした違法サイトともつながることで契約者を増やそうとするアンコクなサーバー会社とかも出てくることが予想され、こうした勧告がどこまで力を持つのが疑問です。また真っ当に活動している業界団体も少なくないものの、英検協会や漢検協会、あとジャスラックなどその影響力を行使して好き放題やる業界団体も存在しており、アクセス遮断の判断という強力な権限を持つ業界団体が暴走しない恐れもないとは言い切れず、この案を全体的にプッシュする気にはどうもなれません。

 もう一つ浮かんだ手法としては、司法に一任するというやり方です。具体的には特定の裁判所内にアクセス遮断を専門的に扱う審理室を設け、そこへ訴えられたサイトの違法性が裁判家らにも認められた場合にはサーバー会社へ強制力を持ったアクセス遮断勧告をするという流れとなります。これなら裁判所への提訴という手続きを取るので雑多な遮断の訴えは少なくなり、尚且つ各サイトの違法性を法の専門家が判断するということからもやや安心して任せられるところがあります。
 問題なのは、そもそも司法がこうした審理を実行してくれるかという点と、審査に時間と費用が掛かってしまうとなると遮断の訴えを出せるのは企業などに限られてくるという点です。まぁ先ほどの犯罪につながるサイトに関しては、政府が司法に訴えるというのもアリという気はしますが。

 最後に浮かんだ方法としては、私好みの出口を叩く戦略です。具体的には違法サイトに広告を乗っけた広告主、または広告配信業者に多大な罰金を科すという手段です。犯罪サイトにはあまり適用できなくなりますが、漫画村のような著作権法を無視して関係者に経済的損失を与えるサイトなどは広告料によって負荷の高いサーバーのレンタル料を賄っているとこも少なくなく、こうしたサイトを兵糧攻めにかけるように、サイト自体を処罰するのではなくサイトに乗っかった人間を叩くというやり方であれば、割とわかりやすい上にいいんじゃないかと思います。
 この手段の何がいいのかというと、サイト自体のアクセスを規制せずに撲滅へと導けるという点です。これなら政府が情報統制するということにはならず、またこうした著作権法に違反するようなサイトではないものの反政府的な言論を取るサイトも潰されずに済みます。
 このほか海外サーバーを使っているサイト運営者とかは補足しづらいですが、広告業者であれば割と特定しやすい上に、広告主なんて一目瞭然ですから、叩きやすいところを叩けるという意味でもプラスな気がします。

 こうしていくつか規制手法を上げていきましたが、個人的な意見を述べるとやはりネット業界は野放しにされ過ぎでは、明らかに問題のあるサイトに関しては厳しい規制措置をそろそろとるべきではないかと思えます。ちょっとした画像や映像の不正や利用とかならともかく、漫画村のように多方面に経済的損失を与えるサイトや違法プログラムの配信サイトなどは規制することが公共の利益に適うと考えます。無論、中国みたく規制し過ぎるのも息が詰まりますが。

2018年11月6日火曜日

高いパルス音

 今日電気カーペット買ってきたのでさっそく電源を確保するなど設置する際、WIFI電波発信機の電源とまとめて延長コードに挿しました。するとその直後からキーンという音が割とはっきり聞こえ始め、ははーんさてはこの延長コードが不良品だったんだな、中国ならよくあることと思って別の延長コードを試したところ音はやまず、「是は如何に?」と思ってよくよく聞き耳を立ててみると、WIFI発信機の電源というかコンセントから直接音が鳴っていることに気が付きました。

 もしかしたらこれ以前からもずっと音を立てていたのかもしれませんが、近くにいればはっきりとわかるほどの高いキーンという音が鳴り続けており、コンセントを外すと途端にやんだりします。またコンセントを強く抑えたりすると音も心なしか小さくするなど、コンセント自体が音を発していることに間違いありません。
 さて困ったのはこの音。というのも寝床近くに電源を設置しており、今までも同じ場所で寝てはいたものの今後はなんとなく音が気になるというか、小さい音とはいえこんな高い音を寝ている間に聞いているというのが不快感を催すだけに、ちょっとどうにかしないととさっきから一時間以上も対策を練っています。

 単純なやり方はコンセントごと取り換えるという方法ですが、このコンセントは携帯充電器みたいに汎用コードではなくWIFI発信機の備え付けられたもので、そんじょそこらのお店では多分同じ接続端子のコードは売ってないでしょう。何気に中国は日本みたいにサプライパーツを取り扱うお店がやけに少なく、雑多な市場に行かないと買えないため今日明日に買いに行くようなことは難しいです。
 一応、宝山路駅近くに上海の秋葉原ともいうべき電子街があるのでそこに行けば見つかるかもしれませんが、どうせ高くもないんだしWIFI発信機ごと新しく買うというのもちょっと検討しています。昨日利息が4万円超も入ったためか、財布のひもも緩みがちです。

