本日、大阪府堺市の市長選が実施され、現職の竹山修身氏が再選を果たしました。竹山氏は以前に橋下大阪市長が率いる維新の会に所属していたものの、橋下市長が掲げる大阪都構想では堺市の自治が崩れるとの考えから維新の会を脱退し、今回の市長選では維新の会公認、事実上の刺客候補である西林克敏氏を破っての再選となりました。
選挙前の段階ではあくまで個人的印象ながら、メディアの報道の仕方などを見る限りだと竹山氏がやはり有利ではないかとみておりましたが見事その通りとなりました。またかつては飛ぶ鳥を落とす勢いのあった維新の会ですが、最近は前回の参議院選といいめっきりと勢いを落とし、今回はお膝元ともいえる大阪での敗退と相成りました。橋下市長は今回の敗北で代表の座を降りるつもりはないとあらかじめ名言しており選挙結果が出た後にも改めて同じ内容の発言をしましたが、その影響力の低下は避けられないでしょう。
そもそも何故ここまで維新の会は勢力を落としてしまったのでしょうか。今回の坂井市長選挙に絞って意見を言わせてもらうと、大阪都構想に対してそもそも大阪府内で統一した見解が出来ていない、また都になることで具体的なメリットが見えないということが大きいのではないかと思います。確かに府から都に行政区分が変わることでメリットは全くないわけではありませんが、大きく今の制度を変えてまでやるべきかと言われると正直ピンとこないというのが大阪府民の正直な心情な気がします。また維新の会も具体的にどのように都に変わり、またそれによってどう変わるのかをうまく説明しきれていないようにも見えます。もっともこれは維新の会の内部でも大阪都構想に対して統一見解が完全に出来上がっていない表れなのかもしれませんが。
その上でもう一つ敗退要因を挙げると、絶対的多数の人にとって大阪都構想よりも別の政策の方に興味があったようにも見えます。具体的に言えば消費税増税や関西電力の原発に関する問題などで、私個人としてもこういったところを争点にしていろいろ意見を聞きたかったものです。
ちょっと早い予想かもしれませんが、維新の会はこのままずるずると勢力を落とし、下手をすれば次回の総選挙までには合併なりなんなりで消えてしまうかもしれません。今回の敗退による勢力低下はもとより、このところは大阪市改革も掲げた政策がなかなか実行に移せず、下手なものだと見送りされる事案も増えており、アピールポイントとなる政策が確実に減ってきています。
今思えば駄目になっていく最初のきっかけは橋下市長の突拍子もない従軍慰安婦に関する発言からだった気がします。今更ですが、もう少し辛抱というものがあればまだ状況は違ったかもしれません。
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