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2014年3月19日水曜日

卒論に関する議論あれこれ

 先日にもこのブログに取り上げたSTAP細胞を巡る問題ですが、変に飛び火して早稲田の大学院に関してもあれこれ議論が起こっているようです。

小保方さん論文コピペ問題 「早稲田の理系はコピペで成り立っている」はてな匿名ダイアリーの記事が話題に(ガジェット通信)

 上記は昔私も一回だけお世話になったガジェット通信さんの記事ですが、この記事によると早稲田大学大学院出身の小保方氏がSTAP細胞を発表した論文だけでなく、大学院の博士論文でも大量にコピペしていた形跡があったことについて、ネット上で早稲田出身者と語る人間が「早稲田でコピペは日常茶飯事」と語っているとのことです。何故コピペをするのかというと早稲田の履行では実験などで忙しく論文を書く暇もないため、学生はおろか教授陣の間でもこうした行為が蔓延しているなどと、真偽はともかく書かれています。

 私はこの話を友人から聞き、どちらかというとその友人は学生の置かれている忙しい環境に問題があるせいでコピペもやむなしみたいな状況じゃないかという感じで話してくれましたが、その場ではあまり強く言わなかったものの、どんな理由があろうとコピペというか剽窃が許されるわけがないと私は思います。
 一言で決着付けようとするならば、仮に剽窃がまかり通るというのなら「引用」という手段が全くいらなくなります。引用なら引用と堂々と断ればいいのだし、他人の文章をさも自分が書いたように書くという行為は底意地が悪い上に非常に卑怯な行為だと私は思うゆえ、忙しいとかそういう事はまったく理由にならず小保方氏を初め剽窃をやった学生なり教授なりは相応の報いを受けるべきでしょう。第一、学問に携わる身でありながらそんな行為をして恥ずかしいと思わない時点で人間としてどうかと思いますが。

 と、のっけからかなりかっこいいことを書くなぁなんて我ながら思いますが、論文というか卒論においてちょっとした不正に自分も関わったことがあります。それはどんな不正か正直に述べると代筆で、四回生だった頃にゼミ同期生三人分の卒論を私が代筆しました
 一体なんで代筆したのかというと、当時から文章に関しては相対的な自信があったためこの機会に自分の腕を一つおおっぴらみせてやろうという妙なチャレンジ精神に溢れていたことと、所属したゼミの教授があまり指導に熱心でなく文章指導も疎かだったのに、いきなり卒論で2万字超を書かせるというのも学生にとってはやや酷だなと感じたためです。またゼミのTAがあまりしっかりサポートするような奴(元々は自分と同期の学生で今も友達)ではなかったため、ほかの同期生が卒論でまともなサポートを受けられないと見越していたこともあります。にしても、自分も卒論を書く立場だったのに随分と上から目線でさっきから物言ってるな。

 とまぁ上のような問題を抱えていたことと、みんなで笑って卒業したいねなんてとも思ってたので、「卒論で困ったら自分に相談するように」と同期生にはあらかじめ伝えておきました。何度も言いますが当時の自分も同期生たちと同じように卒論を書かなければ立場です。そんなわけで実際に相談してきた代筆してあげたゼミ同期生三人、三人とも女の子でしたが、そろそろ時効だと思うのでそれぞれの特徴を簡単にまとめます。

1、A子
 一番最初にかつかなり早い時期に相談してきたため、三人の中では最も作業がしやすかったと同時に代筆量も最も多く、結果的に卒論全体の二分の一超を私が書きました。卒論のテーマがはっきりしていたことと材料集めがしっかりしていたため一、二回聞き取りするだけで全体像が作れたのですが、最後の考察部分に関してA子はあまり具体的なイメージを持っていなかったため、この部分は全部自分が考えて書き上げました。ある意味肝な部分ですが我ながらいい考察をかけたと自負しており、この論文が所属ゼミ代表として冊子に載りました。

2、B子
 この子はA子に続いて相談してきましたが、まず卒論テーマが厄介でした。最初にやろうとしていたテーマというのが具体的には書きませんが聞いてて戦慄するほどどうしようもないテーマで、先ほどのTAの友人と二人っきりで、「あれで本気で書こうとしたらやばいよな」なんてゼミ授業の後に話したくらいです。もちろんそんなテーマで書きあげられるわけなく、最初に相談してきた際にはまだ書けられそうなテーマを構築するところからはじめました。
 このように出足こそ悪かったものの三人の中で唯一の外部生だったこともあってポテンシャルは高く、テーマを与えたら割としっかり準備してきて自分でも結構な文章量をこさえてきました。私は大体五分の二くらいを書きましたがこの子はちゃんと考察部分は自分で作ってきたので、補填するような感じで文章を膨らませただけで一応出せる論文に仕立て上げることが出来ました。

