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2019年1月10日木曜日

ゴーン氏の拘留が続くことに対する疑問

 また今日も夜から雨が降ってますが、一番厳しい山を越えたのと、昨晩から妙に体調がよくなり出したので少し元気です。来週は絶対に休暇取ろう。

 それで本題ですが、結論から書けば日産元会長のカルロス・ゴーン氏の拘留が続くことに疑問を感じます。公正な司法という観点に立つならば、仮にどれだけ彼に黒い疑惑があるとしても、直ちに釈放させるべきだと思います。

 ゴーン氏の疑惑について敢えて本稿では書きません。まぁがめつい性格の人物であることは間違いなく、脱税という観点で言えば叩かれたら埃は出る人物だろうとは思いますが。
 しかし仮に今出ている容疑の大半が実際に不正であったとしても、これほどまで拘留し続ける理由にはならないかと思います。というのもすでに日産は彼の解任を決議して関係を断っており、不正操作における証拠の確保において隠滅される恐れはほぼなくなっているからです。というか逮捕からこれほど日が経っているにもかかわらず未だに確保できていなければ、それは捜査側の怠慢としか言いようがありませんが。

 その上で他の類似事件、はっきり言えば東芝の粉飾会計事件と比較した場合、東芝では会社ぐるみで業績開示上で日産以上に悪質な事件だったにもかかわらず誰も逮捕者が出ていないことを考えると、いくらなんでも公平性に差がある気がしてなりません。古いものを挙げたら日興コーディアルの事件時もそうでしたが。
 ゴーン氏が外国人ゆえに国外逃亡する恐れがあるという見方もできますが、何らかの保全処置、具体的には脱税疑惑のある資産を一時差し押さえるという条件などを付けるのであれば釈放をしても問題ないような気がします。私自身、当初この事件は脱税事件とみていたのですが、なんか途中からコーポレートガバナンス、不正会計みたいな感じに話の方向性が変わっていったように思え、さすがになんかおかしいような気がしてきました。まぁ本当の背景は政治事件でしょうが。

 欧米メディアも既にこの長期拘留に注目しているそうですが、単純に交流し続けることは被疑者の心身に多大な負担をかけるということを考慮すると、また外国人ゆえに日本の外国人差別だと受け取られかねない(東芝と比較するならその通りとしか言えないが)内容なだけに、やはり一定の条件を付けた上で早くに釈放すべきだという立場を私は取ります。

 最後に今後の日産についてですが、正直先行きに対して疑問視しています。ゴーン氏に代わって経営の舵取りができる人物がいるのかと言えば、むしろ報道されているようにゴーン氏に好き放題されるくらいなのだからそんな人材は残ってないでしょう。また技術力に関しても、去年は日本ではノート、中国ではシルフィが馬鹿売れしましたが、実はかなりなガチな知り合いなどから「日産の技術力はかなりやばいところまで落ちている」という風に聞いていました。
 なんとなくですが、日産の販売車種を見ているとそうと感じる傾向が実はあります。わかる人にはわかるでしょうが、ラインナップを見ればトヨタやホンダにないある特徴が見えてくるでしょう。まぁそれは三菱も同じですが。そういう観点から、今年なんか面白いこと起こるんじゃないかと少し期待しています。

2019年1月9日水曜日

雨多過ぎ(´Д`)

 日本は何でも関東地方で空気の乾燥が激しく問題となっているそうですが、こちら上海はそんなのどこ吹く風か、このところ室内の湿度が常に70%前後というほど潤いに溢れた空気、っていうか異常なくらい雨ばっか降っています。

 何気に上海で冬越すのも多分7回を数えますが、これほど雨の多い冬は日本にいた頃を含めても初めてです。体感で言って去年の梅雨シーズンよりも雨の頻度が多いように思え、実際に昨日は曇っただけで降らなかったものの、昨日以外は今日を含めてほぼ毎日降りっぱなしで移動に鬱陶しいです。
 私自身はピーカンな晴れよりも曇ったり、雨降ったりしている方が風情的に好きなのですが、今冬に限ってはあまりにも雨降る回数が多すぎるせいかマジいい加減にしろよと無駄にイライラするくらいになっています。

2019年至今上海不少地区无有效日照 历史同期极为罕见(中国天气网上海站)

