まずは取って来たコピペから見てもらいます。これは最近ネット上で良く流行っているギャグですが、
『アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないこ とを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない。
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどん な表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方ロシアは鉛筆を使った』
という内容なのですが、まぁ普通に見る分には面白いけど、どうも私はこの話を素直に面白がることが出来ませんでした。
まず無重力下でのボールペンですが、他のサイトなどでもあれこれ説明されていますが、その構造から実際に使いづらくなるようです。そのため、NASAはかなり以前に無重力下でどのペンが最も使用に適しているのかを研究したというのも事実です。そしてその際、NASAが採用したのはなんと日本のサインペンだったのです。
ボールペンというのはペン先のベアリングの回転によって中のインクを紙につけるという構造ですが、サインペンというのはペン先が繊維で出来ており、その繊維と紙の浸透圧の差によってインクをつけるという画期的な構造で、これが宇宙空間だとボールペンのようにインクが飛び出したりかけなかったりすることもなく自由に書けるということで、NASAに採用されたという経緯がありました。
しかし先ほどのコピペを引用するならば、「一方日本はまるでサインペンを評価していなかった」とでも言うべきでしょうか。このサインペンはNASAに採用された当時、全く日本では評価されていなかったようです。私自身、今でもサインペンを愛用しておりその構造と使いやすさに毎回感動するのですが、日本人が全く評価せず、アメリカ人が評価したことによって普及したという歴史を考えると、どうにも複雑な気持ちになり、最初のコピペを見る度にも、「見るところが違うだろっ!」と、なんというかやるせなさを覚えます。
ついでに書くと、日本はこのような評価の逆輸入とも言うべきケースが度々あります。現在の電波放送の基礎を生んだ八木秀次氏の八木アンテナは日本で全く評価されずに、アメリカなどの国が先にこれを応用し、航空機用レーダーを作ったという歴史もあります。なお二次大戦中、相手の極秘文書を奪った日本軍が捕虜に対して、「この、何度も出てくる『YAGI』というのは何なんだ?」と聞いて、相手の度肝を抜いたというエピソードすらあります。
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