七月に日本に帰国した際の顛末を書いた記事にて書いていますが、新品のパソコンをオノデンさんで購入した際に海外在住と伝えたところ、「海外にいるのであればポイントが使えないので、ポイントを付けない代わりに今ここで値引きしますね」と対応してもらいました。特別な対応をしてもらったオノデンさんに頭が上がらないのはもちろんのことですが、実は元々私はポイントサービスというのが嫌いで、逆にこうして現金値引きをしてくれる企業をこれまでにも頻繁に利用していました。
・ポイントサービス(Wikipedia)
ポイントサービスというのをここで簡単に説明すると、商品を購入した際にその購入金額の一部をポイントとしてメンバーズカードなどに記録し、次回に同じ店で商品を購入した際にその分だけ値引きするというサービスのことです。私の印象としては十年くらい前に大手小売店などがやりだしたのをきっかけにどんどんと導入する店が増え、現在ではTポイントカードを筆頭に複数企業で提携してポイントを共有するサービスが現れるなど未だに広がりを続けています。
こうしたポイントサービスを使うことによって得られるメリットですが、消費者側からすれば支払った金額に応じて次回買い物時に割引が得られるというお得感、販売者側からすればいくらかの値引きによって消費者を次回の買い物へ呼び込めるといったところで双方にメリットがあるとされますが、必ずしもメリットだけなのかという疑問をかねてから抱いております。
まず私がこのポイントサービスを何故嫌っているのかですが、単純に自分の次の行動や思考が束縛されるのが嫌で、この点で聞き分けはいいけど私以上に束縛を嫌う友人と意見を共通しています。たとえばプリンタのインクを買う際にどこの店で買うのか決める時、「あっちのお店にはポイントカードがあるからあっちを優先して買おう」と考え、その店までの距離、実際の販売価格、店員の質、地域経済への影響などといった諸々の要素を考えなくなる恐れがあり、その上で何よりも自分の選択が相手の思惑に載せられているような気分がして不快です。またこれ以外にも常に複数枚のポイントカードを保有し、中身のポイントを管理するというのが手間で嫌というのもありますが。
とはいえ現在社内から「ケチで有名な花園」、「飲み会に誘っても来るのか?」などと言われるだけあって私も価格は気になります。過度な値引きには相手にも悪いと思って自ら遠慮することもありますが、いくらか値引きしてもらえるのならやっぱり心は動きます。そんなわけで最初に書いたように、こういったポイントカード制ではなくその場で値引き、現金還元などしてくれる店を比較的優先して選ぶようにしており、家電量販店ではケーズデンキを贔屓にしており、またイトーヨーカドーもよく現金返還キャンペーンを実施するので非常に愛用しております。
逆にポイントサービスを大々的にやってて、社員に愛されていない企業堂々第二位のヤマダ電機については不祥事を何度も引き起こしていることもあって徹底的に買い物は避けております。
と、ここまではあくまで私の個人的な見解ですが、真面目にポイントカードのデメリットについても合わせて書きます。まず一番のデメリットというのは販売者側におけるデメリットで、ポイントを作って次回に値引くということは次回時の販売額がそれだけ減少することで、きちんと経理して入れとくのであればともかくそうでなければ帳簿上には見えない負債というものがポイント分だけ生まれるということになります。これはこの前のエコポイント制度などにも共通していますがポイントサービスは将来分の消費を先取り、今現在の売り上げを増やす一方で将来の売り上げを減らしている面も少なからずあるように思え、経営上、余計なリスクを抱え込むことになりやしないかという気がしてなりません。
また具体的な内容は珍しく忘れてしまいましたが、ポイントサービスを実施していたある企業が倒産した際にポイントを消化しきっていなかった消費者からクレームが起きたことがありましたが、この事件については消費者に対して自業自得と感じる一方、倒産が噂されることによって駆け込みでポイント消費が相次ぎ、財務状況が急に悪化することも今後起こるのではという風にも覚えました。
消費者側のデメリットについては既に述べていますが、ポイントを運営する企業が倒産することによってポイントが使えなくなる可能性があるということです。もっともそういうことはなかなかないでしょうし、まさか数百万単位でポイントを抱え込む人もいないでしょうから影響は軽微でしょうが。ただ中には企業でパソコンなどといった業務用OA機器を取りそろえる際に、購買担当者がこうしたポイントのあるお店でまとめて発注して経費を会社側に負担させポイントは自分が着服する例もあると聞くのでひょっとしたらえらいポイントを抱えてるのもいるかもしれませんが。
自分でもややロートルな印象を覚えますが、どうもこういう電子マネーには慣れず現金にこだわるところがあります。性格が元からせっかちで物事が常に完結した状態でなければイライラするということもありますが、できる限り早くこのポイントサービスの流行が終わってくれないものかとたまに真剣に考えます。
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