以前に私が「内部進学についておもうこと」で取り上げた区立九段中高において高校への内部進学の際、学力の足りないとされる十八人の生徒に他の高校への転学を進めたということを報じた朝日新聞の記事に、その続きとも取れる記事がまたも同じく朝日新聞に載せられておりました。記事の題も「公立中高一貫校は必要か」です。
記事の内容は教育に関わる三人の識者に対し公立校における中高一貫教育の是非を問うている内容なのですが、結論から言えばつまらなかったです。三人ともどれも似たり寄ったり、というより公立の中高一貫教育が絶対的に必要だという観念が初めからもたれており、九段区立中高の例など現状の中高一貫教育はこれから私立の一貫校と違いをつけていかねばならないという結論でびっくりするくらい一致しています。こんなことくらいなら、誰だって言える気がするのですが(´ー`)y-~~
その中でも個人的にちょっと私の癇に障ったというか、気になることを言っていたのは渋谷教育学園幕張のの理事長の田村哲夫氏の意見です。この人は開口一番に、「子供が自我を確立する時期は、中学2年から3年にかけての時期だといわれている」とした上で、日本の大半の子供はその多感な時期に高校受験の勉強に追われるのに対し中高一貫校の子供はそうした受験がなく、のびのびとした環境で育つことが出来ると述べています。何故この点に私が反応したのかというと、そのような私立の中高一貫校に進学する子供は小学四年生頃から塾に通わねばならず、多感な時期に受験に追われるという意味では時期が違うだけでそれほど差はないのでは、それどころか遊びたい盛りの小学生の年齢を考えると高校受験時より中学受験時の子供の精神的負担は重いのではないかという気がします。
かくいう私も何度もこのブログで書いていますが、そんな塾通いを小学校四年生から始めて私立の中高一貫校に進学した口です。はっきりいって中学、高校時代はあまり面白くなく、現在の自分を形作っているのは学外で受けた影響の方が強かったです。
また私自身がこの中学受験で何が一番嫌だったかといえば、同じ小学校である地元の友達らと別々の中学に進学しなければならないことでした。それこそ小学校に入る前からの幼馴染らと全員別れて全く知り合いのいない中学に進学したようなもので、本当に仲のいい友人らを除くとその後地元との結びつきは随分と薄くなってしまいました。やっぱり小学校から中学校へ上がると周囲を取り巻く環境というものは大きく変わるものですし、できることならそういう場面に昔から気心の知れた者がいてほしかったのが私の本音です。
この中高一貫教育については私が見ている限りどうも肯定的な意見しか見当たらず、テレビに出てくる塾通いの子供もちゃんとした学校に行く方がいいなど、反対する意見を述べる場面を見ることがありません。しかし私の親戚、知り合いの子供らから直接話を聞くとみんな嫌々塾通いをしており、むしろ「ドラクエをやる時間が欲しい」などという意見ばかり聞こえます。この報道と実情のギャップの差に時々気になるのですが、近年学校法人からの広告料が伸びているという噂を聞くと、なにか関係しているんじゃないかと疑ってしまうわけです。週刊朝日なんて、受験偏差値ランキングでメシ食ってるような雑誌だしなぁ。
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