3、C子
 この流れを見ていればわかると思いますが、一番手を焼かされたのはこの子です。相談してくる時期がかなり遅く確か提出期限の二週間くらい前だったような気がします。ちなみに自分は期限の一ヶ月くらい前に書きあげてました。
 C子が相談しに来るのが遅かったのはギリギリまで自分で何とかやろうと努力する姿勢があったからですが、生憎その努力に実力が全く追いついていませんでした。B子も大概でしたがC子もテーマ設定からして結構ヤバく、まず最初に聞き取りをした時点でこれじゃ論文にならないからこういう方面からせめてこういう結論に持っていけそうな材料を集めようなどと全体像を組み上げるのに私もかなり頭使い、長い時間話し合って大体の方向性を組み上げたのを未だによく覚えてます。本当に何度も書きますが、当時の私は指導教授でもなければTAでもなく同じゼミの同期生です。
 テーマ設定を終えるとさすが自分の出身母校の学生なだけあって内部生でしたがポテンシャルだけはやけに高く、 執筆に必要な材料は比較的早くC子は集めてきました。しかしいかんせん、それら材料をまとめ上げる実力がありませんでした。なもんだから材料を集めてくるそばから聞き取りをしてどういう風な切り口で論文にするかを細かく指示した上、「こっからこの部分は君が書いて、その先の論の発展はきつそうだから俺が書く」などと、工事現場のリーダーみたいな感じで作業工程を細かく分担する計画も私が立ててました。
 最終的に私が執筆した量は全体の五分の二程度ですが、C子が書いた文章を出してくる度に何度もかなり修正していたので実際には過半数くらい書いてたかもしれません。A子と違って後半部分を私が独壇場で書くのではなく、C子の場合は出してくる文章を片っ端から書き直すようなもんだったし。
  なおこの作業は本当に提出期限ギリギリまで続けられ、確か提出日前日の時点で5000文字、原稿用紙にして10枚分くらい足りてなかったので二人で学内にある共同パソコンルームに入って一緒に作業しましたが、後半部に入って私も文章を練るのに頭を悩ませていたらそのすぐ横でC子は居眠りをしていて、さすがにこの時には温厚な私も「寝るなっ!(#゚Д゚)ゴルァ!!」って起こしつつ本気で怒りました。結局、パソコンルームが閉まり切るまでに作業を終えることが出来なかったので、その後はそれぞれの自宅に帰って、作業が進む度に互いにメールを交換し合って深夜一時くらいに確か完成したような。なおその時の卒論が書かれたテキストファイルは同名だと上書きする恐れがあったので、「卒論 WRX STI versionⅥ」とか「卒論 Evolution Ⅲ」、「卒論 Spirit R」などと、送信する度に毎回趣向を凝らして変えてました。

  以上のような具合で、自分の卒論に加えてほか三人の卒論も一緒に書き上げたというのが私の四回生時代の過ごし方です。念のため書いておきますがこの三人からは特に何もお礼はもらっておらず、むしろC子に至っては卒論を提出した後の週末、漫画喫茶に行ってから自宅に帰ろうとしたところ喫茶店でバイトしていたC子に見つかり、売り上げに貢献するためケーキセットを注文させられました。もちろんこれは半分冗談でこの時は自分からケーキセットを注文しましたが、今思うとあの場面はおごってもらってもよかったような……。

  なおこの三人以外のほかのゼミ同期生は全員自分で卒論を書いてきたのですが、ほかのゼミ同期生四人中三人は中国人留学生でした。本当は日本語の長文文章に苦しむであろう留学生をメインで支援するつもりだったのになんだかなぁ。
 この三人の中国人留学生のうち一人に関しては提出前に文章におかしなところがないか見てほしいと頼まれて最終チェックを自分がやりましたが、その時に自分が指摘したポイントは以下の一つだけでした。

「ねえさ、この部分に『シェンチェン(シェンチェン)』って二度もカタカナで書いてあるけど何か特別な意味あるの?」 (「シェンチェン」とは中国の主要都市「深圳」を中国語で読んだ発音)

 これを指摘したらその留学生はえらい爆笑して、私にありがとうと言いつつ、吹き出しつつ修正してました。

 最後の最後でまた蛇足ですが、こんな風に苦労して(主にC子のせいで)卒論を提出し終えた後、ある程度やることもなくなりひゅっと手が空いたことからそろそろかなと思い、この陽月秘話を12月に起ち上げました。

4 件のコメント:

  1. 花園さんたら、卒論王子だったのですね~~。
    すごい暗躍ぶりですね。
    アメリカの大学で、引用については厳しくしつけられました。高校くらいまでは、雑誌やテレビで見た面白い話をぱくって周りを笑わせたりしてたんだけど、アメリカから帰ってきてからは、くだらないことまで、TVで○○が言ってたとか、本で読んだんだけどとかつけちゃいます。自分で考え出したことでないのに自分が言うように言うのがしっくりこなくなったというか、、研究とかは国際的で信用問題に関わるから、ちゃんと引用元を示すように指導してくれないとだめですね。

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    1.  王子だなんて言われちゃうと照れますね(∀`*ゞ)テヘッ
       このブログでも特に気を付けていますが、私もすいかさん同様に自分の意見と他者の意見をはっきりと峻別できるように、「報道では~」とか「コメンテーターは~」と前置きするように心掛けています。特に政治ネタなどは自分の意見がどこにあって世間や専門家の意見とどう違うのか、どう共通しているかを明示する必要があるのと、他人の意見をさも自分の意見の様に言う事は、まるで自分は何も考えてないと言っているように思えるからです。この辺、我ながらアメリカナイズされた考え方だと思うと同時に、やっぱ島国より大陸寄りの思想をしていると自覚するところです。

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  2. 香港人Identityという論文を読まれたことがありますか?

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    1.  読んでやったやんけ。お互い、結構必死に書いてたよねあのころ。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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