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2010年2月7日日曜日

検察批判 裏金の受け渡しの有無について

 久々に友人のSOFRANが記事を寄稿してくれたので、早速アップさせていただきます。内容としては、彼らしいなぁと思う記事内容です。


 先日2月4日、年明けから政界を騒がせていた、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引に関わる4億円を政治政治収支報告書に記載しなかった問題が、一応の決着を見ました。東京地検特捜部は、昨日まで逮捕拘留していた石川知裕衆議院議員(36)、大久保隆規元公設第一秘書(48)、池田光智(32)を起訴しましたが、その容疑とされた収支報告書の不記載を決定した際に関与を疑われていた小沢氏は不起訴としました。検察当局は2月4日の会見で、「特定の政治家を狙い撃ちしたものではなく、法に則って、淡々と捜査をしただけ。」と説明していましたが、各週刊誌の報道や過去の検察の捜査手法から判断すると、この捜査の一番の目的は小沢一郎の起訴、願わくば逮捕まで持っていき、そのことによって民主党政権の基盤を崩したいという狙いがあったことは明らかでしょう。一部マスコミは今回の結果を受けて、【検察の敗北】と報じたりもしています。
 
 この、大きなスパンで見れば昨年の西松建設疑惑から始まる小沢氏に対する捜査は、一体、我々国民にとってどのような意味を持っているのか? この記事では、小沢氏のお金にまつわる疑惑というよりも、それを捜査する検察組織の問題点を指摘した上で、それらについて批判したいと思います。

 まず最初の問題点は、水谷建設による小沢氏側への裏金の受け渡しは本当にあったかどうかです。
 これは岩手県の胆沢ダム工事の受注見返りとして、水谷建設の幹部が2004年10月に石川議員に、2005年4月に大久保秘書に各々5千万円を渡したという疑いで、小沢氏側はこの合計1億円を含んだ4億円を元手に世田谷区の土地を購入した。このように単なる不記載ではなく、その4億円の中に不正な裏献金が含まれているゆえ、その犯罪性、悪質性が強調され、先の小沢氏関係先への強制捜査、異例ともいえる石川氏ら3人の逮捕に正統性が保障される。これが、検察側のストーリーです。

 しかし、石川、大久保両氏は、聴取の始めから一貫して、「そのような不正なお金は断じて受け取っていない。」と否定しています。終始報告書の不記載に関して石川氏は、当初は「形式的なミス」と述べていたが後に、「故意にやったこと」と供述を変えているのとは対照的です。また、胆沢ダムの工事を取り仕切っていた鹿島建設が下請けの水谷建設に小沢氏側に裏金を渡すように命じたとも報道されていましたが、鹿島建設側は、「そのような事実はない」と否定しているのです。
 
 では、誰がうそをついているのか? そもそも、お金を渡したと証言している水谷建設の元幹部とは一体誰なのか? 実は、その証言の主は水谷建設の元会長・水谷功と見られています。彼は法人税法違反(脱税)の罪ですでに実刑判決が確定し、今は獄中の身。この人物は、2006年の佐藤栄佐久前福島県知事の収賄事件においても、「県発注のダム工事受注の見返りに、知事の親族会社の所有地を時価よりも高く買い取った。」という事件の核心に触れる重要な証言をしています。しかし、後に佐藤前知事の主任弁護士に対し、「一審での供述は、当時自分の裁判(脱税事件の方)が進行中で、実刑を回避しようと、検察から言われたままを証言した。」と語っております。この発言を佐藤氏側の弁護団は、昨年7月の最終弁論で明らかにしたそうです。

 このように、この人物は一度、検察の意向に沿って嘘の証言をしている過去があるのです。とすると、今回の小沢氏側への現金受け渡しの証言もその信憑性を疑わざるを得ないと言えます。

 また、この裏金授受に関する素朴な疑問として、当時、野党だった小沢氏に国土交通省の管轄する公共工事の受注を仕切るまでの権限があったのかというのもあります。
 結局、東京地検は先の会見で、記者からの「裏金の存在は解明できたのか?」との問いに、「小沢議員の説明(4億円の原資は個人資産である)をそのまま認定したわけではなく、資金の趣旨は公判で明らかにする」と述べるにとどまりました。ぶっちゃけて言えば、裏金の受け渡しに関しては、確たる証拠が得られなかったということでしょう。

 またこの件に関しての、マスメディアの報道にも疑問が残っています。この間の報道で、裏金を渡したとされる日に元幹部が乗った東京行きの新幹線の領収書があるとか、受け渡し場であったホテルの領収書があるとか。TBSにおいては、「ウラ献金疑惑、居合わせた人物が、核心証言」とのニュースを昼、夕方、夜と流しました。水谷建設に近いという関係者が、石川氏の5千万円授受の瞬間を目撃したという内容などですが、相当具体的に、その時の現場を再現していましたが、その後検察が重要証言として参考にした形跡もなく、どうも胡散臭いニュースのように思えます。

