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2009年9月30日水曜日

国民総背番号制の意味

 この記事は以前に書いた「現行年金制度の問題点」の記事の続きです。前回の記事でも書いていますが、私は今後の年金情報の処理やその他の行政上の管理を効率化させるために現行の戸籍制度を廃止し、国民総背番号制を導入するべきだと考えております。

 具体的な話をする前にまず、現在の日本の行政において個人を識別、証明する制度がどれだけあるかを片っ端から挙げてみます。

1、戸籍証(戸籍法-本籍地の自治体)
2、住民票(民法-居住地の自治体)
3、パスポート(旅券法-外務省)
4、年金手帳(年金関連法-厚生省)
5、社会健康保険証(保険関連法-厚生省)
6、自動車運転免許証(道路交通法-居住地の公安委員会)


 ポピュラーなものを挙げていきましたが、ざっと私が思い浮かぶのはこんなものです。括弧の中のハイフンの後は各証明書を管理する行政団体なのですが、見てみれば分かるとおりに縦割り行政よろしく見事にばらばらで、そのためどの証明書も個人を特定して管理するためのものなのですが、たとえ一人の個人がそれらの証明書をすべて持っているとしても、それぞれの管理番号や情報は一切他の証明書と重複しておりません。それは言い換えると、それぞれの行政が全部別々に管理していて情報の共有が全くなされていないということです。

 この各証明書の管理ですが、意外に侮れません。なにせ市単位の地方自治体ともなると数万人の情報を管理することになるのでそれ相応のコストと人員を割かねばならず、しかも最近は住民基本台帳ネットワークの導入によって大分融通が利くようになりましたが、私みたいに関東に住んでいるのに本籍地が大阪の梅田一丁目の人間からすると戸籍の取り寄せが以前は非常に面倒で、パスポートの更新も一苦労でした。

 ここで私が考える国民総背番号制の使い方なのですが、私は現時点で、パスポートに記載されているパスポート番号をそのまま国民番号として流用したらどうかと考えております。パスポートは戸籍と照合されることで作られるので、同姓同名だろうと同じ誕生日であろうとほぼ間違いなく個人が混同されることはありません。そのパスポートに記載されているパスポート番号を現在すでにパスポートを発行されている方には流用し、まだ発行されていない方にはこれから作ることで、そのまま国民番号として使えるのではないかと思います。

 そうして国民すべてを識別する国民番号を作った後、今度はその番号を他の証明書番号にも徐々に統一していきます。それこそ運転免許証番号から社会保険証番号なども元パスポート番号に徐々に更新していき、最終的には番号一つで他の管理団体や証明書をすぐに照合できるような体制に整えられればと考えています。
 もちろんそこまで統一されたら他人の国民番号を利用して不正を働く者や、プライバシーの暴露などといった事件が起こるのではないかと心配に思われる方もいるでしょう。しかしここで私が強調しておきたいのは、国民番号それ自体が個人の証明になるわけではなく、あくまで各証明書の分別、管理に使われるというだけで、あくまで個人や身分を証明するのはそれぞれの証明書であって、この国民番号というのはいわばそれに付随する付箋のような扱い方というのが私の案です。

 ではどのように使うのかというと、例えばパスポートの作成申請においては従来通りに居住自治体から住民票を発行し、パスポート発行事務所に届け出ます。住民票を受け取ったパスポート発行事務所はその住民票に記載されている国民番号から自治体に個人の照合を行い、また照合を受ける自治体も連絡された国民番号からすぐに対応が出来る……という具合になるんじゃないかと、実際の業務に携わったことないから断言できませんけど。
 また社会保険などについては引越しなどによる住民票の移動があっても国民番号で照合が取れるので、以前の住所と異なっているために年金の照合が出来ないというケースはまず防止することが出来ますし、また突然交通事故にあっても運転免許証を携帯していれば社会保険証の番号をすぐに照合でき、病院での業務も効率化できるのではないかと思います。

 という具合に、私は国民番号の導入によって得られるメリットは大きいのではないかと考えております。もっともあくまでこれらは素人の勝手な構想なので実態とはかけ離れていたり、また私の予期していないデメリットも多く存在することが予想されるのでもっと議論は深める必要があると考えており、出来ることなら専門家などからも意見を聞いてみたいところです。
 さてそういうわけであれこれいろんな証明書について語ってきましたが、実はさっきから戸籍についてはあまり語っていません。理由はもちろん私がこの戸籍制度を廃止するべきだと考えているからで、結論を言えば戸籍というものをこの際、住民票と原則セットにするべきだと考えております。またも長くなってしまったので、続きは次回に。

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