 上の中国語の記事によるとやはり上海エリアはこのところ異常なくらいに雨が多く、「2019年になって一度もまともな日差しが出ていない」と書かれてあり、言われてみると確かに今年まだ一度も太陽を見ていないような気がします。少なくとも熱い日差しは絶対に浴びていません。
 今の状況は歴史的にもレアな状況だそうですが、今後も曇天が主になるという観測が書かれてあります。

雨天史上最多,日照史上第二少 这个冬天缘何阴雨绵绵?(金華日報)

 また上の記事によると、上海に接する浙江省でも基本同じような状況らしく、先月12月の日照時間は史上ワースト2位の43.6時間(過去の平均は135.7時間)とのことです。なおワースト1位は1994年の39.2時間だそうです。
 雨量も平年と比べ80%ほど多いものの、この雨自体は南方の暖気が今冬はやけに活発であることによるものから、気温はむしろ平年よりやや高い水準だそうで、上海にいる自分の体感とも一致します。上記の統計などからも、今冬はやけに雨が多いという自分の実感は間違っていない模様です。

 それにしてもなんでこんなに雨が多いのやら。上海の冬は東京と比べるといつも湿気が高くリップクリームとかもほとんど不要ですが、今年に限っては高すぎるとしか言いようがなく、ドライな空気カモンと声を大にして言いたいです。

2019年1月8日火曜日

日韓レーダー照射問題に対する中国の反応

 マジで今やっている仕事が一段落したら何が何でも休暇を取ってやるくらいに打ち込まれている自分ですが、それでもブログは書きます。

 さて毎度お騒がせの日韓レーダー照射問題についてですが、前から興味があって中国での報道などを追っていました。結論から言うと非常に淡泊なもので、日本が映像を公開したら日本側の主張とともに報じ、韓国が映像を公開したら韓国の主張とともに報じるだけで、「果たしてレーダーの照射事実はあったのか?」というような事態検証に関する言及や報道は基本ありません。感覚としては、「日韓がなんか揉めてるみたいだよ」くらいなものです。

 ただ第三国としての反応としては、実際こんなものかもしれません。仮にベトナムとフィリピンでレーダー照射問題が起きたとしても、日本の報道がその内容や主張を逐一報じるとは思えず、ましてや嘘を言っているのはどちらなのかという検証なんてよほどの軍事マニア以外はいちいちしないでしょう。そういう風に思うにつけ、中国としてはこの問題はあくまでよその国の話題であり、いくら隣国の騒動とはいえ関心を持たないというのは当然のことかもしれません。
 実際に周囲の中国人の知り合いに少し話を振っても、よほど日本のニュースを毎日チェックしているようなのを除けば、こうした騒動が起きていること自体知りませんでした。

 このように第三国ではそもそも関心が持たれていないとすると、この問題はあくまで日韓の二国間問題であり、他の国を意識すること自体がある意味間違いなのかもしれず、現在日韓で公開している証拠映像を多言語対応することに意味はあるのかという疑問ももたげます。
 上記の通り第三国としてはどうでもいい話であり、関心を持つ人の方がむしろおかしいレベルです。それこそフランス人向けにフランス語で字幕つけたりしたとしても、その行為に意味があるのかということで、英語だけならまだしも、マルチ言語にすること自体着眼点が間違っているかもしれません。

 具体的に何が言うと、日本側は公開する映像には日本語と韓国語の字幕を、韓国側は韓国語と日本語の字幕をつけ、如何に相手国の国民に自分らの主張を見せつけるかの方が大事だったのではないかと思います。最終的に日韓ともにそうしていますが、どうせやるなら最初からそうした方が良かったでしょう。
 さらに言えば、第三国に向けて自分たちの正当性をアピールすること自体がやはり間違いであり、そうした余計なことをするくらいなら相手当局者、または政策によって直接対応した方がマシです。

 つい先ほど徴用工問題で日系企業の資産差し押さえを韓国司法が認めたとのことです。菅官房長官は対抗措置を考えていると匂わせる発言をしていますが、今回のケースに限っては明確な国際条約違反、はっきり言えば日韓基本条約そのものをひっくり返すような行為であることを考えると、中国のように予告なしで戦略物資の輸出停止措置をはっきりとるべきだと思います。
 具体的には半導体原材料や装置辺りがいいと思え、これらを取り扱う日系企業もダメージを受けることとなりますが、事ここに至っては正直その手の痛みを覚悟した対抗策を取らなければならない事態にまで既に発展していると思います。っていうかそういう意味だと、中国は貿易戦争で選べる手段が多くていいなぁ。

 それにしても改めて思いますが、これだけ矛盾に満ちた説明を韓国軍は繰り返しているにもかかわらず、未だに大本営発表をそのまま垂れ流して日本を批判する韓国メディアは中国メディア以上に腑抜けだと思えてきます。メディアがこれほど力を持っていないということで、逆に安心できる材料ではありますが。

2019年1月7日月曜日

一日を変え、一生を変えるカクテルを!

