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2008年6月24日火曜日

新聞メディアを考える~その六、新聞社の経営~

 今日はちょっと疲労気味なので、短くまとめて、信長の野望で真田家で天下を狙いたいと思います。いやね、この前長野の真田家の居城である上田城を見てきてまたやりたくなっちゃってさ。

 さて今回は新聞社の経営についてですが、特に専門的にこの分野を学んだというわけではないので、あくまで私の理解の中の話だと了解して読んでください。
 新聞社の経営について、わかっている人はわかっていますが、その収入の半分以上は広告料です。一ヶ月当たりの新聞購読料は4000円くらいですが、これらはほとんど収入にならず、スポンサーが紙面に載せる広告料が主な収入源となっております。そのため、スポンサーである広告主を集めてくる広告代理店に新聞社は逆らえなくなっているのが今の日本のマスコミ界の最大の問題と言われ、しばしば非難される点でもありますがそれはまた今度にやるとして、とにもかくにも新聞の広告料が新聞社の生命線となっています。

 ちなみに少し話は脱線しますが、新聞社の経営というのは一般的にも非常に難しいといわれています。それこそ明治の初めの頃はいろんな人が新聞を出していましたがみんな失敗してます。一例を挙げると首相にもなった西園寺公望は主筆に幸徳秋水を迎えてやってましたが失敗し、また当時から知名度の高かった福沢諭吉も失敗してます。なおその当時の経営も購読料よりは広告費に頼る傾向が強かったようです。

 そんなんで現代の新聞経営では広告が大事なので、基本的に大きなスポンサーには逆らえないとも言われております。それがたとえ、そのスポンサーとなっている会社が社会的に大きな影響を及ぼす事件を起こしたとしても、黙殺されてしまうとまで言われています。まぁ黙殺とまで行かなくとも、実際に新聞社がスポンサーにプレッシャーを受けているのは間違いなく、以前に書いた「キャノン、御手洗会長の報道について」(http://imogayu.blogspot.com/2008/01/blog-post_21.html)で書いていますが、キャノンと松下が今も問題になっている偽装請負を行っていた(行っている?)事実を朝日新聞が明らかにしたところ、現在に至るまでこの二社の広告が朝日新聞には載らなくなりました。この損失は大きく、朝日ではこれで広告収入が大きく減ったと聞いています。

 しかし、スポンサーになるのは何も会社だけではないようです。ここからがハイレアな情報になりますが、私自身が直接朝日新聞の社員から話を聞いたところ、「今の新聞社を支えているのは、大学だ」と言っていました。というのも、このご時世にもかかわらずカラーで両面広告を出してくれるのはもはや大学だけらしく、事実上大きな広告主となっているからだそうです。実際にこの時期に電車に乗ると、張られている広告にはオープンキャンパスの日程が書かれた大学の広告が目立ちます。恐らく、この情報に間違いはないでしょう。

 ただこの広告費と購読料の割合は新聞社によって多少の差があると言われています。よく言われるのは朝日新聞では広告費の割合が高いのに対して、読売新聞は逆に購読料の割合が高いとされ、それが両紙の新聞の論調に現れているといいます。朝日新聞では企業やそういったものに向けて理念を語るのに対して、読売は一般消費者目線の記事が多いなど、うなずける部分があると私も思います。
 ついでに書くと、読売新聞は公称1000万部の部数があると言っていますが、これも知ってる人には知られてると思いますが、なにも読売新聞に限らず、どの新聞社の部数の半分は「押し紙」といって、印刷された新聞屋の中におかれたまま捨てられるといいます。何故そんな無駄なことをするのかというと、一応刷ったら刷ったで広告主に対して、「この広告は1000万部も届けられています」と言えるので、広告料を引き上げられるからです。この方法はアメリカで新聞王と言われたマードック氏が考案した方法です。

 そうやって広告料をあれこれ新聞社は稼ごうとしているのですが、それでも現在の新聞社はどこも経営が苦しいと言うのは一致しているようです。聞くところによると、ある全国紙の新聞社では広告料と購読料をあわせた新聞販売事業では完全に赤字で、会社の持つ不動産事業でなんとか黒字にこぎつけているところもあるそうです。まぁ会社ってのは潰れそうで潰れないものですしね。

 ただ素人目から言わせもらうと、現代の新聞社はすべからく、企業として大きくなり過ぎていると言えます。何故そんなに社員数を増やしてここまで大規模化したのかというと、単純に報道力高めようとした結果とのことです。何でも日露戦争以降、日本の新聞は社説などの論説からスクープで紙面を埋めるようになり、情報を取るために大きく大きくなり、現在ではその祟り目となって経営を圧迫しているように思えます。
 多分、このまま何かネタが思い浮かばなければ、今度でこの連載も最期です。

2 件のコメント:

  1.  確かに大学の広告とかよくみますよね。この時期とかだとオープンキャンパスとかでしょうか。結構1年中だしてたりするかもしれませんね。
     上田城は僕も行ったことありますよ。高校時代に友達と冬休みに行きました。場外への抜け道になる井戸ありますよね。

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  2.  そうそう、井戸に抜け道あったよ。ついでに私は池波正太郎記念館も見てきました。
     でも本当にオープンキャンパスの広告は多いでしょう。逆を言えば、大学以外はどこも広告を出さないと言う点も気になります。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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