本当は昨日こっきりのサブプライム話でしたが、なんか大いに盛り上がっているので続きを書きます。
さて昨日は風評だからあまり信じちゃいけないけど今じゃ信じられないことすらも起きちゃうからねと言っていた米保険業界大手のAIG社について、本日、案の定滅茶苦茶に株が売られて下がるところまで株価が下がったところ(一時一ドル台まで落ち込んだ)で、アメリカのFRBがなんと日本円にして約九兆円もの融資をして救済すること発表しました。
先日のリーマンブラザーズ社はFRBに同じく融資を申し込んでいたにも関わらず拒否されて、今回AIG社は逆に救済されました。簡単にネットで検索をかけてみましたが、まだあまり日本の報道社などはリーマンブラザーズ社と違って情報を集めきっていないようでやや情報不足ですが、その中でもいくつかこの対応についてコメントしている記事を読んでみると、やはり証券会社と比べて保険会社は公益性が高く、その影響が大きく広がることを懸念したためだという風に書かれていました。
実を言うと、私も三年前にこのAIG社の保険に加入しておりました。どんな保険かというと、留学生保険です。
外国に留学している間というのは日本国内のように健康保険が適用されず、ちょっとでも病気をしようものなら現地でものすごい額の治療費が必要になってきます。私が加入したのはそのような場合を想定して、何かあった場合にその分の費用を補填してくれるという保険でした。もっとも先々週に突然倒れて意識を失った私ですが留学中にはこれといって病気をすることはなく、この保険は一回も活用することなく満期終了に至ることになりましたが。
しかし後から調べてみると、中国では企業などの雇用先が病院等を経営していることが多く、そうした雇用先に属していない人間が治療を受ける場合は相当な治療費が必要になるそうなのです。何も病気せずに保険代を無駄にしたかなと思っていましたが、そんなリスクを改めて考慮するとこの保険は無駄ではなかったと思うようになりました。
昨日、AIG社が相当やばいという話を聞いた時、すぐさまこの際の保険のことを思い出しました。それこそAIG社が破綻したら、加入している保険も恐らくは有名無実化されていたでしょう。そんな時、私のように留学生保険をかけている留学生などは大きな被害を被るでしょうし、ましてや中国で非常に多い交通事故にそんなときにででもあったら、本当にえらいことになるのではないのかと思ったので、今回のFRBの対応もまぁ確かにわかる気がします。
今横でやっているNHKのニュースでも、救済された理由は影響力の大きさとコメントしています。私なんかは疑り深い性格をしているので、単純に国への献金額が多かったからではないかとすら類推してしまいます。どちらにしろ、今回の救済は決して安いものではないことです。
なにしろ本来市場に出回るはずのなかったお金が九兆円もばら撒かれるのです。今後ドル価格はどんどん下がり、昨日の私みたいにユーロや人民元が買いだという人間がこれから続出すると思います。日本としては唯一利益を上げている輸出産業が打撃を食らうので、巻き添えを食うことは間違いないでしょう。まぁその分、原材料コストは下がってくるかもしれませんが。
そしてもう一つの懸念が、救済はまだ続くかということです。恐らく、FRBとしては先週の政府系銀行の救済で締め切って、後はリーマンブラザーズ社のように見捨てていくというシナリオだったはずでしょうが、今回のAIG社でそう行かなくなりました。今後も救済を続けるのか、それとも後は市場に任せるのか。日本の過去の経歴だと、大枚をはたいておきながら実質ほとんど効果のなかった日本長期信用銀行などの例があり、見切りをつける時期が今後の一つのポイントとなると思います。
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