 それにしてもこれだけはっきりキーンと聞こえる音を今まで知覚していなかったのが不思議です。もしかしたらただ単に気が付かなかったのではなく、まさに今日取り外した際になり始めたのかもしれませんが、大きな音ではないとはいえ高温の音だけに対策できるものなら対策したいところです。とりあえず今晩は電源切って寝ることにします。

2018年11月5日月曜日

利息ゲット(∩´∀`)∩

 昨日バレットガールズというゲームし過ぎたからか疲れているので、また短くまとめます。それにしても尋問特訓で納豆をこすりつけられるゲームはこれだけだろう。

 今日、半年前に購入した中国の元本不保証な定期預金の一種である理財商品の払い戻しがあり、10万元の預託額に対し2600元(約42000円)、年利に換算すると5.2%の利息をゲットしました。当初の予測では払戻額は2500元でしたが、100元とはいえ少し増えていました。
 私が理財商品を買うようになったのはちょうど一年半前で、払い戻しは今回で三回目になります。元本不保証とはいえ基本的には安全な金融商品のため元本割れはほぼなく、このところネット金融に押されているもんだから各銀行も利率を高めており、4.5%以上の年利であればほぼ問題なくいつでも預託することが出来ます。

 早速友人からは飯奢れという連絡が来ていますがそういうのは無視するとして、やっぱりこういう臨時収入があると財布は緩みがちというか、ついつい受け取った利息以上にお金を使ってしまいがちです。差し当たって考えているのは3シーズン使い古してそろそろ買い替えようと考えている電気カーペットですが、これをダブルベッド用とするか、シングルベッド用とするかで悩んでます。ベッド自体はダブルなのですが、最近はカーペット敷いて床で寝ておりこの際だからシングルにして、床の上で起居しようかと検討しています。
 その延長上というか、こちらはほぼ買うこと決定していますが、ニトリで座椅子も今度買おうと考えています。先ほども言った通り最近は

ノートPC
PCテーブル
オフィスチェア






 のように縦3畳くらいのスペースで自宅を過ごしており、この3畳の空間でほぼ完結できてます。折り畳みできる座椅子だったら最悪気に入らなくても畳んで置けるし、100元(1600円)くらいで売ってるので、ゲームするときとかにいいかもと考えてます。っていうかいま室内で一番邪魔なのは寝るとダニに咬まれるベッドで、これなければ相当凝った空間とか作れるものの、大家の持ち物のためそこまでには踏み切れません。
 なお床で寝ればダニに咬まれる回数は減るものの、それでも今日みたく湿気の多い日だとどこかしら寝てる最中に咬まれるのか朝起きると腫れあがっている箇所があります。

 ただ先日、具体的には先週金曜、なんか知らないけどとんでもない虫に咬まれたのか、背中の左肩部分からどくどく血が流れるくらいの大穴を空けられました。しかも三か所も咬まれており、真面目に肌着がこすれるだけでも痛いくらい腫れ上がり、「俺は一体どんな虫と戦っているんだ?」とマジ焦り、その晩は夜眠るのが怖かったです。
 恐らく、南京虫級のとんでもないのが潜んでいたのだと思いますが、まさかこの時期にこんな大物に咬まれるとは想像しませんでした。幸いというか数日経って腫れは引いてきたものの、未だ背中にはでっかいかさぶたが残ってます。最近になって湿度計を部屋に置いて観察していますが、やはり日本と比べると上海のような中国江南地方は湿気が平均的に高いようで、そりゃ無視も元気になると一人で納得しています。

2018年11月4日日曜日

悪魔の実?


 先日、自宅でネットトラブルが起きた際に大家が来た際、お土産にと袋に入った上記写真のブツをくれました。袋の上から見て最初、チョコエッグかなと思ったのですが、実際にはリアルな果物でした。ただ果物だとしても、名前が何なのかはわからず、私自身はそれまで一度もこれを食べたことがありませんでした。写真の撮影が悪くうまく映っていませんが、妙にてかっていながら謎の青黒い模様が走っており、一見して「悪魔の実?」という単語が浮かんできました。

 正直に言えば、最初はもう丸ごと全部捨ててしまおうかとすら考えました。しかし折角の贈り物を無碍にするわけにはいかないと思い、覚悟を決めて皮ごと食べてみましたが、やはり今まで食べたことのない味というか、表現しづらい味でした。決してまずいわけではないものの、食べ慣れない味ということもあって感覚的にはいろいろな思いが去来しました。何度も言いますが決してまずいわけではないものの、一晩で6個全部食うのは無理だと判断して、1個ずつ消化して一週間で食べきるという妙なプランを立ち上げました。

