上海に戻りましたが思ったよりネット回線が復活するのが早く、昨日の朝にはまたすぐ使えるようになりました。ただ折角だから敢えて昨日は何も書かず日がな一日をぼーっと過ごしていましたが、香港から戻ってくると「空ってこんなに広かったんだ」と視界が広いことに戸惑いを覚えます。そんなわけで新年一発目の記事となるわけですが、まさか今日の未明にこんなニュースが入ってくるとは誰も想像だにしなかったでしょう。
・オウム真理教・平田容疑者が出頭、逮捕へ(読売新聞)
一連のオウム事件、ひいては国松元警察長官狙撃事件で重要人物と見られていた平田信容疑者が、昨夜未明に突然出頭し逮捕されました。既に十年以上も指名手配されていながら一向に手がかりすらつかめなかった人物であっただけに、今朝にニュースを見て私も息をのみました。具体的に平田容疑者がどのような経歴でどんな案件に関わっているかは多分他所でも取り上げられているのでここでは触れませんが、何故今頃になって出頭してきたのかという理由については既に一部で言及されている通り、麻原彰晃死刑囚の死刑執行を防ぐためだと私も見ています。
日本の死刑制度は「共同正犯」といって一つの犯罪に複数の容疑者が関わっている場合、執行は原則的に同じ日に執行されることが慣例となっております。そのためあさま山荘事件の日本赤軍メンバーなどは一部が現在も逃亡していることから事実上、執行することは今後も不可能とされており(それ以外にも政治犯ということも影響していると見られている)、現に悔しい限りですが永田洋子は獄中で昨年に病死しました。
この共同正犯が今回の出頭とどうかかわってくるのかですが、1995年に明るみとなった一連のオウム事件について、既に逮捕されているメンバーらの裁判が実は先月にすべて結審したということがキーになります。
私はオウム裁判がすべて結審したという報道を見て真っ先に思い浮かんだのは、「これで麻原の死刑執行準備が整った」ということでした。今回出てきた平田容疑者のようにまだ逃亡しているメンバーこそいれども少なくとも裁判を受けた人間らについてはこの後罪刑がひっくり返ることもないし、民主党政権だったことから2011年に1人も死刑が執行されなかったことも含めて、2012年中に麻原を含むオウム事件の死刑囚に対して一斉に死刑を執行すべきだと主張しようと考え、執筆こそしていなかったものの記事を実際に準備していました。
しかしそれが今回の平田容疑者の出頭によって崩れました。今回平田容疑者が出てきたことでまたオウム事件について新たに彼の裁判を行う必要があり、少なくともその裁判が終わるまでの間は共同正犯は同時執行するという原則がある限り、麻原の死刑執行は実現できません。恐らくこういった意図があって出てきたのだと思います。
こうしたことを踏まえた上で敢えて主張させてもらえば、それでも麻原の死刑執行は今年中に行うべきです。もし麻原が執行されずに獄中で病死をしたらこの事件の被害者、そして遺族はどうなるのか。またこの事件の捜査に関わってきた警察の方々についても、そして一民間人の自分もどうにも納得できすることはできません。聞くところによるとまたオウムが信者数を拡大させているとも言いますし、麻原の死刑執行によって何かしら強い反応を起こすかもしれませんが、これまで連中を見ていてつくづく思いますが麻原を生かしておいても長期的には悪い影響の方が強いように見えます。
共同正犯の原則は私も理解できます。しかしこのオウム事件だけはほかの犯罪と一緒にしてはなりませんし、通常の枠内で取り扱っては必ず大きな錯誤を生みます。真面目にこの件については、早い決着を望みます。
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