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2010年1月6日水曜日

現代の中国の若者

 前からやろうやろうと虎視眈々と機会を狙っていましたが今日念願叶ってインタビューに成功したので、中国の若者から聞いた彼らの実体について今日は記事を書きます。

 今回私がインタビューを行ったのは、去年大学を卒業して就職したばかりで私と同じ会社にいる女性社員です。彼女は日系企業に就職しただけあって大学では日本語を専攻しており、流暢というわけではありませんが私とは日本語、中国語を織り交ぜれば問題なく意思疎通ができる相手です。聞くところによると在学中に日本語検定一級を取得したとのことで、我々からすると中国語検定一級を取るようなもんだから相当勉強したのだろうと思うのですが、彼女いわく一級取得はそれほど難しいわけでなく周りの友人らも一緒に取得しているとのことだそうです。ちなみにこの事実を「京橋のキムタク」と自称する上海人の友人に話したら、きっとカンニングをして取ったのだろうとやけに悔しがってました。

 そんなわけで早速インタビュー内容を紹介しますが、今回私が主に聞いたのは中国の大学生活、そして卒業後の進路などについてです。
 まず最初に聞いたのは、どうして彼女が大学で日本語を専攻したかです。私としてはやはり卒業後の就職などを考えてのことかと思っていましたが出てきた答えは興味があったからというだけで、特別な理由は何もなかったそうです。ちなみに彼女は未だに日本へは一度も渡航したことがありませんが、見たところ嘘をついているようにも見えなかったのでその後は深くは聞いたりしませんでした。

 それでは大学の授業はどんなものかと聞いてみたところ、あらかじめ話には聞いていましたが中国の大学は基本的に午前中に授業が集中し、午後は授業があったりなかったり午前と午後ではっきり分かれるようです。私が留学していた北京の大学も基本は午前にしか授業がなく、午後は取りたい人だけが取るオプションの授業しかありませんでした。もちろん私は何も選ばなかったけど。

 そしてこれはよくコメントくれるPrincessmiaさんから必ず聞きだせと言われていたので聞いてみた質問ですが、中国での英語の授業についても聞いてみました。前知識として私は近年の中国では英語熱が高まって学外の英語塾などに通う小中学生が増えていると聞いていたのですが、一体何故英語熱が高まっているのかというと中国が海外との交流が増えてきたのもあるでしょうがそれ以上に、単純に受験で有利になるという理由が実際のところは大きいと言われています。中国全土が同じというわけではないですが確か北京市においては日本で言う英検みたいな資格をある級以上持っていると高校受験での英語の試験は免除され、事実上英語の点数が満点で計算された上で入学試験を受けられるようになるそうです。そのため小中学生の子供を持つ親は必死で子供に英語を教え込むそうですが、勢いあまってスパルタ教育化しているところも少なくありません。

 そんなわけで実際のところはどうだ、英語の授業はどんな感じかと聞いてみたらそんなに日本と変わらず、他の科目同様に課題文読みながら先生が解説してくれるだけだそうです。ただ英語、というよりすべての科目についてもそうだと言い、基本的に高校の勉強は日本語で言う詰め込み型教育で応用が全くないとやや憤慨気味に述べてました。そのため英語については中国の大学生は受験知識は豊富でも会話となったらてんでお話にならないそうで、そんなに中国人は英語がしゃべれないと話していました。
 この点については私も深く同意するところで、このまえコーヒー用の砂糖を買いにスーパーに行ったら砂糖の発音をど忘れして、英語でSugerといっても店員には通用しませんでした。結局自分で見つけたけど。

 で、ここからが肝心ですが卒業後の進路についても聞いてみました。近年、日本は不況から新卒就職率がかつての就職氷河期を越えるほどの悪化の一途を辿っておりますが、実は中国の大学卒業者も就職先がなかなか見つからず実困る人が多いそうです。中国は経済成長しているからそうではないだろうと思われるかもしれませんがなんといっても母数の人口が桁外れであるがゆえに、全員に就職先が行き渡る事はほとんどないそうです。
 それでは今回インタビューをした彼女はどうだったのかというと、案外簡単に今の会社に決まったそうで、面接して三日後にすぐ内定もらえたと言っていました。中途だけど私なんか面接したその日にもらったが。

 ではほかの学生はどうかと聞くと、やはりそんなに就職活動がうまくいかずストレスを抱える学生が多いそうです。念のためほかの日本語学科の友達らはどうなったか聞いてみると、大学寮で同じ部屋(八人部屋)だった友達らは大概見つかったようで、勤務地はばらけて北京や上海といったところから内陸の河南省とか広州だったりと均一ではないそうです。
 ここまで聞いた上で、「嫌なら話さなくていい」と前置きした上で、その友達らの給料はどれくらいかと聞いてみました。これは婉曲的にインタビューを行っている彼女を含む大卒初任給について聞いているのですが案外素直に答えてくれて、確実にわかっているので月1500元(約19,400円)とか2000元(約24,000円)くらいだと教えてくれました。

 元々、中国の大卒初任給2000元前後と聞いていたので情報通りといえば情報通りですが、その一方で中国沿岸部の企業であればもう少し高いのではないかと内心考えていました。しかし実際には比較的生活費のかかる沿岸部でもこの金額とのことで、日本の大卒初任給と比べると為替格差もありますがやはりその少なさにはいろいろと考えさせられます。
 ちなみに日本人が中国に転職する場合、知識や経験なしである程度中国語が話せる人間の給料の相場は北京や上海だと大体8000元(96,000円)前後です。かつては日本語ネイティブなら引き手あまたで中国語もある程度できるのであれば20,000元の募集もざらだったそうですが、最近はおしなべて低くなって来ている傾向があります。それでもこのような一般の中国人社員の給料と比べると、ここまで差があるものかと感じざるを得ません。

 こんな具合でいろいろ話を聞いたのですが、最後に通っていた大学は地元出身者が多いのかと聞いた際に確かに同じ省出身者は多いが自分のように外から来る人もいると話したので、試しに都市戸籍か農村戸籍かと聞いてみたら以前は農民戸籍、つまり農村出身者だということを教えてくれました。前から田舎っぽい顔してるよなぁと思ってたので得心したわけですが、彼女によると大学に進学してくるのは農村出身者も少なくないそうです。

 また機会があれば彼女にほかにもいろいろ話を聞いてみたいと思うのですが、週末に例の京橋のキムタクと会う予定になっているのでそいつの話が先になるかもしれません。

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