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2010年8月31日火曜日

円高の別の側面

 ちょっと前にこの関連で記事を書いたので、一つ私と同じような意見が書かれたこの記事を紹介しておきます。

「円高」で得をしているのは誰か?(msnマネー)

 書かれている内容は円高円高と大騒ぎの現在の日本ですが、円高で損だけではなく得する日本人もいるということが書かれ、実際にはそこまで問題は大きくないという主張です。私もこの意見にはほぼ同感で、記事を抜き出すと

 まず、日本のメディアについてはもう「為替病」としか言いようのない状況と筆者には見えます。もはや円高の損得や、はたして今の状況が円高なのか円安なのかまったく吟味せず、単純に(名目の)米ドル/円レートが過去と比べてくらべて数字が小さくなってきたので、条件反射的に「円高=日本にとって損」と決めつけ、何も考えずにそういっているだけのように思えます。

 あんまり持ち上げすぎてもしょうがないですけど、経済の原則論から言えば私は今の円高といわれる状態の方が自然だと思うし、むしろこの円高を食い止めようとするほうが史上をゆがめる事になるんじゃないかとすら思います。

 さて今回取り上げた記事の本題である「円高で得する人」についてですが、私が挙げるとしたらやっぱり中国から商品を輸入している小売業の人たちがメインかと思います。実際に大手スーパーなどではこのところ円高ということで円高還元セールなどをやっておりますが、私はこういうときくらいはいちいちこういうセールをせずに小売業の人間は利潤を稼いだ方がいいような気がします。

 その理由は二つあり、ひとつは現在の小売業は「バイトじゃなきゃ無理」と就活生にまで言われるほど厳しい競争でお互いでお互いが淘汰し合う共食い状態にあることと、円高セールを行う事でよりデフレが加速していく恐れがあるからです。
 二番目のデフレ加速についてはこれまでにも何人かが指摘しておりますが、国民も悪いですが波に乗る小売業も問題で、もはや自分達が稼ぐというよりは如何に他店を潰すかという経営方針では共倒れになる事は自明です。とはいってもデフレ下ではなかなか抜けられないもの事実なので、せめて円高で利潤が増えると言うのならお互い黙ってもらっとく方が全体にいいというのが私の意見です。

 あと前回の記事でも書きましたが、円高で損する人もいれば得する人もいて当たり前なのです。それをなんでもかんでも損損と後ろ向きに見ないで、もっとポジティブな面に目を向けないと日本全体で暗くなってしまいます。もう一つ突ついておくと、円安になると今日ここで取り上げた小売業の人はもちろん苦しくなりますがたとえそうなっても彼らが可哀想だとは誰も言いません。その一方、円高になると自動車産業の連中は大変だ大変だと言われ、わざわざ国からお金を出してもらって購買補助がなされます。いつまでもこんな事続けてちゃいけない気がするのですが、経団連はおそらく購買補助政策の継続を訴えてくんだろうな。

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