 最後に、昨日の保釈後の石川氏の肉声を紹介しておきたいです。それは鈴木宗男衆議院議員が毎日更新している【ムネオ日記】にある証言で、

「17時50分、保釈された石川代議士から連絡が入った。とても元気な声で安心した。その話の中で、『水谷建設の人がいればぶん殴ってやりたい。いい加減な調書を検事の誘導に乗って作られ、大変な目にあった。頭からウソ話に乗り、取調べをした検事もとんでもない』と憤っていた。」(注:2/5の日記内容)

 この「ぶん殴ってやりたい」との発言は過激で、聞く人がいれば、この人反省してないなーと思うかもしれません。
 ただこの発言の意を手前勝手に解釈すると、「まったくあの事は、黙っておくことが筋じゃないのか。ぺらぺらしゃべりやがって」なのか。「誰だか知らないが、嘘の証言をしやがって、不記載の件は認めるが、こっちがどんだけ裏金のことで検事に絞り上げられたと思ってるんだ。くそ、誰だ、でっちあげやがったやつは、コンニャロック。」なのでしょうか?もちろん、私は後者が真実であると考えています。

 私はジャーナリストでも何でもなく、一介の素人にすぎませんが、今回の件に関しては大新聞やテレビの報道だけでなく、ネットであるとか、週刊朝日などの週刊誌、あくまでジョークですが日刊ゲンダイなど三流紙などの情報を積極的に読み取っていくと、一般に語られている小沢=巨悪の政治家という構図だけでは図りきれない事実が浮かび上がってくると思います。特に大新聞、テレビと他のメディアとの情報の落差は大きかった、それは確かな事実です。
 検察とは、果たして正義の組織であるのか? この組織は、日本社会に何をもたらそうとしているのか? 要チェックです。

  参考サイト
ムネオ日記
佐藤栄佐久 公式ブログ


  花園祐注
 今回のこの検察の捜査に対する報道で何が一番問題だったかと言えば、メディアが捜査対象となった小沢氏側、捜査する側の検察両方に問題性があると整理した報道をすることができず、メディアによって批判対象がそれぞれ異なっていたというのが大きかったように思えます。かくいう私も小沢氏の政治団体が自由党解党時に政党助成金を着服していたのではないかという疑いから終始小沢氏側を批判して、他のメディアがやっているのだからわざわざこのブログで検察の捜査手法を槍玉に上げる必要はないと取り上げませんでしたが、ここまでお粗末な結果になるのだったら始めの段階でもうすこし批判しておけばよかった気がします。

 それこそ今回寄稿してくれたSOFRANのように常に複数メディアに網張っている人間ならともかく、普通の人はテレビならテレビ、新聞なら新聞、週刊誌なら週刊誌と普段一つのメディアでしか情報を取らないため、今回の事件全体の構図がなかなか読み取れなかったのではないかと思います。
 ついでなので書いておきますが、週刊誌やタブロイド紙は情報のテレビや新聞と比べると信用性が低いとしばしば言われますが、今回朝青龍を引退に追い込んだスクープを取ったのは週間新潮で、たまにはいい報道をすることがあります。

2 件のコメント:

  1.  政治の裏金問題などは、いつも証拠があがりませんよね。実際は受け取っていないのか、本当は受け取っているのか・・・。まったくわかりません。メディアは、オーバーな表現を使いすぎて、もはや事実からかけ離れた報道になっているし。

     いろいろな情報を加味した上で、判断していくしか術はないのですね。そこが政治ネタの難しいところですね。

     そして、最後に残るのは政治家に対する悪い印象というのはひとつのパターンですよね。

     

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  2. コメントありがとうございます。そうですね、政治家への悪いイメージ、、、それは、最近の世論調査での小沢幹事長辞任すべき70パーセント以上に表れていると思います。マスコミや野党も限りなく黒に近いグレーだとか、批判し、小沢氏は、黒だが証拠が不十分だったので起訴されなかったという認識を広めています。
     私は、記事でも触れているように、西松疑惑から数えても、検察が1年以上も資料を押収し、チェック、捜査しているのに、今回の不起訴に至った、小沢氏を何らかの疑惑で起訴することは、非常に困難であり、現時点では、白と認定されたと考えてます。 
     今回の捜査に対するメディアのスタンスも様々で、検察批判を繰り広げたのは週刊朝日、週刊ポスト、日刊ゲンダイ、逆に小沢氏に厳しい見方をを示したのは、大手の新聞、テレビ、週刊現代など、、、参考にしてみて下さい。
     私が、検察批判を支持する所以は、小沢氏と検察組織、どちらが腐敗しているかと問われれば、はっきりと検察だと考えるからです。まだまだ、書きたいことはあるのですが、限りなく長くなるのでこの辺で。
     

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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