 わかる人にはわかる見出しですが、これは「VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)」というバーテンダーになってカクテルを作るアドベンチャーゲームに出てくるセリフです。わざわざ引用するくらいだから今遊んでいます。

 ゲームのことをブログで書くのもどうかなぁと思うときもありますが、なんか年末年始から現在にかけてやけに負担の大きい案件ばかりやってきて仕事がガチで忙しく、しかもそんななのに風邪ひいて昨日一昨日は家からあまり動けず、なのに次のJBpressの締め切りも迫ってきたので結局原稿を書くし(4時間でさらさらっと)でもういろいろあるので、ストレス解消がてらに書くことにします。漫画家の山本さほ氏も、好きなことを書くといって8bitゲームについて書いてんだし。

 話は戻りますがこのヴァルハラというゲームですが、立った今出た8bitゲーム、ゲーム機で言えば初代ファミコンのスペックですが、あながちこの時代のゲームと言っても過言ではありません。制作されリリースされたのは2016年とごく最近ですが、かつてのPC98時代のドット絵のゲームをオマージュする形で作ったと豪語するだけあって、ファミコンっぽい画面で独特な雰囲気を出しています。
 なお作ったゲーム会社は「スケバンゲームス」という会社で、「日本のヤンチャな女の子っぽいイメージにしたかった」そうです、ベネズエラ人が。

 ただ、非常に当時というかPC98時代の雰囲気をよくもここまで再現したものだと感心させられれます。ベネズエラ人なのに……私の中ではラミレス監督のイメージしかないですが、マジでスケバンゲームスはベネズエラの会社です。
 私自身はファミコンは末期、PC98はほぼ全く触れたことのない世代ですが、Windows95時代にPC98時代で出ていた古いアドベンチャーゲームの復刻版は遊んだことがギリギリある世代で、あのドット絵の画面、下ネタをフランクに交える大人な会話、微妙な探りを入れるかのようなセリフなどはまさにあの当時限定のコンテンツだったと思います。っていうかはっきり言えば、プレステ時代に入ったあたりからゲームのシナリオや脚本は明らかにレベルが落ちていった気がします。

 このゲームでやること自体は客のオーダーを聞いてその通りにカクテルを作るだけなのですが、この作るという操作がなければ単純なサウンドノベルと化してしまい、逆に作る操作が複雑だったらシナリオにそこまで入り込めず集中できないだろうと思え、そう考えるとゲームの操作としては本当に単純ですが、うまい設計の仕方だと思います。

 あとこれも知っている人には早いのですが、このゲームは非常に下ネタが激しいというか、LGBTのキャラが当たり前のように出てきます。主人公のバーテンダーからして百合というかレズビアンで女上司にぞっこんというキャラをしており、その主人公に付きまとう幼女(見かけは)も出てきます。
 ただ、それが悪い意味で目立ってないというか、サイバーパンクな世界観でそういう嗜好の人間がいるのはこの世界では当たり前的に上手く見せています。これも90年代のシナリオだとよくあったなという気がします。

 それにしてもマジで今の仕事早くどうにかならないかと不安が大きいです。っていうか昨日はずっと曇ってたし天気予報は問題ないと出ていたから洗濯物干しっぱなしにしたら今日昼から雨降るし、風邪ひいて食欲ないから昨日も今夜も夕食はラーメンだけでもう軽くくじけちゃいそうな気分です。会社の仕事の詳細は明かせませんが、ちょうど同僚の一人が休暇を取っている最中に怒涛の如く依頼がやってくるのは何か試されている気がします。

2019年1月6日日曜日

買い替え時?

