今日はいろいろ書かなくちゃいけないのに、つい先ほどに私が愛読している「ノノノノ」という漫画が打ち切られていたという事実を知ってかなりしょげています。何もブログ書く前に知ることになるなんて……。
・<鹿児島夫婦強殺>「疑わしきは被告の利益に」 原則貫き(毎日新聞)
今日取り上げるニュースは上記リンクの、鹿児島県鹿児島市で夫婦が殺害された事件で犯人として捕まり検察から死刑が求刑された白浜政広被告に対し、裁判員裁判にて無罪判決が下りたという事件についてです。
事件詳細については他の記事に譲りますがこの事件における警察の捜査、検察の立件の仕方に対しては疑問を感じざるを得ません。警察がどうして白浜氏を犯人として捕まったのかというと犯行現場から白浜氏のDNAが網戸から、指紋がタンスから見つかったからだと主張していますが、網戸のDNAについてはすでに試料を使い切っているので再鑑定できないとしており、タンスについていた指紋というのもよくよく調べてみるとタンスそのものではなく、タンスの中に入ってあった封筒一枚についていたものだったようです。
また警察は今回の事件を金に困った白浜氏が金銭目的で強盗に入ったと動機を説明していますが、タンス自体は荒らされていたにもかかわらず現金や通帳には一切手がつけられておらず、先ほど述べたように封筒にだけ指紋がついているというなにやら腑に落ちない点も少なくありません。指紋についてはこのほか凶器とされたスコップにもついておらず、夫婦を殺害する際に手袋などをつけて指紋を残さなかったとしたら、その後タンスを開ける際に手袋を脱ぐとは考え難いと裁判員からも指摘されております。
そして極めつけが犯行現場に数多く残されていたという靴跡で、白浜被告の所持していた靴とは全く違う靴底だったようです。もちろん犯行用に使用して使用後は処分したとも考えられますが、それでもその場合は入手経路などを辿る事も不可能でなく、この点についてなんら言及をしなかった鹿児島県警は一体どんな捜査をしたのかという気がします。さらにはこれだけ曖昧な点、はっきりと証明され切っていない点があるにもかかわらず、いわば取り返しがつかなくなる恐れのある死刑を求刑した検察にも頭を傾げざるを得ません。ついこの前にDNA鑑定の結果のみに頼った挙句冤罪を作ってしまった足利事件が出たにも関わらずどうしてこれほどまで強気で来たのか、時代遅れも甚だしいでしょう。
過去を穿り返すと鹿児島県警は以前にも志布志事件といって、初めから冤罪だとわかっていた一般市民らに対して暴言や脅迫を行って選挙法違反の自白を強要するという呆れた事件を起こしています。私も鹿児島に生まれた人間の一人であるためにもうこういうことは会って欲しくないと陰ながら願っていましたが、群馬県警、栃木県警、神奈川県警、大阪府警、北海道警らと同じで、不祥事を起こすところは何度でも起こすものです。
最後に、仮にこの裁判が裁判員裁判でなかったら、以前までの裁判だったらと考えた場合、私は死刑とはならずとも無期懲役刑が判決されていた可能性が高いと考えております。裁判員裁判や足利事件、そしてつい最近の厚生労働省の村木氏の裁判の影響から、日本の刑事裁判はここ一、二年で劇的に変化が起きています。私としてはこの変化を大いに歓迎しており、今回の無罪判決も報道を聞く限りで支持する次第であります。
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