 知覚した限りで話すと、真面目に味の薄いメロンにチョコレートソースをかけたような味で、瓜系の果物であることには間違いりません。真ん中のあたりにメロンっぽい種の付いたヒダヒダもあったし。甘味はわずかながらあったもののそれほど強いものではなく、ぎりぎり味の薄いメロンって具合でした。チョコレートソースの味覚は、私が感じた錯覚の可能性があります。

 それにしても中国にいて初めてこんな果物を目的する辺り、やはりこの国は広いな改めて覚えます。

2018年11月3日土曜日

中国のバス運転手への暴行に関する事件群

 昨日の記事でバス運転手への暴行から起こった重慶のバス転落事故を取り上げましたが、今回のこの事件は中国でも大きく注目されるとともに、割と日常的に起こっているバス運転手への暴行について過去の事件の掘り下げが行われています。
 自分も結構驚いたのですが。乗客が自ら乗り過ごしたにもかかわらず運転手にここで降ろすよう強要して、暴行を行うという事件は各地で多発していたようです。こうした行為は男女問わず起こっており、また勢い余ってバスのハンドルを奪おうとする事件も一度や二度どころではなく起こっており、実際にそれによって街路樹に衝突すると言った事件もあったそうです。

 今回掘り起こされた中でも強烈だったのは、ハンドルを奪おうとしたところ別の乗客に蹴られるという事件で、写真に関してはこの記事、日本から見られるかわかりませんが動画はこちらから見れます。この狼藉者を蹴った人間に対してはあちこちから称賛される声が出ており、「彼は乗客全員の命を救った」という意見をテレビなどでも伝えています。
 また今回の転落事故を受け、各メディアや警察などはこうしたバス運転手への暴行は運転を妨げる危険行為であることを説明し、実際にこうした行為を行った人間への実刑例などを挙げるなどして注意を広めています。先ほどのキック動画もその一環と言え、こうした行為を働く人間には殴り倒してでも止めろということを暗に伝えていると思っていいでしょう。実際、その方が理に適ってるし。

 なお、今でこそ上海住まいでバスにも特定の路線以外乗らないし、また上海人は基本マナーがいいからイラつくこともありませんが、かつて杭州にいた時は平気で人に寄りかかったりする人間が多く、バスに乗ること自体がむちゃくちゃ嫌でした。しかし当時は杭州に地下鉄もなく、他の交通手段もなかったので使わざるを得なかったのですが、日本のバスと比べてとにもかくにも中国のバスは体力を消費します。まぁその分、老人とかにはすぐ席を譲る文化は中国の方が上だけど。

2018年11月2日金曜日

重慶バス転落事故について

中国バス転落、原因は運転手と乗客のけんか 幼児も犠牲(朝日新聞)

 普段あまり中国のニュースはチェックしていない私ですが、この件に関しては事故が発生した28日の段階からしつこく追っていました。

 自己の概要を簡単に説明すると、重慶市で長江に架かる橋の上で公共バスが突然ハンドルを切り、そのまま柵を突き破って橋の下の川底へと真っ逆さまに落ちました。この際、対向車線を走っていた乗用車が衝突しフロント部分が一発で潰れはしたものの、運転していた女性は大きなけがはなく軽症で済みました。
 一方、バスの方は事故発生からすぐに救助隊らが現場に集結して活動を開始しましたが、当初から生存者は絶望視されており、また落下中か水面衝突時に投げ出されたのか2体の遺体がすぐ見つかったほかは乗客が何人乗っていたのかもわからない状態だったそうです。警察は周辺を走っていた車のドライブレコーダーや監視カメラの映像などから乗客の割り出しを行っていたとも報じられていました。

 転落したバスは水深65メートルもの川底にまで沈んだと報じられていましたが、先日になって引き上げられ、今日になってブラックボックス、というか普通に車内の監視カメラに搭載されていたSDカードが復元されて事故当時の映像が公開されたのですが、その内容というのが冒頭のニュースリンクに書かれていた通りでした。



 事故原因は目的の停留所を乗り越した女性乗客がここで降ろせと女性の運転手に詰め寄り、応じなかった運転手に対し殴りかかったことで運転手の気がそらされ、ハンドル操作を誤ったという衝撃的な内容でした。日本の報道にはあんま書かれていませんが、殴りかかった女性は携帯電話を手にもって運転手に殴りかかったと中国では報道されており、この女性が経営していたとされる意匠カーテン店は現在閉められているそうです。

 この件は中国でも大きく報じられており、私も普段見ないスマホ配信ニュースを追ってて、今日昼過ぎに配信された真相報道についてもじっくり読んでしまいました。当初でこそバスが突然制御を失ったことから運転手が気を失ったのではとも思っていましたが、想像を超える真相を受けて何とも言えない気持ちとなりました。少なくとも運転手の運転ミスではないと分かっただけでも、今回監視カメラの映像が復元できてよかったのではないかと思います。

