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2011年6月3日金曜日

昨日の不信任決議に対する中国紙の反応

 三日続けて管首相への不信任決議の話です。ある意味こういう時が政治系ブログの稼ぎ時なので、わざわざ今晩の二次会断って帰宅しました。それにしても今日はビール一杯と泡盛一杯だけでしたが、前のろくでもない日系メーカーだとこの泡盛も一杯と言わず、それもすべて一気飲みさせられてたんだろうな。いつか潰す(#゚Д゚)y-~~。
 話は本題に入りますが、一夜明けて早くも暗雲が垂れ込めてます。

メディアの表現、関知しない…退陣示唆で菅首相(読売新聞)

 まさかとは思いましたが先日民主党代議士会ではっきりと公言したにもかかわらず、退陣する時期について管首相は曖昧に濁した発言を繰り返しております。これについては直接促した鳩山前首相が最も激怒しており、「政治家が公言したことを破るなんてペテン師だ」、「約束を破るなんて以ての外だ」とかなり激しい口調で批判してますが、多分私に限らず「お前が言うな( ゚Д゚)」と誰もが思ったかと思います。ここまで自分の発言を気にしない人間というのは一生に一度見れるか見れないかかもしれません。
 ただ管首相のこれらのはっきりしない態度は、私にとっても非常に不満です。すぐに辞めることがわかっている首脳に会う外国首脳なんているはずもなく、居座る分だけ日本は外交上で損失を受け続けることとなります。また引用記事では「メディアがどう表現するかまで、私がどうこうすることではない」と発言したと書かれていますが、海外メディアに対しても同じことが言えるのかと直接問いたいです。恐らくほどんどの海外メディアは数ヶ月以内には退陣するといった論調で各国ですでに報じており、それをメディアが勝手に報じただけだと切って捨てるのであれば唾棄するような人物としか言いようがありません。

 そんな海外メディアの一つというわけではありませんが、折角中国にいるのだから中国メディアが今回の不信任決議についてどう報じたかについて今日は取り上げようと思います。仕事柄、新聞は毎日読んでいるのでいくつか気になった記事を仕事の合間に読んでいましたが、まず言えるのは複数紙が一面に写真付で今回の不信任決議を報じており、中国側も今回の一件強く注視していたのだなと感じました。それで記事の内容ですが、読んでるのが経済紙ばかりなので単純に経過と結果を報じているものが多いものの、中にはなかなか痛い所を突いてきている記事もありました。

 ある新聞では、そもそも日本の国家体系は官僚組織が大きな権限と力を持っており平時を切り盛りするのには強いものの、国家戦略を変更したり突発的な緊急事態の対応には弱い体制であると指摘した上で、この体制を改革というか破壊しようとしたのはほかならぬ小泉元首相だったが、その後毎年首相が交代するのを見るにつけ彼の試みは失敗に終わったと断じています。そのようなな官僚制の強い体制ゆえに今回の震災に対して満足に対応することは出来ず、恐らく今度また首相が変わったところで復興対策の速度が変わることはなく、管首相は「国家体制による新たな犠牲者」となったと評価していました。今まで考えたことのない視点であったので、新鮮で面白い論評です。

 またこれとは別の新聞では今回の不信任決議について細かく経過を記しており、「管直人VS鳩山由紀夫 緊迫の20分間」とサブタイトルをつけて両者の発言を細かに記してありました。内容を見る限り、日本で報道されている通りで特に変な付け足しとかはありません。
 それでこっちは管首相がいつ辞めるのかについても言及しており、さらには「管首相後」を巡って政治騒動がまだしばらく続きそうだと予想してます。その管首相後については面白い言及があり、政権後退前に管、小沢、鳩山で自称トロイカ体制を名乗っていた昔日の「鉄三角」関係は崩れてそれぞれの派閥同士で暗闘を繰り広げているとし、それが今度新総裁を決める際に大きな要素になるとしています。

 新総裁の候補としては、日本の調査結果を引用したのかは知りませんが枝野官房長官が意識調査で首位となっていると紹介し、彼は震災後に毎日会見に出たことから知名度は抜群であるものの、日本は首相公選制ではなく政党内にある派閥の力関係で総裁が決まるため彼の可能性は低いとしています。
 それ以外の候補としては原口氏、前原氏、もしくは小沢一郎自身がなっちゃうかもとまとめていますが、まぁ順当な候補予想だとは思います。ただ私はそれ以上に、この記事で日本の首相は派閥の力関係で決まるという一文を見て、ちょっとはっとしたような気がしました。

 というのも、今の構図が本当にかつての自民党派閥政治とよく似ているからです。「自民党をぶっ壊す」と主張して総裁に就任した小泉元首相以後の自民党は派閥の力が激減してかなり世論を気にして総裁を選ぶようになりましたが、今の民主党は管、小沢、鳩山系の派閥単位で抗争を繰り広げており(鳩山派はあっちいったりこっちいったりしてるけど)、総裁もこれまで、そして今度もこの力関係でほぼ決まると言って過言ではありません。私の考え過ぎかもしれませんが、かつての派閥政治が復活しているのではと伺わせるこの指摘は個人的に結構ショックでした。

 最後にこの中国紙の枝野幹事長についての紹介ですが、「彼はブッダのような大耳の47歳の政治家」と書いてあって、読んでてちょっと笑いがこみ上げてきました。日本語だと「ダンボのような」という表現を使いますが、中国語はブッダを比喩対象として使うのだと勉強になったともに、折角手塚治虫原作のブッダの映画が公開されているのだから枝野氏もブッダキャラとして売り出してけばいいのではと思った次第です。どんなキャラなのか自分にもよくわからないけど。

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