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2010年3月11日木曜日

移民議論の道標~その十三、どこから移民を迎えるか

 大分この連載も終盤に差し掛かってきましたが、そろそろ具体的な議論に入ってくるのでコメント等があれば是非寄せてください。

 これまで散々に移民についてあれこれ言いたい事を書き綴ってきましたが、私はやらずにすむというのであれば移民は行わないに越した事はないと考えてはいますが、これからの日本を考える上、世界的な潮流を考えていく上ではある程度の受け入れはやはり必要となって来るかと思います。ただこの場合、受け入れるといってもいきなり無制限にどこの国からも一気に受け入れるというわけでなく、やはり各条件等を細かく精査した上で、また一体どれだけの人数をどれだけの期間に受け入れるかをきちんと定めた上で実施するべきだと考えています。

 具体的な人数については私も専門家でないことからはっきりと出す事は適いませんが、期間について私は試験的に始めて受け入れの施設や体制を整えつつ年々増やし、大体2015年から2020年、もしくは2025年までとはじめから終了期間まで定めて行うのが良いと考えています。
 そして移民を募集する国の限定についてですが、これについては受け入れ体制とも関わるのである程度限定した方が良いと思います。というのも受け入れる国が複数多岐に渡れば渡るほど対応しなければならない言語や文化が増えてしまい、費用も余計にかかっていきます。それならば一体どこの国から移民を迎えればいいのかですが、移民募集のやり方や制度設計によって変わってはますが、今現在で見るならば意外と狙い目なのは中国なのではないかと私は見ています。

 もちろん私自身が過去に中国に留学したことがあるという経歴ゆえに贔屓目に見てしまうという指摘は免れませんが、それを推しても私は今の中国からなるべく多くの優秀な人材を日本へ招聘していく価値があると見ております。
 それで何故中国からなのかですが、まず中国は移民募集を行う上で最低条件である余剰人口が多い国であるからです。たとえばお隣の韓国では失業者が多いものの日本と同じく労働者人口は少なく、さらに全体人口も日本より下です。このような環境では移民募集を行おうにも政府間で対立するのは目に見えていますし、また余剰人口が少ないために前回の記事で書いたように日本で一山当てようというような犯罪者予備軍しか募集に応じてこない可能性があります。

 次に文化面ですが、日中で文化の違いは確かに大きいものの、インドネシアやフィリピン、そしてインドといった国と決定的に違うある条件が中国人にはあります。その条件というのも、特定の宗教を強く持っていないということです。
 これも例えばインドネシアであればイスラム教徒人口が多く、昨今の情勢から宗教ネットワークを介して、日本では可能性が低いものの、移民者がイスラム系テロリストとつながってくる可能性があります。またそれだけに止まらず宗教間の文化の違いは生活面でも様々な影響を与える可能性があり、受け入れしてから予想だにしない問題が起きてしまうこともあるでしょう。
 それに対して中国は日本人より儒教思想は強いものの韓国人ほど長幼の礼は厳しくなく、あと結構意外ですが恐らく日本人以上に中国人男性は女性に対してレディーファーストを心がけています。この辺も面白いから今度記事にして紹介します。

 しかしそうは言っても中国人は日本で犯罪を犯す者も多く、また反日思想が強いから無理のではないかと一般の日本人からしたら思われるでしょう。犯罪については確かに犯罪率は日本人より高いものの、これまでの連載の記事で書いたようにもう少し精査して見る必要があり、現実に思われているほど高くはないのかと私は考えています。そして反日思想についてですが、確かに中国人大学生の中には突拍子もなく日本の過去の歴史を批判する人間もおりますが、実際に会って話した中国人に聞いてみると日本に来て見たら拍子抜けしたという方が多いです。

 その中国人の話によると、今でも懸案となっている靖国神社などは軍事色丸出しのおどろおどろしい場所だと想像していたようなのですが、実際に見てみるとただの神社で何をあんなに怒っていたのだろうかとさえ思えたそうです。また実際に中国現地で会った中国人に私が反日暴動を日本人は気にしていると話をしたところ、あんなのは政府がやらせている暴動だからきにするな、と言っていましたし、私もいろいろ情報を見比べているとどうもそのような気がします。

 そもそもの話、今の中国を見る上で決して見落としてならないのは、日本以上に中国共産党を憎悪している中国人(漢民族を含む)が大量にいるということです。この傾向はトップにはなりきれない準エリート層に実は多く、私が以前に書いた、「中国の不公平な大学入試制度について」の記事でも紹介しているように、出身地や戸籍によって優秀な成績にもかかわらず希望する大学に入学できなかった人を始め、各地方政府の腐敗によって不遇をかこっている人などまさに目白押しです。そういった中国人準エリートらに対し、日本からアプローチをかけて移民として受け入れるという事は対中戦略上でも効果的な手段になりうるのではないかと思います。

 2000年以降よく中国脅威論が語られるものの、具体的にどのように中国を押さえていくかという案となるとアメリカに頼るという意見ばかりでそれ以外となると軍事費の増大などを主張者は批判しているばかりです。私としたらただ中国人は汚いなどと揶揄するだけでなく、敵の中にいる敵を如何にして日本に引き込むかということをもっと考え、実行に移していくべきではないかと考える次第です。
 ただこれは逆に言えば、おそらくあまりないでしょうが中国側から日本へもこのようなアプローチが行われる可能性があるということです。少なくとも日韓の間では冷遇されていた技術者を韓国企業が引き抜いた事から半導体業界の主導権を握られた過去があり、今に始まった事ではありませんが引き抜くだけでなくこれからの日本は如何に人材の流出を防ぐかも考えていかねばなりません。

 じゃあ人材の流出を防ぐにはどうすればいいかですが、やっぱりまず呆れた労働環境の改善に尽きるんじゃないかと思います。どうでもいいですけど、過去にこの様なネタで爆笑した掲示板があるので紹介しておきます。

ランボー怒りの休日出勤(ワラノート)

1 件のコメント:

  1.  特定の宗教を持たない…なるほど言われてみれば好条件だ。納得!日中間は2000年以上交流した歴史もあるし、大体が日本文化のルーツは中国由来ですからね。実際そうなった場合上手くいきそうな国No.1かな。移民という事なら当然中国の方との交流が増えるわけですから、長年のわだかまりや誤解を解くチャンスにもなると思います。最強の安全保障ってとこですか。
     私が入院していた時、院外の喫煙場で中国からこられた方とご一緒した事がありましたが、お話する時ニコニコして話しやすい方でした^^

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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