 なお今日同僚とも話しましたが、運転手と乗客が乗り降りについてもめるのは中国だとそんな珍しくありません。今回の事件を受けて中国でもコメントなどで、こうした運転手と乗客のケンカに出くわしたら何が何でも止めようという声が広がっていますが、私もこの件に関しては全く同感というか、 頭のおかしい乗客が騒ぐのを他人事だと思ってみていてはならないというのを自覚しました。
 その上で、運転手を含め犠牲になった14名の乗員乗客に対し深い哀悼の念をこの場で捧げます。なお日本の記事だとあまり写真が出ていませんが、このアドレスの記事の写真を見れば今回の事故現場となった橋がどれだけ高い橋かが見てわかります。こんなところから真っ逆さまに落ちるなんて想像するだけでも辛く、犠牲者に対してはただただ同情の念を覚えます。

2018年11月1日木曜日

国家によるメールの検閲是非

 昨日は調子よかったのにブログは書かず、今日は調子悪いのに何故か書いているのが不思議です。
 さて細々とレッツ監視社会な連載を続けていますが、最初が監視カメラ、次が盗聴・録音について書いて、今回はある意味ホットなインターネットのメールについてです。

 一応、建前上はメールも信書という扱いで通信の秘密が法律とかで保障されていますが、それらはあくまで建前で、メールの検閲を行っていない国家の方が案外珍しいんじゃないかと思います。
 私の住んでいる中国は言わずもがなというか、検閲していることを隠さないというくらいの同道ぶりで、中国人も基本、メールは見られるものという前提の上でやり取りしています。
 では対抗馬の米国はどうかというと、スノーデン氏によってNSAが大っぴらに国民のメール通信を検閲していることがばらされており、恐らくこの検閲は現在も続けられているでしょう。また欧州でも同様の行為は行われているとされており、何もこうした行為は中国に限るわけではありません。中国が隠していないだけでしょう。

 では日本はどうかと言ったところですが、過去のインターネット事件史や操作を見ている限りだと特定実ん物や団体とかならともかく、幅広い検閲まではやっていないんじゃないかという気はします。ただこれはもちろんそう見せかけているだけという可能性も十分考えられ、私に言わせるならば、国民の側がメールが検閲されるはずないと信じ込む方がむしろ問題だと感じます。中国にいる私のように、見知らぬ誰かが自分のメールを見ることもあるという覚悟というか諦観がないという方が、やや平和ボケし過ぎているとすら思います。

 こうした国家によるメール検閲の論点は、第一にそれを認めるか否か、第二に規制の必要はあるか否かです。
 監視カメラと違い、はっきり言ってメールの検閲を行ったところでどれだけ犯罪を食い止められるのかについては未知数であり、またぶっちゃけあまり効果がないようにも思うため、国家によるメール検閲を認めることによる市民のメリットは私はそれほど大きくない気がします。ただ国家としては他人のメールを見たくなるというのもわかるため、こうしたメール検閲行為をどうしてもやりたいってんならルール作りが必要となるか。それとも現在のように建前上は見てないということにして隠れて検閲させ続けるのか、どっちを是とするのかはあらかじめ議論する価値があると考えます。

 体制側としてはやはり後者で、自由と平等と通信の秘密を守るというポーズの下でせっせと検閲したいでしょうが、私個人としてはどうせ検閲するってんなら中国みたくもっと堂々とやれよと言いたいです。ただ世の中の多くの人はそもそも自分がやり取りするメールに検閲される価値がないにもかかわらず見られたくないって人が多いでしょうし、だったらそういう人たち向けに「ここまでは見ないよ」ってラインでも設けたらどうかという風に見ています。
 ではその検閲ラインですが、警察の盗聴捜査のように特定人物や団体へ令状なしでは実施できないとする案、国際通信のみを対象とする案、特定プロバイダーを対象とする案などのように、いくつかライン候補があります。ただこう言っておきながらなんですが、仮にラインを設けたところで体制は容易にそれを踏み越え、必要以上の検閲を実行することとなります。何故ならそれが国家、管理できるなら何でも管理したいという性格の持ち主だからです。

 そういう意味では私はどうしてもメールを見られたくないってんなら専用回線を持つとか、特殊な暗号を普段から用いるなどして自己防衛する方が体制を信じるよりよほどマシだと思います。何度も言いますが、メールは絶対に検閲されないと信じ込む方が逆に危険です。
 そもそもメールというのは体制側からしたら検閲しやすい形態で、手書きの文書の方が検閲の手間も食うなどコストがかかります。そんなメールが流行ってしまった時点で通信の検閲が高まるのは自明だったとしか言いようがないでしょう。