今日から30日まで友人のクーロンズゲートと共に北京へ取材旅行に出かけるので、このブログの更新が出来なくなります。更新が出来ないと言っている傍からなんでこの記事が出ているのかというと、記者時代に培ったため記事放出の技術を使い、予約投稿をあらかじめセットしておいたからです。今この記事は12/24に書いておりますが、せっかくため記事を数日間連続で出すんだから何か一つのテーマで書いてみようと思い、真冬の歴史まつりと称して歴史ネタを連続で書いてくことにします。そこで一発目の今日は、私が大好きな航空母艦こと瑞鶴について触れていきます。
・瑞鶴(Wikipedia)
最近、「艦隊これくしょん」というゲームが流行って様々な二次大戦中における日本の感染が擬人化(美少女化)されており、この辺の分野に興味を持つ人も増えているかと思います。私自身はこの「艦これ」はやっていないのですが、この瑞鶴だけはどんな女の子に描かれているのかが気になって昨日(12/23)調べました。
それほどまでに私が強いこだわりを持つ瑞鶴とはどんな艦船なのかというと、通称が「ラッキーシップ」と呼ばれるほどに圧倒的な生還率を誇り、真珠湾攻撃から事実上の日本軍最後の艦隊戦であるレイテ沖海戦まで戦い抜いた唯一の航空母艦です。
瑞鶴は連合艦隊の一翼を担う空母として1941年9月、姉妹艦である翔鶴とともに就航します。「艦隊これくしょん」だと何故か翔鶴が姉で瑞鶴が妹設定にされていましたが、なんとなく私もわかる気がします。
話を真面目な方向に戻すと就航からわずか三ヶ月後には真珠湾攻撃に参加し、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴の五つの空母と共にこの攻撃を成功させます。真珠湾攻撃後も瑞鶴は太平洋各地を転戦し続けるのですが、注目すべきはミッドウェー海戦を始めとする大規模な戦いにほぼ確実に参加しつつも、なんと1944年3月のマリアナ沖海戦まで一発も被弾することなく戦い抜いていることです。
ほかの、というか普通の艦船は撃沈されるまでには至らないまでも、普通の戦闘で一発や二発の攻撃を受けることは珍しくありません。にもかかわらず瑞鶴は開戦から三年四カ月間もの間に一発も攻撃を受けることなく元気に、というかうざいくらいに戦い続けています。仮に勝ち戦だけに参加しているならまだしも、ミッドウェー海戦の様に他の空母が撃沈されるほどの敗戦でもノーダメージだったというのは有り得ないほどの強運ぶりです。その強運ぶりは戦時中にも認知されており、いつしか「ラッキーシップ」というあだ名がついたと言われています。
ちなみに初めての被弾はさっきから何度も書いているマリアナ沖海戦ですが、この被弾では艦橋を小破する程度にとどまっており、喰らってもやっぱり強運でした。一方、姉妹艦の翔鶴はこの戦いで撃沈されてます。バイバイお姉ちゃんって感じです。
しかしそんなラッキーシップにも最後の時がやってきます。その最後の時はマリアナ沖海戦の次に参加した1944年7月のレイテ沖海戦で、この戦いで瑞鶴は囮部隊として米軍を引き付ける役割を受けます。さすがに囮ともなればこれまでの強運ぶりも発揮できず米軍の攻撃が開始されるや散々に被弾し、囮の役割をしっかり果たした上で海へと沈没していきました。瑞鶴の撃沈によって真珠湾攻撃に参加した空母はなくなり、同時に日本海軍が運用できる正規空母も完全粉砕されることとなったわけで、仮に船が欧米の価値観の様に女性の性質を持つのであれば瑞鶴は空母姉妹の末妹だったような印象を覚えます(つД`)
私が瑞鶴を何故こよなく愛するのかというと、その数奇な戦歴に興味が引かれるとともに、小学生の頃に読んだ従軍体験者の小説で瑞鶴がメインの舞台として登場していたからです。生憎その本の名前は失念したのですが、作者は瑞鶴航空部隊のパイロットで、戦後はテレビ界に身を置いていた人だった気がします。この小説は淡々とした内容でしたが、パイロット隊員の訓練風景を濃密に描いた上で彼らが徐々に戦死する様を描いており、戦争小説でありながらゆっくりと悲しみが満ちてくる不思議な小説でした。
先日、NHKが「永遠の0」の映画公開に合わせたのかゼロ戦の特集番組を放映したのですが、その番組にゼロ戦搭乗者としてインタビューに答えた人物の中になんとこの瑞鶴所属の航空部隊にいた方が登場しました。もちろん話す内容はゼロ戦がメインで瑞鶴なんて一言も触れませんでしたが、私にとってはあの瑞鶴を知る人がまだ生き残られていたのかとこれまた不思議な感慨に打たれました。同時にたとえ沈んだとはいえ幸運の女神はまだこの方を見守っていたのかと思い、今年は際限なく運が悪かっただけに自分にもそういう幸運の女神が欲しいもんだなどと言うことが頭に浮かんだというわけです。
今度プラモ買って作ってみようかなぁ、瑞鶴。
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