先日、とあるまとめサイトで見たある記事が妙に印象に残りました。その記事というのも自動販売機を回って飲料を補充する仕事の方が自分の仕事内容を語るもので、率直に言ってそのあまりのハードさにのけぞりました。どれだけハードなのかというと、その話し手によると一人で一日数百台の自動販売機を回って飲料を補充、代金の回収をしなければならず、ただでさえ重たい飲料を補充の際に持ち運ばなければならないことに加え、一人が抱える台数があまりにも多いためにほぼ一日中車を運転するか、補充するかをしなければならないそうです。
また冬場ならともかく夏場のこの作業は特にきついそうで、汗だくになりながら一台一台を回っている状況だとも書かれてありました。そのため話し手自身、この仕事は三十代になったら体力的に決して持たないと考えており、中高年はおろか体力に自信のない人間はやるべきではないとまとめられています。
現在、日本国内に限ると自動販売機は本当にどんなところにも設置してあると言って過言ではありません。都心部に至っては数メートルおきに置かれているような状況で、利用者にとっては確かに便利かもしれませんが、これらをメンテナンスする側に立ってみるとこの台数は空恐ろしく、果たしてこれほどまでに設置する必要はあるのかという疑問を先程の記事を見て湧いてきました。
そんな事を考えていた矢先、こんな事件があったことを知りました。
・キリンビバレッジ自販機配送、最低賃金で2人分働かせる「過労死を生み出す」給与制度(マイニュースジャパン)
あまりいいまとめ方をしている記事ではありませんが、これしかないので我慢します。
この事件は自動販売機関連のビジネスをやっているキリンビバレッジで、呆れるほど過酷な勤務を強いられた挙句に23歳で自殺した男性に対して過労死認定されたというものです。詳しくはリンク先を見てもらいたいのですが、どれだけ作業に時間がかかっても残業代は払わず、この男性は自殺する直前は毎日4時間程度しか睡眠をとっていなかったそうです。
私が見たのは確か今年の秋頃にこの事件の裁判で、改めて男性に過労死認定されたという内容の報道でしたが、なんかさっきからうまいことこの報道記事を見つけられないのでもしかしたら削除されているのかもしれません。もっとも、「キリンビバレッジ」と検索するとすぐ「ブラック」という候補が追加で表示されるので意味ないでしょうが。
話は戻りますが、このように自動販売機の側に立つ労働者の現況は過酷というよりほかがありません。こういってはなんですが、多少の不自由を許容して自動販売機の台数を減らした方が社会全体にとっていいのではないかと思います。そもそも自動販売機は外部に置かれた冷蔵庫(冬は保温庫)と言ってもよく、詳しく調べていませんが消費電力も多いような気がします。それであるならば設置台数を地区や面積ごとに制限をかけ、オークション形式で設置する業者を決めるような方式で規制をかけるべきではないでしょうか。
消費者の生活が便利になる裏ではほぼ確実にサービス提供者の側で負担が増します。社会全体の負担を考え、サービス提供者の負担が過度にならないよう、消費者は多少の不便を許容する必要が出てきたのではないかと思え、その嚆矢として今回自販機の問題を取り上げました。
余分の自動販売機を上海に輸出させたら如何でしょうか?ビジネスやわ。
返信削除まぁ中国で野外に自販機置いたら速攻で壊されるから、あんま輸出しても意味ないかも。非常用ボックスとしてはまだありかもしれないが。
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