・小選挙区「0増5減」比例は「80減」 民主が方針(朝日新聞)
やる気あんのかなと思っていたら意外と進んでいた選挙区改革案。上記リンク先に詳しいですがかねてから裁判所に一票の格差を違憲とされてきたこともあり自民、民主ともに選挙制度改革案を出してきたわけでしたが、今回民主党は自民党が提出してきた「小選挙区で5議席減らす」という内容に加え、従来からの「比例区で80議席減」を合わせて法案を用意しているようです。自民党の石原幹事長はなんかこの案に「議論もせずに出すなんて最悪だ!」とか言って批判しているわけですが、私としては今回民主党が出してきた案の方が踏み込んだ内容のように思え、石原幹事長に対しては無駄にやかましいなという印象しか覚えません。
どちらにしろ現在の一票の格差は明らかに問題なので早めにこの問題が解決されることを祈っているのですが、それとともにこの際だから選挙制度を抜本的に改革したらどうかと以前から考えております。そこで今回はどのように改革すればいいのか、私個人の意見をいくつか紹介しようともいます。
まず現在の選挙制度についてですが、よく「小選挙区制にしたことが自民党を弱くした」という意見がこのところ出ていて中選挙区制に戻すべきだという話をよく見ます。言わんとすることはなんとなくわかるし決して的外れな意見だとは思わないのですが、私は中選挙区制から小選挙区制に移行した事による影響は実際はそれほどではなく、むしろ現在の状態で中選挙区制に戻したらもっと自民党は弱くなると考えています。理由はと聞かれたら「私のゴーストが囁くのよ」というのが正直な回答ですが、いくつか理由付けするとまず小選挙区制の利点を生かして自民党は2005年の郵政選挙で大勝しており、ごく最近の選挙でも敗北こそしているものの小選挙区制だからなんとか持ちこたえているのではと思う節があるからです。
そういう意味で小選挙区制というよりむしろ比例代表制の方が弊害が大きく、前回衆議院選挙でも町村議員を始め落選した大物が復活当選を数多く果たすなど、議員の新陳代謝を阻害させているように見えます。また比例制は目立ったもん勝ちということもあって当初は参議院限定ではありましたが今では衆議院でも元スポーツ選手や芸能人などいわゆるタレント候補が数多く立候補するようになり、その人らが実際に政治に対して強い志を持っているのならともかく、誰とは言いませんが傍目にも如何な人物が数多く当選していることを考えると真に廃止するべきはこちらの方でしょう。
そんなわけで衆議院選挙について私は小選挙区でも中選挙区でも構わないからまずは比例制を完全廃止、もしくは復活当選を禁止し、その上でどちらかと言われるのなら小選挙区制の維持が望ましいと考えています。中選挙区制は中選挙区制でいいところもあるのでいろいろ悩むのですが、仮にこっちに移行すると我が心の故郷こと鳥取県はその人口の少なさから一県では選挙区にならない可能性もあってちょっとまずいかなぁとか思っている上、選挙区が広くなると候補者が選挙活動を行わなければならない範囲も広がるため必然的に有権者も投票対象を見極め辛くなるのではという懸念もあります。
上記までの内容が衆議院選挙制度の改革案ですが参議院選挙についてはこの際、根底からひっくり返して参議院の役割も変えるべきだという意見をかねてから私は主張しています。参議院は理屈上では「良識の府」として年長者や知識のある議員によって構成される議場とされていますが現代に至っては衆議院選挙で落ちたから参議院に、またその逆で参議院選挙に落ちたから衆議院にと議員の鞍替えが一般化しており、そこにある差異は解散があるかないかしかないと言わざるを得ません。さらに言うとここ4年くらいの間で日本政治の停滞を招いているのは参議院と衆議院のねじれ現象で、なんで独自性も何もなく解散もない参議院の連中がここまでエラそうなんだよと見ていてあまり納得が行きません。
これは何も私だけじゃなくいろんな人が参議院はもっと改革すべきだと言っていて、中には任期中の歳費(給料)は一切出さないことにして社会的に成功を納めて引退した人だけで構成してはどうかという面白い案を出している人もいます。この案でも悪くはないのですが、それだったら私はもうアメリカの上院と同じようにして、各都道府県ごとに2人ずつ選出してみてはどうかと考えています。
現在の都道府県は47つなのでこの方法だと合計94人。数字は揃えた方がいいというのなら全国区というのを作ってここから6人を付け加えるのもありかもしれません。私の狙いとしては衆議院は「国の代表」の議場、参議院を「地方の代表」の議場とすることで専門とする役割をある程度分けることなのですが、ちょうど道州制や地方分権も盛り上がっていることですし、この手の議論を新たな選挙制度で構成する参議院に一括して任してしまうのも面白そうです。
どちらにしろ今の選挙制度はやはり制度疲労が来ていると思います。私の性格もありますがちまちまとしたことをいちいち議論してないで、もっとドラスティックにスケールのでかい選挙改革を期待します。
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