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2014年9月25日木曜日

維新の会の人を見る目のなさ

 先週末の日本潜伏中に秘密裏にうちの親父と会った際、「うちの会社の人間が『やる気のある無能』の記事を見てみんな納得しとったで」、ということをを私に伝えてきました。私自身もこの記事の内容は佐藤優氏の著作からの引用ではあるもののそこそこ自信もあるし面白い内容であると思っていただけに素直にうれしく思え、やはりサラリーマンなら誰もが頷く内容なのだなと自信もつきました。あとどうでもいいことですが先程アマゾンのKindleで佐藤優氏の本を電子書籍で購入してダウンロードを行いましたが、タブレットPC(ネクサス7\(゜ロ゜)/)の通知欄にはダウンロード完了後、「佐藤優をダウンロードしました」と表示されてなんかちょっと……なんて思いました。作り話の様に自分でも見えるけど本当の話です。

 話は戻りますがこの「やる気のある無能」というのは真面目に日本社会に蔓延していて、その原因も日本の多くの会社は終身雇用制のため不要な人員に対する淘汰が働かないためであると断言できます。最近はほかのメディアでも似たような話題が取り上げられることも増えているし、親父の会社、並びに私の友人も「これはほんとよくわかる」という内容なだけに「やる気のある無能が会社をダメにする」なんてタイトルで新書でも出したら本気で売れるのではないかと思います。まぁ実際には他にも書く話題がこうも毎日あるから書かないけど。

 ただこのやる気のある無能が発生する要因として内部淘汰が去れないことともう一つ、やる気のある無能を見抜けないばかりか実力があると勘違いしてしまい他を差し置いて採用してしまう傾向も日本社会には見られます。元の記事にも書いていますが日本は経歴や実力以上にやる気というか見た目(+年齢)で判断しようとする人間が多く、こうした要素も問題の悪化に一役買っているでしょう。特にその傾向が激しい集団として、現代であれば橋下大阪市長率いる「維新の会」がまさにこの典型だと睨んでいます。

 維新の会について説明をする必要はないと思うので省略しますが、私の目から見て橋下市長は前回衆議院選挙にかけて勢力拡大を急いだあまりに組織全体で人員の質を大きく下げてしまったように思えます。しかも頭数揃えるのが目的なのだから多少下がる程度ならまだわかりますが、一般市民として見ても明らかに人格やマナーが破綻している都しか言いようのない問題のある人間も多く取り込んでしまっており、何故よりによってこんな奴をというような人選が多々見られます。

 こうした問題のある人物は公募されたポストに多くみられ、いくつか挙げると全く学校に出勤してこなかった公募校長や、職員にセクハラをしたり経歴詐称をしたりする公募区長など、ちょっとあまりにも不祥事起こす人間が多いので自分も段々と把握しきれなくなりました。下記のニュース記事に辞めさせられた公募区長はまとめてあるので助かります。

 さすがに橋下市長も自身の選考に問題があったと責任を認めていてその点についてはまだまともだと思えるし、また立派に職務をこなし続けている公募区長もいるということもわかります。ただそれにしたって「わざと変な奴を選んでいるのでは」と思うくらいに維新の会は妙なタレントを見つけてきてはポストを与えて案の定問題起こすことがあまりにも多過ぎます。もともと、こういう議員を始めとした政治関連ポストというのは自己顕示欲の塊みたいな人間が立候補したり応募して来たりするので「やる気のある無能」が大挙してやってくる傾向はありますが、それをどうふるい落とすかが組織の健全な運営、育成のためには非常に重要であるというのに、それが出来てないというのはこれこそが維新の会の最大のアキレス健であると私は見ています。

 もちろん維新の会の中にはまともで立派な人物も恐らく入るでしょう。しかしこうして問題を起こす人間をよりによって重要なポストにつけてしまう辺りに加え、稀にメディアに出てくる維新の会メンバーのやや拙いと私が感じさせられる発言や見識を見ていると政党としてはとても信用が出来ません。まぁ今一番発言おかしいと思うのは熊手カッターのあの人だけど。
 詳しく検証しないで批判するのもよくないとは思いつつ敢えて言わせてもらうと、今の維新の会はやる気のある無能たちの集団に成り下がっているのではと強く疑っています。今の自民党一強の政治状況は好ましいとは思えないものの、問題がありそうな維新の会が勢力を延ばすくらいだったら今のままの方がいいとすら私は考えています。

 だからといって私は維新の会に早く潰れてほしいとまでは考えておらず、むしろこうした私の懸念を払拭するような立派な功績を上げるなり、これはという人材を発掘して活用してもらいたいと考えているのも事実です。しかしはっきり言ってしまうと、橋下市長というか橋下代表には人を見る目が現時点で全くないし今後も改善される見通しはまるでありません。本人も早くこの事実をしっかりと受け止めて、人材の発掘やポスト管理をこなせる伯楽を早く見つけるなり紹介してもらうなりすることこそが今の維新の会の最大の課題ではないかと思う次第です。
 その上でもう一つだけ書くと、やる気や声の大きさにこだわらず、真に実力だけを見てポストにつけることが何より大事です。三国志の三顧の礼じゃありませんが、「やる気のない有能」を拾ってくる努力こそが人事に置いて重要ではないでしょうか。

4 件のコメント:

