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2009年11月28日土曜日

連立を巡る政党間の駆け引き

鳩山一族 その金脈と血脈 (文春新書) (新書)

 前にも予告しましたが、今日本屋に言ったら「ノノノノ」の八巻と一緒に売っていたのでこの本もまとめて買っちゃいました。前半部は「文芸春秋」に載った記事が加筆されて載っているようですが、後半はすべて書き下ろしだというので非常に楽しみです。
 またこれは余談ですが、私が佐野眞一氏を初めて知ったのは2003年の頃で、ちょうどその時に東電OL殺人事件の最終判決が下りたことから私の受けた授業の講師が佐野氏のルポを取り上げ、それ以降に興味を持って過去の著作を手に取るようになりました。まさかここまではまるとは思わなかった。

 そんな私の休日の行動は置いといて、久々にオリジナルな政治の話題が今日の本題です。
 まずこの数週間の政治の動きで一番大きかったものを挙げるとしたら、それは間違いなく民主党による事業仕分けでしょう。この仕分けについては賛否両論があり、特にスーパーコンピューターの製作に関わる予算について仕分けにて一度減額が判定されたものの、その後あまりにも学会からの批判が多かった事から政府内にてひっくり返して元の予算額となった一件は様々な議論を呼びました。

 この仕分けに対する私の意見はというと、前にも書きましたがこれまで密室で、しかも恐らく何の検証もなく決められていた予算が公開の上で議論されるようになっただけでも価値があると考えております。そしてスーパーコンピューターの一件についても一度決まった減額がひっくり返ったことは政策のブレだと批判する方もいますが、私は逆にこの民主党の政策転換を高く評価しました。
 一度は採算の見込みがないということで減額が決めたが学会や世論の強い反対を受けて政策を転換できたのも、この仕分け議論が公開されていたからに尽きます。逆を言えばこれが密室の議論であれば減額されていようと国民の大半は気づくことができず、また民主党の側もそうした外野の声を聞いて減額を取り消したというのは二次チェックがきちんと働いている証拠ともとれますし、予算を切る役とそれに歯止めをかける役が相互に役目を果たしているのだとなかなか感心しました。

 こんな風な見方を持ったかどうかは分かりませんが、発足以後微減し続けた内閣支持率もここに来て逆に上昇に転じるようになりました。しかし支持率が低下していた原因となった問題は未だ片付いているというわけでなく、特に沖縄の米軍基地を巡る普天間基地問題はニュースに取り上げられる時間こそ減ったものの、現時点で連立すら脅かす大問題にまで発展しつつあるのではないかと私は見ています。

 先日のニュースにて社民党が普天間基地の即時移転、返還を独自に掲げましたが、これの意味する所は民主党が下手な妥協をするというのならばすぐさま連立から撤退するという意思表示と見て間違いないでしょう。このような社民党の動きに国民新党も同調する動きを見せており、アメリカとの板ばさみで苦しむ民主党としては頭の痛いところでしょう。
 しかしこの状況、ある一部の政治家達には非常に有利な状況となっているのではないかと実は私は考えております。もったいぶらずに言うとその政治家というのは「みんなの党」の渡辺喜美党首や江田憲司氏ら、そして自民党内の河野太郎氏の一派です。

 何故この状況が彼らにとって有利なのかというと、社民と国民新党が連立から離脱するやかわりに彼らが民主党と合流、もしくは共闘することで、文字通り少ない兵力でも大きな戦果ことポストを得る事が出来るからです。特に自民の河野太郎氏なんてこの前落選した総裁選の一件ですっかり冷や飯を食う立場となっており、今回の仕分けについても昨日のインタビューにて、「こういうことが出来て、うらやましい」などと民主党と政策案が近いということをはっきりと述べています。なお同じく自民の大島幹事長は仕分けについて、「こんなものはパフォーマンスだ」などと言って批判してましたが、パフォーマンス一色だった小泉内閣よりはマシだと多分私以外にも感じた人は多かったように思えます。ちなみに私は現代においては政治自体が一種のパフォーマンスで、それを否定するというのはルールがわかっていないのではないかと政治家としての資質を疑います。

 このように連立を巡る動き、もしかして年末から年始にかけて大きく動くかもしれません。無論鳩山首相の故人献金疑惑もいつどう転ぶか分からない状況で、三百以上議席を持ちながらも安定した政権基盤が保っていられる状況にはまだ至っていないでしょう。しかし仮に鳩山首相が総理の座から降りるとなると後には菅直人氏と岡田克也氏のどちらかになるのですが、この二人よりは私はまだ鳩山首相の方がマシだと思っているので検察には政治的判断からもうすこし待って欲しいというのが本音です。

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