 先日、通勤途中に漫画読もうとタブレットPCを取り出したところ、右端部分に一本の筋、っていうかヒビ割れていました。購入からかれこれ2年近く経っており、お世辞にも丁寧に保管してきたわけでもないことからそれほどショック感はなく、しょうがないなという納得感の方が大きかったですが、これ以上ヒビが広がるようなケースを考えるならば買い替える必要があります。
 それにしても寒かったからヒビ入ったのだろうか。ちょうどこの前日が今冬で一番寒かった日でした。

 タブレットPCだけでなく、私自慢のPSVitaもそろそろガタが来ています。こちらは2014年に購入しており、同時購入したケースが謎の異臭を放つなどありましたが長年にわたり中国生活を支えてくれていますが、気が付けばもう五年の付き合いです。画面のひび割れがあるわけでもないですが、多用する左スティックに最近ほこりが入るのか、時折意図しない動作を見せるようになってきました。その度に埃を取れば解決はするのですが、今年三月にもソニーはVitaの生産を打ち切ることを発表しているだけに、将来を考えもう新調しようかと前から考えていました。

 ただこれで問題となるのは言うまでもなくお値段。Vita本体が2万円だとしてタブレットPCは如何ほどかとざっと見たところ、性能に全く不満がなかったことから今度も華為のMedia Padにしようかと考えているものの、値段は以前に比べて安くはなっているものの3万円強はする模様です。合計で購入すると5万円で、ちょいと悩むお値段ですがこのまま何もなければ次の一時帰国時にも予算可決させるつもりです。

 ただ今回偶然知ったというか、改めてタブレットPCのラインナップを見たところ、もはやほとんどのメーカーが事実上撤退していることがわかりました。華為も2年前と比べ新製品はスペック面で大きな差のないマイナーチェンジに留まっており、ソニーに至ってはもはややる気は見せておらず、NECに至っては端っこの方に商品一つ見つけられるくらいです。強いて言えばアップルはアイパッドをまだリリースしていますが、統計でも出ている通りにタブレットPC市場は期待に反して既に落ち込み始めているとされ、多分今後Android版を出すのは華為とASES、Lenovoだけになるのではないかという気すらします。もしくは、単純にスマホの大画面版としてカテゴリが急襲されるかもしれません。

 現実にというか、私自身も電子書籍を読むのにばかり使っており、それ以外の用途はあまり見いだせていません。一応、日本の一時帰国時はタブレットPCのおかげで重いノートPCを持たずともメールのチェックと最低限のブログ管理ができるようにはなりましたが、携帯できるメリットがもう少し欲しいところです。
 何より、ストレージの少なさはもっと本気で対策するべきだったでしょう。それこそ外部ストレージともっと気軽に接続ができたのであれば、用途は広げられたような気がします。

2019年1月4日金曜日

何故誤った報道が信じ続けられるのか

 先日広州を旅行した際に現地であった友人に、「日本人は中国で電子決済が普及している背景は、中国は偽札が多いからっていう理由を信じてるよ」と伝えたところ、「単純に便利だからなのにね」と鼻で笑われながら返事されました。
 断言してもいいですが、「偽札が多いから」という理由で電子決済を使っている、若しくは使い始めたという中国人は業者側はともかく消費者側にはほぼいません。少なくとも私の身の回りでそのような理由を口にする人間はおらず、しかも日本での報道内容を伝えると決まって上記のように「なにそれ?(^ω^)」って感じな反応されるのがオチです。そうした前提でいうならば、先ほどの日本の報道はほとんどデマと言っても差し支えないレベルだと私は考えています。

 しかし、未だに電子決済関連の報道や掲示板を眺めると、未だに先ほどの偽札関連の理由が取り沙汰されています。明らかに事実と異なった内容にもかかわらず未だにこうした見方が浸透している背景としては、以前このブログでも指摘した通りに、「そうであってほしい」という日本側の願望があるからだと思いますがそれとともに、この内容が間違いだというカウンターメディア的な報道が少ないせいだと思われます。

