このところブログの更新を休むことが多いですが、実はちょっと前から所用で中国の上海に来ております。あちこち出かけたりするもんだから暇な時もあれば全くブログが書けない日もありですが、今回何が一番辛かったというと日本のプロ野球クライマックスシリーズを全く見ることができなかったことです。
そうしたことはさておいて久々にやれる現地からの生の中国レポートですが、すでに今年の二月に上海には旅行に来ているものの、今回改めて上海にしばらく滞在していろいろとこの街の行く末について思うところがありました。結論から申せば上海は数年のスパンで言うと今くらいがピークで、あるところまで発展したらちょうど天井に頭をぶつける感じで途端に経済成長が止まるのではないかと感じました。
一体何故こんな風に思ったのかというと、ふと上海には何があるのかと考えたことがきっかけでした。恐らく大半の日本人の方は中国は首都は北京、経済は上海というように考えるかと思いますがそれに間違いはなく、今現在でも上海は中国で一番の経済都市で多くのオフィスがここに集まっております。
しかしそれ以外には何があるのかと考えてみると、強いてあげるとしたら中国の都市としては進んだインフラくらいしかないのが現状です。現在の中国は世界の工場といわれるほどに工場での大量生産によって景気を支えていますが、それらの工場は全くないわけじゃないですが上海にはなくむしろ江南の浙江省や北方の河北省の方に集中しているのが現状で、今後も上海郊外にいわゆるものづくりの現場が増えていくとは私はあまり思えません。
北京は首都であるために今後も国が保護する形で発展を続けていくでしょうが、それに比すると万博が終わった後の上海はどうなるのかというと少し心もとないところがあります。では上海が発展し続けていくためには何が必要なのかというと、私が思うに金融が必要不可欠になってくる気がします。
現在でこそ上海には上海証券取引所があってここは東証にも劣らない取引量ではありますが、それは経済成長が著しい今だからであって今後もずっと続いていくとは思えません。まして中国国内だけの金融を回すのならともかく、かつてアジアの金融を束ねていた英国領時代の香港のようになるには人民元が国際通貨にならなければなりません。
ここが今回の話のネックですが、要は人民元が国際的に信用される通貨となれるか否かが今後の上海、ひいては中国全土の発展を大きく占うのではないかというのが私の考えです。かつて日本はプラザ合意でアメリカに無理やり円の自由相場制に移行されたとなっておりますが、確かに当時の日本にとってはダメージではあったかもしれませんがその後なんだかんだ言ってドルとポンド、ユーロと伍すだけの国際通貨となったのも事実です。まぁそのせいで今の円高を引き寄せてんだけど。
中国政府は今もなおアメリカの嫌がらせに近い人民元の切り上げを突っぱね続けて自由相場制など夢のまた夢のような状況ですが、為替以外にも株式市場に中国は露骨に政府介入することもあり、長期スパンで考えるなら市場に国際的な信用を得るにはまだまだ時間がかかりそうです。そういう目で見たら、皮肉かもしれませんが日銀が為替介入してもどってこともなかった日本の取引市場は胸を張っていいくらいの透明度と言えるかもしれません。
現在、外国企業の中国現地法人は大体北京か上海にあり、それらのオフィスから中国全土へ営業社員が直接出張に行って商談を行うのが常です。日本みたいに全国各地に営業所がこれから出来るということはインフラの関係上ほぼないとは思いますが、そのうち上海には無理にいなくとも、製造現場に近い浙江省とか河北省に徐々にオフィスが移行していくのではないかというのが私の考えです。
今回私がこういう風に考えたのは、恐らく日本の大阪を見ているからだと思います。別に大阪を悪く言うつもりはありませんが、経済の中心地というのはオフィスの中心地だけでなくなにか別の裏打ちする要素が必要だと感じているせいかもしれません。
おまけ
今回中国に来て困ったのは、恐らくGoogleとの衝突問題のせいでしょうかYoutubeとBroggerが開けないことです。Broggerでやってる本店なんてそのせいで更新できないし。たださすがにこれを切ったらまずいと中国政府も思ったか、同じGoogleでもGmailは今のところ問題なく使えています。
おまけ2
上海万博にも行って来ましたが人が多くて並ぶのが嫌ですぐ帰りました。日本館なんて月の石なんか置いてないのに午前中から5時間待ちでしたが、北朝鮮館はガラガラだったので入ってすぐ出て行きました。例の朝鮮労働党のバッジとか売ってて、「Paradise of people」とでっかく壁に書いてましたが、「Hell of people」の間違いじゃないかなと思いながらデジカメで一応写真撮りました。ちなみに別の展示館とかで「撮影禁止」って書いてるのに、中国の人たちは気にせずあちこちでバシバシ撮ってました。
明日からまたしばらく出かけるので、更新をまた一時休みます。11月の前半には復帰する予定です
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