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2009年12月11日金曜日

内戦状態の日本 その一、導入

 今日は金曜日ですが、この一週間は移動という面で大変な一週間でありました。というのも月曜から金曜まで冗談抜きで毎日東京近郊の鉄道路線が通勤通学のラッシュ時にどこかしら遅延や運行中止になり、止まった路線に止まらず振り替え輸送などによって周囲の路線でもいつもより混み合うといった現象が続いた一週間でした。水曜日には私の使っている路線が見事に止まってしまい、すぐ復旧するかと思っていたら結局二時間の足止めとなってしまいました。

 そんなわけで鉄道各社、並びにバッティングした人にとってはまさにてんやわんやの一週間でしたが、その遅延や運行中止の原因というのが私が確認した限りすべて人身事故によるものときたものだからまたやりきれません。人身事故と書けばただ単に電車に接触して肩とか腕に怪我をしたというのももちろん含まれますが、基本的には飛び込み自殺が原因と見てほぼ間違いないでしょう。この一週間に限れば遅延の程度もさることながら私が二時間足止めを受けた際にも現場検証が行われているとの放送がありましたし、またこの師走という時期を考えると飛び込み自殺が増えるのも無理がないかと思われます。

 それにしてもこの一週間、下手すりゃ来週以降も飛び込み自殺が続くと言うのであればいくらなんでも異常としか言いようがありません。もちろん去年より続く不況の影響というものが主要因であろうことは予想に難くありませんが、このところ私は不況不況と言われつつも、こうして毎日電車が人身事故で止まるというのはもはや日本人の精神構造や社会価値観に病理というか、大きな欠陥があるためではないかと考えるようになってきました。

 今年はまだ終わっていませんが、ここ十年と同じく今年も自殺者数は三万人を超え、下手すれば過去最悪の数になるかもしれないとの予測が早くに飛び交っております。また自殺というのは案外成功し辛い行為であって自殺成功者の影には約十倍もの未遂者が統計に隠れて存在すると言われており、仮にそうであるとすると日本では毎年三十万人以上も自殺を図っているという計算になります。
 また自殺行為に密接に関わるうつ病についても、政府もあれだけ予算使って対策を取っているにもかかわらず発症者数の伸びに一向に歯止めがかかりません。

 日本の自殺率(十万人辺りで何人自殺するかという割合)は恐らくまだ変わってないでしょうが、ちょっと前の統計では世界で九位でした。日本よりまだ八カ国も自殺率の高い国があるとはいえ同様に自殺率の高い韓国と並んでその国の規模からするとこの数字はやはり異常で、政府としても対策としてかなり前からカウンセラーや精神病院を設置するなど行ってきましたが、そういった対策によって認知件数が増えた結果とも見ることが出来ますが、今のところはずっと減少せずに伸び続けております。

 こうした精神医学面からの対策がどうして効果を出さないのかということについてこの頃よく考えてはいるのですが、あくまで私の見方として、こうした自殺やうつ病と言った問題は一見すると個人が抱える問題と思われがちですが、実際には個人を超えた日本人社会に何かしら問題があるのではないかと見ています。そして仮にそうであれば、いわば日本人は互いに互いを自殺やうつ病に追い込みあっていると言う事になります。

 こういった状況を踏まえて我ながら過激なタイトルをつけてしまいましたが、私は今の日本社会はもはや内戦状態にあるといっても差し支えないのではないかと考えております。現に一年間で見ればイラクでの米兵の死者数を日本の自殺者数は超えており、自殺者を戦死と捉え、自殺未遂者やうつ病など精神疾患を抱えた人を戦傷と捉えるならば、日本は相当規模の戦争を毎年継続して、しかも日本人同士で行っていることとなります。

 では一体何故、このストレスという武器で攻撃しあう内戦が起こるのか、またどうすればこの内戦を終結させる事が出来るのか、そういった点について明日明後日と短期集中で私の意見を紹介使用と思います。今日はあくまで導入で切り上げますが、元々自殺を社会学的なデュルケイムというフランス人が分析したことで社会学が名を挙げたということもあり、個人の視点で分析する心理学もさることながら社会学もこういった分野へどんどんと研究を広げていくべきではないかと考えております。

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