 今言及したカウンターメディア、誤報に対して誤報を指摘するメディアというものは海外報道において、国内報道と比べるとやはり不足しがちです。このほかにも例を挙げると前回大統領選における「ヒラリー圧勝」も、現地の米国人の草の根の声を完全に無視した誤報でありましたが、このおかしさをきちんと指摘したのは私が見た限り元アナウンサーのコラムニストだけでした(ヒラリーは米国人女性からめちゃ嫌われてるという内容)。
 私が言うまでもなく、海外報道というのはそのニュースを受ける読者とは程遠い世界で、自らその報道内容が正しいかどうかを確認する術はありません。またメディアの中でも、実際に現地で情報を発信する人間は限られ、また国民感情もあって煽り系の内容の方が受けやすいということもあってか、報道内容の誤りを指摘するどころか誤った内容に乗っかろうとする、それどころかより大げさにしようとするメディアすら見受けられます。

 こうした海外報道の現状については新聞記者時代から私と当時の上司は苦々しく思っており、例えば中国のGDP成長率も高ければ、「バブルで危険だ」と言われ、下がると「成長鈍化で危険だ」と言われ、どう転んでも批判的にしか書かれずバイアスのかかった報道しかされません。おまけに前向きな統計指標が出ると「統計が操作されている」と否定され、後ろ向きな統計指標が出ると「それみたことか崩壊が始まった」と鵜呑みに信じられ、実際に私が報じた内容についてもそういうこと書いてる人がいて、「じゃあ何見せれば納得すんのあんたさ?」とはっきり言ったこともあります。
 っていうかこういう人に限ってデータの発行元を見ていなかったりするので、少し前の記事で敢えて民間不動産会社の取引価格データを引用したら、「中国は統計が操作されている」という声が案の定出てきました。民間も操作できるのかっていう点と、外資系企業のデータならどうすんのかっていう風に落とし穴とかたまに用意したりしていますが、否定するならするなりで操作されている根拠とか出せよと(同類指標との差異など)この頃ガチで言いたくなってきました。

 話は戻りますが、そうした現状をよく見ているだけにJBpressでの話が来たときは「そりゃ俺のような人間が求められるだろう」と素直に思いました。海外報道を現地で書くのと東京で書くのとでは全く意味が異なるだけに、多少負担がでかくても自分がこういう仕事をしなければ日本の海外報道は落ちるだけ落ちるとみており、現実に今実際に私がこの分野で支える立場にあるという自覚があります。

 もっとも自分がカウンターメディアを気取って他社の誤報を、ブログでならともかく、いちいち指摘して批判しても意味がないとは思って控えています。理由としてはそんなことしても大半の日本人は私の主張よりバイアスのかかった報道の方を信じやすいし、またいちいちそういう批判に構ってられないという事情があります。
 それであればまだ自分が直接見たり聞いたり調べた内容をきちんと報じて、それでアクセスを稼ぐことによって、自分なりに根拠のある報道で力を見せつけることがこの方面の質の向上につながるという風に考えて活動しています。この辺は友人が良く評価してくれているのか、日本の報道に「それは違うよ」的な記事を出す際は、「特定の団体や個人を批判してないのがいい」と毎回言います。ケンカしてもいいけど、ケンカに費やすエネルギーがもったいないというのも本音ですが。

 無論、自分も誤った報道をしていないのかという懸念は常にあります。それだけに自分も気を付けなくてはいけないのですが、これだけネットが発達した時代でも冒頭のような誤った認識が広がるというのは、なかなか難しい時代だなと感じます。

2019年1月2日水曜日

ゴミ記事リターンズ

 室温がまだ13度あったころは幸せだったなぁと、10度を切るか切らないかの瀬戸際にあってつくづく思います。なお昨日から鼻水に血が混じるようになっていますが、それでも暖房は絶対につけません。
 さて2019年一発目の記事は何にするべきかと考えていたら昨年末に書いた自分の記事がアップされたのでこちらの紹介をしようと思います。

本当にできるの? 中国で始まったゴミの分別(JBpress)

 こちらの記事は見てわかる通りに、先月にこのブログで書いた上海市内でのごみの分別事情について加筆修正を行ったものです。最初にブログで書いた時点でも友人からは反応が良かったのですが、そのあと上海を訪問してきたJBpress編集長からも、「あのブログの記事を出してはどうか?」と直接打診されました。

 内容的には申し分なく、中国のローカル事情を紹介する上で他に先行報道もなかったことから確かにうってつけだと思って記事化を決めたのですが、内容をもっと仕上げるために追加取材が必要、具体的には中国のごみ排出量は具体的にどれくらいなのか、あとゴミ捨て場の写真などもそろえる必要があり、この辺の作業に着手しました。
 これらの取材作業中、日本のごみ事情について書かれた記事に日本のごみ処理場に関する内容が少し触れられてあり、ここに気付いたおかげで割とこの記事はいい感じにまとまりました。元々、香港時代の取材で日本のごみ処理プラントビジネスがアジアでも展開されており、営業にもかなり力が入っているということをIHIの担当者から聞いていたこともあり、すぐに反応できたのだと思います。

