本日桝添厚生労働相が、製造業への派遣を原則禁止にすることもありうると言及しましたが、なんていうかこの話を聞いてまず最初に思ったのが、製造現場に派遣労働者を送ったとして業務停止命令を受け、挙句にはそのままグループごと廃業を余儀なくされたグッドウィルの立場は一体どんなものなのだろうかと思いました。
この製造現場への労働者派遣については一応今でも原則禁止という風に派遣法の条文では書かれていますが、解釈次第ではどうとでもなるような条項で今問題となっているように自動車業界を初めとして数々の製造現場に派遣労働者は送られてきました。
まぁグッドウィルに関して言えば私も前からあまり評価していない企業でしたが、さすがにこの時の事件では狙い撃ちにされてかわいそうに思い、今回の「これから禁止にするぞ」という発言を聞いてなおさら不憫に思えてきました。折口グッドウィル元会長は今一体何してんだろ。
あともう一つ今回の派遣労働者の問題で私が思うこととして、言い方は悪いですがこうなることは既に三年位前からわかりきっていたことです。私と私の恩師を初めとしたツッチーを含むグループは二年前から、「派遣会社、許すまじ」といい続けてきており、今回の事態もそれ見たことかとそれほど驚くことなく事態を受け止めました。こういえるのも私が派遣労働者という当事者じゃないからかもしれませんが、もう少し早くこの派遣労働の問題性を考えて派遣労働者たちは団結したり、抗議行動を起こせなかったのかが非常に疑問です。まぁこういうのは本来政治家がやらなければいけない問題なのではありますが、今もニュース報道などを見ていると、どうも派遣労働者全体で団結して組織をつくるなど、大きくまとまるといった動きが見えないのはちょっと問題ではないかと思います。
よく現代の若者は、「上の世代は好景気で、楽しやがって……」と思うかもしれませんが、団塊の世代でも世間で取り上げられるのは極一握りの大卒の人間ばかりで、大半の方は中卒や高卒で集団就職をしたりして非常に厳しく辛い人生を送っております。またこの世代は人口が多いために職にあぶれることはなくとも、職業や職位についてはそれほど選択権がなかったとも言われ、非常に優秀で実力のある人でも一般労働者としてとどまらざるを得なかった人も多かったそうです。
しかしそうした実力がある優秀な人らが一般労働者でとどまり労働組合を指導していく立場となっていったため、当時の労働組合は要求や行動などを適切に行っては雇用者側と協調し、また福祉の向上を図るなどいい緊張関係が保てたという話を以前に私は聞いたことがあります。
今の派遣労働者たちを見ていて、そのようにまとめる人材はいないのかと、期待感を込めて思います。
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