  1. 馬謖「呼ばれた気がしたが、気のせいだったようだな」

    はてさて劉備と諸葛亮ならばどちらが有能か?
    と考えた際に私なら「組織のトップなら劉備、ナンバー2としてなら諸葛亮」と答えるでしょう。

    思うに組織のトップに求められる才能というのは所謂「有能な人」のそれではなくて
    ・人を見る能力
    ・上手く人員を配置する能力
    ・信賞必罰を実行する能力
    あたりになってきて、むしろコレができれば後は責任とれるかどうかってことぐらいではないかと考えます。

    橋下市長は劉備を上に据えて自身は諸葛亮となる道を選ぶ…という選択肢はありますかねぇ?
    勿論個人の自由ですけど。

    韓信の「私は兵に将たる器、陛下は将に将たる器」はなんとも鋭い名言であると感服いたします。

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    1.  ここで劉備と諸葛亮を出されるとは見事なものです。人を見る目がある人間と能力のある人間の違いにおける好例と言ってもいいですし。
       自分も若生様と同じように、組織のトップに求められるのは人事管理に尽きると思います。あとあればいいのは将来のビジョンを構成員に見せられる能力くらいなもんです。
       自分は橋下市長は決して無能ではないと思うしビジョンをみせる力(作る力はやや微妙だが)は確かに持っているのだから、人事管理はほかの人に任せるべきだと考えてます。もっとも今の日本に伯楽と呼べる人間はいるのか、いろんな企業の人事の人間を見てきましたが少なくとも「これは!?」と思う人は全くおらず、いない人材を見つけろと橋下市長に言うのは酷かもなと内心思っています。
       もっともプロ野球チームに関しては、カープの外国人スカウトは確実に戦力となる助っ人を引き連れているだけに間違いなく伯楽でしょう。カープの真に恐るべき人材は選手以上にこのスカウトかもしれません。

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    2. いやぁ三顧の礼と書いてあったもんですから…そうでなくとも三国志オタクならこの手の例えで最初に浮かぶのはこれでしょうね(他が特にないという教養のなさ)。
      カープは投手も野手も当たりばかりで羨ましい、とはいえ西武もなかなかの成功率なので贅沢は言えませんね。

      さて
      >>ビジョンをみせる力
      この一文が気になったのでしつこくも追撃のコメントをと。

      私は大学で「項羽が皇帝推戴されず、劉邦がされた理由」というテーマで卒論を書きました。
      何故これかと言えば両者とも作り上げた体制自体は似ていると感じたからです。
      「秦楚戦争及び楚漢戦争に於ける軍功に応じて分封」

      「楚或いは漢を中心に据えた、国家分立状態」
      ここに関しては同じ。だが項羽は四年で身を滅ぼし、劉邦は諸侯王から皇帝に推戴され、漢王朝は長く繁栄いたしました。

      私はこの理由を「ビジョンを見せる能力の有無」としたのです。ビジョンという言葉がまんま一緒だったので驚きました。

      つまり項羽は戦争の結果として自分で功績を判断して分封した、だから不満を持つ諸侯王が多くいた。
      これに対して劉邦は「ココ攻め取ったらお前の領地な」と事前に約束をし、各将を納得させた上で分封した、なので諸侯王に不満が無かった。
      だからこそ諸侯王は自分達の権利主張の根源である劉邦を更なる巨大な公権力と化す為に皇帝推戴が行われた。
      項羽が皇帝に推戴されなかったのは、ひとえに各将に戦争後のビジョンを見せた上での勝利でなかったからである(もっともこのときは楚の懐王こと義帝が天下の号令者であった為項羽にその資格はなかったワケですが)。

      という按配です。
      指導教授からは「単に項羽が皇帝になる気がなかっただけじゃないの?」とは言われましたが…。
      ただ項羽の決定に皆が満足していれば最終的に皇帝に推戴された可能性はあるのではないかと思うのです。

      ビジョンを見せる、という行為は部下に奮起を促し、しかもそれが達成された後に(ズレが無ければ)大いに賞賛も受け、地位も磐石となる。
      確かにトップとして長く居座るには必要な能力だと思います。

      恐らくビジョンを作出するの自体はナンバー2以下でも良いとは思います。責任をトップがとってくれさえするなら。実際劉邦が提示したビジョンは張良あたりの入れ知恵でしょうからね。酈食其のせいで一瞬やらかしそうになりましたが。

      「トップはビジョンを見せる能力が必要」という花園様の言葉を見て、ついつい思い出しました。


      もし興味がありましたら、この説について一言いただければと思います。

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    3.  項羽と劉邦の差については韓信が元帥に就任する際に語った言葉が最も適切かと思います。記憶を辿って書いてくと、項羽は部下の意見を採用しないのに対して劉邦は採用する、項羽は功績を独り占めするのに対して劉邦はきちんと分配する、項羽は近親者を重用するが劉邦は有能な人間を採用するなど、おおよそ項羽は君主としてやっていけるはずのない人物だったというのが私の見方です。それでも英雄となれたのは、ずば抜けた軍事的才能があったでしかなく、逆にそれ以外の才能にあふれた劉邦に敗けたのが漢楚の戦いだと思います。
       実際、二人の争いは非常に面白いですが日本じゃあまり一般的でないだけに、もうちょっと触れられてもいいはずですよね。自分も昔列伝を書きましたが、韓信なんか世界レベルで見ても過去最高の指揮官の様に思えてくるし。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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