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2013年6月11日火曜日

中国における就職難

 久々の中国ニュースネタですが、今日は新華社を中心に有人宇宙舟「神舟10号」発射の話題がどこもトップニュースです。それは置いといて一つ気になったのは以下の記事です。

日本频换权首相商品走俏 菅直人T恤一周卖百件(法制晚報)

 書かれている内容はClubTが作る日本の首相Tシャツの話で、殊勝が頻繁に変わるもんだから種類も増え、売り上げも上々というような話です。これだけだったら「ふぅん、中国でも報じられるんだね」で終わるのですが、記事の中身をよくよく見てみると「日本の新首相、管直人の
Tシャツがバカ売れしている」と書かれています。今の日本の首相は安倍晋三なのですが記事の日付を見ると今日の日付である2013年6月11日がクレジットされており、これは如何なものかと少し調べてみたら下記の記事にぶち当たりました。

「Yes We Kan」!菅首相のTシャツが大人気(AFP)

 こちらはAFPによる2010年6月9日の記事です。恐らくですが中国語の記事はAFPの英語版記事を見て、今年の6月9日に出された記事だと勘違いした記者が中国語に翻訳したのだと思います。結果的に言えば、3年も前の古い記事を間違って翻訳してしまったというところでしょう。
 馬鹿にした風に書いていますがここだけの話、自分も全く同じ経験をしたことがあります。中国の大手企業の話だったと思いますが大規模投資のニュースがあって今日はこれを書こうと思って全文読み終えた後、やっとその記事が1年前のものだとわかって「無駄な時間を使ってしまった……」と思うことがいくらか。さすがに紙面に載せるまで誤解したことはなかったけど。

 また雑談が長くなりましたが本題に入ると、前にも一度取り上げていますが、このところ中国のニュースサイトを見ると「大卒の就活状況が悪化している」というニュースを非常に多く見かけます。一部記事を読んでみると「文系女子が最悪となっている」と書かれており、状況的には今の日本とほとんど相違がないような印象を覚えます。
 またこれは以前に自分も記事というかコラムで書いた話なのですが、中国も近年は給料は高いけどバリバリ働く外資系への就職はあまり望まず、実利が大きくのんびり働ける公務員への就職志望が高まっており、なんと卒業後も就職浪人を続けるという若者も少なくないそうです。この辺も日本と被る。

 大体2008年くらいから大学を卒業しても必ずしも納得のいく就職が出来ないなどと中国でも言われるようになっていたのですが、今年は民間企業が新卒採用を絞る傾向があり、また物価が上がっているとはいえ賃金はこれ以上増やせないという企業も多いことから学生の希望給与額と初任給額がマッチングしないとも言われております。
 これはあくまで私の推測ですが、給与額というか生活費の面で今非常に大きな問題となっているのはやはり家賃でしょう。中国では去年一年間、不動産税の導入をはじめとした政府の出した住宅販売抑制策によって住宅価格の高騰が一時抑えられたのですが、今年に入ってからはこれらの抑制策が継続されているにもかかわらず高い伸び率で高騰が続いています。そして住宅価格の高騰共に賃貸住宅の家賃も上昇し続けているとされ、都市部で就職する若者からすれば家賃代で初任給が全部すっ飛ぶような事態になりかねない状況だそうです。

 このような中国の状況を見ると、まだ日本の若者はマシなのかもなぁという気もします。少なくとも家賃に初任給の半分以上を取られることはほとんどないだろうし、ルームシェアする人もそう多くないでしょう。もっとも、仕事の充実度で言えば一応まだ市場が拡大している中国の方が感じられるかもしれませんが。

2 件のコメント:

  1. 今年の中国は確かに就職難を直面していますわ。
    中国経済の減速、大学進学の容易さ等は主要原因と考えられます。
    日本の大卒就職率は如何でしょうか?ご教示ください!

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    1.  日本も悪い状態なんだけど、統計情報が非常によくなくて実態があまり伝わっていない。今週末は少し時間があるから、調べてみて、行けるようなら記事にまとめてみるよ。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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