先日に中国語の恩師の許を訪問した際、久々にかなり通な話ができるという事で双方ともに飛ばし気味で中国に関する話をしてきました。中国や韓国は近くて遠い国だとよく言われますが、案外中国について細かいところまで分かる日本人は少ないのでなかなか気持ちのよい会話ができました。
その時の恩師との話に出てきた話の一つに、中国の歴史についての話がありました。日本人がよく知っている中国の時代とくれば言わずもがなの三国志にて描かれている三国時代ですが、この時代以外の中国史となると途端に認知度は低くなってしまいます。それでもまだ「史記」に描かれる殷から周への易姓革命、春秋戦国時代、項羽と劉邦の漢楚興亡史までなら知っている人もいるのですが、はっきり言って三国時代以後ともなると中国史はもうほとんど何も知らないという方が大半なのではないかと思います。
実際に三国時代の後に成立した晋王朝はすぐに滅び、その後いくつもの王朝が出来たり滅んだりした五胡十六国時代という私自身も細かく把握していないほど非常にややこしい時代に突入するので、三国時代から隋唐時代までのつながりが薄くなるのも仕方がない気がします。
私は基本的に歴史というものは、前後のつながりがあるからこそ認知、把握が出来るものだと考えており、それが上記の例のようによく分かりにくい時代が間にあると途端に全体像が見えなくなって自然と記憶するのも難しくなると思います。特に中国においてはこの五胡十六国時代のほかにも唐と宋の間にある五代十国時代もあり、中国とそこそこ専門的に関わってきた私ですら未だになかなか全体像をつかむ事が出来ずにおります。
更にこうした中国の歴史を学ぶ上で難しくさせているものとして、宋以後の通史を学ぶのに適当な本がないという理由も挙げられます。高校で教えられる世界史では欧米の歴史と交代に教えられる上に結構ややこしいところはすっ飛ばされているので言うまでもないのですが、目下のところ先ほどの史記、三国志、そして十八史略を除くと中国史を学ぶのに一般的な本や教科書というものはあまり多くありません。そうした学ぶ材料が少ないということも、中国の通史を学び辛くさせている要因だと、先生と共通の認識を持ったわけです。
この際に先生は、陳舜臣氏の「中国の歴史」という本が通史を学ぶ上で役に立つと言われたのでこれから徐々に読んでこうと考えていますが、中国史は戦国時代や三国時代以外にももっと面白い時代や話は多く、明の洪武帝の話とか清の光緒帝のところなど、自分からも紹介したいような話はいくらでもあるので興味を持つ方は是非ご自分で学んで欲しいと心から思います。
ゆくゆくはこのブログで中国の通史を自分で書き上げることができたらと考えていますが、そんな事を考える暇があったらとっとと留学記を終わらせるべきでしょうね。ちなみに先生にも現在連載中の留学記のオリジナルを送ったのですが、ブログで公開しているような敬体ではなく非常にラフな元の文体のがいいよと言われました。
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