昨日はこのところ取り立ててニュースがないと言っておきながらですが、最近にびっくりしたというか目を見張ったものとして下記のニュースがありました。
・テレビ朝日、4月の平均視聴率が初の「月間4冠」(産経新聞)
別に自分はテレビ業界の人間というわけじゃないですが、あのテレビ朝日が月間とはいえ全部門で視聴率首位となるなんて、これまで夢にも思いませんでした。それだけにこのニュースは、今後テレビ界が大きく変動する前触れのようなものを感じさせられます。
まず日本テレビ界の年間視聴率順位について軽く説明しますが、90年代から2000年代中盤までは毎年、フジテレビと日テレが首位争いをして、3位はTBS、4位はテレビ朝日、テレビ東京は別枠……という風な不文律がありました。もっとも首位争いについては妙な規則性があり、80年代から93年まではフジテレビが首位でしたが、94年に日テレが首位を奪うや03年までその王座を死守し続けております。それが04年にフジテレビが再び奪回するとまたしてもフジテレビの天下が続くというような具合で、一回逆転されるとしばらく再逆転は叶わないというジンクスがまことしやかに伝えられております。なお昨年の年間視聴率は日テレが「家政婦のミタ」等のヒットによって7年ぶりに1位となったことから、フジテレビは今後しばらく2位に甘んじると予想されてます。
話はテレビ朝日に戻りますが、確か08年か09年あたりに年間視聴率でTBSを抜き、万年4位の汚名返上に成功してます。ただこの時の順位変動はテレビ朝日が躍進したというより、TBSが落ちぶれた結果だろうと当時の私は分析してます。あくまで私個人の意見ではありますが、当時、といっても現在もそうでしょうがTBSの番組はひどいというよりほかがなく、がんばって面白がって見てみようと本気で努力しましたがどうやっても楽しむことが出来ず、安住紳一郎アナが出ている「ぴったんこカン・カン」以外は全く見ることがありませんでした。逆を言えばこれだけは面白かったんだけど、同じ安住アナが出る「さんまのからくり御殿」なんかは仕込みがひどすぎて途中で失望したなぁ。
一方、テレビ朝日ですが、田原総一郎氏の出ていた「サンデープロジェクト」を打ち切るなど残念なところも少なくありませんでしたが、今回の月間視聴率四冠の原動力となったドラマ「相棒シリーズ」を始め、地味にコンテンツが充実している気配は感じていました。特に私が感心していたのはニュース番組で、明らかに他の民放と比べて視点が面白く、NHKニュースが始まるまではテレビ朝日を見続けるという習慣がいつの間にかできていました。ただ10年後半からは現在のように上海で生活するようになったので細かいチェックは出来ていませんが、今回こうして四冠を取れたという報道を見る限りではまだ番組の質が上昇傾向にあるのではないかと予想します。
このようにテレビ朝日の躍進に納得感を持つ一方、ちょっと本気で心配しているのはフジテレビです。既に書いた通りに去年に年間視聴率で日テレに逆転されましたが、今年に入ってからは景気の悪い話しか出てきておらず、まずホットなものとしては放送前から脚本の盗作騒動が起こった「家族のうた」が、ゴールデンの時間帯なら普通にやったって取りようがないほどの極端な低視聴率に喘いで打ち切りとなっています。どうせなら変に打ち切らず、このまま過去最低視聴率記録とかに挑戦してほしかったものですが。
また昨年は韓流ドラマやアイドルを以上に持ち上げ過ぎだという批判がネットを中心に巻き起こり、かなり大規模なデモにまで発展する事態まで引き起こしています。私はあの時のデモは規模こそ非常に大きいしいくらか影響は出るだろうとは見ていたものの、それはあくまで一時的なものにとどまるとみておりましたが、年間視聴率で2位に落ちたりドラマが売れなかったりするのを見ていると地味に長く効いてきてるんじゃないかとこの頃感じつつあります。
でもってまた趣味のニュース番組についてですが、2010年時点の放送で言えば一番駄目なニュース番組はTBS、次いでフジテレビでした。何が悪いかというと視点がほかのキー局と比べて独特なのはいいとしても、それがどうも見当違いな視点が多いように当時感じました。また月から金の関東での放送は6時20分台から主婦向けのグルメ特集しか放送せず、特集報道も他局に比べて内容が薄ければ本数も少ないように感じてました。ちなみにTBSは時間帯を買えたりして努力はしたものの、定着しきれなかった上にNHKニュースと同じ時間帯でぶつかったのが敗因であって、一応その時の姿勢は買っています。
ちょっと気の早い予想ですが、下手したら今年のフジテレビは年間視聴率で1位を逆転するどころか3位に転落するかもしれません。それこそ去年みたいにまた韓流贔屓で大きな騒動に発展したら致命傷で、テレビ朝日の躍進を許すことになるんじゃないでしょうか。
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