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2009年3月3日火曜日

小沢民主党代表秘書逮捕のニュースについて

西松建設献金で小沢氏公設秘書ら3人逮捕 政治資金規正法違反(YAHOOニュース)

 今日七時のNHKニュースでもトップニュースでしたが、リンクに貼った記事によると本日小沢民主党代表の公設第一秘書が西松建設に絡む不正献金の疑いで逮捕されたようです。結論から言えば、私はこの逮捕撃破やはりきな臭いと思い、インタビューでも鳩山由紀夫幹事長が口にしていましたが、これも国策捜査なのではないかという疑念があります。

 今回の事件は異様とも言える位に構図が複雑なのであらましを簡単に説明すると、まず小沢氏の公設秘書をはじめとした三人の直接的な逮捕理由は、政治資金規制法で禁止されている、小沢氏個人の資金管理団体の「陸山会」に対して西松建設が企業献金を行い、その献金額を秘書が帳簿上の科目を別のものにしていたということからです。自分も今回初めて知ったのですが、政治家の政治団体には企業献金が許されているにもかかわらず、なぜか政治家の資金管理団体にはやってはいけないことになっているそうです。
 それで西松建設がどのように献金をしたかですが、単純に言うと西松建設が自社の社員への給料に小沢氏への献金額を上乗せして、その社員が個人献金という形で小沢氏の資金管理団体に上乗せされた分を献金させたということです。
 細かく言うと更にややこしいことになってくるのですが、一応はそうした給料上乗せ分の献金額は西松建設OBが運営していた政治管理団体の「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」を通過することで、要するにダミーとすることで献金されたそうです。なんていうか、書いててあほ臭くなるほど長い過程です。

 私の理解した範囲の事件の構図はこうですが、まず私の正直な感想は、これのどこが悪いのかということです。確かにそうした献金によって変な談合や工事の随意契約の根回しといった不正が行われていたとするならば明らかな犯罪ですが、現在の報道ではまだその辺にまで言及はされておりません。そしていくら政治資金規正法で禁止されているとはいえ、政治団体へはよくとも資金管理団体へ企業献金が許されないというのは一抹の奇妙さを覚えます。言ってしまえば両方とも政治家が代表とする団体であればどっちもその政治家の政治活動に使われるのは明らかですし、その使途に妙な使い方があったのならばなぜそれが容疑とならず、献金をしていた事実のみで逮捕になるのか不思議です。そしてなにより、企業献金は駄目でも個人献金ならいいっていうこと自体、ちょうど以前の記事でも触れたばかりですがなにか問題があるような気がします。

 そうした理由に加え、一番このニュースできな臭いのはこのあまりにも良過ぎるタイミングです。ちょうど先週に予算案が衆議院で通過し、この後の二次補正予算が最終的に可決されることでいよいよ選挙かと言われ始めたこのタイミングで、それこそ致命傷になりかねない政党代表のスキャンダルなんていくらなんでも出来すぎた脚本のように思えます。
 更に言えば、そもそも先月からニュースになっていた今回槍玉に挙げられている西松建設の海外で捻出した裏金の送金問題や、キャノンの工事受注問題など、ありえないほど直前に検察などから集中砲火を受けていたのも変だと感じておりました。

西松建設前社長を起訴 裏金、引き続き捜査(47ニュース)
大賀容疑者、西松建設から数千万円…キヤノン施設工事巡り(読売オンライン)

 これらすべての西松建設への捜査が今回の小沢氏の秘書逮捕の布石だと考えると、というよりそう思えても仕方のないようなタイミングの良さで、佐藤優氏が一気に定着させた「国策捜査」なのではないかと私も疑ってしまいます。狙いはもちろん、小沢氏と民主党です。
 正直に言えば、私は小沢一郎という人物があまり好きではありませんし、小沢氏の持つスキャンダルは私の陽月旦でも触れているように前から知っていました。しかし今回の出来すぎた秘書の逮捕はあまりにも不自然ですし、こんな誰が献金したかとかよりむしろ「陸山会」が所有する不動産物件とその売買と賃貸行為の方が問題性が大きいのではないかと思うと、なんとなく釈然としない気持ちを覚えます。

 無論、今回の逮捕は一つのきっかけで今後捜査が進むにつれて本来の目的や容疑がはっきりしてくることで明確に小沢氏の責任が問われる事態が明らかになることもありますし、私のこの場での主張も杞憂に過ぎなかったということになるかもしれません。しかしそれでも、今回のこのニュースではやや疑問に思える点が数多くあることからあらかじめ私の見方を書いておくことにしました。

 なおもしこの件で本格的に小沢氏の周辺が捜査される事態になった場合、民主党はこの際小沢氏とその取り巻きを徹底的に排除することで、次の選挙でより有利な立場になる可能性もあるのではないかと思います。
 私がそうであるように小沢氏に対してアレルギーを持つ人間は未だ数多くおり、「自民党は応援したくないが小沢が総理になるのはもっと嫌だ」という有権者を取り込む意味合いで、この際徹底的に党内の小沢色を取り除き岡田克也氏あたりを党首に持ってきて、政権奪取時には彼が総理大臣になると確約することで今以上に支持が得られるという可能性もあるのではないかと思います。そこまで民主党が対応力を見せられるかにかかっていますが。

2 件のコメント:

  1. このタイミングは驚きですね。やられた方は大打撃ですからね。検察の人も分かってやっているんでしょうが。この人の考察は面白いので、読んでみると言いと思いますよ。

    極東ブログ: 小沢一郎公設秘書逮捕に昭和の香り
    http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/03/post-71cf.html

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  2.  さっそく紹介されたブログを読みましたが、大体私もこのブログの人と同じ認識です。特に西松建設が献金していた他の政治家として自民党の二階氏がいたのは私もニュースで知りましたが、やくみつる氏なんかは、「小沢家に火がついて二階にも延焼するのでは」とシャレて言っていました。

     一日経ってみて、やはり今回の事件は国策捜査のきらいが強いように思えます。朝日の社説は小沢氏がきちんと説明するべきだとありましたが、確かにこの状況でじたばたしてもしょうがないのでそれしかないような気がします。佐藤優氏などは、国策捜査に目をつけられたら、新聞が読めずに週刊誌しか読めない日本人からは逃れられないとまで言ってますし。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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