知らない方も多いかと思うので、今日はちょっと中国の政治制度こと中国共産党全国代表大会、通称中央党大会について解説します。
・中国共産党全国代表大会(Wikipedia)
よく中央党大会と勘違いされるものとして、毎年1回3月に開かれる全国人民代表大会(全人代)というものがありますが、これは日本語に言い換えるなら国会で、中国共産党員以外にも財界人なども参加して意見を言い合う大会です。
では本題の中央党大会というのはどんなものなのかですが、こちらは5年に1回のペースで開かれるもので、ひとつ前が2007年に開かれたので次回大会は今年10月です。ここでは中国共産党内部の人事や重要事項の決定などが行われるため、先程の全人代と比べても重要度はこちらの方が遥かに高く、その意義も非常に重いです。
この中央党大会では中国共産党のトップこと総書記人事も決まります。現在の総書記は胡錦濤ですが、彼は2002年、ちょうど10年前の中央党大会で総書記に就任しており、2期10年を務めた今年に退任することが確実視されております。今年の中央党大会は10月を予定しており、その時に現在の常務委員の習近平が総書記に就任することが確実視、というかもう決まっております。中国の次のトップというのは数年前の時点で計画的に決められており、習近平も大体2009年くらいには本命だろうとみられておりました。胡錦濤に至っては総書記に就任する10年前の1992年くらいに鄧小平から指名されていたと言われてますが。
そんな中央党大会の開催を目前にした現在、一部のチャイナウォッチャーの日本人の間では次の人事はどうなるかという下馬評争いが激しくなっております。自分はあまり興味がないので加わっておりませんが、派閥を争いが好きなタイプにはたまらない話題らしいです。あまり詳しくない私ですが伝え聞くところによると、最高幹部会である常務委員会入りが有望視されていた以前の重慶市書記こと薄熙来が日本でも大きく報じられたように失脚したことから、代わりに誰が入るのかなどでそこそこ盛り上がっているそうです。
そうした人事面での揉め事が影響しているわけではないでしょうがやはり5年に1回の大イベントということで、今現在の中国はちょっとピリピリした雰囲気になっています。身近なところだと最近メールが送り辛くなっていますし、また外国人に対して警官の職務質問が増加していると言い、日本大使館もパスポートを必ず携帯するようにと呼びかけております。
最後にまた日本との尖閣問題についてですが、先ほども言った通りに今年10月に中国のトップは胡錦濤、温家宝と共に入れ替わります。これが何を意味するかですが、一つの仮説として退任するトップが辞める直前に尖閣問題で何か行動を起こしてくる可能性もあります。どうせ退任するのだから揉めるだけ揉めて、関係修復は次のトップにお任せということを冗談じゃなく中国はやってこれる国です。もちろん可能性があるだけで、実際にはそういうことはないと思いますが。
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