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2008年8月24日日曜日

国民栄誉賞について

 なんかこのところニュースが少ないから、このブログが始まって以来珍しくネタに困る日々が続いています。またなんか特集連載でも始めようかな。
 そんなニュースが少ない中で、今日はちょっと昔に一本エッセイにまとめたニュースが来たので、それについてまた新たに語ろうと思います。そのニュースというのも、国民栄誉賞についてです。

 この国民栄誉賞、政府が国民に与える表彰としては文字通り最高のものと位置づけられています。しかしかねてよりその受賞基準というのはあいまいで、賞としてのその価値はこれまでにもよく批判されてきました。
 私なんかが書くよりウィキペディアの項目を見てもらえばわかりやすいのですが、たとえば同じ相撲という分野でも、前人未到の勝利記録を作ったことでもらった千代之富士に対して、こちらも前人未到の年六場所制覇をした朝青龍はもらえていません。このようにこの賞は基準はあいまいで、私の見る限り結構その場のノリで与えているようにしか見えません。

 この基準のあいまいさゆえに一番批判が巻き起こったのは2000年、オリンピック女子フルマラソンで金メダルを取った高橋尚子氏の受賞の際でした。女子フルマラソンで日本悲願の金メダルを取ったことというのが受賞理由だったのですが、当時に私も同じ内容で批判しましたが、世界大会を幾度も連覇し、その上同じオリンピック大会の女子柔道でこちらも悲願の金メダルを獲得した谷亮子氏(当時の姓は田村)や、同じくその大会の男子柔道で三連覇を果たした野村忠宏氏はなんでもらえないのかという批判が起き、やはりそれ以降は罰が悪くなったのか、その後この賞は一度も授与されていません。

 そしてこの問題はやはり後々に問題を続かせてしまうことになります。多少失礼な表現になるのですが、私はやはり高橋尚子氏には与えるべきではなかったと思います。というのも、その後高橋氏は際立った成績は残せず、結局受賞した際のオリンピックで終わったしまいました。その間、今回は怪我のため出場を辞退しましたが、前回2004年のオリンピックで同じく女子フルマラソンで金メダルを取った野口みずき氏については、確かに出場こそかなわなかったものの、代表選考レースなどで立派な記録を作っており、いくら初めての金メダルということを考慮しても、高橋氏がもらえて野口氏がもらえなかったというのは誰がどう見てもおかしな基準になります。

 野球のイチロー選手などはこの辺りのことがよくわかっているのか、これまで何度か賞を授与しようと政府が画策したものの、すべて本人から断っています。私も、これだけ曰くつきの賞なので、イチロー選手が敬遠する理由も理解できます。

 そこで今日のニュースです。今日というわけじゃありませんが、今回のオリンピックで前人未到の二冠に連覇を果たした水泳平泳ぎの北島康介氏に賞を授与するかどうかを政府が現在検討しているようです。

どうする「国民栄誉賞」 2冠連覇の北島へ授与検討(YAHOOニュース)

 結論から言って、私はこの国民栄誉賞というのは昔から好きになれなかったのですが、今回の北島氏への表彰は行ってもよいのではないかと考えています。
 政府もこの賞のこれまでの経緯や、ただの人気取りだと突っ込まれるのではないかと戦々恐々しているそうですが、今回の北島選手の活躍は日本の誰もが認める活躍で、その上前回のオリンピックから一貫して活躍し続けたということは賞賛に値しますし、いくら基準があいまいなこの賞と言っても、北島選手については文字通り文句なしでしょう。

 ただ今回の場合、水泳という競技がひとつのネックになると思います。というのも、かつて「ニイヤマのトビウオ」と謳われた伝説の水泳選手、古橋廣之進氏がこの賞を受賞していないからです。
 古橋氏の経歴について簡単に説明すると、戦中戦後に活躍した自由形の水泳選手で、戦後に敗戦して自信を失っていた日本人に対し、世界大会にて堂々の当時の自由形世界記録を作って大いに感動させ、日本の戦後史の一ページを飾る大人物の一人であります。北島選手の功績ももちろんすばらしいのですが、古橋氏と比べるのならば私には小さく見えてしまいます。

 この古橋氏の処遇をどうするか、これが今後の国民栄誉賞の基準を左右する上で非常に重要な要素となってくると思います。
 私ならどうするかって? ダブル受賞……とするのはやはり間違っていますから、私は敢えて式典で、総理大臣の代わりに古橋氏によって賞状などを北島選手に授与させてみたいと思います。こうすることによって、日本の水泳の神様から水泳の王者へ、という形に持っていくことができますから。古橋氏も、やってくれたらいいなぁと個人的に思います。

2 件のコメント:

  1.  日本で自由形で世界記録を作った方がいたとは、驚きです。
     僕も古橋氏から北島選手に国民栄誉賞を与える花園さんの意見に大いに賛成します。
     
     さっき久しぶりに「コン・エアー」という映画を見ました。前にも見たのですが、また感動しました。「ザ・ロック」、「アルマゲドン」に並ぶ名作だと思いました。最近は、いい洋画がなくて少し寂しいです。

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  2.  冷静に考えてみると、自由形とか背泳とかは体型的に日本人にとって不利この上ない種目ですね。確かに、よく古橋氏は取ったもんだ。

     洋画どころか邦画すらいいのがあまりありませんね。というよりもこの前ちょっと特集されていましたが、アメリカや韓国が700円くらいで一回映画が見られるのに対し、日本は成人だと1800円という、こんな値段で需要供給曲線が一致するはずないのですがね。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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