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2009年2月17日火曜日

外国生活でのアイデンティティのぶれ

 昨日に中川財務相を擁護した傍からいきなり辞任かよ( ゚д゚) ちょっとだけなのでついでに書きますが、中川氏の後釜には現経済産業相の与謝野氏が据えられる予定らしいですが、中川氏が財務相と金融相を兼務しているので与謝野氏はコレで実に三役も兼務することになります。元々大蔵省が財政と金融を二つ兼ね備えるのが国政上で大きな問題になるとして財務省と金融省分けたのに、経済産業相まで一緒になるのは私にもちょっと不満です。も一つおまけに言うと今桝添氏がやっている厚生労働省も、元々は厚生省と労働省と二つの省が合併して出来ました。しかし一時期は社保庁による年金問題とC型肝炎問題が同時に表面化し、傍目にも過重すぎる任務に当時は桝添氏に私は深く同情し、厚生労働省は分けてしかるべきではと今では考えています。

 それでは今日の本題ですが、基本人間というのは母国を離れて外国で生活をすると否応なしにアイデンティティが揺さぶられ、母国にいる時以上に不安を感じやすくなると言われています。心理学などでこの方面はよく研究されていますが、私の実体験としても中国に留学した当初はちょっとのことでも不安に感じたり、気が滅入ったりすることが日本にいる時以上に確実に多くなりました。また日本国内においても、幼少よりずっと育ってきた関東から関西に移って生活をし始めた当初もいろいろと大変でした。
 これなんか関東にずっと住んでいる人に強く言いたいのですが、私から見て関東の人はテレビ番組などがやはり東京中心に作られることもあり、自分らの周りの光景が日本全体の一般形と勘違いしやすく、同じ国内でどれほど地域差があるかなどというものへの関心や知識が少ないように思えます。そういう私もそれほど地域差について詳しくはないのですが、少なくとも「関東光景=日本の光景」という前提概念をお持ちの関東の方にはそれをすぐに投げ捨ててほしいです。関東は日本の中でも特殊な方だと私は思っています。

 話は戻りますが基本的に外国は文化から生活習慣、果てにはその地域の人たちの考え方などが根本から母国と異なっております。前にも少し書きましたが、その当人が無意識に当たり前と思う世界観が現実の世界に適合していればいるほど人間は安心をし、逆にズレがあればあるほど人間は無闇やたらに不安を感じます。
 そういう意味で、外国生活というのは人間が不安を覚えるには絶好の場所ということになります。そのため私が授業を受けた心理学の講師ははっきりと外国に行って全く不安を覚えない人間はいないと断言した上で、例外といえるタイプは二種類あると言いました。その二種類のタイプとは、一つはまさに国際人とも言うべき先天的に環境の変化に対して全くストレスを感じないという人間。そしてもう一つは、なんらかの宗教を熱烈に信仰している人間だそうです。

 その講師の説明と私の解釈だと、信仰心が強い人間は自らのアイデンティティを周囲の環境などとは切り離した宗教という概念によって深く保障させるため、ちょっとやそっとの目の前の世界の変化で精神がビクともしないので海外に行っても全然不安にならないそうです。考えてみると戦国時代にイエズス会を始めとしたキリスト教徒のヨーロッパ人がたくさん日本に来たり、三蔵法師こと玄奘がインドに経典を取りに行き、吉備真備といった仏教徒がガンガン遣唐使として中国に行ったのも、この話を聞いた後だとなんとなく納得できます。
 逆に言うなら、いわゆる国粋主義的に日本の風土や文化に強くアイデンティティを依存している人なんかは海外に行くと逆に相当なプレッシャーを覚えそうなのですが、新渡戸稲造や内村鑑三なんかは武士道などといった日本古来の伝統的価値観を持ったまま海外で活躍しているので、あながちそうは言えません。

 ちょっと蛇足かもしれませんが、私自身の実体験として外国に行くと大抵の人は母国への感情が二極化するような気がします。それまであまり日本に対して誇りを持たなかったのが急に誇りを持ったり、逆に強い自尊心を持っていたのが「日本は遅れている」などと批判するようになったりと、原因はちょっとまだ分析していませんが。
 じゃあ私は? ということになりますが、やっぱり周りと比べると留学前から中国の事情についていろいろ勉強していたのが影響したのか、それほど強く中国に飲まれなかった気がします。今じゃあまり信じなくなりましたが前なんかはキリスト教への信仰もわずかながらあったのでそういうのも原因かもしれませんが、私以外の日本人留学生の大半が「親中嫌韓」になるところ私は留学以前と以後で中国に対する親近感は大きく変化しなかったように思えます。北京は好きになったけど。

 この辺の話は私が独自にまとめた留学体験記に収めているのですが、折角なので次回は日本人中国留学生に起こる「親中嫌韓」について説明しようと思います。

2 件のコメント:

  1. 一ヶ月ほどの旅行くらいでしか海外に行ったことがない身ですが、海外にいったことで、日本に疑問を抱くようになりましたね~。

    文化相対主義という概念が自分の中で台頭しはじめ、それまで持っていた保守的(というよりもネット右翼的)な考えが一掃されましたね。

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  2.  視野は広いに越したことはないので、いい経験をしましたね。私なんかでネット右翼的な考えを見ていて、この批判している中で何人が中国に行ったのだろうとよく考えてしまいます。まぁ行ったら行ったで頭にくる所も中国にはたくさんあるのですが。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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