かなり以前にも紹介した「シドニアの騎士」という漫画の11巻を本日買ってきました。この漫画は今連載している中で私が最も評価している漫画なのですが、先日の引っ越しで荷物になるため1~10巻を古本屋に売却したため、新刊の11巻は電子書籍で購入しようかと思っていましたが結局実書籍で購入しました。理由はいくつかありますが一番大きいのは値段で、この点についてはまた別の機会にでも電子書籍業界についてまとめます。
で、今回買ってきた11巻なのですが、ちょっと気になるというかストーリー展開に妙なインパクトを覚えました。この漫画は巨大な宇宙船内にしか残存していない人類が宇宙で意思疎通が全く通じない謎の巨大怪獣と戦うというSFストーリーなのですが、今回の11巻では新たに新キャラが出てきます。
名前は市ヶ谷テルルというまた面白い語感のキャラクターなのですがこの人物は人間ではなく完全機械のアンドロイドで、戦火を嫌って主人公のいる宇宙船から出てある惑星へ移住しようと植民を試みる集団と共に行動します。この集団はこちらから交戦する意思を見せなければ宇宙怪獣に攻撃されないと主張して植民に打って出ましたが、やっぱりというかあっさり攻撃されて、ほかの仲間が全員死んだ中で唯一生き残り救助を待っていたという筋書きです。
ふとしたことをきっかけに主人公を含む宇宙船のメンバーはこの全滅したと思われていた植民団の中でこのアンドロイドが生存していたことを知るのですが、 宇宙怪獣がうようよいる危険地帯に取り残されているのと、人間ではなくアンドロイドということからほとんどのメンバーはかろうじて出されている救助要請を無視するべきだと主張します。
ネタバレをすると主人公の谷風長道(たにかぜながて)がロボット物の主人公らしく救助に向かい、宇宙怪獣の攻撃を受けながら辛くも救助に成功します。しかし救助後、このアンドロイドは人間ではないことから戸籍がなく、また船内に残っていた植民団の旧メンバーも彼女の救助劇がきっかけで交戦する意思がなくても宇宙怪獣が襲ってくることが証明されてしまったことから邪険に扱い、孤立することとなります。
ありがちと言えばありがちなストーリーなのですが、このアンドロイドが命からがら脱出したにもかかわらず船内で行き場がなく孤立するシーンが妙に印象に残りました。直接的に「帰るところがなくなった」というセリフも出てきましたが、その孤立ぶりと孤独感に強く共感するものがなんかあります。戦争など生き死にが関わる場面から帰ってくると、案外こういう風に思うような気がします。
この「シドニアの騎士」はアニメ化、多分OVA化の計画が挙がってきているそうですが、果たしてこっちはうまくいくのかわからないけど漫画の方は依然と面白いままです。
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