 ごみ処理プラント関連の事情については記事にもある通り、このところ日系メーカー、特に川崎重工が大量に受注するなど好調という事実も得られたので、これを一気に記事に組み込みました。結果として、自分のJBpressのコラムとしては過去最高級に完成度の高いコラムになったのではないかと自負しています。

 一体この記事の何が優れているのかというと、身近な問題から大きな問題へのつなげ方がいいという点に尽きます。人にもよると思いますが、私はコラムという記事は基本、身近で誰もが共感できる話題から政治や経済といった大きな問題をつなげ、これらを考えるきっかけとする記事種類だと考えています。この流れが抜群に上手いのがJBpressでも書いているアン・ヨンヒ氏で、いつもアン氏の記事を見ながら「俺もこういうのを書きてぇなぁ」と内心思っていましたが、今回のゴミ記事はそうした公正にやや近づけられたのではないかと思います。
 具体的には

・誰もが身近なごみ分別の中国事情
・日本と中国のごみ排出量比較
・日系プラントメーカーの受注増

 という三段階構成となっており、しかも多分抵抗なくすっと次の構成に移れるくらい自然に話題を繋げられています。なお文字数に関しても、特に文字数修正などをすることもなく書き上げた時点で規定の3000字にほぼピッタリという出来栄えでした。
 ドラフトを最初に見せた友人も大絶賛してくれ、特にプラント関連の事実については全く知らなかったようで新鮮に感じたそうです。まぁこんだけ受注していることは私も知りませんでしたが。

 ただ、NewsPicksのコメントを見ていると、ごみ処理プラントに関しては中国系メーカーも躍進していて競争が激しく、必ずしも日系に優位があるわけではないという指摘がありました。この辺はさすがに専門分野というわけではないので実態はどうなのか自信がなく、この人の言う通りなのかなとは思いつつも、受注数は増加傾向にあるのは事実なのでどうにか許してもらいたいところです。
 ついでに書くと、記事中にも書いてある通りに私は日本の環境技術は金をかけるか否か程度のもので評価していませんが、ごみ処理プラントに関しては前から高く評価していました。ガスコージェネ発電を筆頭に、ごみ処理しながら発電するというエネルギーリユース技術もさることながら、ダイオキシン対策で培った高火力で有害物質を残さず燃やせる高い焼却力を持つなど、こうしたプラントの建設運営実績はもっと世界に誇ってもいいものだと考えています。あくまで、素人目線ですが。

 なおNewsPicksのコメントはやはり目の肥えた読者が多いせいか、分別の効果やごみ焼却ビジネス、政策実行能力などについてのコメントが多くて楽しめます。逆にヤフコメの方は、個人的に凄い残念だったのですがごみ焼却ビジネスに関して言及する人がほとんどおらず、「どうせ中国人にはできない」という相も変わらずな意見ばかりでした。まぁいつもと比べると、「中国の行動は世界の環境改善につながるのだから応援しよう」的なコメントも多かったですが。
 ただ、そんなヤフコメの中でも、このコメントには目を引かされました。

nato_

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性根はなかなか変わらないが、中国式(良くも悪くも一党独裁による強権)で押さえつける方法なら、世代交代くらいの期間で変わるかもしれない
ただ、性根や素行が悪いままに移住した世代は、空白の世代として同胞からもうとまれるかな(最近の横浜 中華街、世代間格差が明確)

荒れた時代には、
ケンシロウよりラオウの方が統制できる


うかうかしてると、
ITどころか素行まで追い抜かれるかもね

 私が目を引いたのは太字箇所で、日本と中国の政策の差をこれだけわかりやすく説明する例えは今まで見たことがありません。確かに、中国(修羅の国)ではケンシロウが愛を説くよりも、ラオウが力で支配する方がなんとなく全体としてうまくいきそうな気がしてなりません。丸ごと引用しましたが、このコメントをしてくれた方にはいい視点を提供いただき、この場ながら感謝申し上げます。