たまには趣味の事も書こうかと思うので、ガンダムのOVA作品について書きます。
それにしてもこの「OVA」という略称ですけど、意味は「オリジナルビデオアニメ」なのですが、90年代後半まではOAVといって、「オリジナルアニメビデオ」という同じ意味の略称もよく使われていたのですが時代とともにいつの間にかOVAに統一されていきました。まぁOAVだと「オリジナルアダルトビデオ」とも読めちゃうし、OVAの方が私もいいと思ってたけどさ。
話は本題に入りますが、ガンダムシリーズのOVA作品は複数あって、今回私が槍玉に挙げるのは「0083 スターダストメモリーズ」と「08MS小隊」です。両者ともセールス的には非常に成功した作品なのですが、私の感想はどちらも決してそのセールスに見合うほどの作品ではないとあまり評価しておりません。その理由はというとどちらもメインであるMSの造形についてはそれほど不満はないのですが、両作品ともあまりにもストーリーの展開がだるく、なんていうか三文芝居を見させられているように感じるためだからです。
具体的にどのような点が不満なのかというと、まず「0083」については私以外にもあっちこっちでいわれているようにヒロインのあのふざけた立ち位置ぶりに呆れさせられます。この作品はMSが敵役に奪われるシーンから始まるのですが、その強奪される瞬間を主人公とヒロインも目撃しているにも関わらず、何故かストーリーの後半になって突然その敵役がヒロインの元彼という設定が付け足されてしまうのです。ヒロインも強奪されるシーンにて敵役の顔をはっきり見ていて「誰だ?」とも言っているにもかかわらず、後半で元彼と設定されたばかりか主人公から離れてその敵役の側につくなど、その背信振りには今もネット上で「ガンダムシリーズ、最低のヒロイン」とまで揶揄されている程です。
そんな「0083」に対してその後に作られた「08MS小隊」ですが、この作品については私は先程も言ったようにくだらない三文芝居が延々に続くように見た当初感じました。どんな所が三文芝居なのかというと、まず気弱だが心優しい部隊長である主人公が、小隊内の自分に心酔する部下や甘ちゃんだと見下す部下を率いて戦い、戦闘の中で敵軍の士官と恋に落ちて周りからもスパイかもと勘ぐられて、最後はみんなうっちゃってヒロインである敵軍士官と敵の謎の巨大兵器と戦うという、本当にこの程度の話です。
それでもこの作品の前半部は東南アジアの密林の中でのゲリラ戦のような戦いが描かれており、その中の心理描写などはそこそこ面白かったのですが、なんか中盤に入ってヒロインとの絡みが多くなるにつれて段々と話がクサくなってきて、終盤に至ってはトチ狂ったヒロインの兄がヒロインが裏切ったと疑って銃で撃つのですが、打たれた弾がたまたまヒロインの持っていた写真入りロケットに当たって命が助かるという、今時コロコロコミックでもやらないようなクサい話が展開されていきます。
ただこんだけクサい作品において唯一の救いとも取れるのが敵軍における中年軍人が圧倒的不利な状況の中、孤軍奮闘して次々とMSを破壊していくという戦闘シーンです。二児の父親ですでに40代の私の従兄弟の旦那なんて、今でも私に会うたびにこのシーンを話題に上げてくるので子供にまで、「父ちゃんの頭の中はドイツとグフだけや」とも言われております。
という具合で散々に批判している両作品ですが、なんかこの前調べてみるとどちらも製作途中で監督が入れ替わっているそうです。そのためストーリー展開も途中でひっくり返されている所が多々あり、特に「0083」の後半の例のくだりについては一部スタッフからも明らかに前半との間に齟齬が生まれると反対されながらもあの展開が押し切られたそうです。
こういった作品のストーリーは決して一人が決めるのでなく脚本スタッフがみんなで話し合って作られるそうですが、それを推しても両方ともとんでもない方向に舵を切ったなと思ってしまいます。逆にこれはOVAではありませんが、同じガンダムシリーズでも映画の「F91」はたった二時間の映像の中によくもあれだけのストーリーを詰め込んだものだと見る度に感心させられます。それゆえか、先程に出てきた従兄弟の旦那も「F91」を最高傑作だとしきりに主張してきます。
F91はいいですよね。私的には、ポケットの中の戦争もいいと思います。
返信削除ポケットの中の戦争は見よう見ようと思いつつまだ見ておりません。今度辺り、原をくくってそろそろ見ます。
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