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2012年10月22日月曜日

橋下市長への週刊朝日の報道について

 本当は先週あたりに書こうと考えていましたが、なんかやけに忙しいのとほかにも書かなきゃいけないネタ満載で今日までのびのびとなってました。タイトルを見てもらえばすぐにでも内容がわかってもらえますが、大阪市の橋下市長に対して週刊朝日がルーツをたどるとして家系に関する連載を始めようとしたところ当の本人から抗議、さらには取材拒否が行われ、週刊朝日は報道内容について謝罪することとなりました。今回のこの事件について私の所見を述べると、まずほかのメディアの記事が浅いなぁと個人的に思います。

 最初に橋下市長に関する報道について所感を述べますが、なんでこの人はこれほどまでにメディアに嫌われているのかがよく不思議に感じます。以前にも週刊文春が完全に差別的な内容で出自に関する報道を行い、その低俗さから私も同じ文芸春秋社が出している文芸春秋の購読をやめたくらいでしたが、いくら若い人間だからと言ってこれほどまでに叩く報道が出るのは何が原因なのかいろいろと考えてしまいます。同じ改革派首長でも、新党日本の田中康夫代表が長野知事になった頃もこれほどまではひどくなかった気がします。
 考えられる原因としては、メディアの既得権益を壊しかねない思想の持ち主、またはメディアにとって都合のいい政治家や財界の対抗馬となりかねない人間だと、メディアの側から思われているからだと思います。具体的にどの辺がと言われるとポイントは挙げ辛いのですが、割と政治景気者ってなんでもかんでも敵味方に分けて考える人が多いように思え、自分とちょっと思想が違うだけで敵視する記事を書く人が多いような印象を受けるのでこう思う限りです。

 話は戻って週刊朝日の件です。週刊文春の時もひどかったのに一体なんで週刊朝日もこんなバカみたいな連載を始めたんだと思っていたら、書いているのがあの佐野眞一氏だということがわかってようやく合点がいきました。佐野氏についてはかねがねこのブログでも取り上げておりますが、とにかく取材に関してはマムシの道三もびっくりなくらいにしつこく細かいことで有名です。一体なんでそんな取材姿勢なのかというと、あくまで佐野氏の著作を読む限りでは単純に物事の背景とか詳細を佐野氏自身が知りたいと思う欲求が強いからだと思います。なので橋下市長についてもその政治思想を読み解くとかそういうのより、弁護士からタレント、政治家という変わった経歴からその生まれる前まで全部たどってみたいと考えたんじゃないかと私は見ます。

 更に佐野氏に関して言うと、彼には一つの前科というか同じことを以前にもやっております。この点がほかのメディアが甘いなと思うのですが、佐野氏は以前に同じような感じで鳩山氏のルーツをたどると言って、鳩山家に関することを細かく調べ上げて「鳩山一族 その金脈と血脈」(文春新書)という本を出版しております。自分もこの本は読みましたし、出た直後に佐野氏の講演も聞きましたが、

「鳩山一郎の祖父の鳩山和夫は、一夫多妻制は古い時代の遺物で悪しき習慣だと常日頃言っていたが、そういう自分は常にたくさんの愛人を囲っていた。鳩山一郎も統帥権の干犯という言葉を初めて用いるなど、鳩山家というのは昔からそういう嫌な人間の一族だ」

 と話していたのをよく覚えていますし、まさにその通りだなぁと思っています。
 なので私の感覚だと、この鳩山家の時と同じようなことを橋下市長に対してやってみようと佐野氏は考えて連載を始めた、もしくは引き受けたんじゃないかと考えています。更に言えば佐野氏は結構タブーに敢えて踏み込むところがあり、「東電OL殺人事件」の本でも女性からしたらあまりいい気分がしないであろう表現を非常によく使っています。それが今回、橋下市長の逆鱗に触れたわけなのですが。

 最後にまとめると、これまで佐野氏が取材したどの相手よりも橋下市長が高い情報発信力を持っており、使い方にも長けていたというのが大まかな構図だと思います。まぁ内容自体ゲスな内容ですけど、佐野氏が書くんだったらちょっと自分も読みたかったなというのが本音です。佐藤優氏といい、最初に会社辞めた時にこの人の書生になろうかと思ったくらいだったから自分ものめりこんでるんだなぁ。

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