予告通りに今日はお題に掲げたJAネタについて書くことにします。実はこのネタ、2週間前に構想を練っていつでも書ける状態だったのですが、賞味期限が長いというか急いで書く必要がなかったため延び延びになっていました。ただ年内には書かないと意味がないので、腹をくくって今日書くことにします。
さてJAといったらみんなわかるかと思いますが正式名称は全国農業協同組合連合会といって、金融を含む農業関連の事業を統括する半官半民の組織です。そのJAについて私が何を言いたいのか結論から述べると、どうも安倍首相は本気でこのJAを潰す気なんじゃないかと思え、仮にそうだというのならぜひ推し進めてくれと私は支持します。
まずJAと安倍首相の目下の関係ですが、歴代首相と比べてかつてないほどに険悪です。その理由というのもお題に掲げたTPPで、お米を含む農産物の関税撤廃も認めかねないほどに安倍首相は交渉妥結に前向きな姿勢を示しています。無論、農産物の関税が撤廃されると日本の農業界というか農家は大きな影響を受けることが予想されており、JAは政府の交渉参加当初からTPP締結に反対する姿勢を示し、仮に締結するのであれば農産物の関税維持は死守するように声明を出しております。
しかしTPP交渉が進むにつれて米国をはじめとする他国は日本の農産物の関税撤廃を求め、また日本政府側も「仮に撤廃したらどうなるの?」というシミュレーションまで始め、JA側もこうした政府をけん制するためか8月ごろにはよくテレビCMを打ち出すなどして対応を取ってきています。そのテレビCMははっきりとTPPの名前こそ出さず、農業を守ることが自然を守ることになるというようなイメージCMに留まり意見CMではありませんでしたが、これまでそんなCMなんか出さなかったJAが出して来たことを考えるとTPP交渉が背景にあると私は睨んでいます。
するとこのままTPP交渉が進むにつれてJA側は主張を先鋭化していくのか、と思っていた矢先、先ほどのJAのテレビCMが9月に入ってから急に見なくなってきました。単純に広告費がなくなったせいなのかもしれませんが、あくまで私の推測としてもう一つお題に掲げたポイント、減反政策の廃止について政府が言及したことが最大の要因ではないかと思います。
減反政策そのものの説明については説明を省きますが、これがJAとどんな関係があるかと言うと、JAの農家に対する影響力の源泉とも言っていい政策なのです。というのも国から農家への補助金などはほぼすべてJAを通して支給されており、JAに加盟していない農家はこうした補助金が一切もらえないのです。そしてそれら農家への補助金の中でも際立って金額が大きいのがこの減反政策に使われる補助金で、仮に政策廃止となれば米の作付を放棄する農家だけでなくJAから離れる農家も出てくることが予想され、これまでの様にブイブイ言って農家を従わせることが出来なくなるのは明白です。それどころか元からJAに加盟しておらず、独立自営を保ってきた農家の発言力が高まることもあり、そういう独立自営の農家と仲が悪いJAとしては厳しい立場に追いやられる可能性があります。
私自身は農業方面に関する知識が非常に浅くそれほど詳しくないのですが、「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」という本の作者で農業技術通信社の専務もしている浅川芳裕氏は、「日本の農業が衰退したのは農水省とJAのせいだ」、などと主張しては読んでてこっちがドン引きするくらい激しく批判しており、先程の補助金政策のからくりを見るとなんだか私もそんな気がします。
またこの20年の間にJAが主導したことによって日本の農業が進展した例を見たことがなく、逆にJAと関係ない独立系の農家があれこれやったり、自分で海外に販路を開拓する努力などを見ると、この際だからJAはもっと痛い目を見たらという気にさせられます。ここだけの話、JAは金融業務などであまりいい噂を聞かないし、去年のお米の価格設定(JAが出荷価格を決めている)のミスから加盟農家からも批判が出ているそうだし。
私は政府が今のタイミング、TPP交渉が進められているこの時期に減反政策廃止について言及したのは確信犯だと見ています。いう事を聞かないのであれば一気に殺すと言わんばかりの方針で、JA側もこうした政府からのメッセージをしっかり受け取ったのか先月から今月にかけてTPPに反対する声明が鈍っているようにも見えます。仮にそうだとしたら、安倍首相とその周囲の人間の政治勘というものは大したものでしょう。
最後にJAと自民党の関係について少し触れますが、そもそもJAは自民党の支持組織で大きな票田の一つでした。ただ農業人口も現象し続け、また昔と比べ組織票が弱くなってきているから自民党もそれほど大事に思わなくなってきたから冷淡になってきたとも思えるのですが、それでも自民党内にはJAや農家の側に立つ議員も少なくなく、私の目から見て元防衛庁長官の中谷元議員その最たる例だと思います。彼だけは未だにTPP交渉反対を激しく主張しているし。
私はTPPには賛成する立場ではありますが、中谷議員は以前から高く評価しており、今回もやや孤立無援な状況ながらも地震の主張をちゃんと主張するのは立派なものだと思えます。ただこの人、さっきウィキペディアを見たら元自衛隊のレンジャー部隊員で、教官もやっていたほどの強者だったようです。折角だからプロレス好きで有名な民主党の野田前首相とスペシャルタッグマッチを組んで、八百長でもいいからリングで戦う姿を見てみたいな。
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