今日はこの後引っ越しがあるのでささっとかける政治ネタを午前中に出しときます。それにしても政治ネタをささっとと言うのもなぁ。
2002年の文系春秋に「小泉首相の通信簿」という各論者の小泉元首相への評価をまとめた記事があって結構気に入っており、今回もまた野田首相に対して私の評価をまとめようと思います。まず10段階評価で言えば7か8、パーフェクトでないにしろ高く評価しております。具体的な評価ポイントとしては以下の点が挙がってきます。
1、消費税増税
2、TPP交渉の参加姿勢
3、尖閣諸島への中国人活動家上陸事件に対する落ち着いた対応
4、小沢一郎の民主党からの追放
5、野党対策
1と2に関してはこれまでも書いているので省略しますが、3についてはまさに完璧だったと大きく太鼓判を押してもいいくらいの見事な対応でした。繰り返しになりますが日中ともにこの問題でいがみ合っても得することはなく、しかも中国の経済成長が鈍化してやや微妙なこの時期に影響を与えるのは大きな損失につながりかねません。私が見る限り中国側もなるべく穏便に済ませるようなメッセージを出しており、それに野田首相はきちんと応えて立件せず活動家を送り返したことから2010年の通関停止みたいな事態を避けることに成功したのはほかの人が批判しても私は称賛します。ただ東京都の石原知事がなにやら上陸に意欲を示していますが、私としては前にオリンピック招致にも失敗しているし、石原知事は既に終わった政治家だと思います。もういい加減に静かにしていてほしい、というか政府の邪魔立てしないでほしいのが本音です。
同じ外交だと今ちょうど韓国とあれこれ揉めていますが、この点でも発言と方針が例の李明博大統領の「天皇謝罪発言」から一貫しており私個人としては好感が持てます。首脳の親書を送り返すという韓国政府の行動はちょっと如何なものに思え、まだしばらくは日本は強気に押し続けていいでしょう。ネット上で誰かが「高岡蒼甫は時代が早すぎた」と言っていましたが、ほんとにそんな気がします。これも前に書きましたが、韓流エンターテイメントはこれで完全に終わりでしょうが、やらせっぽさが強く感じるブームだと思っていただけに私もこれから少し良くなるのではないかという気がします。
4については解説するほどの物ではありませんが、一体改革法案で小沢一郎をはじめとしたグループを民主党から追放、といっても勝手に出て行ったのですが、私見ですが小沢がいなくなってからというものの野田首相は党内に妙な遠慮がなくなり、外交を始め積極的な発言をすることが増えてきているように思えます。また5の野党対策ですが、3党合意の破棄を迫ってきた自民党に対し妙な譲歩をしなかったのもなかなかと思え、解散をなかなか約束しないことから自民党などが今秋から委員会審議を拒否するようになりましたが、かつて民主党が審議拒否した際に強引に国会運営をしてきたのはほかならぬ自民党だったことを考えると、藤原拓海風に言うなら「譲る気分じゃねぇな」といった印象を受けます。
逆に野田首相に対する不満点というか私が評価していない点は、財政規律という立場から増税して歳入を増やすのはわかるにしても、支出を減らす努力がまだ全然足りないという点です。代表的なのは子ども手当で、個人に配るという膨大な管理コストを支払うくらいなら保育所の整備や関連事業の職員らへの給与に補助金を出すべきでしょう。更に言えばかつての小泉政権のように、スライド式に社会保障費を削っていかなければ絶対に財政は持ちません。もっともこんな政策出したら支持率落ちて何も実行できないうちに政権倒れるので、必要性がわかっててもやれないのは十分理解できるし、それが民主主義の弱点というのもわかるのですが。
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