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2010年12月25日土曜日

中国人は漢民族なのか?

 このところブログのタイトルを何にするか考える時間が増えておりますが、今回もまた考えるだけあって珍妙なタイトルになったと思います。恐らく大半の方は一見して、「何を当たり前のことを?」という具合に思ったのでは。

 現在の中国は多民族国家ではありますがその中で主要民族として一番力を持っているのは漢民族です。漢民族とは黄河流域に端を発する民族で、古代にて栄えた中国統一王朝の漢という国からその民族名が付き、何度か異民族の侵略を受け支配された歴史もありますが長きに渡ってこの地域に住み続けて現在の中国人口でも90%以上が漢民族とされます。それゆえに一般的にも中国人=漢民族という図式が浸透しており、メディアなどでもそのように扱われます。

 そんな当たり前の事実に何故今回私は疑問符をつけたのかですが、勘違いされないように先に言っておくと血統的には現在の漢民族は地域によって多少の混血がなされているとはいえ間違いなく歴史上の漢民族と同一民族です。今回私が言いたいのはそういった血統上の漢民族ではなく、文化という点で現在と過去の漢民族とで連続性があるかということです。

 漢民族の文化と聞いて一般的にもすぐ浮かんでくるのはこの文章でも数多く使用している漢字でしょう。この漢字は東アジア文化圏にて広く伝播しましたが現在でも使用しているのは日本、中国、台湾だけで、しかも日本は一部、中国は大半の文字を簡略化したために比較的オリジナル性を保っているのはもはや繁体字を使用している台湾位となっております。
 中国は早い時期からこの漢字という文字を持つ優越からかなり初期の時代よりさまざまな思想書、書道、文学といったものを作り、また科学的な研究も火薬や紙の発明や実用を行うなどあらゆる点で強い文化を持っておりました。

 それゆえに私の目からすると歴史上の漢民族は旺盛な好奇心と新奇性、独自性を持っていたように思えるのですが、翻って現在の漢民族こと中国人を見ていると厳しい言い方になりますがそのような性格がほとんど見られません。以前のブログの「陽月秘話」にても書きましたが日本の高度経済成長期と比して中国はすでに世界第二位の経済力を持つに至ったものの未だに中国発で世界に浸透し標準化した規格や発明、ブランドといったものはなく、その圧倒的に大きな市場を持つにもかかわらずついぞグローバルスタンダードへ昇華したチャイナスタンダードはありません。
 それどころか、日本もかつては「猿真似野郎」とアメリカさんから散々言われた時代もありましたが、今に始まるわけじゃありませんが中国は諸外国のブランドや技術を勝手に盗用、コピーをし続け、しかも日本のように「本物を越えるコピー」を作るのではなくあくまで「劣化コピー」を作り続けております。しかもその劣化様がデザインが妙に崩れたりとわざとやってるのかと言いたくなるような劣化ぶりだし。

 かつて東アジア諸国に漢字を広く伝播させたのと比べると現在の中国人は文化発信力というか、創造力などの点で本当に同じ民族かと疑いたくなるくらい差があります。しかも私が今の中国人を見ていて信じられないというか呆れる点として、パクッたものを堂々と自分が作ったなどとオリジナルを主張する点です。
 先日の四川省の遊園地に現れたガンダム騒動といい、パクッたところで本当に商売になるか怪しいもので且つ中国人同士でもはっきりとどこかからのパクリだとわかるものすらオリジナルだと主張する人が後を絶ちません。確かに中国人はいっぱいいるんだから中には変な人も少なからずいるのは仕方のないことでしょうが、妙なところでプライドが高いくせに人の物を盗んで恥ずかしいと思わないというのは歴史上の中国人と比べると隔世の感があります。

 一体どうしてこれほどまでに今と昔の漢民族で違いがあるのかといえば、結論を言うと原因は間違いなく文化大革命です。文化大革命については「陽月秘話」内で私も必死に解説しましたが、文化大革命によってシャレや冗談抜きでそれ以前の中国文化を継承してきた人の大半が根絶されたことからそれまでの中国文化の積み重ねや土台はすべて崩されました。しかも中国は先にも述べた通りに漢字を日本以上に簡略化したことで、日本もあまり言えた義理ではありませんが自国の古典を個人の力で読むことは不可能となって、この点でも文化の継承が出来なくなっています。

 以上のような考察から私は文化大革命以前と以後で、血統的には同じ漢民族でも文化的には全く別の民族として扱うべきだと考えています。しかもまだ文化大革命以前の時代を知る人間がいる今ならともかく、現代の若者のように全くその時代の空気を吸ったことがない世代が大半を占めるようになればますますこの傾向に拍車がかかることでしょう。そういう意味では現代中国人の行動や思考を読むのに昔の文献とかはあまり役に立たず、比較的新しい時代の自分ら社会学士や社会学者の研究や論文のが有用かもしれません。新しい論文は玉石混合だけど。

 最後に今回の逆説として、日本人は日本人なのかという問いについて少し書いておきます。これ一つで記事書いても面白いトピックですが現代日本史で一番大きな転換期は言うまでもなく終戦によるGHQ統治で、当時の議論とか坂口安吾や三島由紀夫の話を聞くに付け日本人は悪い意味で変わってしまったと当時の言論人や学者は考えたようですが、あくまで現代の若者として私の意見を言うと明治から昭和前期までの日本人こそがそれまでの日本の歴史上で異端であったように思います。かえって現代の日本人は明治や大正期よりも、時代は離れていますが江戸時代の日本人の方が近いのではないかと考えています。ま、江戸っ子文化は関東大震災でなくなったそうですけど。

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